9月、おニャン子クラブFINAL LEGENDに参加して特に強く感じたのが、在籍期間の長いメンバーの人気。
会員番号が若いメンバーや、グループへの貢献度が高いメンバー、グループへの愛が強いと思しきメンバー(たとえばルリちゃんがそんなメンバーだと言えると思う)は、ソロデビューを果たしていなかったにしても、ゆうゆや美奈代と同じくらいの歓声を受けていたし、そんなメンバーほど人気を集める、というのが、グループアイドルの特徴であり宿命でもあるのかな、と思います。
で、お富さんこと富川春美ちゃんはまさしくそんなメンバーの1人。
会員番号は14番。
学校側からTV出演を禁止されて夕ニャンに出ていなかった時期を考えなければ、1番在籍期間が長いメンバーです。
初期は八重歯が特徴的で可愛いイメージでしたが、後期は髪型を変えたことも影響してか、ぐっと大人っぽく綺麗めな印象に。
肩幅が広いことを気にしていたのだとか。
初期
後期
ソロデビューしていない、要はおニャン子のコンセプトたる「普通の女子高生」であり続けた中堅面子の中で、お富さんはソロデビューの可能性のあった稀なメンバーです。
実際、プロデュース側からそういう話はあったらしく、とんねるずの石橋貴明も「内海をデビューさせるくらいなら春美に倍かける」と言っていたほど、彼女を推していました。
ルックスも悪くないし、とても綺麗な声の持ち主で、素人面子の中では歌唱力もあった方なので、ひょっとすると「富川春美withおニャン子クラブ」名義でシングルが発売されることもあったかもしれません。
と言うか、ファンとしては、そうなったら面白かっただろうな、と思います。
当時のフジテレビのプロデュース力って抜群でしたから、ソロデビューすることによって、彼女の新たな魅力も開発されたかもしれないからです。
もっといろんなお富さんが見たかった。
まあ、でも、ソロデビューを蹴ってこそのお富さんだとも思うんですよね。
すらっとしていて長身で、モデルみたいなルックスなのに(見ている側の印象としては)引っ込み思案な性格で、とにかく自分から目立とうとする子じゃなくて。
美奈代とかルリちゃんとかが、ガンガンぶりっ子できるタイプだとしたらお富さんはその真逆。
いつも自然体でいて、でも、その自然体がすごく素敵なのがお富さん。
ぶりっ子しなくても、彼女が女の子らしい人なんだ、ってことは不思議と伝わってくるし、優しい雰囲気や親しみやすさ、人の良さが自然とにじみ出ているのです。
そんな、どちらかと言えば控えめなお富さんだからこそ、後期、先輩メンバーとしてグループを支えて、引っ張っていってくれた姿には感動させられます。
『お先に失礼』『NO MORE 恋愛ごっこ』『かたつむりサンバ』『ウェディングドレス』などの後期シングル群のフロントをつとめ、ファイナルコンサートでは「おニャン子クラブは永遠です!」という名言を残してくれました。
このセリフは、他でもないお富さんが言うからこそ一層強く響くものがあると言えるでしょう。
お富さんがボーカルをつとめた楽曲群の中で、個人的に特に好きなのが、ラストアルバム『○サークル』に収録された『白いコスモスの頃』。名曲。
静香、早苗ちゃんという2人と並んで歌えるお富さんの歌唱力や聴かせる力っていうのは本当に素晴らしい。
動画を貼れないのが残念ですが…。
ファンぞ知る名曲『避暑地の森の天使たち』では、あくまでも裏方に徹しているものの、当時ダブルエース級の人気を誇っていた美奈代・満里奈に挟まれても彼女らしく可愛らしいのが良いですね。
『恋愛お見舞い申し上げます』でのソロパートを聴けば、お富さんの歌唱の良さが伝わるかと思います。
おニャン子解散後、メディアの露出がほとんどなかったお富さんでしたから、9月、元気な姿を見れた時は本当に嬉しかったです。
おニャン子のメンバーみんなに言えるけれど、おニャン子の皆さんが、今も幸せでいてくれることが、ファンにとっての幸せなのです。