ITの戦略的投資効果を表現するBSCの表記方法
情報システムを戦略に活用するためには、戦略を整理し、戦略から
それを実現するための情報システムを導き出すことが必要となるこ
と、KPIの定義が重要となることを説明しました。本日は、この戦略と
KPIをバランススコアカード(BSC)上でどのように表記するのかに
ついて記載します。
BSCでは、戦略を4つの視点に整理した経営(戦略)課題の組み
合わせで表現します。BSCの書籍を読まれた方はご存知だと思い
ますが、各視点毎に四角い箱がかかれ、その中にコメントで経営課
題が記載されています。そしてその箱が矢印で結ばれ、経営課題
間の関係が表現されています。
矢印で表される経営課題間の関係とは、財務の視点の経営課題を
実現するためには、顧客の視点に記載された顧客ニーズに応える
ことが必要で、そのニーズに応えるためには、内部プロセスの視点に
記載されたプロセスを構築することが必要といった感じです。
この『視点』『経営課題』『矢印』を用いて、戦略としての狙いと実現の
ための課題を表すことで戦略をビジュアルに表現しています。
しかしここにはKPIは表現されていません。BSC関連の書籍では、
表形式のBSCを別途作成し、その中でKPIを記載されていることが
多いようです。しかし、表形式のBSCでは経営課題間の関係性が
わかりづらく、そのため、各経営課題のKPI間の関係性もわかり
づらくなっています。
昨日の記載のように、情報システムの戦略的活用にBSCを用いる
目的は、戦略を整理し、そこから戦略実現に必要となる情報システ
ム要件の抽出に使用するだけではなく、投資効果の説明に用います。
その投資対効果の説明には、経営課題間の矢印で表現されるつな
がり(KPI間のつながり)が、わかりやすく表現されることが非常に重
要です。このため、経営課題の関係性をあらわすBSC図とKPIの整
理を行う表形式BSCの2つに分けるのではなく、BSC図一つで、経
営戦略とKPIを同時に表現するほうが、わかりやすさの点からいって
適しています。
拙書『情報システム計画の立て方・活かし方』では、BSC図に記載
する経営課題の各箱の中に、①経営課題、②経営課題の補足説明、
③KPIの項目名、④KPIの現在値、⑤KPIの目標値、⑥実現期日
の6つを表現する形式で記載しています。
(情報システム計画の立て方・活かし方 P77)
この6点を記載することで、経営課題の内容が具体化され、何が課題
であるのかが非常に明確になります。また、BSC図で表現するため
経営課題間の関連が矢印で表され、KPI間の関連も明示されるように
なります。
繰り返しになりますが、このKPI間の関連が明示されることが、ITの
戦略的効果を説明するためには非常に重要です。
逆に難点をいうと、BSC図が非常に大きくなってしまいがちです。
私はエクセルを使用してBSCを描くことが多いのですが、A4サイズで
は入りきらず、ほとんどの場合、A3横のサイズで記載することに
なってしまいます。印刷して見る分にはA4でも、A3でも変わりはあり
ませんが、PC上で作成中は、A3だとほんのわずかな部分しか画面
に表示されないので、スクロールを繰り返し全体像を確認しながら
作成するのが面倒ですね。
の該当部分 第3章 P75~P95
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