今回のテーマは、遂にこれに迫ります。

 

 「なぜこの状態で終局なの?」

 

 これは、囲碁入門者&初心者の最初の難関でしょう。

 終局図としては、ルール1の説明で使ったこの図を用います。

 

 前提として、ルール1(勝敗の決め方)は日本式とし、陣地の大きさで競うものとします。

 今、盤上の碁石は黒、白ともに6個ですので、次は黒番です。

 ルール上、空いてる場所=打てる場所には打っても構いませんが、たぶん黒はパスをします。

 なぜでしょうか?(じれったいですねw)

 

 結論を言うと、黒のプレイヤーが頭の中で次に打つ手を読んだ結果、どこに石を置いても得になる場所が1か所も無いと判断したからです。

 

 では、黒のプレイヤーがどのように考えたのか、簡単に解説します。

 右半分の黒の陣地に黒石を置くとどうなるでしょうか?

 そうです。黒の陣地が1目減りますね。ですから黒は、日本式で争う場合は、自分の陣地の中には出来るだけ石を置きたくありません。

 

 次に、左半分の白の陣地の中に黒石を置くとどうなるでしょうか?

 ここでの「どうなるか?」とは、具体的には「置いた黒石は生きられるか?」という意味です。

 生きられるとは、取られない状態に出来る、ということです。

 前の記事で説明したように、石は2眼があれば取られませんが、2眼が無いと最後は必ず取られてしまいます。

 黒のプレイヤーは、仮に白の陣地のどこかに黒石を打ったとき、白の打つ手を考え、また自分が打つ手を考え、そして黒石は2眼を作れない、最後には必ず取られてしまう、つまり打っても無駄だ、という判断をしました。

 つまり、黒はこれ以上打っても陣地は増やせず、また白の陣地を減らすこともできない、と判断したのです。

 しかし、まだパスとは言えません。

 さらに、黒さんは思考を続きます。

 

 「もし自分がパスをしたら、次は白番なので、白がどこにでも打てることになる。

 白がどこかに打つことで白の陣地が増えるか、黒の陣地が減る手があるだろうか。」

 

 具体的には、白石を黒の陣地のどこかに打つことで、取ることのできない白石が出来てしまうかどうかを「読む」のです。

 読んだ結果、黒の陣地のどこに白が打ってきても、自分が正しく打てば必ず取ることが出来る、という自信が得られたときに、「パス」をして手番を白に渡します。

 

 黒のパスで手番が渡された白のプレイヤーも同じことを頭の中で考えます。

 そして盤上の空いてる場所のどこに打っても、これ以上白の陣地は増えず、黒の陣地も減らせないと判断したので、白も「パス」をして終局となります。

 

 「えーっ?! そんなこと、自分には無理だわー」

 と今、思いましたね?

 

 そうなのです。日本式ルールで囲碁の終局がきちんと出来るためには、ある程度の棋力が必要になります。

 でも、ご安心ください。大丈夫です。

 そんな初心者でも、ある程度きちんと終局出来る方法があります。

 

 それは、次の記事でご説明します。