3年前、代アニのライブスペースで最前で観てる時に目が合った彼女。

 

 ポジティブも、ネガティブな感情も、真っすぐに伝えてくれた。そんなところが好きで、目が離せなくなった。

 

 環境が変わり、こちらから行く機会が少なくなった間も、会えばあっけらかんと接してくれた彼女に、いつも安心するとともに感心していた。こんなにも自分に正直で真っすぐな人がアイドルとして頑張っているんだと。

 

 

 

 

 この知らせを聞いた時、最初は驚きましたが、事象に対してというより、そんなことになっていたという素ぶりをおくびにも出さず、我々と接してくれていたんだということに驚かされたというのが正しいかもしれません(直接会えない状況が数か月も続き、そもそも気づきようがないという見方もありますが)。

 

 そして、この決断、発表自体は、実に彼女らしい、真っすぐな生き方を貫いたという証であると思いましたし、その人生を尊重するということ以外に感情がありませんでした。

 

 これだけ聞くと

 

 「強がってるだけだろ、本当は血の涙を流しているくせに」

 

 というご指摘を受けそうですが、自分は本当にそう思いましたし、彼女にも同様の内容でリプライを送った次第です。それは彼女が選んだ「ひとりの人間としての決断、自分の人生の選択」であり、それ以上でもそれ以下でもないからだと考えるからです。

 

 それは、自分がヲタクでしかないから。

 ヲタクが関われるのは「アイドルとしての彼女」の一部分でしかないわけで、当人の人生、生き方、価値観に口出しや指図ができる立場ではないと考えているからです。

 

 

 

 上記も一つの「本音」であると前置きしたうえで書きますが、ヲタクとしての感想を述べるなら

 

 「ふざけるな」

 

 この一言に尽きます。

 

 一般の企業や団体に勤めていて、仕事の成果と対価を交換するタイプの仕事であれば、出産や育児といった局面で適切な休暇を取り、復帰後再び働くということは当たり前に保証されるべきです。ですが、アイドルとしての成功を求めて、自分の人生に上手く折り合いつけてやっている人がこの世界にはごまんといます。グループとしても、この件を何か問題にするつもりは全くなく、産後体調が戻ったのちに再びステージに立つことを前提として公表しています。

 

 価値観は人それぞれですが、自分は夢を売る側面もこの産業の一部として存在すると考えている以上、異性の影を伺わせるような人を応援する気にはなれません。よく「いがががは推しが結婚とかしてもフツーに応援続けそう」と言われるのですが、自分はそこまでできた人間ではありません。一人の人間、女性としての選択に理解と祝福のリプを送った後で、そっとリムーブするタイプです(実際にそうしてきました)。そして残念ながら、自分は推しが中出しされる場面を想像して喜べるタイプの人間でもありません。

 

 事に及んだという事象自体への評価は、多分に感情論も含むため適切に言い表すことが難しいのですが、避妊の選択肢は無かったのかと。「できてもいい」というのが、確固たる意志なのか、それともその時だけの惰性の感情なのかは、当事者でないのでわかりません。自分は絶対的な清廉潔白を望むのは無理だとわかっているので、誰に対しても「せめて表に出なければ」と思っていますが、異性の影は隠せても宿した命は隠せません。「結婚を前提として」と彼女は釈明していますが、古臭い言葉で申し訳ないけど「順序が違うぞ」と。

 

 そしてこの世界は絶対値で評価できないもの。あくまで自分がどこにリソースを割くかは、相対的にどう感じるか、それに尽きると思います。繰り返しますが、自分の心と折り合いをつけて活動している人がいっぱいいます。そうした人を差し置いて、そうでない人を応援するために何かを費やす、ということは、自分の中で選択肢にはありません。不慮の事故でも、1000万持ち逃げするクソ運営のせいでもなく、自分自身の判断で「1年以上仕事に穴を開けることになっても良い」という選択をしたのです。

 

 彼女が、自分と何の接点もない存在であったなら、「おめでとう」の一言で受け止めることのできた話だったでしょう。

 

 しかし、幸か不幸か、自分は彼女のアイドルとしての才覚、魅力、真っすぐさに惹かれ、応援する立場になってしまった。それ故に、今回の判断を尊重する一方、アイドルとしての彼女を応援できなくなったのは事実です。

 

 最近折に触れ、他のアイドルの方々にこうした知らせがあるたびに、自分はアイドルヲタクに向いてないんじゃないかと思うようになりました。ただ、どんな選択も受け入れたいと思う一方で、それが自分の描く姿と違った時、文句を言う人間になってはいけないとも思うわけです。無理なら離れるしかない、と。

 

 そんな、人間としての器の小ささを、戒めとして残す意味も込めて、このブログをしたためました。

 

 

 見ての通り、ゆまちは立派な大人です。

 

 これからは、自分と自分の大切な人たちとの人生を、大切に生きてほしいと強く願っています。そして、お相手の方も、生まれてくるお子さんにも、当たり前ながら何の罪もありません。勿論ゆまち自身にも。どうか胸を張って生きていってほしいです。

 

 そして、ヲタクとして自分が彼女に関わること、そしてその権利は、もうないのだと思っています。あくまで自分が勝手にそう思っているというだけの話ですが、彼女の選択を尊重するとともに、いちヲタクの選択もまた、尊重しろとは言いませんが、受け流していただけたらと思います。

 

 真っすぐで、全力なあなたが好きでした。

 

 ありがとう。健やかに、そして何より幸せに。