次世代の暗号とは!?
こんにちは。
数学学芸員のようじです。
我々の情報は素数によって守られています。
大きな素数で作られた暗号をRSA暗号と言います。
まだ人類がパパっと素因数分解する方法を知らないので、様々な情報をRSA暗号で守ることが出来るのです。
しかし今、RSA暗号よりもすごい暗号が開発されつつあります。
その名も
「量子暗号」
( ゚∀゚)ノ
この量子暗号、何がすごいかと言うと絶対に解読できないのです。
「絶対に解読できない」とは、「やろうと思えば、数億年かけて計算は出来るけれど・・・」という意味ではなく、なんでも一瞬で計算できてしまうマシーンがあったとしても解読できないという意味です。(ドラえもんの世界やスタートレックの世界の最新コンピューターでも無理!!!)
なぜならば、量子暗号は量子の世界の2つ性質を備えているからです。
・状態が不確実で正確な状態を観測できない。
・観測すると状態が変わってしまう。
(かなりざっくりとした説明です。)
すなわち、量子暗号は盗聴すると情報が変わってしまうので、受信者に盗聴されたことがばれてしまうのです。しかも内容も変わってしまうので解読できません。
この夢のような量子暗号、実は夢物語でなく実用化に向けて研究が飛躍的に進んでいるそうです。
2007年には200kmの光ファイバーを通して量子暗号化された情報をやり取りする実験が成功したそうです。
また、2010年4月には大容量のデータを量子暗号化する技術が開発されたそうです。
量子コンピュータが開発されると、今のRSA暗号はたちまち解読されてしまい、意味を成さなくなります。しかし、その前に量子暗号がRSA暗号に取って変わるなら、安心です。
量子コンピュータよりも早く量子暗号が開発されたらいいのですが、量子コンピュータの方が早く開発されたら・・・(゚Д゚;≡;゚д゚)
いやもしかしたら、量子コンピュータはすでに開発されていて、それを公表すると大混乱が起きるから、量子暗号が実用化されるまで隠されているのかもしれませんね!量子暗号が開発された途端、量子コンピュータも開発されたらアヤシイ!( ゚∀゚)
会社の商品は素数なのです。
こんにちは。
数学学芸員のようじです。
いつぞやNHKで素数に囚われた数学者 という番組をしていました。
ポアンカレ予想という数学の難問に挑戦する数学者を描いたドキュメンタリーでした。
そこである会社が紹介されていました。
その会社では、セキュリティの奥の奥の奥の更に奥の会社でも数人しか入れない部屋にこの企業の商品が保管されているというのです。
(数人しか入れないのになぜカメラが入っている!?(゚Д゚;≡;゚д゚))
その会社の商品とは・・・
素数なのです。
素数がなぜ商品となりえるのか?
そもそも素数とは万物共通の所有物(?)ではないのか!?
と思いたくなりますが、ここで保管されているのは大きな大きな大きな・・・大きな素数なのです。
番組では、その素数の桁数は150桁以上と紹介されていました。
スーパーコンピューターを用いてもなかなか発見されない素数。
それがこの会社の商品だったのです。
実はおおきな素数は暗号に使われています。
素数は暗号はこのように使われています。
「10,181,729を素因数分解しましょう。」
2つの素数があれば、そのかけ算を計算することは簡単です。
しかし、その逆の素因数分解をすることは非常に難しいのです。
この場合、10,181,729というものが暗号。それを因数分解できたら暗号解読となる、そんな暗号なのです。
暗号解読者は必死に素因数分解をしようとします。
しかし、とてつもなく大きな素数同士の掛け算は素因数分解するのに世界で一番高性能のコンピューターを駆使しても数億年かかるそうです。
我々の個人情報や国家の機密情報、モ○ダーも真っ青のX-Fileもすべて、人類がまだパパっと素因数分解できないから守られているのですね。
ちなみに
10,181,729=1109×9181
です( ゚∀゚)
統計のウソ!?
こんにちは。
数学学芸員のようじです。
今日、加藤元浩さんのC.M.B.森羅博物館の事件目録という漫画を全巻揃えました!
博物館の天才学芸員が難事件を次々に解決していく漫画です。
(兄弟本に、Q.E.D.証明終了という数学や科学を扱ったおもしろい推理漫画もあります!)
私も早く数学美術をたくさん飾れるようになりたいものです。
さて、今日は統計学のウソをお話します。
数学は真理を見出すものですが、しばしば真実を隠すために使われることもあります。
だまされやすいのが統計。
あるIT会社が、A地域のインターネット普及率を調べました。
すると、インターネット使用率は100%という結果が出ました。
「ですので、A地域では我々のインターネットソフトがたくさん売れるでしょう!」
と言いました。
本当でしょうか?
実は・・・
インターネット使用率のアンケートを実はインターネットで取っていたのです'`,、('∀`) '`,、
ネタを聞くと笑い話ですが、実際には似たようなケースはよくあると思います。
我々が注意しておきたい例はこちら
にも紹介されています!
この方はネットでのブランディングをブログに書かれています。
(自分ブランドをネットで発信していきたい方は必見です!!!!)こんなのはいかがでしょうか?
「ある栄養素には殺人を誘発する成分が含まれていると考えられる。なぜなら、ここ5年の殺人者の98%がその栄養素を含む食品を常用しており、80%で殺人の起こる24時間以内にその食品を摂取していたことが明らかになったからだ。」
さて、その恐るべき栄養素とは!??
はい、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、
答えは「炭水化物」です。
(お米やパンなどでもOK!)
何も殺人者だけでなく、一般的に食べられているものですね。だから、殺人者に特定してデータを取るから変な結果が出されます。
(殺人者を交通事故などに置き換えても似たような話ができます。)
「ある大学の卒業生に、目標を明確にしてそれに向けての行動をリスト化しているかアンケートを取った。そして調べてみると3%の人が目標を明確にし、それに向けての行動をリスト化していると分かり、数年後、その3%の年収は全体の97%であった。」
20:80の法則を「成功」に当てはめた事実である、とも言われている有名な話です。(これもある意味正しいのでしょうが)データに偏りがあるかもしれないね、ということは頭に入れていたほうがいいかもしれません。
卒業生といっても、数年後まで全員に連絡が取れたかどうかわかりませんし、大抵は成功している人のほうが連絡が取れやすいものです。
連絡の取れない人=年収が分からない=0円としておこう。
としたのなら、(連絡の取れやすい)成功している人の年収を合わせていくだけで97%なんてあっという間になるでしょう。
「卒業生」とは何か?母集団の本当の範囲は?数年後といえど、どこまで調べているのか?など細かい点をしっかりと把握しないと、データはいかようにも解釈できるのです。
金融機関やニュースなどでも色々な統計を基にしたお話が出てきますが、「用語の定義」「母集団の定義」「割合の定義」など、一つ一つの定義をしっかりと確認することも大切かもしれません。
数字やデータを見ると、拒絶反応を示す方もいらっしゃいますが、じっくりとウソを暴けるようになっておくと、だまされないですむかもしれませんね。
1, 2, 3, 4, 5の次に来る数字は??
こんにちは。
数学学芸員のようじです。
前回このような問題を紹介しました。
1, 2, 4, 8, 16, □
□に入る数字は一体なんでしょう?
答えは・・・こちら!
さらにすごい問題です。
1, 2, 3, 4, 5, □
□に入る数字は一体なんでしょう?
答えは・・・
19なのです!
1, 2, 3, 4, 5, 19
が正解でした( ゚∀゚)
(´・ω・`)ハァ?
と思われた方も多いことでしょう。
もちろん「6」が最も一般的な答えだと思います。
しかし、ここで言いたいのは、6でも19でも23でも何でもいい、ということです。
数学的にいうと、
p(1), p(2), p(3), ・・・, p(n)がどのような長さの数列であっても、多項式p(x)を求められる
というのです。
ラグランジュの補完公式といい、p(x)を
と表します。具体的に書くと
となります。
ここに、
と代入すると、その数列にあった多項式が導かれるのです!!
実際に計算してみると
となるそうです。(自分で計算していないので、伝聞系で書きます。)
これも数学の魔法の宝箱
に書かれていたネタなのですが、これには感動しました。
いくつか数字が書いてあって、それに続く数字を答えなさいという問題はSPIなどの就職活動時の試験で使われます。
しかし、実は何の数字を入れても正解なのです!!!!
だって、このラグランジュの補完公式を用いて、それに合う多項式を求めればいいのですから・・・。
数学の先生、人事の方、ぜひ相手が「ラグランジュの補完公式により、私はこの数字を入れました!」と言った場合はOKしてあげてくださいね( ゚∀゚)
三角関数のおかしな計算!?
こんにちは。
数学学芸員のようじです。
三角関数は高校数学で勉強します。
(こちらの三角関数の対象式に関する問題 は必見です!とってもきれいにまとまっています。数学ブログでは、数式が見やすいということは大切ですね!教材職人さんのブログより♪)
さて、こんな問題を紹介します。
今、
と仮定します。「このときsinθcosθの値を求めよ」という問題を考えます。
以下の2通りの方法で考えてみました。
<パターン1>
みづらくてすみません
<パターン2>
解き方によって、答えが1/4だったり5/8になってしまいました。。。
一体、何がおかしいのでしょうか??



