数学美術館  -41ページ目

ボジョレーヌーボーに順番をつけると??

こんにちは。

数学学芸員のようじです。


今年(2010年)のボジョレーヌーボーはもう飲みましたか?

アメブロでも色々な方が「飲んだ」という日記を書いていらっしゃいました。


私もボジョレーではないですが、イタリアのノヴェッロや小布施のホイリゲを堪能しました。

(ホイリゲは解禁など関係なしですね・・・)


さて、私が愛読しているこちらの笑人モゲさんの ブログにボジョレーヌーボーについての記事がございました。

ボジョレーヌーボーの罠 (すさまじいアクセス数だそうです)



以下勝手にコピペでございます↓↓


95年「ここ数年で一番出来が良い」
96年「10年に1度の逸品」
97年「1976年以来の品質」
98年「10年に1度の当たり年」
99年「品質は昨年より良い」
00年「出来は上々で申し分の無い仕上がり」
01年「ここ10年で最高」
02年「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え」「1995年以来の出来」
03年「100年に1度の出来」「近年にない良い出来」
04年「香りが強く中々の出来栄え」
05年「ここ数年で最高」
06年「昨年同様良い出来栄え」
07年「柔らかく果実味が豊かで上質な味わい」
08年「豊かな果実味と程よい酸味が調和した味」
09年「50年に1度の出来栄え」

<参照 Biz mode >

数学好きとしてはこのボジョレーヌーボーの評価から順序をつけたいと思うものです!


数学では、どのような2つも「大きい・小さい」「高い・低い」などの比較ができる集合のことを全順序集合と言います。


自然数、整数、実数などの集合は代数的な大小(いわゆる数が大きい小さい)をもって、全順序集合になります。

しかし、複素数は代数的な大小を使えませんので、「数の大きい小さい」という意味では全順序集合になりません。





さて、近年のボジョレーヌーボーを考えて見ましょう。

上から行くと、


01年「ここ10年で最高」

なので、01年。




02年「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え」


おお!さっそく01年を抜いて02年!




03年「100年に1度の出来」


??「100年に一度の出来=ここ100年で一番の出来」なのでしょうか?

一度≠一番のような気がしますので保留。




05年「ここ数年で最高」

「ここ数年」に02年も入るとすると、05年は02年よりも良いと思われます。

やっぱり05年は猛暑だったので、出来がいいのでしょうか?


余談ですが、今年(2010年)の7月に会社の先輩が栄転したときに05年のシャルム・シャンベルタン(ルソー)をプレゼントしました。

05年のブルゴーニュはこれから高騰していくだろうといわれています。

17000円だったので、5年後には5万円くらいするのでしょうか…。



06年「昨年同様良い出来栄え」

なんと、06年も05年と同じです!



09年「50年に1度の出来栄え」

う~ん、「50年に1度=ここ50年で一番」なのかどうか・・・。





結局05年や06年がいいってことでしょうか?

うまく順序を取れなかったので、この辺で失礼いたしますm(_ _)m


サンブン・ノイチェックサン・ジョ??

こんにちは。

数学学芸員のようじです。


いつもご紹介している「数学の秘密の本棚」に載っていた数学ジョークです。



数学ジョークは何がおもしろいか、数学好き以外の方には分かっていただけないのが辛いところです。



カクテルバーで2人の数学者が、世間の人は数学をどれくらい知っているか言い合っていた。1人は、誰も数学をほとんど知らないと言う。もう1人は、かなりの人が数学を良く知っているという。


「20ポンド賭けてもいい」と1人目はいいながら、トイレに立った。その隙にもう1人が、ウエイトレスを呼んだ。


「10ポンドあげるから、連れが戻ってきたら僕の質問にこう答えてくれ。『3分の1エックス3乗』ってね。分かった?」


「『サンブン・ノイチェックサン・ジョ』って言えば10ポンドね?」


「違う。3分の1エックス3乗だ」


「サンブン・ノイチエッ・クサン・ジョウ?」


「まぁ、それでいいよ」


1人目の数学者が戻ってくると、ウエイトレスがやってきた。


2人目が聞いた。「ねぇ君、エックス2乗を積分すると?」






















「3分の1エックス3乗」とウエイトレスは答えた。そして向こうに歩き出したかと思うと、振り返ってこう付け足した。













「プラス定数」


'`,、('∀`) '`,、

あ~、おもしろい!


循環する計算(循環小数)

こんにちは。

数学学芸員のようじです。


142857の不思議をご存知でしょうか?


以下の142857を使ったかけ算をしてみてください。


142857×1=


142857×2=


142857×3=


142857×4=


142857×5=


142857×6=





これらを計算すると…


142857×1=142857


142857×2=285714


142857×3=428571


142857×4=571428


142857×5=714285


142857×6=857142



と桁の数字がくるくると回っているのが分かります。


しかも、



142857×7=999999



と7をかけたときは、9ばかりが並びます。









この142857は


1/7=0.142857142857…


という1/7が6桁の循環節をもつ小数であるがゆえなのです。

(繰り返す部分を循環節という。)






ほかに同じような性質を持つ数は


588235294117647


です。


ぜひ


588235294117647×2=

588235294117647×3=


と計算してみてください。


588235294117647×17は例のごとく・・・になります!







この588235294117647は1/17の循環小数です。


1/17は16桁の循環節の小数です。










そうです。


1/pの循環節の長さがp-1であるとき、このような性質をもつ数を導き出せるのです。


142857や588235294117647のような数は1/7や1/17以外に、


1/19, 1/23, 1/29, 1/47, 1/59, 1/61, 1/97などから導けます。

(これらはすべてp-1の循環節を持つ小数です。)




さて、ここで問題。このような1/pを求める計算方法は??

私も考えて見ます。

気持ちの悪い演算を味わう。

こんにちは。

数学学芸員のようじです。



桜井進さんのセミナーで感動したのは、ある計算でした。


ところで、何千年も前から数学は進歩してきました。

その進歩の過程で、当時は受け入れられなかった概念がたくさんあります。


3世紀、「算術」で有名なディオファントスは負の数が理解できませんでした。


2x-10=0


の解は理解できましたが、


4x+20=0


の解は存在しないと考えました。(考えることが無意味と考えました。)




紀元前5世紀ごろ、ピタゴラスの時代。

彼らは数学の研究を熱心に進めましたが、万物は整数や有理数で出来ていると考え、無理数を認めることができませんでした。


ピタゴラス教団のマーク「五芒星」がくしくも無理数で出来ていることは有名な話です。


ピタゴラスの時代、無理数についての口にすることは大罪だったといわれています。




12世紀のインド。バスカラ2世は


「正数の平方も負数の平方もともに正数である。正数の平方根は正数と負数の2通りであるが、負数の平方は存在しない。どんな数の平方も負数になることはないからである。」


と言っています。


当時は虚数を理解することができませんでした。


虚数が初めて出てきたのはカルダーノの3次方程式の解の公式です。






どれも今では中学生や高校生が学校で当たり前のように学ぶ概念です。


しかし、それらが確立するまではたくさんの偉大な数学者が頭を悩ましてきたのです。






きっと我々には当たり前すぎて「なぜ彼らが理解に苦しんでいたのか、理解に苦しむ」と思います。


そんなアナタのために理解できない気持ち悪さを体感していただきましょう!



知識人のための数学美術館 -ゼータ(-1)

1+2+・・・とずっと足していくと、なんと分数になるのです!


「???」と思われると思います。

しかし、これは解析接続という数学を使うと導き出される結果なのです。



リーマンゼータ関数、解析接続、繰り込み理論で調べて頂くと色々と出てきます。

私もこの気持ち悪い計算式を理解するためにちょっと勉強してみます。

(大学時代に解析接続や繰り込みは学んだ気がしますが、全く頭に残っていません!)








2091年には小学生がこの計算を当たり前のように授業で習っているのかもしれませんね。



2091年の小学生は・・・

こんにちは。

数学学芸員のようじです。


先日、桜井進さんのセミナーを聴講して来ました。

タイトルは「超入門 リーマン予想」です。


美しい映像やムービー、音楽にGoogleEarthに、

たくさんのツールが駆使された感動的なセミナーでした。


あのようなセミナーをできるようになりたいものです。





そこで購入した「リーマン予想がわかる」という本にこんな記事がありました。




2091年8月3日


きょうはリーマンよそうをしあげました。

うまくできました。




なんと2091年の指導要領では小学校の夏休みの宿題でリーマン予想が取り上げられるのです!!


もちろんこれは架空のお話です。

この記事は「数学セミナー」1996年1月号に書かれていたネタです。


大学時代、この話を教授から聞き、おもしろいなぁと思った記憶があります。

それをどこで見たのか忘れていたのですが、再発見できてよかったです。



今の小学生や中学生が、かつての天才数学者ですら頭を悩ませた問題を楽々解いているように、未来の小学生や中学生は今の天才数学者が頭を悩ませている問題を楽々解くのでしょうか?