会社の商品は素数なのです。 | 数学美術館 

会社の商品は素数なのです。

こんにちは。

数学学芸員のようじです。


いつぞやNHKで素数に囚われた数学者 という番組をしていました。

ポアンカレ予想という数学の難問に挑戦する数学者を描いたドキュメンタリーでした。


そこである会社が紹介されていました。


その会社では、セキュリティの奥の奥の奥の更に奥の会社でも数人しか入れない部屋にこの企業の商品が保管されているというのです。

(数人しか入れないのになぜカメラが入っている!?(゚Д゚;≡;゚д゚))


その会社の商品とは・・・











素数なのです。







素数がなぜ商品となりえるのか?


そもそも素数とは万物共通の所有物(?)ではないのか!?

と思いたくなりますが、ここで保管されているのは大きな大きな大きな・・・大きな素数なのです。







番組では、その素数の桁数は150桁以上と紹介されていました。



スーパーコンピューターを用いてもなかなか発見されない素数。


それがこの会社の商品だったのです。










実はおおきな素数は暗号に使われています。











素数は暗号はこのように使われています。


10,181,729を素因数分解しましょう。」



2つの素数があれば、そのかけ算を計算することは簡単です。


しかし、その逆の素因数分解をすることは非常に難しいのです。


この場合、10,181,729というものが暗号。それを因数分解できたら暗号解読となる、そんな暗号なのです。




暗号解読者は必死に素因数分解をしようとします。

しかし、とてつもなく大きな素数同士の掛け算は素因数分解するのに世界で一番高性能のコンピューターを駆使しても数億年かかるそうです。




我々の個人情報や国家の機密情報、モ○ダーも真っ青のX-Fileもすべて、人類がまだパパっと素因数分解できないから守られているのですね。





ちなみに

10,181,729=1109×9181

です( ゚∀゚)