事の経緯

 

 

これから書くことは、実際に起きたことです。
皆様をがっかりさせてしまったり、悲しい思いをさせてしまうかもしれませんが嘘偽りなく書かせて頂きますのでご了承ください。
 

事が起きたのは、去年12月24日の福岡遠征です。
 

主な登場人物は
 

マネージャー武田さん
武田さんの弟
 

です。
 

その日のイベント終わり

メンバーとマネージャー陣でご飯を食べに行った後マネージャー武田さんの弟から連絡が来て全員で飲みに行く事になりました。
飲みにいった後一旦解散をしてメンバー2人からお誘い頂き、まほ含めたメンバー3人、武田さん、武田さんの弟とクラブに行きました。
そこで、武田さんの弟に
「兄貴(武田さん)に内緒でLINE交換しよ」と声をかけられました。
一緒に飲みに行っていたメンバー2人も彼の連絡先を知っていた為、軽い気持ちでLINEを交換しました。
 

交換した後何処かへ行った弟から
「2人で何処かへ行こう」などと誘いのLINEが来ていました。
その後、何故かお酒を飲み酔っ払った私をメンバーの1人と弟がホテルまで送ってくれました。
部屋に戻った後も弟から外出のお誘いが止まなかったのですが、外に出るのがめんどくさかった私は部屋ならいいかと思い軽い気持ちで呼んでしまいました。
部屋で過ごしていたその時、白い粉が入った袋を弟がポケットから出し「コカインだ」と言い鼻から吸入し始めました。
それを指して「こんだけで3万円くらいする」とも言っていました。
そして、「まほも一緒にやろう」と強要もして来ましたが、もちろん断りました。
そうすると弟は、弟自身の口にコカインを含み私にキスをする様な形で、口の中に入れて来ました。その瞬間、唇の麻痺と舌の痺れを感じました。
本当に人生が終わったと思いました。よくわからずふわふわした状態でしたがその後も弟は何度もコカインを吸入していました。
 

こうして1日が終わり
怖さと闘いながら眠りつきました。
 

次の日は誰にも言えず、どうしようどうしようと思いながらお仕事をしました。
ですが、犯罪を目の前で見てしまい怖い思いをしたので絶対に言わないといけないと思い父と母に相談しました。
そうすると父と母は、今後またその様なことをされても危ないからとグループを辞めさせる方向でお話を進めてくれました。
 

26日、羽田空港に戻り
一緒に帰って来た、りかこ、まひろ、らな、マネージャーのやばこに真実を伝え、本日付で辞めると報告しました。
帰路途中、マネージャーの武田さんにも真実を伝え辞めさせて貰うと報告を父からしてもらいその返答は、「弟にも事実確認をする」との事でその電話は切りました。
 

その後は、
父とマネージャー武田さん
それから、父と弟で電話を何回かしました。
 

弟は始め、コカインを吸っていた事も私の口に入れた事も認めていませんでしたが、何回も話していくうちに罪を認め自分の口で謝罪をして来ました。
一方で、マネージャーの武田さんは「自分には会社には関係ない」と一点張りでー才謝罪もありませんでした。
マネージャー武田さんと弟は
私にグループを辞めてほしくないと言いましたが戻る気が無いので、卒業文を出してくださいとお願いをした結果、心の無い卒業文を投稿しました。
そして、年末に父がマネージャー武田さんに連絡をして「事務所としての責任をどう取るのか、年始で良いので連絡してください」と言い「わかりました」と返答が来ました。
その後
マネージャー武田さんから連絡が来る事はー才無く先日のブロック事件が起きます。
 

上記がグループを辞めた理由の全てです。
責任感が全くなく、犯罪を犯している弟を養護しているマネージャー武田さんが私は許せないです。
 

最後に私の身体ですが、検査をしてもらった結果体内には薬物が入っていませんでした。
入れられてすぐにお水を飲んだのでそれが良かったとのことです。
 

他にも、言いたいことは多々ありますが
はじめに皆様が1番気になっている"辞めた理由"について書かせて頂きました。
 

 

本件に関し、実質的な前身であるGALETTe時代からそれなりに見てきた人間として色々と考え、感想を述べます。そしてその結果として、これを以てアイドルヲタクから足を洗うこととしましたので、併せて報告申し上げます。

 

※おことわり

本件は、現時点で被害者側のみの発言しか公になっておらず、今後の各方面からの発言や捜査の進展により、その事実認定が変化する可能性があります。私の感想はあくまで現時点までに明らかになっている情報に、これまでの経緯や背景を鑑みて感じたものであり、その事実認定の是非や他者の価値判断を肯定・否定するものでないことを予め申し上げます。

 

 被害者側に落ち度はなかったのかという意見について

 

まず、このグループやアイドルヲタク外の人からの指摘として多いのが「そんなに簡単に部屋に上げるなよ」という意見ですが、危機管理意識を欠いていたというのは事実だと思います。

 

しかしながら、誤解を恐れずに言えばまほち(伊山摩穂)の行状を知っている人間であれば「さもありなん」という感想も抱くかと思いますし、GEM時代を知っている私もそう思っています。ただ、これがただ単に繋がり案件であったならば招き入れた側の落ち度もあるため公にはならなかったでしょうし、問題は相手が予め違法薬物を所持し、それを強要してきたという事実にあると思っています。

 

そのため、「安易に部屋に招き入れた」ことと「違法薬物の所持・使用・強要」という事実は本質的には別個の問題であり、今回は後者の話をさせていただきます。

 

 誰の何が問題と感じるのか

 

加害者(マネージャー武田氏の弟)

コカインは、麻薬取締法で所持も使用も禁止されているれっきとした違法薬物です。この1件における彼の責任は論を俟たないでしょうが、コカインを手に入れるということは入手ルートを持っているということでもあり、通販などでの購入も考えられますが反社会的組織との繋がりも懸念される事案です。

 

マネージャー武田氏

加害者が事実認定をしておきながら、自分やグループには関係ないと言って謝罪をせず、被害者本人やその父親に対する説明責任からも逃げ続ける姿勢はあり得ません。また、本件に対し現時点で公式なコメントを出せていないことから、そもそもこうした一連の事案を問題として認識しておらず、騒がれて初めて対応を検討していると見られ、人様のマネージメントを行う資格はないと考えます。

 

「メンバー2人」

まほちのコメントではバイネームの言及がありませんでしたが、帰京後報告をした相手が

 

・りかこ(齋藤里佳子):メンバー

・まひろ(山田まひろ):メンバー

・らな(LANA):元GEM村上来渚、現在は同じ事務所でソロアーティストとして活動し事件の起こった福岡遠征にも同行していた

・マネージャー

 

ということですから、この2人というのは四島さん(四島早紀)とのんちゃん(ののこ)を指しているのでしょう。なお、まほちのコメントの中で介抱してくれたメンバー(1人)について言及がなく、既に加害者の連絡先を知っていたのがこの2人であると推測されるため、その2人ないしはいずれか片方を指す表現として便宜上「さきのん」と表記します。現時点ではこの2人が本件にどのように関わっていたのかは明らかになっていませんが、考えられる問題点としては以下となります。

犯罪者と親密にしていたという事実

そもそも個人的にはこれだけでも一発アウトなのですが、いくら武田氏の弟と言ってもコカインを常用していた(外でたまたま手に入れたのではなく、最初からコカインを持ってまほちに近づいたのですから少なくとも事案の発生以前から所持・使用をしていたと見るのが妥当でしょう)人間と仲良くしていた、連絡先も知っていたというのは事実であるわけです。これが人畜無害なお手伝いさんだったら良かったのですが、相手が犯罪者なら話は別です。

 

さきのんの2人は経路は違えどGALETTe、DEAR KISSと2つのグループで長きにわたり共に活動し、それらの屋台骨を支えてきた武田氏とも長い付き合いなわけです。人が少ないときはチェキ2台持ちで4〜5人のメンバーの特典会を回し、積極的なメディアタイアップや外部イベント出演を仕掛けるなど同氏の精力的な活動が今の立場を作ってきたことは事実なわけですが、この3人のつながりが強固になればなるほど、グループ運営やその中の空気がワンサイドになってきた側面もあったのではと感じてしまいます。

誤った信用を供与してしまった事実

まほちが加害者との連絡先交換や部屋に招き入れたことを許した理由の1つとして、「メンバー2人(さきのん)も既に連絡先を知っており、仲が良かった」ことを挙げています。結果的にその判断は間違っていたわけですが、その意志決定や判断に2人の影響があったことは否定できません。先に述べたとおり加害者は予めコカインを仕込んでいたわけですが、マネージャーである兄とも長い付き合いで既に仲良くしていた加害者の素性をさきのんの2人が知らなかったとは考えにくく、それを隠して一緒に飲みに行ったりしていたのであればその危険性をカモフラージュする存在として使われたという見方もできますし、最悪グルだった可能性もあるわけです。

 

それでもまほちに対してコカインを強要するかどうかの予見可能性については別問題だと思いますが、一緒にクラブに行った帰りに介抱するのに加害者がついていく必要があったのかという点も疑問です。そもそもさきのんが武田兄弟とクラブに行っていたことも個人的には気持ち悪いですが(この感じだと初めてではなさそうですし)、それ自体は夜遊びの範疇なのでバレなければよかったと考えています。そこにまほちを誘い出し、介抱を口実に加害者にホテルの部屋の場所を教えてしまったさきのんの振る舞いはたとえ過失であっても、私の考えるアイドルとしての倫理観に悖る行動だと感じます。

 

 今後どんなコメントが出ても、心象は覆らない

 

冒頭申し上げたとおり、本件は関係者のコメントが出揃っておらず、現時点で第三者ベースでの事実認定はなされておりません。

 

それでもなお、このタイミングでこのような感想を述べたのは、ここまで解像度の高い証言が出てきた以上、運営やさきのんがどのような対応をしたとしてもその不信感を拭うことは不可能であると個人的に判断したためです。

 

私なりに、今後の対応として考えられるのは下記です。

 

黙殺

正直、これが最も可能性が高いと思っています。四島さんは「運営からの公式発表をお待ち下さい」と言ってはいますが、せいぜい「警察の捜査に全面的に協力し〜」等のお決まりの文面しか出さないと見られ、実質的なゼロ回答もあり得ると考えます。本当に警察が動いているとしても既に事象の発生から一定の期間が経っていることから、加害者以外が刑事責任を追求されるおそれは小さく、トカゲの尻尾切りで事を済ます可能性もあります。

 

そもそもこのグループについては既に4名の卒業・脱退者を出しており、特に藤本美帆(元オトメ☆コーポレーション、adding時代から繋がりがあった)の脱退に至る経緯は不可解そのもの(急に失踪し実家に帰り、運営・メンバーと一切の連絡を絶ち脱退)でした。当然、周りからは様々な声が飛び交うわけですが四島さんからは「憶測でモノを言うな」とコメントがあるのみで、最終的に脱退についても上記の経緯を説明するのみで、何ら理由に触れられずに終わってしまいました。こうした過去を鑑みても、運営やさきのん側から今回の本質的な理由について語られる期待は低いと思っていますし、それでこれまで通り活動します、オーディションも継続します、野音もやりますって話なら私としては気持ちが悪すぎてついていけません。

 

事実を認め謝罪する(が活動は継続する)

言うまでもなくアウトです。

 

事実関係を争うor名誉毀損で訴えを起こす

無くはないと思いますが、既に当事者間で事実認定をしていることが公になった以上これを翻して否認するのは論理としておかしいでしょう。あるいは、グループの活動に支障をきたしたなどといちゃもんを付けて民事で訴えることも考えられますが、そうなると事実関係が争点になりより詳細に自らの汚点を晒すことになりかねません。何より、犯罪行為の告発という観点を考えれば、公益に適うとの観点から名誉を毀損されたとは言い難く、現時点でまほちがその点以外を述べていないことからも運営側に訴えるメリットはほぼないとみられます。

 

謝罪の上グループは解体、それぞれ新しい道へ

最大公約数的な判断をすればこれが妥当でしょう。

 

但し、その場合も私は「武田兄弟」と「さきのん」が袂を分かつことは考えにくいと思っています。

 

既にさきのんの2人はアイドルとして十分なキャリアもあり、グループで中心的な役割を担ってもいます。そうした立場から再度、別のグループで武田氏のバックアップもなくイチからやり直すことはイメージしにくいですし、かといって他に行ったとて新参者をいきなり中心に据えれば既存のメンバーやそのファンからの反発は必至でしょう。では2人が中心になる新しいグループを作るのかということになりますが、それができるのは武田氏しか居ないでしょうし、そうなると当然他からの人材(メンバー及びスタッフ)調達は難しく、人手として借り出せるのは身内しかなくなるわけです。結果として、DEAR KISS時代のコアメンバーが独立してグループをやる以外に、実質的にさきのんがアイドルを続ける道はないのだと思われます。

 

万が一、心を入れ替えて一兵卒として全く別のグループで活動をすることがあっても、前項で述べたとおりの落ち度やルーズさを隠し切ることができなかった以上、個人的にはアイドルとして応援する対象にはなり得ません。今回の件は一見するとコカインを強要した/された当事者に焦点が当たりがちですが、このグループの成立過程(長くなるので本稿では割愛しますが)やメンバーのバックグラウンドを考えると、今回ぽっと出てきた問題とはどうしても考えられず、逆に根深い問題を示唆していると思えます。

 

 だからってヲタ卒することないじゃんか

 

これは、本件とはまた別の話で、私は2016年の時点でこの3人が辞めたらヲタ卒しようと心に決めていました。

 

小玉いづみ(CoverGirls)※卒業記事消えてしまいましたすみません

穴見沙帆(虹色幻想曲〜プリズム・ファンタジア〜)※卒業記事

・ののこ(当時GALETTe→DEAR KISS)

 

うち上の2人は既に卒業済で、残るのはのんちゃんのみ。こうなること自体は各位の年齢的にも想定の範囲内で、のんちゃんがアイドルとしてのキャリアを終えたときが私の節目になると覚悟しておりました。

 

のんちゃんは、私のアイドルヲタクとしてのキャリアの中で最も長く応援し、心血を注ぎ続けた存在であることは間違いありません。しかし、四島さんと違って今日まで何のコメントもないばかりかいつもの調子でTikTokやインスタを更新している始末ですし、このような事があった以上、そしてかかる経緯を鑑みますと、今後私がまた応援するということにはなり得ず、このままキャリアを閉じることになろうかと思っています。

 

本件にどのように関わっていたのかはまだ判然としませんし、それで他界するのは行きすぎだ、いい迷惑だ、という意見もあろうかと思います。私も口では「夢を売る商売」などと謳ってますが、アイドル界、芸能界がまともな倫理観を持ち合わせているとは思ってはおらず、多少なりとも清濁併せ呑む覚悟はしてきたつもりでした。しかしながら、そのような様々な「暗黙の了解」を結果として隠しておけなかったということ、犯罪者と親しくしていたこと、そしてこれも結果論なのかも知れませんが、犯罪者とメンバーを引き合わせる場に居合わせてしまったことが、彼女のキャラとして許されるおバカ加減をとうに超えていると思い至った次第です。

 

※ここまで再三、武田氏の弟を犯罪者と断定するような書き方をしていますが、事実無根であるならば即座に否定するべきです。今の段階に至ってもそれをしていないということは、少なくとも即座に否定をすることはできない状況なのだと推察されます。

 

のんちゃんの思い出は語り尽くせないですし、終わるときはポジティブに終わりたかったのですが…今はどうしてもそのような感想を捻り出す事ができず、申し訳ございません。

 

 アイドルヲタクをやってて本当に楽しかった

 

いわゆる「5人組アイドル最強説」がまかり通っていた2010年代中頃にこの世界に入った人間としては、既に市民権を獲得していた48系グループとはまた別のラインでアイドルカルチャーが成長することを期待していましたし、応援するグループが大きなキャパシティの会場でライブができるようになるなど、規模の拡大・成長を感じられることに感慨を覚えたりしました。

 

何より、そこで出会うヲタ仲間の皆さんとの出会いが、私にとっては宝でした。共通の応援対象がいる同士の酒席はポジティブそのものですし、現場が無くとも今もなお会って語れる仲間との縁を築く事ができ、私の世界を広げてくれました。

 

特定個人の応援をする立場はこれを以てやめますが、今後もたまに楽しそうなところに顔を出していけたらと思っています。そしていつか、同じ時を共にした方々とまた語り合える日が来るといいなと願いながら、私の辞世の句とさせていただきます。

 

演者、運営さんを含め、出会った全ての皆さんに感謝します。ありがとうございました。

 

 (肝臓が)すっげえ悪くなってる、はっきりわかんだね

 

 

会社員なので年1回健康診断があるのですが、毎年引っかかっていたのが「肝臓」。

 

オフラインで私を知る方はご存知かとは思いますが、毎回結構な量の安酒をそこそこのペースで飲むタイプにつき肝臓が大忙しなわけです。ただ、私の肝臓は元々のスペックがあまり高くないらしく、今の会社に入った最初の検診時に医者からは

 

「君は自分が思うほどお酒強くないから、気をつけるように」

 

と有り難いお言葉をいただく羽目に。

 

そのような言葉は心に留めつつも、楽しい場が大好きなタチなので色々と顔を出したり一人で焼き鳥屋に入ったり、何もなくても家に帰れば夕食を兼ね数杯の晩酌…という生活を5年以上続けていたうえ、ここ最近は転職が決まったこともあり今の職場の方々と送別飲み会の日々。

 

そんな折、転職先の求めで改めて先週受けた健康診断の結果がこちら。

 

 

元々γ-GTPの数値は毎回100〜300で出ていたのですが、今回は400超え(もちろん要精検)。所見にはついにハッキリと「肝機能障害を認めます」の一言が。

 

確かに、先週辺りから飲んでからのリカバリーが全く効かなくなってきた感覚があり、1日休肝日を設けてその翌日に少量の缶チューハイ(Alc.4%)を1本飲んだだけでも二日酔いのような症状が出るように。その時点で「ん、これはいよいよ肝臓がぶっ壊れたか」という自覚はあったのですが、これで原因がはっきりした格好です。

 

 

 肝臓はひとつしかないから(名言)

 

 

今回転職先からは、要精検以上の判定が出た場合は就業に問題ないか医者のコメントを貰いなさい、というオーダーがあったのですが、その点は無事クリア。要は、肝機能を回復させるための唯一の手法は「禁酒」であることから、治療云々ではなく生活習慣の改善が必要、という判断です。

 

これも結局は、出歩かなくても2〜3杯程度なら…と家でも毎日飲酒を続け、肝臓を休みなく酷使し続けたツケが回ってきた格好です。逆に言えば、5年以上に渡る警告を無視し続けてきたこのタイミングで肝臓から最後通牒を受け取ったと思い直し、自らの振る舞いを改めるキッカケにする他ないとも受け止めています。

 

実は、転職先の給与体系と合わせて老後のことなどを考え始めたところで、公的年金以外にどうやって自分の食い扶持を維持するかなんてことも模索していた次第でしたが、将来を考える上で最も大きなリスクは「死にはしないが働けなくなること」なんだと思い至った次第です。いくら利回りの良い金融商品があっても、自身の医療費に吹っ飛んでしまっては意味がありません。「一番リターンを得られるのは自分への投資」なんてフレーズは様々な界隈で使われますが、健康の大事さを改めて思い知る機会となりました。しばらくは付き合い以外は節制し、一人で居酒屋に入ったり家で飲むのは控えようと思います。

 

皆様もくれぐれもお身体を大事に、また元気にお会いしましょう!

 

そもそも今まで何してたの

6年前(2017年)に今の会社(IT系)に入り、マーケティング部門を担当していました。主な業務としては

 

・広告出稿に係る対応(代理店や媒体とのやり取り)

・Web広告の調整(検索エンジンに出稿する連動型広告の管理)

・Webサイトの管理、更新、コンテンツ作成(記事執筆)

・Webマーケティング関連イベントでの講演(スピーカー)

・インサイドセールス

・広報業務(プレスリリースの作成、配信、メディア対応)

・IR(投資家向けリリースやイベントの対応)

・課長としての管理職業務(人事考課、チームマネジメント)

・採用(自チーム採用を行う際の求人票作成、書類選考、面接対応、上司への推薦)

 

と、書いてみると実に幅広く色々な事をやってきたなという感じです。

 

これから何するの

商社のコーポレート部門で広報の専任として働きます。

 

 

なんで転職するの

1.機械化・自動化に代替されにくい仕事でスキルを磨きたかった

これまで自分が担ってきた業務のうち、費用や業績への寄与度として大きかったのは「Web広告周り」でした。しかしながら、特に検索エンジン関連(リスティング、ディスプレイ等)はプラットフォーマーによる管理と自動化が進行し、人の手で予算やクリエイティブを調整する余地というのは0とまでは行かないものの年々少なくなっているのが実情です。

 

省人化の見通しが容易に立つ領域においてコミットし続けるのではなく、人間自らが知恵を働かせ、コミュニケーションを大事にし、考え抜くことが求められる領域にて自分のスキルを高め、10年後、20年後も必要とされる人材になるためにどこで戦うのが良いかを考えたときに、自身が担ってきた「広報・IR」領域の経験値を高めることが有意義であると判断しました。

 

2.今の会社では、広報・IR関連の業務関与は今後も限定される

実際転職先での業務は今もやっていることではあり、無理に環境を変える必要はありませんでした。しかしながら、従業員100人程度の小さな会社ではマルチタスクが前提となりマーケティング業務の片手間で広報をやっていたのが現状で、なおかつ業種柄広報にそこまで大きなリソースを割くほどではなく、いわゆる「売りにつながる」広告・マーケティング施策を優先する方針でもありました。

 

将来的な重要度の高まりを見越し、広報・IR部門を独立させるべきという提案も行ったのですが今後もその方針に変更はなく、現状の業務量では5年〜10年先に経験値を積み増せる見通しが立たなかったこともあり、自身の成長機会を得るためには環境を変えたほうが良いという判断もありました。直談判した経緯もあり、今般の退職理由は上司も納得してくれました。

 

3.今年で35歳になるので、動くなら今がラストチャンスかもと思った

転職市場の盛り上がりもあり今はさほど厳しくもないのでしょうが、やはり企業としては「安く長く働いてもらいたい」というのが本音。求人上明確な年齢制限こそないものの、かつては中途採用の目安は「35歳まで」とも言われていたこともあり、大したスキルを持たない自分がキャリアアップのために転職を志すとするなら、動けるうちに動いておきたいという思いもありました。

 

このあたりは、今の会社がIT企業ゆえ人材流動性が比較的高く、元々退職金も無く終身雇用を前提とした制度設計でないこともあり、下手に引き止めるよりそれぞれの選択を尊重しようという空気感であったのもプラスに作用したと思っています。

 

4.マーケティングという世界から離れたかった

皆さんは、「マーケティング」という言葉にどんなイメージを持っていますでしょうか。認識や方向性は人それぞれでしょうが、この業界に身を置いていた立場として感じるのは

 

検索エンジンや人の認知をハックすることがマーケティング」だという誤解

 

が蔓延しているなーという懸念でした。

 

例えば、ECサイトに「購入」を促すためのボタンを設置するとして、「ボタンの色は黄緑のほうが問い合わせが増える」とか「影をつけて立体的に仕立てたほうがクリックされやすい」なんて具合の言説が、さもマーケティング論としてまかり通っている現状です。ところが、これが数年すると「今のはやりはオレンジ色だ」とか「影付きの立体デザインは一昔前っぽくてダサい」などと言われてしまうわけです。つまり、これらの工夫というのは「購買意欲に働きかける」という本質を突くものではなく、単に「視覚的に目立つ」「違和感を演出する」という程度の話でしかなく「人の認知をハックする」ことで成果を上げているに過ぎないのです。

 

また、検索エンジンで自社のWebサイトが上位表示されるために行われる「SEO対策」についても、Google自ら「ユーザーの利便に資するように」とアドバイスされているのみ関わらず、「徹底解説」「比較・まとめ」みたいに上位サイトのキーワードをそのまま引用することで順位が上がると勘違いしているマーケターは少なくありません。本来、デザインを良くすることが必要なはずなのに何かと理由をつけて「上位に来ているサイトには○○というキーワードが入っているから、ウチも入れてみよう」なんて対策方針がまかり通っているのも、「検索エンジンをハックすることで順位は上がる」という勘違いに基づいた判断なわけです。

 

マーケティングの究極の目的は「営業不要でセールスできる仕組み作り」にあると考えます。

もちろん、そのために様々な打ち手があることは理解しています。

 

しかしながら、こうした安直な提案でお金や人的リソースを無駄遣いする会社や、こうした取り組みをさも「マーケティングとはこうあるべき」みたいに喧伝するキラキラした人たちはかなりの数存在し、そこに身を置くことに段々と疲れてきたというのが正直なところです。

 

こうした誤解の元にマーケティングを学んだつもりになった人間が増えると、近い将来「マーケティングだけやってきた人間はいらない」と転職市場で言われる時代が来るのではないかと思っています。寧ろ、本質を理解しないまま「マーケティング」という看板を背負わせるような企業に就職・転職することは、本人の認識を曲げてしまうリスクさえあると思っています。

 

そもそも、マーケティングとはそれ単体では完結せず、営業、経営企画、製品戦略など複合的な要素との掛け合わせによって、その会社にとっての最適解を見出すべき領域であると考えます。そういった意味では今の会社はマーケティング部門に様々な役割を課すなどその点をよく理解しており、個人としても実に様々な経験を私に与えてくれました。実際、面接でも色々なことをやってきた経験が評価された側面もあり、新卒のポテンシャル採用とは違ったアングルで自分を見てもらうにあたり大きな武器になりました。サンキュー現職。

 

どうやって転職したの

元々、新規取引先などの評判を確認する目的でOpenworkに登録していたのですが、口コミ参照期限を更新するために登録情報を入れ直したところドッとスカウトが来たことがきっかけでした。

 

その中で、あるエグゼクティブ系転職エージェントから声をかけていただきました。小さなIT企業の中間管理職がお世話になるにはいささか敷居が高いかと思いながら、タダで話を聞いてくれるとのことで面談をしたところ、意外と自分クラスでも応募できる求人を取り扱っているとのことでお世話になることを決めました。

 

エージェントは紹介者の年収の一定割合をマージンとしてもらう仕事なので、「より多く」「より高額のオファー」を受けさせる傾向がありますが、結果、12社応募して書類選考に通ったのは半分。落ちたのは分不相応と思いながらもエージェントに促されるまま受けたグローバル企業ばかりでしたので、これでも多く通ったほうでした。そこから面接に進み、最終的には5社から内定を得たうちの1社が冒頭に紹介した商社の広報部門でした。

 

転職理由で述べたとおり、今回は広報・IR業務を軸に選定していたので受けた業種はバラバラでした。メーカー、リテール、IT、コンサルと幅広く受けましたが、一口に広報といってもやることは企業によって全然違いました。今回、もう1つの希望として「コーポレート広報に携わりたい」というのがあり、広報だけやっていても将来に繋がりにくいため、プロダクト単位で完結する業務よりも会社全般の経営に近い領域で仕事ができる企業を探していました。どの会社も面接では業務内容から期待される役割までを細かく説明してくれましたが、転職先は自分の希望する業務内容とのマッチ度が最も高いと思える企業でもあったため、この辺の軸を持っておいたことで最終的な判断がブレないなと感じました(年収だけで言えば他にもっと良いところがあったため)。

 

ちなみに、今の会社に入ったのもエージェント会社の紹介経由でしたので最初はそこにお世話になろうかと思ったのですが、あいにく紹介できる求人がないとのこと。当時のエージェントはどちらかというと第二新卒を含む若手主体の求人に強みがあり、今の私との相性は必ずしも良くなかったと言えます。年齢やキャリアに応じたエージェントを選ぶことの大切さを今更になって実感しています。

 

あと、今回お世話になったところは専任エージェント制ではなく、業種・業態ごとにそれぞれの担当が求人を持ち寄ってくるタイプでした。なので、最初に面談したエージェントと転職先の担当は異なるのですが、いずれの方も良い人でしっかりとコミュニケーションも取れ安心できました。

 

一方で、こう言ってはなんですが自分の都合を優先するあまりビックリするほどレベルの低いエージェントが居たのも事実。夕方に連絡してきて「今日中に職務経歴書を出せ」とか、わざわざ20時に電話してくるから何事かと思って電車を途中で降りて電話に出たら「書類選考に落ちました」という連絡(んなもんメールで済ませろや)を寄越してきたり。ここらへんは個体差もあるので、向こうのビジネスを理解した上で程々に対応するのが疲れない秘訣かなとも思いました。

 

但し、他の人の転職エントリにも言えることですが、結局自分ひとりの経験の範疇でしかなく、自身の体験談が再現性のあるものかどうかは正直自信を持てません。この記事を見てくださった貴方には「あ、こういうケースもあるんだ」程度に思っていただければ幸いです。

 

また転職するの

結論、しない可能性のほうが高いのかなと思っています。

 

新卒で入った会社で5年、今の会社で約6年勤めてきて、人によっては10年ちょっとで2回も転職すること自体がマイナスイメージを持たれることもあるかと思います。成長のための転職だなどと私も偉そうなことを言っていますが、それはあくまで受け入れてくれる企業ありきの話。当然この先も仕事を通じた研鑽を怠らないようにと思ってはいますが、自分という人間の器とこの先更に年齢を重ねることを考えれば、5年、10年経ったときに今以上に高望みをすることが本当に現実的なのかと考えてしまいます。

 

私は、自分が大した人間でないということをよく知っているつもりなので、今回のキャリアチェンジもギリギリまで自分の可能性をストレッチさせた結果だと思っており、まずは次の仕事に全力であたること、それに尽きます。ベストを尽くせば結果は出せる(至言)

 

最後になにか言いたいことは?

次の会社は都内のオフィスで9時-17時勤務なので、落ち着いたらまた飲みに行きましょう。

 

出会いは突然、ある秋の表参道で

 

 2015年の11月に参戦したとある対バン。その時の記録がまだ残っていました。

 

 

 サムネからもわかる通り、この時はのんちゃん(ののこ/DEAR KISS)の当時所属していたGALETTe目当てで参戦していました。コロナなどこの世に存在していなかった7年前、当時の自分は「休日にどれだけの現場を回せるか」に挑み続けており、この日はこの後にWHY@DOLLのワンマンとバニラビーンズのワンマンをはしごしていました。自由だったなぁ自分。

 

 そしてGALETTeのおかげで自分も様々なアイドルを知るに至りました。元はと言えば「J-GIRL POP WAVE」というイベントで東京女子流と一緒になったことがGALETTeを知ったきっかけで…(この話は長いのでまたの機会に)

 

 さて、今日の本題に入ります。

 

 この日のオープニングアクトとしてパフォーマンスしていたのが、虹色幻想曲~プリズム・ファンタジア~。当然初見でしたし、この後に控えていた(当時)同じ事務所のマボロシ可憐GeNEの方はある程度の予備知識はありましたが…「OAという機会でも彼女たちにとっては大切なステージなわけだし、とりあえず観ておこう」とかなり気楽に鑑賞していたことを覚えています(過去現在すべてのメンバーとゴPに謝ります…)。

 

 そのライブパフォーマンスは自分の期待以上で、心と身体を持っていかれる楽しいものでした。思えばこの時から楽しいステージだったわけです。当時のブログに綴った感想が以下。

 

この日はいががが個人で3つの現場を回る予定にしていたので、あまりはしゃぎ過ぎないようにと思っていたのだが、OAからいきなり持っていかれてしまった。

何がすごいって、高音のキレイさ!あそこまでの高音をしっかり出し切ってハモる姿を観たのは、「ライオン」の中島愛&May’n以来な気がする。ファンの盛り上がり方といい、OAに置いておくにはもったいないクオリティだった。

 

 多分ですがここで高音云々言っているのは「夜行蝶々(Night Prism Butterfly)」を指しているのだと推測。

 

 

 

 さて、対バンというのは目当てのヲタクに最前を譲り、そのあとに出番を控えている演者のヲタクは後方で控えめに鑑賞することが多いのですが、当時のプリファンはまださほどヲタクが多くなく前方にはだいぶ余裕がありました。故にヲタク側のパフォーマンスも自由で活発だったのですが、この日のフロアで自分が目にした驚きの光景。

 

 

別現場で知り合ったヲタクが知らん現場で最前張ってる。

 

しかも何故かグリエル兄のタオルを広げてる。

 

 当日の終演後、話を聞きました。

 

 

 前段の話が長すぎて、1900文字目でようやく登場した今日の主役・穴見沙帆さん(当時26)。この時推し選手として挙げていた三嶋投手(横浜DeNA)は法大の同級生にあたります。

 

 この時はフロアで終演後一斉物販だったのですが、メンバーが布教を兼ねて来場者に声をかけていました。タオルの持ち主であったうるみんさんは当然ながら認知があったので向こうから声をかけてきてくれ、その時に自分が居合わせていた、という構図でした。ただこの日はGALETTeの物販に行くことが最優先かつ上述のとおり次の予定が詰まっていたので、とりあえずTwitterをフォローしたのみで特典会で話す機会はありませんでした。

 

 

横浜での出会いと、推しとしての確信

 

 少し経って、沙帆ちゃんの地元でもある横浜での対バンに出る機会があるとの誘いを受けO-SITEでのライブに参加したのが初めてお話しした機会。今でこそプリファンの物販は長蛇の列ですが、創成期だった当時はかなりスムーズに列が進んだことを覚えています。売れたなぁ…(何目線)

 

 

 最初のライブの時にも感想として述べていましたが、とにかくこのグループはパフォーマンスの熱量が際立っていました。どうしたら観てる人を楽しませられるかを考えると同時に、どうしたら自分たちも楽しめるかを考えながら確立していったのが「持ち時間精一杯ノンストップMIX」「同じセトリは2度とない」というスタイルなのだと思います。

 

 とりわけ沙帆ちゃんのダンス、自分もこれ以前、以降に様々なアイドルを見てきましたが、五指に入るなどというレベルでなく素晴らしい、これは推せる!となったことを、この時のステージを観て思った次第でした。メンバーチェンジもあり4人前提の曲を3人でパフォーマンスしてた時は純粋に「すげぇ」という感情しか出ませんでしたし、もっと大きな箱で観たい、そうなるべき存在なんだという思いを観るたびに強くしていきました。

 

念願の初ワンマン、TIF出演

 

 運営の方針もあり対バンをベースにファン層の拡大を図っていく一方で、生誕含めワンマンでのライブ開催というのはあまりありませんでした。それだけに、2017年の4月にBLAZEでの初ワンマンが決まった時はとても嬉しかったですし、結果として470名の動員を達成できたことはメンバーにもファンにも自信になったと思いました。折しも、自分自身も2017年の4月から転職で新宿に職場を移し、新たな始まりと明るい未来に胸が躍ったことを覚えています。

 

 

 そしてこの年には念願でもあったTIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)にも出演。賞レースではなく主催からの推薦で出場したということも嬉しく、皆でつかみ取った晴れ舞台でした(むやみに賞レースに出ない方針もこのグループを支持していた理由の1つでした)。

 

 

 何よりこの時自分が嬉しかったのは、TIFということで次の演者を待っているファンの方などもいる中でのパフォーマンスで見ず知らずのヲタさんが握手を求めてくるくらい感激していたことでした。プリファン売れた、いやまだ売れる!と思わずにはいられませんでした。

 

 

 

アイドル界の変化と共に

 

 とはいえ、何を以て「売れた」とするのかは難しい今のアイドル界。TIFも当初の見本市的な性質からステータス化が進み、関ヶ原などの大型アイドルフェスも様々な要件、思惑が絡み形を変えていきました。

 

 大手資本を持つグループが当たり前のように露出を強めていく一方で、体力の限られるところは「見いだされる機会」自体が少なくなり、いくら従前に出演歴などがあったり動員があったとしても、地道に予選を勝ち抜くなどしないと大きなステージに立てない時代になりました。箱根駅伝に例えれば「前年の順位が何であろうが、シードする大学は決まっておりそれ以外は予選会」というシステムとでも言いましょうか。このグループもそうした洗礼を少なからず受けた部分がありました。

 

 

 結果的にこの時は本選出場→最終予選2位でメインステージの切符を獲得したのですが、贔屓目かもですがこのレベルのグループでも予選からやらなきゃならないのかという思いは正直ありました。

 

 もちろん、もっと動員集めているグループはいっぱいありましたし、歴だけじゃないというのは理解しているつもりです。ただ、ここ数年でバックグラウンドのしっかりした大手資本が続々撤退する一方で、見せ方を理解した運営がセカンドキャリア、サードキャリアの受け皿として新たに参入するケースも増え、一定の知名度からスタートできる利点を活かした活動が出来るようになったのはアイドル界の新たな潮流だとも感じるとともに、それを持たない中小グループの出番を一段と限らせることにもなりました。

 

 何より、こうしたコンテストを通じ「自分たちがふがいないばっかりに…」という気持ちに彼女たちをさせてしまうことが、ヲタクとして心苦しかったです。だったら積めよ、という話ですし自分も投俵したのですが、積めば積むほど彼女たちの悩みを深めてしまうジレンマもありました。某48Gのオーディションを経験しプリファンにたどり着いた沙帆ちゃんは、地理的な意味も含め関ヶ原への想いも深いだけに誰よりもそれをわかっていたと思いますし、答えのない問いに共に苦悶していました(と思っています)。

 

LIVEパフォーマーとしての苦悩と人生

 

 そうこうしているうちにコロナが世界を覆いつくし、ライブを接点とするアイドルの活動機会はより一段と限られるようになりました。ただ、この期間中に様々な理由で活動の継続を断念したグループが多かった中で、慎重に機を計り続けてきた彼女たちは何とか再びステージに立つ機会を得ることが出来ました。フロア側から「声援」という形で熱量を届けられなくても、再びこうして多くの対バンにお呼ばれされる立場になったのは自分たちのパフォーマンスに向き合い続けた証左であると感じます。当時の運営のブログからも、感染拡大期の苦悶が見て取れます。

 

 

 そしてこの頃から、果たして今のアイドル界において何がゴールなのか、何を以て充足感を得るのか、観ているこちらとしても判らなくなってしまいました。昔ならある程度の動員でワンマンライブをやるなど目に見える形での「盛り上がり」を創り出してフィナーレということが出来たのですが、それも難しくなった世の中でどのように線引きをするのか。

 

 年齢で区切るつもりは全くないのですが、自分自身も昨年で33歳になり今後の人生の選択肢が少しずつ狭まっていくことを感じながら生きる歳になりました。20代のように「何でもやれます!」というポテンシャルで買ってくれるところは少なく、これまでの経験を基にどのように自分自身がプロとして生きていくのか、それを考える必要のある歳に差し掛かったという気持ちです。

 

 昨年32歳となった沙帆ちゃんも、きっと少なからず人生を考える機会があったでしょうし、とはいえアイドルである以上中途半端でなくやり切ったうえでゴールを迎えたいだろうし…と感じていました。いずれ卒業という時が来ることは覚悟していたものの、それが彼女の望むようなゴールにしてあげられるのか、この時世ではそれも難しいのかもと思料していました。

 

 

あの卒業報告に心を救われた

 

 

 だからこそ、卒業の報の中で本人から「やり切った」というコメントがあったという言及に、すごくホッとしたし救われた気持ちになりました。アイドルである以上はファンの応援を糧にして生きるわけですから、それが得られないことには充足感の持ちようもないはずです。恩着せがましいかもしれないけど、微力ながら応援し続けた日々が少しでも彼女自身の充足感に繋がっていたのなら、ヲタクとしてこれ以上の幸せはありません。

 

 完全ではないもののライブシーンを取り戻す中で、区切りとなる恵比寿・LIQUIDROOMでのワンマンライブを実現。そして2021年12月31日、最後のステージを終え、アイドルとしての歩みを完遂しました。最後まで沙帆ちゃんは輝いていましたし、観てるこちらが元気をもらえるアイドルだった、そう言い切れる一日でありました。

 

 

 本人も言及していた通り、観るたびに進化し輝きを増すその姿に安心し、Happyを貰っていました。自己肯定感を安易にアウトソースすることなく、自ら可愛いと楽しいを生み出し消費するその様は、アイドルという職業に対する彼女なりのプライドを持った向き合い方だったと思っています。グループやアイドル界そのものに対し不安を感じることはあっても、彼女個人のパフォーマンスや発信に対し不安を感じたことは一度も無く、あらゆる面で「プロ」であったということを、今振り返って改めて実感しています。

 

 だからこそ、これからは自分の「好き」の赴くままに人生を生きてほしいですし、その未来にもし我々が関われることがあるのであれば、生涯にわたってその機会を心待ちにしたいですし、ライフワークとして応援していく、そんな心境です。

 

 

 タイトルの通り、沙帆ちゃんとの思い出は語りつくせないですし、溢れ出る思いのほんの少ししか文字にできていません。きっと彼女のアイドル人生に関わったすべての人が、自分と同じ気持ちなのだと思います。初めて特典会列に並んだ時数えるほどだった推し被りは、6年たって昨日には何時間も途切れない列をなしていました。門出を応援する多くの人たちの、暖かいエールが照らし出す方へ、今日から新たな一歩を踏み出した彼女の幸せを願って、自分からの送辞と代えさせていただきます。

 

 

 沙帆ちゃん、ありがとう。またどこかで、会えたなら。

 

 

■自分だけかもしれないけど…

 

 日常の中で感じる、ちょっとした「生きにくさ」。

 

 例えば、パソコン操作で書類をアップロードしようとして、その書類が入っているフォルダにアクセスすると、命名規則のバラバラなファイルが雑然と保存されていたので、気になって命名規則の整理を始めてしまい、書類アップロードという本来の目的を忘れてしまう。

 

 開けたオフィスで仕事をしていると、自分に言われたり自分の話をされているわけでもないのに、他人同士の会話が気になって聞こえてきてしまう。

 

 周りの人の機嫌が悪いと、自分がなにか悪いことをしたのではないかと不安になる。

 

 誰に向けたでもない注意や指摘が、常に自分に向けられているかのように感じてしまい、気疲れする。

 

 最近、二郎に並ぶのが面倒になってきた。

 

 

 そんな、1つ1つは取るに足らないようなことだけれども、地味に感じる様々な「生きにくさ」を以前から自覚していました。往々にしてこのような生きにくさは「集中力の低下」や「疲れやすさ」となって現れ、仕事のパフォーマンスや普段の生活に影響するもの。

 

 集中できないこととかは自分でどうにかすれば良いと思っていたのですが、視聴覚の情報を遮ることができない以上、意志だけではこういった生きにくさを排除するのが難しいと、管理職になった最近は特に感じるようになりました。人の仕事ぶりをチェックし管理監督する立場であるはずが、自分のことに汲々としてしまったり十分なチェック機能を果たせていないと考えるようになり、解決のためにどういった方法が考えられるかと探っていたところ、見つけた1つの答えが

 

「精神病院を受診する」

 

ということでした。

 

 ここで言う「精神病院」は、精神科単独の町医者を指しています。とはいえ、今はあまり「精神病院」という言い方は通称としてはされておらず、もっぱら「○○メンタルクリニック」みたいな名称が一般的です。昔のメディアにも問題があり、精神病院と聞くとあまりいいイメージは抱かないですから…

 

 

 こういう偏見丸出しのアニメもあったわけですし。

 

 それはさておき、意志でコントロールできないということは何か自分の身体や脳の特性に問題があるのか?と考えたわけです。冒頭で述べたような自覚症状をWebで検索すると、色んな精神科医や学会、クリニックの記事が出てきます。その殆どが「大人のADHDの疑いがあります」という始まりでした。

 

 

■ADHD(注意欠陥・多動性障害)とは

 

 「ADHD」はそれぞれの症状の略語で

 

 Attention Deficit(注意欠陥)

 Hyperactivity(多動性)

 Disorder(障害)

 

を表します。人によって症状の出方は様々で、「注意欠陥」の方が大きく出る場合もあれば、「多動」が大きく出る場合、もしくはその両方が顕著な場合もあります。Web上では「思い当たることは有りませんか?」といった具合にそれぞれの特徴的な症例が挙げられ、当てはまる数で傾向を推し量る、みたいな簡易な診断ができるページがいっぱいあり、自分もやってみたのですがまぁよく当てはまる。見事に「ADHDの可能性があります」と簡易診断を下されたわけです。

 

 一例として、このような症例が挙げられています。

 

 ・忘れ物が多い

 ・計画を立てるのが苦手

 ・面倒なことを後回しにしがち

 ・単純作業の繰り返しが苦手

 ・一人でくつろぐことができない

 などなど

 

 一方で、上記のような行動特性は必ずしも病的な部分のみではなく、本人の不注意などに起因する部分も当然ながら一定量あると考えられており、これらを以て病名をつけることに懐疑的な向きがあることも事実です。

 

 実際、ADHDは子供期に発出する傾向の一種として捉えられており、これが成人後も影響し続けるパターンが有ると語られ始めたのはつい10年前ぐらいの話。正式に診断基準が設けられたのも2013年のことで、以前は「大人には存在し得ない」というのが医学界の通説でした。ある研究では、青年期にADHDの(いずれかの)症状が残るパターンというのは全体の約3%程度とも言われており、決して珍しいというレベルではない事がわかってきています。

 

 加えて、「単純作業の繰り返しが苦手」といった側面は「クリエイティブを好む」という特性の裏返しでもあり、実際に著名なクリエイターの中にもADHDの人がいたりなど、単純な病気・障害というよりは「個性」と見る向きもあることから、ADHDの診断は「白か黒か」ではなく「白から黒の間のグラデーションでどの程度に位置するか」といった診られ方になります。

 

 一般に、ADHDは脳内部室の不足に起因すると言われています。

 

 ドーパミンやノルアドレナリンといった、意欲やストレス耐性を高める神経伝達物質が不足することにより、集中を欠いたり注意が散漫になる、多動性の抑制が困難になることが原因とされています。人によっては分泌が不十分であるがゆえ、これら物質の分泌を促すために小児・成人共に主に投薬での治療が行われ、服用後の過程について経過観察を受ける、というのが一般的な対処法になります。ドーパミンの働きが欠乏するというプロセスはうつ病でも見られることから、ADHDを診察する病院はうつ病など他の精神疾患にも対応しているケースが多いです。

 

 

■正月休み明け、勇気を出して病院へ

 

 さて、果たして自分の場合はこうした医学的アプローチで解決できる話なのか、あるいは単に不注意を是正すればよいのか、なにか仕事でやらかしてしまう前に診てもらったほうが良いだろうと考え、職場近くの病院を受診することになったのが年明けの話。

 

 自分の行ったクリニックは割と大きめのところで、50人くらいは座れそうな待合エリアに15ほどの診察ブースがあるといういでたち。事前にWebで予約をした上で、問診票もその際にWebから提出します(どのような症状がありどんなことに困っているのか、それを自覚したのはいつからか、など)。初回診察ではその回答内容をもとに医師と話をするのですが、だいたいこんな感じでした。

 

 医「ほう…集中が維持できなく気が散ってしまったり、ケアレスミスが多いことを気にしているのですね」

 い「はい」

 医「仕事の仕方などを工夫するなど、対処はしていますか?」

 い「普段からWチェックを行ってて仕事自体は問題ないが、管理職という立場上自分がチェックをする側になることが多いので何とかしたい」

 医「わかりました、ADHDは症状の度合いよりも『どれだけ困っているか』で治療方針を決めるものです。仕事上の懸念を解消したいとのことであれば、小容量の投薬から始めてみましょうか。」

 い「おかのした」

 医「効き方には個人差があるので、効き目が薄いようであれば容量を増やしたり種類を変えることを検討しましょう。では今日は以上です、お大事に」

 

 診察は正味5分もないくらいでしょうか。かなりあっさりしてるなーというのが正直な感想でした。その後簡易診断と血液検査(服薬に当たり内蔵に異常がないかなどを確認する目的)を行った上で会計を済ませ、近くの調剤薬局で薬を受け取り、初回の受診は終了しました。

 

 ちなみに診察後に受けた簡易診断というのが、Webでもあるような「このような症状に思い当たるフシはないですか?」というYes/No型の一問一答と「バウムテスト」と言って「まっさらな紙の上に自由に木を書いてください」という心理テストチックなもの。この結果は2週間後の次回検診で返ってきたのですが、自分の診断結果はこうでした。

 

 【一問一答】

 AD(注意欠陥)及びH(多動性)いずれも傾向が強い

 

 【バウムテスト】

 抑うつ的で自分に自信がなく、疲れを感じている様子が伺える

 

 あくまで簡易検査なのでこれだけで確定診断は出せないとのことですが、一定レベル以上で傾向が現れていると知ることができたのはありがたかったです。ちなみに簡易検査自体はオプションなのですが、保険適用で+2,000円程度でした。

 

 

■処方薬は「依存性のない」安全なもの

 

 初回診察のとき、処方薬について医師から説明がありました。

 

 「この分野で有名なのはコンサータ(メチルフェニデート)という中枢系の薬ですが、依存性が高いので処方が登録制なんです。ウチには処方できる医師を置いていないので、非中枢系のストラテラ(アトモキセチン)を処方しますね。効き目についてはコンサータ同様という意見もあれば、弱いという見解もありますのであくまで個人差です。」

 

 メチルフェニデートは中枢神経に直接作用し、ドーパミンの取り込みを阻害して血中ドーパミン濃度を高めることで集中を促すとされている一方で、継続摂取により耐性が作られることから依存性が高く、徐々に量を増やしていく必要があります。そのために過剰処方による濫用が問題となり、処方が登録制となりました。以前は「リタリン」としてナルコレプシーの治療薬にも広く使われていたことでも知られています。

 

 アトモキセチンはメチルフェニデートと違い依存性がない一方で、効き目が緩やかで具体的に効き始めるのには6〜8週間程度の服用が必要と言われています。とはいえ、今回かかったクリニックではこちらの選択肢しかないので、必然的にこれを選ぶことになります。最初は40mgの低用量からはじめ慣れてきたら80mgに増やすという順序を取るのが一般的だそうですが、後述する通り自分は一定の効果を実感できているので、2ヶ月経過後も40mgのままです。

 

 ちなみに薬価はジェネリック40mg2週間分で約4,000円(自己負担3割なので1,200円ほど)。このジェネリックにまつわる問題はまたの機会に。

 

■で、実際投薬治療でどう変わったの

 

 服用は朝食後の1日1回のみ。最初は催眠性(副作用の一種)を感じることもありましたが、順応するにつれ問題無く服用できるようになりました。依存性がないため「薬が切れた」という感覚もなく、通常の薬と同じ感覚で飲めています。

 

 実際に服用を開始して少しすると、冒頭に述べたような「生きにくさ」の一部が解消される感覚を得ることができました。特に、自己の業務遂行における「注意散漫」や「忘れっぽさ」が解消され、マルチタスクの進行も怠らずに進められる機会が増えました。他人同士の会話が入ってくる感覚はまだあるものの、それが以前のように過度に気になったりイライラしたりという度合いは低くなり、デスクワークが捗るようになりました。

 

 これが本当に投薬による効果なのか、あるいは単にそういった傾向を自認したことで自分自身の心の持ちようが変わった事によるのかどうかはハッキリとした答えは出ていないのですが、少なくとも以前から感じていた問題点を解消できたという点において、通院・投薬のプロセスが大きく寄与してくれたことは間違いないと思っています。

 

 以降、処方上限に合わせ2週間毎に通院を続けており、毎回の状況報告と今後の方向性(処方量を上げるかどうかなど)を定めた上で薬をもらい治療している、というのが現状です。今のところは「病気としての確定診断」は受けておらず、「そういう傾向があるようだから、薬でカバーしましょう」という段階に留まっています。

 

 

■問題は「終わりがない」こと

 

 ADHD自体はグラデーションの問題であり、白黒の線引ができない特性であるがゆえ何を以て「治癒」とするかが非常に難しいと言えます。幸い、依存性のない処方薬を服用しているので止めたところでなにか問題が起こる可能性は少ないと思うのですが、投薬により効果を感じることができたとするならばやはり自分の「生きにくさ」が脳内物質に起因する問題であるという証明にもなるわけで、自発的にそれを改善する事ができない以上は投薬治療に頼っていくことが必要と考えられます。

 

 もし、治療を終了させられる目安があるとすれば、投薬によって「うまく行っているときの自分」を自認することでその際の行動特性などを自意識によって反映することが可能な状態にまで持っていくことが求められるでしょう。元々「意志の力でコントロールが難しいから、医学的アプローチで解決できる可能性があるのか?」という問いから治療を始めたにもかかわらず、結局意志の力に頼ることになるのかという矛盾はありますが、ADHDや躁鬱の治療の過程においては「成功体験を集める」こともプログラムの1つとして挙げられており、その反復による学習で自意識による再現を目指すという事自体はあながち無謀な話でもないのかと思っています。

 

 あとは、それをどう病院に伝えるか。今の病院は担当制ではないため毎回違う医師が担当しています。後腐れなく相談できそうという期待がある一方で、どこまで自分の治療歴が引き継がれているかは正直不安でもあり、自身の希望に寄り添ってくれるかは不透明です。そりゃ向こうにとっては商売なんで当たり前ですけどね。

 

 

■欲しいのは「病名」ではなく「生きやすさ」

 

 最初、治療を受け始めるときには程度によっては病名をもらい、精神障害の認定を受けて生きていくことも有り得るのか?とさえ考えていましたが、ADHDに限らず精神疾患はボーダーが曖昧で過剰診療もときに見られることから、自治体でも認定は厳しいそうです。精神疾患には、申告により医療費の自己負担を1割に抑えられる「自立支援医療制度」というものがありますが、初回の医師いわく

 

 「ADHDではまず自治体は認定してくれないので、同じ治療薬で対応している躁鬱ってことにして診断書を書くんです。診断書を発行するのにもお金がかかりますし役所に行くのも手間ですから、無理に適用を希望しなくてもまずは様子見でいいのではないでしょうか。」

 

 ということでした。本末転倒。

 

 結局のところ、初回診療のときに言われた「大事なのはどれだけ困っているか」という話に尽きると思います。病気というものは全てにゴールがあるわけではなく、自分自身がうまく付き合っていけるレベルに持っていくことが重要なこともあるとわかったのが今回の学びでした。

 

 そして、冒頭に上げたような生きにくさを抱えた人が少なくないという事実。

 

 ときに大人のADHDに対しては「甘えだ」「病名が付けばなんとかなると思っている」という声もありますし、実際そのような側面が(自分含め)ある可能性は否定できません。ですが、自身の「意志の力」を過信せず、謙虚に身体と心に向き合った結果として医学的アプローチに解決の糸口を求める事自体は、決して悪いことではないと思っています。

 

 小さな生きにくさが、取り返しのつかない大事になる前に、できることを探ってゆく。少なくとも自分にとっては、この経験が改善への大きなきっかけになったと思えていますし、同様に悩まれている方にも「そのようなアプローチがある」ということを知ってもらえたほうが良いのでは?と思い、ブログにしたためた次第です。何かの参考、きっかけ、暇つぶしになってくれたなら本望です。

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 3年前、代アニのライブスペースで最前で観てる時に目が合った彼女。

 

 ポジティブも、ネガティブな感情も、真っすぐに伝えてくれた。そんなところが好きで、目が離せなくなった。

 

 環境が変わり、こちらから行く機会が少なくなった間も、会えばあっけらかんと接してくれた彼女に、いつも安心するとともに感心していた。こんなにも自分に正直で真っすぐな人がアイドルとして頑張っているんだと。

 

 

 

 

 この知らせを聞いた時、最初は驚きましたが、事象に対してというより、そんなことになっていたという素ぶりをおくびにも出さず、我々と接してくれていたんだということに驚かされたというのが正しいかもしれません(直接会えない状況が数か月も続き、そもそも気づきようがないという見方もありますが)。

 

 そして、この決断、発表自体は、実に彼女らしい、真っすぐな生き方を貫いたという証であると思いましたし、その人生を尊重するということ以外に感情がありませんでした。

 

 これだけ聞くと

 

 「強がってるだけだろ、本当は血の涙を流しているくせに」

 

 というご指摘を受けそうですが、自分は本当にそう思いましたし、彼女にも同様の内容でリプライを送った次第です。それは彼女が選んだ「ひとりの人間としての決断、自分の人生の選択」であり、それ以上でもそれ以下でもないからだと考えるからです。

 

 それは、自分がヲタクでしかないから。

 ヲタクが関われるのは「アイドルとしての彼女」の一部分でしかないわけで、当人の人生、生き方、価値観に口出しや指図ができる立場ではないと考えているからです。

 

 

 

 上記も一つの「本音」であると前置きしたうえで書きますが、ヲタクとしての感想を述べるなら

 

 「ふざけるな」

 

 この一言に尽きます。

 

 一般の企業や団体に勤めていて、仕事の成果と対価を交換するタイプの仕事であれば、出産や育児といった局面で適切な休暇を取り、復帰後再び働くということは当たり前に保証されるべきです。ですが、アイドルとしての成功を求めて、自分の人生に上手く折り合いつけてやっている人がこの世界にはごまんといます。グループとしても、この件を何か問題にするつもりは全くなく、産後体調が戻ったのちに再びステージに立つことを前提として公表しています。

 

 価値観は人それぞれですが、自分は夢を売る側面もこの産業の一部として存在すると考えている以上、異性の影を伺わせるような人を応援する気にはなれません。よく「いがががは推しが結婚とかしてもフツーに応援続けそう」と言われるのですが、自分はそこまでできた人間ではありません。一人の人間、女性としての選択に理解と祝福のリプを送った後で、そっとリムーブするタイプです(実際にそうしてきました)。そして残念ながら、自分は推しが中出しされる場面を想像して喜べるタイプの人間でもありません。

 

 事に及んだという事象自体への評価は、多分に感情論も含むため適切に言い表すことが難しいのですが、避妊の選択肢は無かったのかと。「できてもいい」というのが、確固たる意志なのか、それともその時だけの惰性の感情なのかは、当事者でないのでわかりません。自分は絶対的な清廉潔白を望むのは無理だとわかっているので、誰に対しても「せめて表に出なければ」と思っていますが、異性の影は隠せても宿した命は隠せません。「結婚を前提として」と彼女は釈明していますが、古臭い言葉で申し訳ないけど「順序が違うぞ」と。

 

 そしてこの世界は絶対値で評価できないもの。あくまで自分がどこにリソースを割くかは、相対的にどう感じるか、それに尽きると思います。繰り返しますが、自分の心と折り合いをつけて活動している人がいっぱいいます。そうした人を差し置いて、そうでない人を応援するために何かを費やす、ということは、自分の中で選択肢にはありません。不慮の事故でも、1000万持ち逃げするクソ運営のせいでもなく、自分自身の判断で「1年以上仕事に穴を開けることになっても良い」という選択をしたのです。

 

 彼女が、自分と何の接点もない存在であったなら、「おめでとう」の一言で受け止めることのできた話だったでしょう。

 

 しかし、幸か不幸か、自分は彼女のアイドルとしての才覚、魅力、真っすぐさに惹かれ、応援する立場になってしまった。それ故に、今回の判断を尊重する一方、アイドルとしての彼女を応援できなくなったのは事実です。

 

 最近折に触れ、他のアイドルの方々にこうした知らせがあるたびに、自分はアイドルヲタクに向いてないんじゃないかと思うようになりました。ただ、どんな選択も受け入れたいと思う一方で、それが自分の描く姿と違った時、文句を言う人間になってはいけないとも思うわけです。無理なら離れるしかない、と。

 

 そんな、人間としての器の小ささを、戒めとして残す意味も込めて、このブログをしたためました。

 

 

 見ての通り、ゆまちは立派な大人です。

 

 これからは、自分と自分の大切な人たちとの人生を、大切に生きてほしいと強く願っています。そして、お相手の方も、生まれてくるお子さんにも、当たり前ながら何の罪もありません。勿論ゆまち自身にも。どうか胸を張って生きていってほしいです。

 

 そして、ヲタクとして自分が彼女に関わること、そしてその権利は、もうないのだと思っています。あくまで自分が勝手にそう思っているというだけの話ですが、彼女の選択を尊重するとともに、いちヲタクの選択もまた、尊重しろとは言いませんが、受け流していただけたらと思います。

 

 真っすぐで、全力なあなたが好きでした。

 

 ありがとう。健やかに、そして何より幸せに。

しばらくオンラインで浮上していませんでしたが、変わりなく生きております。

 

昨今の情勢に加えて、家内と息子が交互に体調崩したり、会社では連日採用面接の試験官を担当したり、家のテレビが壊れて代替え機の取り付けに深夜まであたったり…と実にいろんなことがあり、ここ数週間は家と職場と近所のスーパー以外は出かけられていないような状況でした。

 

とはいえ、そのいずれも誰からも強制されたものではなく、あくまで「自主的に自粛」していただけであって、すべては自分の判断と選択なわけです。そんなこと言ってたらこれを書いている喫茶店で黒岩知事の記者会見が流れてきて「自粛を要請」されました(神奈川県民)。

 

しかしここ数日の様子を見ていると、「自粛を要請」とソフトな物言いながら、「やることはやった」というポーズと「でも責任は取らないよ」という雰囲気がありありと見えて、政府・東京都をはじめとした行政の言うことも所詮こんなものか、と思わなくもないです。仕事における往来は特に言及していないものの、諸外国では仕事による外出も「不要不急」とするそうで、そのあたりにも経済(と与党の大票田)への配慮が伺えます。

 

結局為政者の見ている「経済」とはマクロであって、我々が日々感じるミクロレベルの事象なんぞハナから気に掛けていない(ように見えないように頑張っている)わけです。

 

https://twitter.com/snhr_minami/status/1019102142664097795

 

ライブハウスに行けばステージの上は「仕事」ですが、ステージの下は(傍目から見れば)「趣味」であり、それならば「趣味」にあたる部分を取り除いて「仕事」として成立させてしまおうという試みの一つが「無観客」であるとも思えてきます。

 

ではその「仕事」の対価は誰が支払うのか?

 

今回のような「人間がコントロールできないこと」を想定して常に人が居なくてもマネタイズできる仕組みを考えろ、というのなら、「人の価値」に本質を求める産業は軒並み潰れるでしょう。あらゆる社会保障を廃止して福祉はベーシックインカムに一本化、より多くのサラリーを得たい人がそれぞれの考えで適職に就く、くらいのダイナミズムがあればよいですが(自分は学生のころからそっち派です)。

 

一つ、今回のことで改めて分かったのは「いざという時に誰も責任は取ってくれない」ということです。

 

https://twitter.com/kthr_peko/status/1233607501485989888

 

そもそも、マスクやトイレットペーパーの品切れが長く続いたのはデマの影響もありますが、結局のところ「デマを妄信したのがきっかけだとしても、マスクやトイレットペーパーを手に入れるためにはいち早く転倒の在庫を掻っ攫うのが正解」という事実の裏返しなわけで。みんな自分と自分の大切な人のために必死なので理解もできますが、いざ本格的な流行になって騒ぎ出した大勢のせいで冷静な人が馬鹿を見るという最悪の展開だったと自分は感じています。

 

政府も政府で、現金給付による経済活性化案を検討しているようですが、渡されたところでどうやって使うのか?と思っています。必要なお金は当然取っておいているとして、物資を買おうにも品切れで、経済を回そうにも「イベント自粛」「密接自粛」「外出自粛」じゃ何も出来ないですし。その代案として商品券という話もあるようですが、それこそ外出しなきゃ使えないものじゃないですか、と思ってしまいます。

 

本来、こういう時こそキャッシュレスをうまく使えたらと思うのですが。搾取のない投げ銭プラットフォームなんかはこういう時にチャンスですね。

 

と文句ばかり述べてきましたが、自分の会社も特に制限なく普通に出社を求められてますし、リアルイベント以外に収益機会を持てていないところも多いはずです。結局は現実的な範囲で折り合いをつけるしかないわけです。自己責任で。生きずらいですね。

 

先日、外回りで電車に乗ったときのこと。

 

そこそこ混んでいたのでドアの近くで立っていたところ、ドアガラスに貼られた広告に目が行った。

 

韓国料理の「チヂミ」を家で簡単に作れる粉の広告。

チヂミはタネにする素材を選ばないので、定番のニラのほかにも海鮮などさまざまなバリエーションが楽しめる。自分で素材を揃えて、粉と水と卵でタネを作れば、後はフライパンやホットプレートで焼くだけ、という代物。

 

そう言えばしばらく韓国料理のようなものを食べてないなぁ、これなら作れそうだし一丁作ってみるか!と思い立った昼下がりであった。

 

 

その日、仕事を終えて近所のスーパーで帰り道の途中に買出し。

小麦粉などが立ち並ぶコーナーの一角に、「チヂミ作り用ミックス」の棚があった。

自分がかごに入れたのは、昼間見たメーカーの商品・・・・・・ではなかった。

 

厳密に言えば、そのメーカーの商品は取り扱いが無く、競合メーカーの同種商品があったのみなので、それを買ったまでという話。

 

 

自分があの広告を見て高まったのは「チヂミを作って食べたい」という欲であって、そこには「そのメーカーの商品を買う」という必要条件は含まれていなかった。

実は、意識しないうちにこういう行動をとるパターンって意外と多いんじゃないかと思った。

 

チヂミ作りのための商品であるなら、「チヂミを食べる」という行為が先立たなければ需要は生まれない。

そのために、商品の画像よりチヂミのシズル感、またバリエーションの豊富さを謳う広告の座組み自体は正しいものだろう。

 

その先のフェーズ、「うちの商品でチヂミを作ってください!」という訴求要素が心に残らないと、選択肢として選ばれる可能性は少ない。

天ぷらやから揚げのように「難しいものを簡単にできる」というメリットがあればよいのだが、そもそもが複雑ではないチヂミという料理においては、タネ作りで差別化をすることはハナから無理があるだろう。

結局、そうなるとそこの商品が棚に並んでいなければ選ばれないという話で、並んでいたとしても商品の機能・性能が横並びである以上、それ以外の要素(価格、ブランド、イメージなど)で選ばれることになる。

 

広告だけでは埋められないキャズムを埋める、それがマーケティングなんだと感じた出来事。

一昨年の秋のこと。

 

仕事の集まりでどうしようもなく辛いことがあった。

それまで耐えてきたことの蓄積もあり、一人涙しながらつく家路の途中、上司に「休みます」と電話した(この日は月曜日で翌日も普通に仕事の予定だった)。

謂れのない人格否定を一身に浴び続けたこの夜の自分に、翌日出社することは考えられなかった。

 

翌朝、布団の中で惰眠を貪りつつ、初めてダウンロードした転職情報アプリに目を通す。

世の中にはこんなに求人があるんだなぁと思いつつ、力づくでもぎ取ったこの「ズル休み」をどう使おうかと考えたとき、「普段しないようなことをしよう」とふと思い立った。

 

しまいこんでいたミラーレスカメラを引っ張り出し、写真を撮りに。

 

 

鶴見駅。

ここから伸びる鶴見線と、接続する南武支線。普段乗ることのない路線で、普段取らない写真を撮る。いつもの自分から離れようと思って選んだのがここだった。

 

 

一瞬よくわからない路線図。

工業地帯を走る鶴見線は、行き止まりの多い三叉路線となっている。

 

 

最初の目的地、国道駅。

国道沿いにあるからという安直な由来の駅名。

 

外観自体はよくある駅なのだが…

 

 

入り口がやけに暗い。

 

 

ろくな照明のない中はもっと暗かった。

昔からの駅舎をそのまま利用していることもあり、その雰囲気から関東有数の「廃墟っぽい駅」として知られているそうだった。

 

 

コンコースには民家と思しき軒並みも。このうちのいくつかは、今でも人が住んでいるそうだった。

 

約30分の間隔で、次の電車がやってきた。

 

 

2つ目の目的地は浜川崎駅。

ここが鶴見線と南武支線の乗換駅となっている。

 

 

鶴見線の駅舎。実は同じ鉄道会社・同じ駅でありながら一旦改札を出なければならないという非常に珍しい構造になっている。

 

 

こちらが南武線側の駅舎。道路を渡った先にある。

 

 

幹線道路が駅の目の前を通っているが、それといった商業施設などはない。あるのは工場と中古車販売店と、ラブホテルが1軒。

 

 

夕方であったが盛んに工場が稼動していた。

 

 

鶴見線の線路にいた猫。

線路下に寝床があるらしく、行き来する様子が観察された。

 

40分ほどの散策ののち、帰路につくことに。

 

 

終業にはまだ早い時間だったせいか、2両編成の1両は自分以外誰も乗っていなかった。

 

 

家のそばの踏み切りに着くころには、もうすっかり日が傾いていた。

 

何もしたくなかったけど、何かしたかった1日。

少しだけ気持ちにも余裕が生まれて、これからの人生を考えるいい機会になった。

 

翌日は、部署の全員に菓子折りを持ってお詫びしながら出社したことは、言うまでもない。

 

■ キャッシュレスの普及率は韓国8割、日本2割 

 

経済産業省は今年4月、大阪万博が開催される2025年までに「キャッシュレス決済の比率を40%まで引き上げる」ことを柱とした「キャッシュレス・ビジョン(pdf資料)」なるものを発表した。

 

2015年時点で、日本におけるキャッシュレス決済(現金以外の電子的手法による決済)比率は18.4%とされている(下図参照)。アジアを中心に先進国の中では大きく後れを取っているのが現状だ。

 

 

背景には、海外ほど現金保持に関するリスクが低い(盗難が少ない、どこでもATMがあって引き出せる、銀行は公的資金注入で守られてるからよほどのことが無い限り潰れない…etc.)ことに加え、現金のやり取りを前提とした商慣習が成立していることから、POSや自動販売機などといったインフラもそれに最適化されて発展してきたことが挙げられる。

 

また、クレジットカード等電子決済用の端末の導入にはコストがかかる上、加盟店(利用できるお店)には手数料も発生することから経営を圧迫する要因になりかねないという懸念もある。こうした事情から、海外ほど日本では普及が進展していないことが伺える。

 

 

■ 国レベルが無理なら身の回りからやってみた 

 

思えば自分の財布もいつもいくらかの現金が入っている。しかしよく考えれば、交通系ICカード(Suica、PASMO)を使いようになり電車の切符なんてここ数年買ってないし、ネットショッピングや各種固定費の支払いはクレジットカードやデビットカードに纏めているから、実は現金なんて持たなくても何とかなるんじゃないか?

 

そう思うようになり、この夏に新居に引っ越したことをきっかけに「身の回りのキャッシュレス化」を進めることにした。

そのためにやったこと、また使い始めたものを紹介する。

 

1.モバイルSuicaの導入

 

転居を機に、自分の通勤ルートは

 

上図のように自宅のある南橋本から職場のある新宿までとなった。(この2駅間を行き来するルートは他にもいくつかあるが、橋本駅は京王相模原線の終点で始発電車に乗車できるためこのルートを選択した)。

この場合、購入できる通勤定期は

 

「新宿→南橋本」(京王電鉄発行)

「南橋本→新宿」(JR東日本発行)

 

のいずれかとなる。別にどっちを選ぼうと値段に変わりはないのだが、ここではJR東日本から購入できる「南橋本始まり」を購入した。

 

その理由は、「モバイルSuicaが使える」から。

新宿始まりで京王で購入すると定期券は「PASMO」で持つことが出来るが、モバイルSuicaのPASMO版は現状無い。とはいえSuicaやPASMOといった交通系ICカード自体がすでにキャッシュレスの支払い手段として一定のシェアを獲得している現状で、なぜわざわざモバイルSuicaに拘るのか。その理由は主に3つある。

 

[1]クレジットカードでチャージが出来る

 

ICカードのチャージは原則駅の券売機で行わなければならない。その点、モバイルSuicaなら好きな時にアプリを立ち上げてチャージできるので、出場直前に残高不足に気づいても精算機に並ぶことなく直ぐに対応できる(慣れれば10秒ほどでチャージ完了する)。さらにクレジット利用分としてポイントがついたり、年会費支払い免除の要件にカウントされたりするので経済的メリットもある(後述)。

 

[2]かなりの店舗で決済できる

 

改札の通過はもちろん、普段の買い物でも多くの店でSuica、PASMOに対応しており、困るケースはほとんどない。

 

[3]財布が薄くできる

 

たかが1枚、されど1枚。元々Air Walletという薄い財布を使っていたので、カードは1枚でも少ないに越したことはない。

 

このような理由で、モバイルSuicaが使えるようにあえて「南橋本始まり」を選択した。

 

(図)モバイルSuicaの実際のアプリ画面。アプリからのチャージのほか、定期券更新やグリーン券購入など幅広く対応している。

 

但し、1点だけ残念だったのが当時使用していたスマートフォン「OnePlus 5」ではモバイルSuicaが使えなかったため乗り換える必要があったこと。

対応端末の中で、未使用品が割安に購入できスペックも必要十分レベルの「docomo ARROWS F-04K」をチョイスし購入。「割れにくいスマホ」と言われているだけあって、既に何回か落としているが全くびくともしない。頼れる相棒。

 

2.デビットカード+クレジットカードの組み合わせ

 

ここまでで日常生活の大部分をキャッシュレスにできたが、スーパーでの買い物など交通系ICに対応していないシーンはまだ多い。それでもほとんどがクレジット決済できるので良いのだが、クレジットの落とし穴は「請求が遅れてくるところ」である。もちろん履歴は確認できるのだが、自分の想定以上に請求が積み上がり冷や汗をかいたことは少なくない。

そのため、リアルタイムで口座から引き落とされるデビットカードが安全で便利なのだが、クレジットカードの中には利用額に対するキャッシュバックが設定されているものもあり、そのメリットも捨てがたい。

 

と思案を巡らせていると、最近では「デビットカードやクレジットカード、銀行口座を紐づけて利用できるクレジットカード」が存在するとのこと。これなら口座残高を見ればおおよそのコスト感が掴めるし、なおかつポイントも付けられそう。

今回、キャッシュレス計画にあたり自分が試してみたのが以下の2つのカード。

 

[1] LINE Payカード

LINEは既に「LINE Pay」というモバイル決済プラットフォームを展開しており、それをリアル店舗やネットショッピングでも使えるようにしたのがプリペイド式の「LINE Payカード」である。ブランドはJCB。

 

<利点>

・コンビニでカードが手に入る

・LINE自体の認証が済んでいれば利用手続きはスムーズ

 

<欠点>

・ポイントプログラムが複雑

→サービス開始当初は「利用額に対し一律2%キャッシュバック」となっており、自分も月に10万ほどの決済を纏めていたので約2,000円程の還元を受けていたのだが、2018年6月より「相対利用額を基にしたランク付けにより最大2%」に変更、これが不透明という批判があり8月には明確な基準を設ける方式に変更したが、以前と同じ2%の還元を受けるためには「10万円以上の利用+5人以上へのLINE Payを使った送金」が必要となり、現状人に送金する用途の無い自分のような人間にはハードルが高すぎる(LINE Payの残高は払い出しが出来るが手数料が必要)。

・あくまで「プリペイド」のため、事前にチャージしておくことが必要

→これが結構面倒。レジで残額不足に気づくといちいちチャージしなければいけない。また払い出しには手数料がかかるのでなるべくチャージに端数は生みたくないが、チャージは100円以上となっているため細かな調整がやりづらい。

 

[2] Kyash

 

 

こちらも既にある「Kyash」(キャッシュ)というネット決済専用のバーチャルカードのリアルカード版。2018年6月に申し込みが開始のアナウンスがされたが、それと同時に「一律2%キャッシュバック」を打ち出し大きな話題となった。丁度2週前にLINE Payが「一律2%」の終了を発表したタイミングであり、それを意識したものという推測もあったがあくまで2%還元は「恒久的な施策として行う」とのこと。

 

申込すると写真のようなプラスチック製のカードが届く。ブランドはVISA。

 

<利点>

・デビットカードを紐づけられ、決済の瞬間にリアルタイムで引き落とされる

→LINE Payとの大きな違い。クレジットカードやデビットカードを紐づけておくことで、予めチャージすることなく買い物などに利用できる。カードが切られた瞬間、Kyashから登録のクレジットカードへ請求が飛び、購入金額と同額がクレジットカードからKyashにチャージされ、その金額を以てKyashから決済されるという仕組み。これが瞬時に行われるため、クレジットカードの使い勝手とデビットカードの安全性を両方享受できるというわけだ。

もちろん、銀行振り込みやコンビニでのチャージにも対応している。

・VISAブランドなので対応範囲が広い

 

<欠点>

・利用限度額が低い

→Kyashによる決済では、1日3万円まで、月12万円までという制限がある。これが結構ネックで少し大きな買い物をしようものならたちまち引っかかってしまう。この点、LINE Payは無制限にチャージ&利用が出来るので天井を気にする心配がない。

 

結論から言うと、今はKyashに自分のメインバンクである三井住友銀行の「SMBCデビット」を紐づけ、支払いを纏めている。SMBCデビットを介することで、利用額の0.25%のキャッシュバックが受けられるのも利点。

但し限度額が低いので大きな買い物の場合用にLINE Payカードもサブで保持している。

ちなみにモバイルSuicaへのチャージにKyashのリアルカードを紐づけることも可能だが、この場合6,000円以上のチャージ及び購入でないとキャッシュバックの対象にならないので注意(最近まで知らなかった自分、涙目)。

 

 

■ 果たして実生活でどこまでキャッシュレスに出来るのか 

 

これで生活シーンのほぼすべてで現金を持たずに生活できそうな体制は整った。

では一体どこまでカバーできるのか、生活シーンに即して考えてみた。

 

1.電車移動

 

 

いかに南橋本という田舎地方の駅であっても、流石に自動改札はあるしICカードにも対応している(相模線の一部には簡易読み取り機しかない無人駅もある)。唯一の懸念は「Suicaエリアを飛び出してICカード非対応の駅に行くとき」(例:JR御殿場線など)だが、事前に切符をクレジットで買えばよく、今ではほとんどの駅で多機能券売機(黒い券売機)が設置されているので困ることはないだろう。

 

2.買い物

 

 

物品販売を行う店のほとんどはクレジット決済に対応している。また、特に鉄道駅の中や直結している商業施設では交通系ICカードでの支払いも可能なので、本を買う時なども問題ない。

 

3.飲み会

 

 

ここから少しずつ対応非対応の差が出てくる。

 

まずチェーン店であればほぼ問題なく対応している印象。実入りが大きければコストを利益で吸収できるという関係もあるだろう。

また、最近になって行きつけの焼き鳥屋にクレジット対応のステッカーが掲出されているのを発見した。最近では小規模店舗向けにiPad等で動かせるPOSシステムが開発され、低コストでの導入・運用が可能になっている。

 

※ちなみに件の焼き鳥屋が導入していたのはリクルートの「Airレジ」の模様。

 

一方で、低単価を売りとしているお店や、個人経営でも比較的経営者がベテランの域に達しているお店だと、コスト面や心理的ハードル、また仕入れの関係で即時に着金が必要などの理由で導入が進んでいない様子。

 

また、飲み会でも個人間のやり取りが発生する場合、キャッシュレスだとお互いに同じプラットフォームでやり取りをしなければいけないためやはり現金の融通は幅を利かせることになる。

 

4.スポーツ観戦

 

 

チケット購入、また球場内のグッズ売り場ではクレジットカードがほぼ問題なく使える。またコンコース内の売店でも最近では交通系ICカードや非接触型の決済(iD、楽天Edyなど)に対応しているケースもあり、利便は高まっている。

 

ただ、仕組み上難しいのが「ビールの売り子」。プロ野球の東北楽天では2014年から売り子からの購入にEdy決済を導入しているが、元々大荷物なうえにさらに決済用の端末を持たせるとなると全ての事業者にとって必ずしも現実的ではなかった。

 

そんな中、その楽天がこの夏に導入したのが「楽天ペイによるドリンク購入」。

 

(出典)楽天株式会社/プレスリリース「楽天のスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」、国内で初めて野球スタジアム観客席での売り子販売で利用可能に」

 

楽天ペイは「QRコード型決済手段」の一つで、利用者は自身の携帯端末で売り子の持っているQRコードを読み取り決済する仕組み。基本的に販売する品目が限られており準備するコードが少なくて済むという特性に加え、売り子はコードが印刷された紙さえ持っていればいいので負担も少ない。

 

通路が狭いなどの理由で、バケツリレーよろしく人づてにやり取りしなければいけない時など課題はあるが、お釣りの準備などのオペレーションコストの削減にも一役買いそうな取り組みである。

 

5.ライブ会場

 

 

個人的にはここが最大の障壁だと感じた。

大手のアーティストはまだしも、中小のバンド・アイドルグループとなるとかなりハードルが高い。

 

まず観覧チケットは一部プレイガイドを通じて販売されるパターンを除きほとんどが現地での支払い。Webでのプラットフォームもその多くが後払い(現地での現金払い)となっている。また、ライブハウスでは入場時にドリンク代を請求されることがほとんどだが、これも多くは現金払い(最近500→600円に値上げするライブハウスも多く、小銭の用意など双方にとって負担が増えている)。

 

さらに難しいのが「特典会」である。

ここまでくると運営スタッフやメンバーの手弁当というパターンがほとんどで、流石に個別に対応を求めていくのは厳しいものがある。

中小のライブシーンの多くは薄利多売のビジネスモデルである。先ほどの小規模向け決済システムの導入にも、端末(親機となるiPadなど)代金の負担は事業者自らが行わなければならないし、そもそも「受付」という概念が曖昧なため固定してレジの場所を決めること自体が困難だったりする。

 

現金管理のリスクは確かに大きいし、決済手段が増えるに越したことはないが、混雑する中でいちいちクレジットカードにサインを求められるか?という現実的な問題もある。少なくとも現状では、この世界に関してはお札のやり取りが一番スムーズという結論になるだろう。

 

■ 最後に 

 

 

今回、国レベルでの普及がいまひとつという点から自分の身の回りでのキャッシュレス化に挑戦したが、一人で生活する分にはかなりの部分で実現できそうと思った一方で、割り勘や特典会など相手の状況・プラットフォームに依拠しなければいけない場合はまだまだ厳しいという印象だった(だったらヲタクやめりゃいいじゃねーか、というツッコミは無しで)。

 

キャッシュレス決済においては、通貨の行き来に第三者が介在することで資金洗浄などのダークな取引を阻止できる利点もある。将来的には、「現金取引」=「第三者を介せない後ろめたい何か」というレベルにまでなっていくのかもしれない。

 

とはいえ、長年の商慣習をひっくり返すにはかなりの労力が必要。アジア各国では国を挙げてインフラを整備したり、クレカの利用分を課税対象から控除するなどの取り組みが奏功している。本当にキャッシュレスの比率を高めたいと考えるなら、日本でも事業者・利用者双方に大きなインセンティブを設けるなど、抜本的な施策を講じる必要があるかもしれない。