ITを戦略活用するための『KPI』定義の重要性 | インタープレイ コンサルティング 株式会社  Blog

ITを戦略活用するための『KPI』定義の重要性


システム企画の作業とは、『システム化の目的を定義し、その目的を
実現するシステム像を描きだすこと』です。システム企画作業の役割
は、この『目的』『システム像』を描き出すことで、投資意思決定者に
以下の判断材料を提供し、投資是非の意思決定を促すことが役割と
なります。


 システム化の目的    ・・・ 投資効果の把握
 システム像        ・・・ 実現性の検証材料
                ・・・ 投資額の算定材料


ITを戦略的に活用する場合、システム化の目的は「経営戦略の実効
性を高めること」になります。企画した情報システムが、どの戦略の
何に効き、どれだけの効果を上げるのかを整理することが必要です。

従来の業務効率化などを目的とした情報システム企画の場合に、
現業部門のヒヤリングと検討を通じて整理していた業務改善効果と
同じことを、経営者を対象に経営戦略について行うことになります。


先日の『経営戦略と情報システムをつなぐ線』に沿った検討は、この
システム化の目的とシステム像を描き出すための検討にほかなりま
せん。この線の中で、システム化の目的の整理を行うのが、以下の
青字の部分に該当します。青字の部分は、バランススコアカードの
フォーマットを使用して整理を行います。




 財務の視点の経営課題
     KPI項目         KPIの改善目標
       ↓
 顧客の視点の経営課題
     KPI項目         KPIの改善目標
       ↓
 内部プロセスの視点の経営課題
     KPI項目         KPIの改善目標
       ↓             ↓
 重点施策のKPI項目      重点施策のKPI改善目標
       ↓             ↓
 情報システム機能要件    情報システムの機能スペック




(注)
上記は簡略化して書いているのですが、情報システムの機能要件や
スペックが、内部プロセスの視点からしか導き出されないといっている
わけはありません。顧客の視点や成長と学習の視点から導き出される
こともあります。



情報システムの戦略的活用を意図した場合にポイントとなるのは、
経営課題に対するKPIの定義です。


KPIとは、key performance indicatorの略で、この戦略課題が達成され

たかどうかを判断するための基準(評価指標)のことです。XX事業の

拡大という経営課題に対するKPIとしては、売上高や営業利益額など

が該当します。


また、より厳密に言葉を定義する場合、以下のように使い分けることも

あります。

KGI:重要目標達成指標 (結果の評価指標)

KPI:業績評価指標    (結果を出すためのプロセスの評価指標)

上記でいっている経営課題が実現されたかどうかの指標という意味

では、KGIという方がより厳密な表現になります。


もし、KPIを整理しない場合、経営課題の文言から経営課題の実現に
寄与するであろうシステム要件をイメージすることになります。
例えば、在庫の削減が経営課題として上がっていた場合に、それを
実現するために需要予測システムやリアルタイム在庫管理システム
などが導き出されるようなイメージです。


システム企画の場面を想定した場合に、需要予測のシステムと在庫
管理システムの構築を企画し、それは、経営課題である「在庫削減」
を実現するためですという説明では、あまりにお粗末です。
そのシステムを導入することで、どれぐらい在庫が減るのか、在庫が
減ることによる資金効率や保管費用等の削減効果はどのぐらいなの
か。システム化への投資額と比較して、資金効率や費用削減などの
効果は見合っているのか?などの経営者の疑問に答えれなければ
なりません。


このような疑問に答えるためには、システム企画の作業の中で、
どれだけの在庫削減が経営戦略の意図する目的からすると求めら
れているのか、その戦略課題を実現することで得られる業績上の効
果はどれぐらいを想定しているのか、などを整理しておく必要があり
ます。情報システム計画の立て方・活かし方では、このような戦略実
現による効果を、KPIとして整理しています。


上図での内部プロセスの視点に定義された経営課題に対するKPIは
その経営課題の達成目標値です。しかし、除法システム開発等の取

り組みの結果、その目標値が達成されるのだと仮定すると、KPIは、

その取り組みの効果と読み替えることができます。


またさらに、その経営課題の実現による業績面での効果は、その経営

課題から矢印をたぐり、その課題がひもづく財務の視点の経営課題の

KPIとして定義されることになります。



企画したITの投資効果を経営戦略の話の中で説明できなければ、戦
略投資としての意思決定を得ることはできません。


その説明を説得力をもって行うためには、経営戦略→経営課題→KPI

→情報システム要件へと論理的に落とし込むこと、つまり、矢印がつな

がっていることが重要です。投資対効果の説明は、この矢印を逆に

辿ることで、情報システムにより経営課題、戦略が達成されることを

説明します。(矢印がつながっていないと、逆に辿れなくなります)


戦略的にITを活用するための投資意思決定を円滑に行うための

ポイントは、『徹底的な論理展開』と『KPI』です。


~経営戦略の実効性を高める~ 情報システム計画の立て方・活かし方

の該当部分 第3章 P75~P95






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