『事業戦略(計画)の実現に貢献するIT』 4 どこまで精緻に検討するのか?
先日のエントリーにて、事業部門、IT部門は、共通の検討フレーム
ワークとして、何を検討し結果として何を明らかにするのかについて
記載しました。
その結論としては、
「戦略―課題―取組みの内容と成果について、論理的な関係が
成り立つように、落とし込みを行う」ということだと述べました。
先日のエントリーの例では、以下のようなことを記載しています。
>> 原材料の見直し、作業の自動化など製造工程、製造方法の見直し、
>> アウトソースの活用など、それぞれの取組みによりもたらされる
>> コスト削減効果の合計が、課題である製造コスト削減の効果に
>> 該当する。
これは、以下のような関係が成り立つように、課題を実現するための
取組み内容とその効果を、論理的に検討するということを言っています。
【課題の達成水準】
製造コストの削減 10
【各取組みの効果】
原材料の見直し効果 3
製造工程、製造方法の見直し効果 5
アウトソースの活用 2
-----------------------------------------
合計 10
では、この論理性は、どこまで精緻に行うべきなのでしょうか?
上記例では簡略化して記載していますが、実際の課題の実現には
もっと様々な要素が絡み合っており、複雑なものです。それを上記の
用に、効果の足し算が成り立つぐらい、明確に整理しきれるかというと
無理があります。
また、取組み効果の合計が10であっても、実際に実現される
経営課題の効果は8に留まることがあります。逆に言えば、取組みの
側面では10の効果があがるようなレベルで取り組まなければ、
結果としての課題の効果として8が実現できないということが
多々発生します。また、その逆もありえます。
これらは、取組みとして明確にでき、その実現効果を明確にできる
部分と、それができない部分があり、その相互作業にて、最終の
課題の成果が影響を受けるということからきています。
例えば、上記の例をプロジェクト的に実現しても、その改革を
維持、継続させる力が現場なければ、元に戻ってしまう可能性が
あります。現場の従業員の事業戦略の理解度やその実現への
モチベーション、改革実行能力、仕入先との交渉能力等様々な
ものにより、経営課題の成果も、強化されもすれば、後退する
こともありえます。このような事(インタンジブルズ)の強化策に
ついても、取組みに加えるわけですが、それらとコスト削減の
間の明確な因果関係の定義は難しく、効果の足し算が
=(イコール)の関係に、表現しきれないということが起こります。
上記のようなことから、検討を行う際に、足し算できちんと
=(イコール)の関係が成り立つように、精緻に落とし込みを
行おうとすることには無理があります。
大切なのは、最終の期待する成果を得るためには、ただ実現策を
行えばよいということではなく、その実現策も期待される効果を
あげる必要があるということを認識することです。
そして、その取組みの効果の積み重ねで、経営課題の達成水準が
実現可能か、見極めるといことが大切です。
その視点がないと、事業戦略(計画)が達成できるのか分からない
取組みが列挙される、効果があるかどうかわからない取組みを
現場に強いる、あるいはITを開発するということになってしまいます。
結論としては、
・検討に当たっては、「戦略―課題―取組みの内容と成果について、
論理的な関係が成り立つように、落とし込みを行う」が、完璧な
精緻さ求めるものではない。
(必ずしも、足し算が=(イコール)にならないことを理解する)
・上記の論理性は、検討に当たってのスタンスとして重視する。
「特に骨子となる戦略―課題―取組みについて、この足し算を
=(イコール)に近づけるということを意識し、枝葉の誤差で
=(イコール)ならないのは良しとする」というような気持ちで
検討にあたる。
この「戦略―課題―取組みの足し算を =(イコール)に近づける」と
いう検討方法が、事業戦略の実現に貢献するITを実現するための
ポイントです。
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GartnerColumn: 「IT予算をどう決めるか」
今回で3回目だと思いますが、ITmediaに掲載されている
GartnerColumn: 「IT予算をどう決めるか」 の記事について
思うところを記載したいと思います。
記事では、I投資額の大小でIT投資の妥当性を評価しようと
しているのを目にする。その背景にあるのは、IT投資の意義と
その投資額の妥当性を、IT投資の稟議を上げる立場の人が、
きちんと経営者に説明できていないと指摘しています。
そして、IT投資の意義、投資額の妥当性を説明するためには、
>> 「貴社の主要なビジネスプロセスに対応したIT費用を算出し
>> てください」と。「このプロセスを稼働させるためにこのIT費用が
>> 掛かっています」と経営トップに説明してください。可能ならば
>> IT費用だけではなく、他の費用も説明してOKをもらえれば
>> 妥当な費用です。NGならば、何故NGなのかをほかの費用も
>> 含めて具体的にブレークダウンすることが重要です。
と、結論を記載されています。
私が、情報システム計画の立案などのコンサルティングを
行っている中で、
起案者側から
「経営者向けのIT投資の企画書の作成を支援してほしい」という
依頼をいただく場合があります。
逆に、意思決定者側である経営者から、
「社内でIT投資の検討を行っており、企画書があがってきている。
しかし、その起案内容を確認しても、投資の必要性は
理解できなくはないが、本当にその内容でよいのか、投資額として
妥当なのかについては、釈然とせず、判断に苦慮している。」
との、お話があり、IT投資の企画作業の支援をご用命いただくことが
多いものです。
そのような場合に、社内で検討作成されたIT投資の企画書などを
見せていただくのですが、多くの場合、IT投資の目的、得られる効果
(定量的効果と定性的効果)、具体的なIT投資の内容、実施スケ
ジュール、推進体制、投資額、投資の回収見込みなどが記載されて
います。記載すべき項目がきちんとあげられており、記載項目的には
適切であることが多いです。
ただ、私が見て問題だと思うのは、上記の記載項目の内容が、
IT投資に関することだけに絞り込まれていることです。
多くの経営者は、経営、ビジネス、業務上の課題を解決するのに
ITはその手段の一つであり、ITだけで問題が解決するとは思って
いません。
・現場はそのITを使いこなせるのか
・仕事の仕方は変わらないのか、大きく変えることになるのか
・組織構成や組織間の役割分担は、現状のままがベストか、
IT化に伴いかえる必要があるのか
・仕事の仕方を変える、組織を変えることによるリスクはないのか
・問題が発生した場合のリカバリ策は取られているのか
など、IT投資を行うことで、一緒に考えるべき様々な課題(疑問)が
頭に浮かびます。多くのIT投資の企画書では、上記のような
経営者の疑問には応えられていません。
その付随する課題(疑問)の解決策が、IT投資の内容とセットで
適切に説明されなければ、手段のごく一部であるIT投資だけでは
「期待される効果を得ることは難しいのではないか」という疑問が
経営者の頭に残ります。その状態で意思決定を求めても、
すっきりとした気持ちで投資判断を下すということにはなりません。
まれにIT投資以外の取組みについても検討が加えら、IT投資と
並行して業務改善などベット行うべき項目の説明がなされている
場合もみうけられます。ただ、問題は、その項目の列挙にとどまって
いることです。
項目を見れば、それで課題が解決できそうか、不足はないかなどの
イメージを描くことができます。そのことで、IT投資の意義や狙いが
より明確になりますし、投資の是非についても判断しやすくなります。
ただ、それぞれの項目はバラバラではなく、課題の解決にそれぞれ
役割を果たすはずです。各項目が課題解決のために、どのような
役割(効果)を出すのか、それら効果の組み合わせで、課題の解決に
なりうるのかが、説明できなければなりません。それが明確に説明され
その内容が経営者から見ても妥当なものであれば、経営者から見て
その投資の意味や実現可能性について「見えた」状態になります。
私が多くの経営者に接していて感じるのは、上がってくるIT投資の
稟議案について、多くの場合、その必要性については理解されて
いることが多いものです。「必要性はわかるが、起案されている実現
方法で、本当に課題が解決するのだな」という実現可能性について、
多くの場合、説明が不十分で説明になっていないと感じられて
いるように思います。IT投資の予算額を決めるに当たっては、
「これで実現可能だ」という見極めができるような企画になって
いるかどうかが、非常に重要なポイントです。
拙書「経営戦略の実効性を高める~情報システム計画の立て方・
活かし方」は、経営課題を解決するためのIT、IT以外の取組みを
総合的にプランニングするための方法を説明した書籍です。
この書籍で説明している内容の中で、上記の内容を一枚の紙に
まとめたものが、P64,P65の図2-3-8 投資対効果鳥瞰図です。
投資対効果鳥瞰図は、経営課題を実現するために取り組むべき
内容とその各取組が実現すべき効果の関係を論理的に、一枚の
紙に表したものです。経営者から見て、この記載内容が実現されれば
確かに課題の解決は可能だと判断されれば、IT投資の是非、意義に
ついて、経営者の疑問、不安の多くは解消されます。
残るは、推進体制の妥当性で、「このメンバーで大丈夫か?」「外部の
支援を得るべきか?」などに経営者の関心は移ることが多いです。
書籍では、多少ぼかした表現にしていますが(より分かりやすく
するために、書き方を個別に工夫するため、毎回表現形式は
多少異なりますが・・・)、この投資対効果鳥瞰図は、上記の経営者の
疑問に答える最良の資料です。
作るのは結構大変なのでが、経営者へIT投資の必要性を
いかにして訴求させるかということが課題になっている場合は、
試してみる価値がある方法です。
【宣伝】
弊社インタープレイコンサルティングでは、弊社代表の柴崎が
記載した書籍「経営戦略の実効性を高める~情報システム計画の
立て方・活かし方」に記載している内容について、取り組まれる際の
支援作業やご担当者への研修などを実施しております。
以下の弊社WEBサイトをご参照ください。
よろしくお願いいたします。
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『事業戦略(計画)の実現に貢献するIT』 3 何を検討し、結果として何を明らかにするのか
昨日の役割分担についての検討のエントリーにて、次のような結論を
記載しました。
・事業戦略(計画)の実現のためにどうすべきかの検討の主体は、
事業部門が行う。
・IT部門は、その実現にITがどのような形で貢献できるかという観点で
検討を行う。
・IT部門は、その検討の際には、事業部門からのIT化要望をインプットに
するのではなく、事業戦略(計画)をインプットして検討を行う。
・事業部門の検討と同様の検討をIT部門でも行い、その結果を両者が
すり合わせ、事業戦略(計画)の実現策をまとめる。
・上記を行うために、事業部門とIT部門で共通の検討フレームワークを
用いる。
さて、本日のテーマは、事業部門、IT部門は、共通の検討フレーム
ワークとして、「何を検討し、結果として何を明らかにするのか」について
記載しようと思います。
結論から言うと、次の2点を明らかにすることが必要です。
(事業戦略(計画)が検討されているという前提の下で・・・)
①事業戦略(計画)実現のための課題(経営課題)とその達成水準を
明らかにする。
②経営課題を実現するために必要な取組みの内容と、その取組みが
実現すべき成果を明らかにする。
事業戦略と上記①、②の関係は、次のような関係にあります。
事業戦略― ①―1 ― ②―1
| ― ②―2
| ― ②―3
|
― ①―2 ― ②―4
― ②―5
― ②―6
事業戦略は、複数の経営課題からなっており、また同様に経営課題の
実現には、複数の取組みが必要になることを表しています。
例えば、商品の低価格化で競合商品との差別化を行う戦略をとる場合、
原価の低減が課題となります。原材料の購入価格、製造コストの削減、
販売費の削減、他間接コストの削減など、事業活動における様々な
コストの削減が課題となります。
また、製造コストの削減を実現するためには、原材料の見直し、
作業の自動化など製造工程、製造方法の見直し、アウトソースの
活用の是非など、多様な実現方法が想定されます。
また、戦略、課題、取組みは、成果という点でみると、互いに関連性を
持っています。上記の例でいうと、原材料の見直し、作業の自動化など
製造工程、製造方法の見直し、アウトソースの活用など、それぞれの
取組みによりもたらされるコスト削減効果の合計が、課題である
製造コスト削減の効果(①の文章における達成水準)となります。
この戦略―課題―取組みの内容と成果について、論理的な関係が
成り立つように、落とし込みを行うということが、「何を検討し、結果と
して何を明らかにするのか」の答えになります。
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『事業戦略(計画)の実現に貢献するIT』 2 検討の役割分担
先日のエントリーで、『事業戦略(計画)の実現に貢献するIT』の
検討ステップについて、説明をしました。では、次にこの『事業
戦略(計画)の実現に貢献するIT』の検討を誰が行うのでしょうか。
① 経営者?
② 事業責任者?
③ 事業部門の管理職?
④ 事業部門の各業務担当者?
⑤ 経営企画部門?
⑥ IT部門?
⑦ CIO
基本的には、②や③の方が主体となって事業戦略(計画)の実現策を
検討し、その過程でITへの期待事項を整理、その内容をIT部門へ相談し、
構築すべきIT像をIT部門と事業部門で描き出すというのが、もっとも
一般的でしょう。先日示した作業ステップ毎の役割分担イメージは、
次の通りです。
Step0 事業戦略(計画)の立案 事業部門検討
↓
Step1 事業戦略(計画)の整理 ―
↓
Step2 事業戦略(計画)実現策の検討 事業部門検討
↓
Step3 情報システム要件の立案(概要) 事業部門検討
↓
Step3 情報システム要件の立案(詳細) IT部門検討
↓
Step4 情報システム構成の立案 IT部門検討
↓
Step5 全体推進計画の立案(ITの取組み) IT部門検討
↓
Step5 全体推進計画の立案(すべての取組み) 事業部門検討
この場合のIT部門のスタンスは、いたって受動的です。如何にして
事業戦略(計画)を実現するかは事業部門で検討されており、その結果
事業部門にて「こんなITが必要」という要望が明らかになった場合に
呼ばれるようなイメージです。その呼ばれた後に、事業部門から
出されたリクエストを具体化する作業をIT部門が行います。
一方、もっとIT部門が『事業戦略(計画)の実現に貢献する』という
課題に主体的に取り組む場合はどうでしょう。
事業部門は事業部門で上記の検討を進めているが、それとは別に
IT部門でも事業戦略(計画)の内容を把握し、その実現策を検討し、
その結果を事業部門へ提案するようなイメージになります。
それを上記と同じく役割分担(流れ)を整理すると、次のようになります。
Step0 事業戦略(計画)の立案 事業部門検討
↓
Step1 事業戦略(計画)の整理 IT部門検討
↓
Step2 事業戦略(計画)実現策の検討 IT部門検討
↓
Step3 情報システム要件の立案(概要/リクエスト) IT部門検討
↓
Step3 情報システム要件の立案(詳細) IT部門検討
↓
Step4 情報システム構成の立案 IT部門検討
↓
Step5 全体推進計画の立案(ITの取組み) IT部門検討
↓
StepX IT部門の検討結果を事業部門へ提案、すり合わせ
↓
Step5 全体推進計画の立案(すべての取組み) 事業部門+ IT部門検討
上記について、どちらが優れているとか、どちらが正しいという
ことはありません。事業部門の当件についての取組み状況、
事業部門とIT部門の関係や、人員のスキルなどの状況によって、
どちらの実現方法を取る方が、よい結果を生むかという観点で
決めるべきことです。
事業部門が、事業戦略(計画)の実現に向けて積極的に取組みを
実施しており、またその計画立案、遂行能力が高い、特にITリテ
ラシーも高いような場合は、前者の実施方法を取るべきだと思います。
逆に、事業部門のITリテラシーが低く、戦略(計画)実現策の一つと
してITを積極的に活用するような考え方ができないような場合は、
後者の実施方法を取ることを検討すべきでしょう。
ただ、どちらの場合を取るにせよ、重要なのは、IT部門が完全に
受動的になってしまってはいけないということです。前者の方法を
とる場合であっても、IT部門は、事業部門が提示した情報システム
へのリクエストのみをインプットにすべきではありません。なぜ、
そのようなリクエストが出されたのか、その目的と照らし合わせて
リクエストの内容が妥当なのかどうかに関心を払うべきです。
そのためには、事業部門で行った事業戦略(計画)の内容、および
その実現策の検討内容について確認を行い、その実現に本当に
リクエストされているようなITが必要なのか、有効なのか、要件と
して適切なのかを検証することが必要です。そのためには、
Step1~Step3についても、IT部門で作業、検討、検証ができる
だけの能力、スキルを身につけることが大切になります。
ただし、この場合も、事業部門案、IT部門案のどちらが正しいと
いうことではありません。事業部門側の案は、非IT系の実現方法に
主眼が置かれていることが多く、一方IT部門の案は、ITという手段を
使った解決策の提示に主眼が置かれている場合が多い。その両者を
合わせて議論を重ね、最終的に事業戦略(計画)の実現にもっとも
適切な実現方法を見つけ出すという努力を、事業部門とIT部門が
協力して行う必要がある。その検討の土台に乗るために、IT部門は、
前述したStep1~Step3の検討を自ら行えるという能力、スキルが
必要となります。
まとめとしては、
・事業戦略(計画)の実現のためにどうすべきかの検討の主体は、
事業部門が行う。
・IT部門は、その実現にITがどのような形で貢献できるかという観点で
検討を行う。
・IT部門は、その検討の際には、事業部門からのIT化要望をインプットに
するのではなく、事業戦略(計画)をインプットして検討を行う。
・事業部門の検討と同様の検討をIT部門でも行い、その結果を両者が
すり合わせ、事業戦略(計画)の実現策をまとめる。
・上記を行うために、事業部門とIT部門で共通の検討フレームワークを
用いる。
【補足】
拙書「経営戦略の実効性を高める~情報システム計画の立て方・
活かし方」は、タイトルが情報システム計画となっているので、
IT部門向けのように感じられるかもしれません。
しかし、その記載内容は、事業部門、IT部門双方が、事業戦略(計画)の
実現のために行うべきことを記載しており、対象となる読者は、その
両部門にまたがります。
事業部門の方に対しては、従来から行っている事業戦略(計画)の
実現策の検討の中で、より効果的なITの活用を実現するための
考え方を読み取っていただきたい。
また、IT部門の方へ対しては、ITの範疇を超えて、事業戦略(計画)の
実現に貢献するために、事業戦略(計画)そのものの把握方法と
その実現策について、非IT系の取組みにまで視野を広げ、その上で
ITをどう活用すべきかという観点と、その具体的な検討方法を
読み取っていただきたい。
というのが、私の思いです。
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『事業戦略(計画)の実現に貢献するIT』 1 検討ステップ
先日のエントリーで、このブログのテーマである「経営に貢献するIT」
「ITの戦略的活用」の対象を、『事業戦略(計画)の実現に貢献するIT』に
範囲を絞って検討することとしました。
これから、その実現方法について、具体的に話を進めていこうと
思います。
まず、『事業戦略(計画)の実現に貢献するIT』を実現するためには、
その実現に最も適した方法を取ることが必要です。
『事業戦略(計画)の実現に貢献するIT』の実現に際しては、拙書
「経営戦略の実効性を高める~情報システム計画の立て方・活かし方」
では、次のような手順で進めると記載しています。
Step1 経営計画マップの作成
Step2 重点施策の整理
Step3 情報システム要件の立案
Step4 情報システム構成の立案
Step5 全体推進計画の立案
Step1とStep2について、言葉を変えて記載すると
以下のようになります。(こちらの方が、流れがつかみ易いでしょうか)
Step1 事業戦略(計画)の整理
Step2 事業戦略(計画)実現策の検討
Step3 情報システム要件の立案
Step4 情報システム構成の立案
Step5 全体推進計画の立案
上記の進め方は、事業戦略からその実現策、推進計画までを
トップダウン的に落し込むという方法を取っています。
これは、目的が『事業戦略(計画)の実現に貢献する』ことにあるため、
まず、目的である事業戦略(計画)の狙いを明らかにすることから
初めています。そして、目的からスタートし、実現方法を検討する
ことで、目的からぶれずに実現策を落とし込むことを意図しています。
このようなトップダウン的な進め方は、従来のIT開発から見ると
違和感を感じる、あるいは難しく感じられるかもしれません。
業務改善や作業効率向上のためのIT開発の場合、業務要件の
整理から検討をスタートしていました。業務要件を整理し、新業務の
あり方、その実現のためのIT要件を定義。そして、その要件に
基づいて、システムの設計、業務設計。システム構築と作業を
トップダウン的(ウォータフォール的)に作業を進めていました。
しかし、IT構築を進めるための稟議決裁の過程で、業務効率や
コスト削減だけでなく、事業(経営)への貢献などの有無について
説明を求めるられる場合があります。そのような場合には、
業務要件から導き出したITに対して、後付で事業や経営上の
意味をひねり出して、説明を行うというようなことがよく行われ
ていました。(そんなことはありませんか?)
この場合、目的である業務要件から実現策であるITまでは
トップダウン的に落とし込まれているのですが、事業や経営への
貢献については、切り離されており、最後にとって付けたような
形になっています。ここに、現場から見ると効果を感じられるが、
経営者から見ると、その投資効果を実感できないITが構築されて
しまう原因の一端があります。
目的を現場の業務改善に置くのであれば、現場の業務要件から
検討をスタートするということでよいかもしれません。しかし、目的を
明確に『事業戦略(計画)の実現に貢献する』ということにする場合、
検討のスタートを業務要件ではなく、事業戦略(計画)にまで
引き上げ、そこから構築するITまで、トップダウン的に落し込む
検討ステップを取ることが必要になります。
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「ITの戦略的活用」に関する記事の一覧は、以下を参照ください。
『ITの戦略的活用についての検討の軌跡 (掲載記事一覧) 』
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