Master先生の黒番です。

この形、第9局とそっくり同じですね。

下辺白の3線トビが違うだけ。

ほぼ同じ流れで、黒の開きが1路狭いのはナゼなのか。

後の打ち方こそが重要なのであって、この時点では開きの幅とか細かい話は関係なくて、取り敢えず上辺に石が行ってれば良いのか。

なんなのよ一体。

第9局ではここに黒が下がって、白が攻められる石になり、かつ上辺が巨大黒地化しちゃいましたが、今回は白がここにハネて形に付きました。

常識的な流れですね。

これはまあ、よく有る手ですが、先生は本当に事を荒立てるのが好きですよね。

どうやら、平穏無事というのはお嫌いらしいです。

 

むむ。生きてる石から2線を這いますか。

なるほど、ここに白が押さえるのが先手なのが許せないんですね。

 

露骨ですね。いいですね。分かりやすくて。

コレなら私にでも打てます。

攻める時は真っ直ぐに。

ここで少し緩める感じが良く分かりませんね。

白の目を取るならP10にノビでしょうし、Q14の1子を横にノビておくのも厚そうです。

白がツイだからノゾイた石は利かしと見て軽く捨てるのか、それとも、ケイマに外すほうが実は厳しい攻めなのか。

局面が進むとわかるのでしょう。

 

白は右辺の黒に脅しをかけてきましたよ。

コウで目を取るぞ、と。

マジですか〜!

コウは取り番だとは言え、ヘタしたら右辺死にますよ。

これは信じられませんね。

私なら当然T13で生きます。

でもこれ、良く考えると、右上の白も自分の目を一つ危うくしてますね。

 

当然の放り込みです。

これは白の花見コウ、ですよね。

やっぱり信じがたいですね。

 

黒は右下白のコウダテに受けずコウを解消。

白に連打を許しました。

つまり、右下の連打より上辺のヒキのほうが大きい、ということになりますが、実際どうなんでしょうか。

私には右下の方が大きく見えます。

ただ、黒Q18のツギがハッキリ先手になったという効果もありますね。

 

連打された右下の黒が動き出して、気がつけば右辺の白に襲いかかっている。

なんでこうなるの?

これはもう、右辺の白は取られちゃったんでしょうね。

さすがにプロも怒りました。

右上白2子のウッテガエシを無視して、左上の黒を攻めます。

先生は、はいはい、と全部言うことを聞いて、三々で楽生き?

後は下辺外側の黒がどうなるかですが、ちょっと勝負有った感が強いですね。

左上白がD18に来たとき、黒がここへぶつかり。

あれ? まだ生きてないんですか。

詰碁やらねばだ。

隅が生きるとか生きないとかじゃなくて、石の取り合いの大きなコウになっちゃいました。

色んな手があるもんですねえ。

右下のコウ材に白が聞かずにコウを解消し、右下を黒が取りました。

左上の黒はこれで死んでるのか。

御役目ご苦労、ってとこですね。

また出ました。

先生お得意の、一見して控え目な模様囲いです。

別名「これで十分囲い」再び出ました。

こういう手で勝てるんなら、そりゃ負けませんよね。

下辺の黒は捨てるんですか?

さすがにそれじゃあ、足りないと思いますが。

 

ここに来てからのアテ。

生きられるとでも?

これはプロの強烈なパンチが出るはずです。

あれ?

全部生きた?

なんでこうなるの?

右上から上辺の渡りがコウになって、中央白が突き抜いちゃいました。

左下の黒は取ったし、勝負になったのでは?

でも、右上の白は生きてるのかが、怪しい。

右上はこれでコウなんですね。

右上のコウは白がツイで、コウ材としてアテた下辺白4子を抜きました。

 


終局図。白が投了です。

右辺でプロが仕掛けたコウが最終的に右上白に不利に働きましたが、そこまで見通して上辺のヒキに回ったのではないか、とすら思えてきます。

Master先生がコウを戦いながらどんどん局面を黒有利に導いた、そんな一局でした。