こんにちは。
昨年の香港ヴァーズ覇者、「匠の名槍」ジアヴェロットの大目標は香港ヴァーズ連覇です。凱旋門賞の混戦気配を見て良馬場だったらと色気を出していましたが、雨が降り続いているためおそらく回避するはずです。
昨年タタソールズ金杯にてオーギュストロダンに雪辱を果たした「堅忍不抜の芦毛」ホワイトバーチは5歳に入り状態が悪いままなのが気になるところ。ホームのアイルランドでも振るわないのに、フランス遠征でどこまで結果を残せるのかはかなり疑問です。
今年に入って12ハロンのフランス重賞を2勝した「矢の如き飛鷲」アローイーグルは何を隠そう、2年前の凱旋門賞馬エースインパクトの半弟です。兄とコンビを組んでいたクリスチャンを同厩のルファールに奪われ、メンバーレベルが跳ね上がった前哨戦のフォワ賞で完敗を喫したのが気になるところではあります。
前年4着馬にして今年はGⅠ2勝を挙げている「遠くの海の青い星」ソジーは、地元の名門ファーブル厩舎のエースとして参戦です。ホームグラウンドのパリロンシャンでは群を抜いた安定感を誇りますが、前哨戦のフォワ賞では日本からの刺客に競り負け、圧倒的とまでは評価されていません。
昨年の愛ダービー馬にして今年はタタソールズ金杯を制したアイルランド総大将、「大洋の陽光」ロスアンゼルスはまだまだ良化途上と名伯楽オブライエンはジャッジしています。昨年3着馬ですが、状態面での不安は拭えません。
グラファール厩舎3頭出しの1頭、「豪快な寛治」キジサナは前走ジャンロマネ賞を快勝し、4連勝でGⅠまで駆け上がった上がり馬です。牡馬混合・多頭数での経験が薄いことが不安要素でしょうか。
昨年の英チャンピオンズフィリーアンドメアズS覇者にして、今年はキングジョージ2着と躍進止まらぬジュドモントの現エース、「宙の記憶」カルパナはステップレースのセプテンバーステークスにて強豪ジアヴェロットに敗戦を喫しました。現状3戦連続2着となっていますが、前走はあくまで一叩きであるとボールディング調教師の自信は全く削がれていません。ジュドモントは昨年のブルーストッキングと合わせて連覇がかかっています。
日本馬最大の強敵として立ちはだかるのは地元フランス代表、昨年の2着馬「冒険のバラッド」アヴァンチュールは昨年以上に充実期を謳歌しています。11戦中10連対という圧倒的安定感は変わりなく、前走ヴェルメイユ賞では悲願のGⅠ初制覇を遂げました。昨年のヴェルメイユ賞のワンツーがそのまま本番のワンツーになったことを踏まえると、今年も牝馬には要注意です。特にオルフェの血が入っている日本馬にとっては
グラファール三羽烏の一頭、「碧玉の星海」ダリズは前走プランスドランジュ賞にてクロワデュノールに惜敗の2着。3歳馬と言うこともあってまだまだ成長途上の感はあります。この大舞台を経てつかむ経験値は相当のものがあるでしょうが、正味今回は挑戦者の精神で今の自分の立ち位置を確かめるレースとなりそうです。ちなみに中間の調整ではカランダガンと併せるというパワーレベリングを行っています。
今年のパリ大賞馬、「黒瀬の港」ルファールはクリスチャン×ルジェ厩舎の鉄板コンビで参戦です。厩舎の先輩ソットサス、エースインパクトに続きたいところですが、前走ニエル賞は少し負けすぎです。前走より状態はいいとのことですが、果たして。
青の王国ゴドルフィンが送り込むのは、「輝く資格」クアリフィカーです。フレンチゴドルフィンの専属ファーブル調教師とUKゴドルフィンの名手ビュイックのコンビはこういう大舞台だと少々珍しい感じがしなくもない。フランスダービー2着、ギヨームドルナノ賞3着、ニエル賞1着という臨戦過程は順調と言えます。ニエル賞の再現なるか。ギヨームドルナノの雪辱なるか。そして、無念の引退となった同期の仏ダービー馬カミーユピサロの分まで頑張ってもらいたいところ。
アイルランドのジェシカ・ハリントン女史が送り込むのは「灼熱の血」ホタツェルです。同期の天才「民を導く浪漫」ドラクロワにはかなり差をつけられてしまいましたが、一気の距離延長に活路を見出そうとしています。重い馬場は歓迎であるため、今回の舞台が適正である可能性も十分にありそうな一頭です。
3歳牝馬の欧州最強格といえるのが「オークス三冠の若鷹」ミニーホークです。史上8頭目の欧州オークス三冠(英オークス、愛オークス、ヨークシャーオークス)を達成し、6戦5勝、GⅠ3連勝中です。ただ、古馬牡馬一線級との対戦が初めてである点や、多頭数での経験が薄いこと、そして主戦のムーア騎手が落馬負傷で不在であること(まあ2番手がスミヨン騎手なのでオブライエン厩舎の層の厚さたるや、という話ではあるのですが)などなど、不安要素は意外に多い。
欧州勢最後の紹介はフランスオークス馬、「南海の怪獣」ゲゾラとなります。初のフランスリーディングトレーナー獲得に向け快走するグラファール厩舎が、初の凱旋門賞制覇に向けて送り込む3頭のうちの1頭となります。前哨戦ヴェルメイユ賞ではアヴァンチュールの後塵を拝しましたが、本番で逆転を狙います。
悲願に挑む日本勢は3頭。3頭とも前哨戦を勝って参戦という、期待値ウナギノボリの状況です。
総大将は今年のダービー馬、「追憶の北十字」クロワデュノール。北村友一騎手が凱旋門賞に斉藤厩舎の馬で騎乗する光景がこんなに早くみられるとは、なんとも感慨深い。海外遠征待望論もあったキタサンブラック産駒にして、母は欧州で覇を競った一流の牝馬ライジングクロス。前哨戦プランスドランジュ賞は辛勝でこそあったものの、状態が整い切れていないなか根性でダリズを振り切りました。状態の良化はマストですが、どんな逆境にあっても最後まで気持ちを切らさないその走りは、陣営が背負うドラマも相まって見る者の心を熱くさせます。おそらく日本からの声援がどの馬よりも大きいといえるでしょう。
3頭の中で前哨戦が最も充実していたのは「永久の君府」ビザンチンドリーム。実はシュタルケ騎手乗ってくれないかなと期待していたのですが、まあ無難にマーフィー騎手に収まりました。国内で大味な競馬を繰り返していたころからはなかなか想像できない成長曲線を描き、ついに世界最高峰の舞台にかなりの人気を背負って参戦となります。クロノジェネシスらと同牝系、エピファネイア産駒の彼は高いスタミナ能力とすべてを飲み込む豪脚で、ついに欧州の強豪たちすらフォワ賞で退ける充実ぶりを見せています。
私の本命はもちろん「輝く王」アロヒアリイ。父はドゥラメンテ、母父はオルフェーヴル。名牝バレークイーンの一族です。血統で言えば一番日本の要素が強く、この馬が凱旋門賞を制することは、それイコール日本の競走馬生産が欧州を制圧することに他ならない。国内での実績は確かに薄いですが、もともと欧州遠征を目論んでいた田中博康調教師は欧州でこその馬だと断言していました。実際、ギヨームドルナノ賞を勝利した時でさえ、淡々としていて予想通りの勝利というニュアンスだったことを踏まえると、まさにこれこそが凱旋門賞を勝てる馬の作り方といえるのではないでしょうか。
いずれにせよ、日本馬制覇の公算は十分に高いといえます。大きな大きな期待をもって、最大級の声援を日本から送りたいと思います。あと、雨ということなので足元には気を付けてください。帰るまでが遠征です。
それではまた。













