『事業戦略(計画)の実現に貢献するIT』 9 バランススコアカード その3
先日のエントリーで、入手した戦略情報の漏れのチェックを
バランススコアカード(BSC)を使って行う方法について記載しました。
そもそも何を論じてきたかというと、「事業戦略の実現に貢献する
IT」を実現するためには、事業戦略から必要となるITを落し込む
ことが必要であり、それを実現するためには、どのような内容を
もった事業戦略情報を入手する必要があるかということについて
でした。(時間がたっているので、そもそも何の話だったのかが
ぼけてきますね)
事業戦略と実現手段であるITの間には以下のような関係があり、
「戦略―課題―取組みの内容と成果について、論理的な関係が
成り立つように、落とし込みを行う」ことが、事業戦略の実現に貢献する
ITを実現するために大切だと指摘しました。
戦略 経営課題 実現手段
事業戦略― ①―1 ― ②―1
| ― ②―2
| ― ②―3
|
― ①―2 ― ②―4
― ②―5
― ②―6
その内容について、入手した戦略情報に経営課題の漏れがないかを
確認するすべを昨日のエントリーで記載しました。もう一つ、確認が
必要なのは、経営課題の成果(達成水準)の論理性についてです。
入手した戦略をBSCで表現することで、各経営課題間の関係性や
漏れの有無が確認できます。その確認は、経営課題間に引かれる
矢印によってチェックできることを指摘しました。この矢印であらわ
される関係を用いて、成果の関係性についてもチェックを行うことが
必要です。
例えば、財務の視点で「売上高の拡大 20億円→30億円」と課題を
定義したとします。その課題にひもづく顧客の視点の課題で、「納品
リードタイムの短縮」となっていたとします。この場合、どれぐらいリード
タイムが短縮されれば上記売上拡大が可能になるのか不明です。
このKPIがはっきりしなければ、どのように業務プロセスを変革する
必要があるのか明確になりません。一日短縮するのと10日短縮する
のでは、その実現にむけての内部プロセスの視点の課題は異なる
はずです。この場合、顧客の視点「リードタイムの短縮」のKPI定義が
漏れており、追加で定義する必要があります。
また、仮に「納品リードタイムの短縮 10日→3日」ということが
戦略情報の中で重要課題としてあげられていた場合は、この短縮期間で
財務の視点で挙げられている売上高の拡大が可能か、十分検討する
必要があります。この定義が間違っていると、その後改善活動を
行い、3日間に短縮をしても売上高が拡大されない可能性があります。
このように、戦略情報をBSCに書き写すことで、戦略実現のポイントと
なる経営課題の内容としての関係、成果としての関係を可視化し、
チェックできるようになります。
ただし、このチェックは戦略の有効性や妥当性をチェックしている
わけではありませんし、戦略が論理的な関係をもって定義されて
いなければならないということを言っているわけでもありません。
チェックの目的は、戦略の実現策であるITなどの手段を企画する
ことにあり、そのために必要な情報が揃っているかどうかを確認
しているに過ぎません。
上記の確認の結果、項目の漏れがあったり、論理的矛盾があったと
しても、その戦略の有効性について問題があるということには
なりませんし、その戦略立案者が悪いわけでもありません。
実際に作業を行ってみればわかりますが、ほとんどの場合、漏
れや論理的な矛盾が存在します。経営者は、その戦略の有効
性や、その実施の是非、戦略実現に向かうことにより捨て去る
べきものの妥当性、実施のリスク等について真剣に考えています。
その判断を行うにあって必要なことは、落とし込まれていますが、
その実現に向けての取組みに必要なことまで、検討しているとは
限りません。
企画立案担当者は、そのことを理解し、事業戦略情報を整理、
確認し、その過不足を含めて、以後の取組みにつなげるために
必要な情報を戦略立案者と調整しつつ埋めていくという作業を
自らの作業として推進する必要があります。
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『事業戦略(計画)の実現に貢献するIT』 8 バランススコアカード その2
先日バランススコアカード(BSC)について、要点のみ
説明を行いました。今日は、業績管理ツールであるBSCが、
なぜ、戦略立案内容の漏れのチェックに使えるのかについて
書こうと思います。
BSCの特徴は、昨日のエントリーで記載したように、業務成果
の管理だけにあるのではありません。その成果を生むために
必要となる事業の強み(顧客への訴求)の構築、各種事業(業務)
体制や組織文化の整備をも含めて、実現へ向けての管理を
行うことを意図しているところにあります。
そして、BSCでは、目標とする成果が上がっているであろう
状態( 事業の強み、各種事業(業務)体制、組織文化)を
描き出します。そしてBSCでは、その姿と現状と比較、評価
することで、管理を行います。
このBSCに描き出された『目標とする成果が上がっているで
あろう状態』というのは、戦略として描き出された事業のある
べき姿(目指す姿)と同じです。このことから、BSCは、
戦略の検討結果を整理して、事業のあるべき姿として表現
しやすい書式を持っているといえます。
【補足】
「BSC=戦略」といっているわけではありません。対象期間の
取り方により、記載内容が戦略レベルになったり、日々の業務
改善レベルになったり、変化します。
戦略として議論される中長期を対象にして、実現を図るべき
課題をBSCに記載した場合、その内容は戦略の検討結果に
近づくということです。
入手した戦略情報を元に、BSCを書いてみようとして書けない
場合、戦略情報が、全体像やイメージを説明することが中心に
なっている可能性があります。全体像やイメージを伝えることは
非常に大切ですが、その実現策の企画にまで落し込む場合の
インプットしては、それだけでは不十分です。
この場合、全体像やイメージを、それらを実現するために、
現状から何を変える、新たに作り出す必要があるのか、具体的な
課題(経営課題)に落とし込むことが必要です。
ただ、多くの場合、全体像やイメージのみということは無く、
断片的にせよ、その実現に向けての課題の提示がなされて
いる場合がほとんどです。この場合は、その内容を元に
BSCを記載してみて、内容に漏れが無いか確認することが
課題になります。
BSCを記載することで漏れをどのようにして確認するのかと
いうと、BSCに経営課題を書き加え、その経営課題間の
関連性を矢印で線で結ぶだけです。
例えば、拙書「経営戦略の実効性を高める~情報システム
計画の立て方・活かし方」のP54,P56にBSCで記載した
戦略マップの例を挙げています。各視点の段に経営課題が
列挙されており、その経営課題が各視点をまたぐように
矢印で結ばれています。この矢印をで結ばれた経営課題の
関係性が妥当であり、過不足がなければOKですが、
矢印が繋がらない、論理的に矛盾がある、記載されている
経営課題だけではより上位の経営課題が実現できないという
ことであれば、漏れがある可能性があると考えられます。
このようなことがいえるのは、BSCの各視点の階層間に
論理的な関係が成り立っているからです。
財務の視点と顧客の視点の関係
財務的な成果を得るためには、顧客が自社の商品/サー
ビスを購入していただく必要がある。そのためには、
顧客の期待を理解し、その期待に応える必要がある。
顧客の視点と内部プロセスの視点の関係
顧客の期待に応えるためには、それを実現する業務
体制が必要となる。短納期が期待である場合、短納期
というのが具体的に何日(何時間)なのかを明らかに
した上で、それを実現する社内体制を整備しなければ
顧客の期待に応えられない。
顧客の期待に応える業務体制を築くことで、財務的
成果が実現できる(経営者の読みどおりであれば、という
条件付きですが・・・)という関係にあります。
内部プロセスと成長と学習の視点の関係
優れた業務方法、プロセス、設備などがあれば、必ず
顧客の期待に応えられるかというと、そうとは限りません。
優れた情報システムが整備されても、それを使えなければ
効果を引き出すことはできません。それを使いこなし、
期待する成果を引き出すためには、それを使う人材の
スキル向上や、スキル向上へのモチベー ションを高める
ような仕組みなどが必要です。
このような内部プロセスを機能させ、顧客の期待に応える
ようにするためには、人のスキルやモチベーションといった
ような前提となる環境整備が必要です。
このように、財務の視点 - 顧客の視点 - 内部プロセスの
視点 ― 学習と成長の視点 には、論理的な関係性があります。
このため、各視点の経営課題は、互いに上記のような関連性を
持っており、その関連を矢印で表現することが可能です。
その矢印の状況を見て、経営課題の漏れのチェックを行います。
【漏れのチェックポイント】
この矢印が繋がらない場合は、その課題そのものの有用性を
見直す必要があります。
繋がるけど話が遠いなあという場合には、その間に重要な課題が
漏れている可能性があります。
財務の視点から繋がりをおっていった場合に、尻切れトンボに
なる場合は、実現策としての経営課題の洗い出しが、不十分な
可能性があります。
最後に、注意事項として
多くの物事は、すべて繋がっているといえば、繋がっているものです。
上記のような検討をしていると、考えすぎて、あれもこれも線をつないで
しまい、何が何か分からなくなってしまっている人も見かけます。
各経営課題を実現するために必要なことというのは、重要なものから
そうでないものまで、様々なものが考えられます。その中から
重要性が高いものを見極めることが必要です。
つづく
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『事業戦略(計画)の実現に貢献するIT』 7 バランススコアカード その1
IT要件のインプット情報として入手した事業戦略の内容が
IT要件にまで落とし込める内容を含んでいるか、漏れが無いかを
確認するために、バランススコアカードが使えると、昨日記載しました。
では、どのような理由でバランススコアカードが、漏れの有無の
確認に使用できるのかを見る前に、本日は、バランススコアカードの
説明を行いたいと思います。
バランススコアカード、略してBSCは、ハーバードのロバート・S・
キャプラン教授とコンサルタントのデビッド・P・ノートン氏が開発した
業績管理のためのフレームワークです。(そう、BSCは、戦略立案の
ためのツールではありません)
業績管理というのは、ビジネス上の実現すべき目標の進捗/達成
度合いを管理し、その実現を促す取組みのことです。
これを実現するためには、・・・・
・管理する対象である「ビジネス上の実現すべき目標」を明確に
しなければなりません。(何を測るのか?)
・「ビジネス上の実現すべき目標」が進捗しているのか、達成
できているかを図るための『ものさし』を定義しなければ
なりません。 (何で測るのか?)
・業績管理では、管理者と被管理者が存在し、その双方が
上記2点について認識を共有しなければなりません。
(認識のずれを生まないように、明確で分かりやすい表現で
ドキュメント化されなければなりません)
BSCとは、まさに上記のような特徴を持ったツールです。
上記は、予算管理を含め一般的な業績管理ツールが持つべき
特徴ですが、BSCでは、それにプラスして次のような特徴を
持っています。
・P/L(損益計算書)項目や販売・生産数量等の事業活動の
結果数値は重要な管理項目であるが、それは管理対象の
ごく一部である。
・上記結果数値を目標に近づけるためには、それを実現する
ための前提条件がある。その前提条件が、上記結果数値の
目標を達成するように整備(改善)されているかどうかを含めて
管理することが、結果数値を目標に近づけるためには大切になる。
BSCでは、この前提条件の整備(改善)状況の管理を可能にする
仕組みを持っている。
・BSCでは、この前提条件として、自社事業に対する顧客の
支持、顧客の支持を得るための業務体制、業務体制を
有効に機能させる社内体質などを「ビジネス上の実現すべき
目標」を達成するために管理すべき対象として選び出しています。
補足
BSCでは、上記のような管理対象を、以下の4つのカテゴリーに
分類しています。(下記、右側の言葉がBSC上の用語です)
結果数値 ・・・ 財務の視点
自社事業に対する顧客の支持 ・・・ 顧客の視点
顧客の支持を得るための業務体制 ・・・ 内部プロセスの視点
業務体制を有効に機能させる社内体質等 ・・・ 学習と成長の視点
結果だけに着目するのではなく、その結果を生み出す前提条件の整備を
含めて管理(マネジメント)する仕組みをフレームワークとして提示している
ところが、BSCの大きな特徴です。
BSCは、記載のためのフォーマットが提示されています。
そのフォーマットは、以下のような4行からなるシンプルなものです。
-------------------------------------------------
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-------------------------------------------------
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| |
-------------------------------------------------
| |
| |
-------------------------------------------------
| |
| |
-------------------------------------------------
各行に記載すべき内容は決まっていて、最上段が、「財務の視点」の
記載領域、2段目が「顧客の視点」、3段目が「内部プロセスの視点」、
最下段が「学習と成長の視点」の記載領域です。そしてそれぞれの段に、
各視点に該当する業績管理上の達成目標を記載します。
つづく
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『事業戦略(計画)の実現に貢献するIT』 6 事業戦略情報の入手
事業戦略の実現に貢献するITを実現するためには、従来的な
業務要件からIT要件を洗い出すのではなく、事業戦略(計画)から
IT要件(機能要件とパフォーマンス要件)を洗い出すことが必要だと
述べました。今日からしばらくは、IT要件のインプットになる事業
戦略(計画)について書こうと思います。
拙書「経営戦略の実効性を高める~情報システム計画の立て方・
活かし方」では、第3章の部分に該当します。
まず、今日は・・・・
最終的にIT要件に落し込むために、そのインプットととなる事業
戦略というのは、具体的にはどのようなものなのでしょうか?
IT要件に落し込みの目的は、「事業戦略の実現に貢献するITを
実現する」ということで話をしているわけですから、「事業戦略の
実現」にあります。事業戦略として何を実現するのかが明確で
なければ、ITをはじめ実現策の検討を行うことはできません。
「何を実現するのか」という点について、その内容を明確にする
ためには、次の3つのことを明らかにする必要があります。
実現する内容 ・・・ 経営課題
達成水準 ・・・ KGI(KPI)
達成期日
達成水準というのは、実現する内容(経営課題)が、どの水準に
なれば達成されたといえるのか、その基準値です。
例えば、事業拡大のために「人員の拡充」が経営課題になるかも
しれません。事業戦略の実現のためには、ただ、闇雲に人を
増やせばよいのでありません。戦略実現に必要となる人材像
(スキル)を明確にし、各スキル毎に必要な人数を確保することが
必要です。
達成期日は、戦略全体の達成期日ではなく、各経営課題の
達成期日です。各経営課題間には依存関係があることが多く、
A経営課題の実現は、B経営課題の実現が前提になるという
場合があります。この場合、A経営課題とB経営課題の達成
期日は当然異なるわけなので、課題毎に達成記事を把握する
ことが必要です。
ほとんどの場合そうだと思いますが、戦略を記載した定型的な
フォーマットはありません。事業方針説明会などで経営者が
今後の戦略について話をする機会があったりしますが、口頭での
説明が中心になっています。資料的には、その説明を補完する
ために、説明内容に応じたプレゼン資料が毎回作成されている
のではないかと思います。
そのような経営者の口頭での説明、プレゼン資料から上記の
「実現する内容(経営課題)」「達成水準(KPI)」「各経営課題の
達成期日」を読み取ります。
実際にこれらの元情報から上記の情報の抽出を行ってみると、
多くの場合、歯抜けになっていることに気がつきます。これは、
戦略の検討が不十分で歯抜けが発生していることもありますし、
戦略のポイントを特徴的に説明するために、ポイントを絞った
ために歯抜けが発生してたりと、原因は様々です。
このため、入手した戦略情報を整理し、歯抜けを見つけ出し、
その歯抜け部分を埋めるという作業が、ほぼ必ず必要になります。
「達成水準(KPI)」や「各経営課題の達成期日」は、経営課題に
付随する情報であるため、列挙されている経営課題に対して
KPIや期日が割り振られているかどうかで、歯抜けを探し出す
ことが可能です。一方、経営課題の歯抜けについては、探し
出すのはそれほど簡単ではなく、検討を要します。
子供向けのパズルのように、型があり、そこにピースを埋め
ていくのであれば、順番に埋めていくことで、歯抜けになって
いるピースを見つけ出すことができます。しかし、戦略整理に
おいては、型に該当するものが明確にされているわけではなく
ピースのみが与えられます。そのピース(経営課題)の組み
合わせで、戦略の目標が達成可能かを検討し、不足があれば
それを見つけ出すことが必要になります。
この戦略の歯抜けを探す作業を効率的に上手くやるためには、
戦略立案やその遂行の経験が必要です。しかし、多くの場合
そのような領域で豊富な経験をつんでいる人材は、企業の
中では少数です。IT部門では皆無に近いかもしれません。
戦略立案や遂行にまったく経験がない場合は、ちょっと苦しい
ですが、それなりに経験がある人であれば、その歯抜け探しを
支援してくれるツールを使うことで、ある程度経験の少なさを
補うことが可能です。そのツールが、バランススコアカードです。
バランススコアカードは、非常に論理的なツールです。その論理
展開に、入手した戦略情報を当てはめることで、論理が繋がらない
部分、矛盾する部分が見えてきます。その作業を通じて、戦略の
歯抜けを見つけ出すことが可能です。
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『事業戦略(計画)の実現に貢献するIT』 5 KGI/KPI
先日からのエントリーで、
「戦略―課題―取組みの内容と成果について、論理的な関係が
成り立つように、落とし込みを行う」ことの重要性と実施精度に
ついて記載しました。本日のエントリーでは、今後の話の展開の
準備として言葉を整理します。
本日整理するのは、「戦略―課題―取組みの内容と成果」と
KGI/KPIについてです。
先日のエントリーで以下のような記載をしていますが、右側に
書き並べられている数字は、課題/取組みの成果をあらわして
います。単位を書いていませんが、コスト削減額を表しています。
【課題の達成水準】
製造コストの削減 10
【各取組みの効果】
原材料の見直し効果 3
製造工程、製造方法の見直し効果 5
アウトソースの活用 2
-----------------------------------------
合計 10
一方で、KGI、KPIという言葉を聞かれたことがあると思います。
それぞれ略語なのですが、略さず書くと以下の通りです。
KGI : Key Goal Indicator
KPI : Key Performance Indicator
KGIが最終ゴールの指標、KPIがそのゴール達成のための
中間指標のようなイメージです。
上記の例でいうと、製造コストの削減(10)というのが最終目標で
あり、これがKGIに該当します。そして、製造コストを10削減する
ためには、原材料の見直し(3)、製造工程/製造方法の見直し(5)、
アウトソースの活用(2)が必要であり、この各取組みの効果目標が
KPIに該当します。
さらに、製造工程/製造方法の見直し(5)を実現するためには、より
詳細な取組みが必要となりますが、その場合、製造工程/製造方法の
見直し(5)がKGI、詳細な取組みの効果目標がKPIと言うことも可能です。
これは誰から見た場合かにより、言葉の定義が変わります。
事業部門の責任者から見ると、事業戦略の達成を図る指標がKGIで
あり、その実現のための取組みの実現状況を図る指標は、すべて
KPIです。取組みが階層化されていても、そのすべての階層の
指標がKPIです。
一方現場の管理職の場合、上位組織の課題を実現するための
取組みが、下部組織に落とし込まれていることが多いでしょう。
この場合、上記組織でKPIと定義されたものが、下部組織の
KGIになります。
上記のようなKGI/KPIの関係はありますが、話をややこしくしても
意味が無いので、簡略化して、すべてをKPIといってしまっても
よいのではないかと思います。
事業戦略(計画)の実現には、事業全体がかかわりを持ちます。
自組織(私)にとってのKGIが、別の人(他組織)にとってのKPIで
ある場合もあり、KGIかKPIで話を混乱させる場合もあります。
その指標が最終指標か中間指標か、その区別を付けることが
大切ではありません。先日からのエントリーにあるように、指標間に
論理的な関係性を持たせながら、内容と指標(目標値=成果)を
落とし込むことが大切です。
成果の目標設定、達成を図るための指標を、すべてKPIと言っても
特に不都合はありませんでした。(変な混乱がないだけ、よいです)
このため、拙書「経営戦略の実効性を高める~情報システム計画の
立て方・活かし方」では、このような指標すべてをKPIという言葉で
表しています。
今後、拙書の記載内容をベースに話を進めるため、言葉を拙書で
用いているものに合わせようと思います。このため、上記「成果」を
図るための指標については、KPIという言葉で表現することにします。
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