統計のウソ!?
こんにちは。
数学学芸員のようじです。
今日、加藤元浩さんのC.M.B.森羅博物館の事件目録という漫画を全巻揃えました!
博物館の天才学芸員が難事件を次々に解決していく漫画です。
(兄弟本に、Q.E.D.証明終了という数学や科学を扱ったおもしろい推理漫画もあります!)
私も早く数学美術をたくさん飾れるようになりたいものです。
さて、今日は統計学のウソをお話します。
数学は真理を見出すものですが、しばしば真実を隠すために使われることもあります。
だまされやすいのが統計。
あるIT会社が、A地域のインターネット普及率を調べました。
すると、インターネット使用率は100%という結果が出ました。
「ですので、A地域では我々のインターネットソフトがたくさん売れるでしょう!」
と言いました。
本当でしょうか?
実は・・・
インターネット使用率のアンケートを実はインターネットで取っていたのです'`,、('∀`) '`,、
ネタを聞くと笑い話ですが、実際には似たようなケースはよくあると思います。
我々が注意しておきたい例はこちら
にも紹介されています!
この方はネットでのブランディングをブログに書かれています。
(自分ブランドをネットで発信していきたい方は必見です!!!!)こんなのはいかがでしょうか?
「ある栄養素には殺人を誘発する成分が含まれていると考えられる。なぜなら、ここ5年の殺人者の98%がその栄養素を含む食品を常用しており、80%で殺人の起こる24時間以内にその食品を摂取していたことが明らかになったからだ。」
さて、その恐るべき栄養素とは!??
はい、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、
答えは「炭水化物」です。
(お米やパンなどでもOK!)
何も殺人者だけでなく、一般的に食べられているものですね。だから、殺人者に特定してデータを取るから変な結果が出されます。
(殺人者を交通事故などに置き換えても似たような話ができます。)
「ある大学の卒業生に、目標を明確にしてそれに向けての行動をリスト化しているかアンケートを取った。そして調べてみると3%の人が目標を明確にし、それに向けての行動をリスト化していると分かり、数年後、その3%の年収は全体の97%であった。」
20:80の法則を「成功」に当てはめた事実である、とも言われている有名な話です。(これもある意味正しいのでしょうが)データに偏りがあるかもしれないね、ということは頭に入れていたほうがいいかもしれません。
卒業生といっても、数年後まで全員に連絡が取れたかどうかわかりませんし、大抵は成功している人のほうが連絡が取れやすいものです。
連絡の取れない人=年収が分からない=0円としておこう。
としたのなら、(連絡の取れやすい)成功している人の年収を合わせていくだけで97%なんてあっという間になるでしょう。
「卒業生」とは何か?母集団の本当の範囲は?数年後といえど、どこまで調べているのか?など細かい点をしっかりと把握しないと、データはいかようにも解釈できるのです。
金融機関やニュースなどでも色々な統計を基にしたお話が出てきますが、「用語の定義」「母集団の定義」「割合の定義」など、一つ一つの定義をしっかりと確認することも大切かもしれません。
数字やデータを見ると、拒絶反応を示す方もいらっしゃいますが、じっくりとウソを暴けるようになっておくと、だまされないですむかもしれませんね。