ドラマった ◇6 | 有限実践組-skipbeat-

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こちらは蓮キョ中心、スキビの二次創作ブログです。


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 おはよーです、一葉です。

 無事、間に合いました(笑) りかちゃん様からの妙番78787リクエストの続きをお届けです。


 前のお話はこちら⇒クマくまった【前編後編】おまけふたたび

 ドラマった【



■ ドラマった ◇6 ■





 社さんの案が採用されたその回の物語は、ハロウィンの日は親子で仮装を楽しもう♪・・と盛り上がるところから始まった。


 途中、「こいつン家、家族で仮装するんだって~」とクラスメイトにからかわれてマリアちゃんが気に病むシーンなどがあって、けれど「マリアがやりたくないならやらないよ?」と言った蓮パパに対して「私はやりたい」・・とマリアちゃんが正直に気持ちを告白。


 だったらそれでいいじゃない、家は家。何も恥ずかしがることはないのよ・・・と、私扮する京子ママも、そう娘マリアちゃんを元気づけ、最終的にはハロウィンを楽しみ倒すという家族ほのぼのの内容だった。



 歌って、踊って、とにかくはしゃいで、家族みんなで笑い転げて・・・。こういう家族、すごくいいよねってちょっと羨ましくなったりして。



 そんな昼を過ごしたのち、夜には夫婦水入らずで楽しむ、というシーンもあって、もちろん場所は寝室で、私たちは仮装のままでやりとりをした。



「 京子ママの紅葉、すごく様になってて良かったよ 」


「 そ、そ、そうかしら?具体的にどこら辺が? 」


「 ここ。衣装の裾が短いところ 」


「 ・・・っ・・・やんっ!! 」


「 そういう照れも凄く良い 」


「 もうっっ。そんなのより、蓮パパの志津摩の方が何倍も素敵だと思う 」



 という、はい、ただのイチャイチャシーンなんです。夫婦仲がとってもいいことをアピールするだけというシーン。でもこれがこのドラマのウリだから。

 それはもちろん承知しているからいいのだけど、それでもこのシーンの撮影中、私はとってもいたたまれない気分だった。



 なぜかと言うと、古賀さんや呉前プロデューサーやその時のスタッフさんたちが、監修という立ち位置で現場に来ていたから。



 それでなのか判らないけど、そもそも志津摩役の打診は敦賀さんが最初だったからなのか、敦賀さんのスイッチが妙に明るい方に切り替わっていた。


 その証拠に敦賀さんてば、台本にはないアドリブをやたらと加えてくれて、例えばさっきのシーンで言えば、衣装の裾が短いところ、で台本ではベッドに腰かけるはずだったのに、敦賀さんは私に近づき色っぽく私の足を撫でてみたり・・・。かと思えば私の左手を取り、薬指にはめている小道具の結婚指輪をカメラさんに見せつけ、これ見よがしにチューしてみたり。



 そのたびに私はとにかく動悸が激しくなって、とっても困った。一応、顔だけは平静を装っていたけどね。



 あ、そうだ。動悸が激しいという括りで言うなら、一番究極にびっくりしたのはアレだったかも。


 私が紅葉の衣装に着替えたとき。



「 これ、やっぱり私が着ちゃうと仮装になっていないと思うんですけど~~ 」



 という私の嘆きを聞きつけ、既に着替えが済んでいた敦賀さんが顔を出した。




「 大丈夫だよ、最上さん 」


「 はうっ?!その声は敦賀さん!?すごい、想像通りの仕上がりじゃないですか! 」※参照39巻


「 それは君もね 」


「 ええぇぇ~~?どこがぁ? 」


「 だってほら、紅葉の時はウィッグで髪を長くしていただろ。でも今の君は京子ママでの紅葉じゃないか。それはそれで似合っているよ 」



 なんて軽く褒めてくれたあと

 人差し指でコイコイされて、何だろう?・・・と思いながら近づいた私の耳元で、敦賀さんってば!!!



そんな君が好きだよ


「 っっっ&%”$#&!? 」



 そんな事をいけしゃあしゃあと!!!!



 なんでそんなことをいま言うんですか。

 それって、あれですよね?!蓮パパとしてのセリフですよね。

 大丈夫、私は誤解しないですよ。だってそうでしかありませんからね?!


 ええ、ええ、そうでしょうけれどもっっっ!!


 それでもそうと気づくまで15秒間、私は硬直してましたわよ!!



 着替えが済んで、二人で現場に向かうと敦賀さんは何食わぬ顔。




「 敦賀くん、めちゃくちゃカッコいいねぇ 」


「 本当ですか、ありがとうございます 」


「 きゃー!!蓮パパすてきぃぃぃぃ 」


「 マリアもね、可愛いよ 」


「 きゅんっ 」



 私のことが好き、だなんて

 冗談でもまさか敦賀さんの口から聞ける日が来るとは思ってもいなかった。



 思うにあれよね、敦賀さんって。


 時々ものすごーく罪深いセリフをいともたやすく吐くのよね。


 あなた、いつまでもそんなんじゃ、いつか地獄を見るかもですよ。




「 はーい、次のシーンも続けていくよー 」


「「 はい 」」


 以上、回想終了です。

 そんなこんなで多くの監修に見守られながら、ほぼNGを出さずに無事撮影を終えることが出来ました。





 ⇒ドラマった7


このシリーズは、「可愛いな!」と思わず突っ込みたくなっちゃうほのぼのを目指しています。

目指しているのですけど、蓮キョが両片想いのままっていう設定が今更ながら苦しいかもって思ってしまって。


だって原作ではもう両想いになっちゃっていますからねー。

たぶん、読者様もめちゃくちゃ違和感ですよね?すみませーん!!所で、こんな内容でハロゥイン当日UPに固執した意味はあったのだろうか。



■ そんな状況でおまけ ■by社氏



間違いなく、蓮が密かに楽しみにしているのだろう、キョーコちゃんとの夫婦のシーン。・・・の撮影は、滞ることなど一切なかった。


そこを流石、と褒めるべきなのかどうかはさておき、ただし今回の撮影だけはちょっと違った。



蓮が勝手にアドリブを入れた、「衣装の裾が短いところ」のセリフでキョーコちゃんに近づき、流し目を披露しながら蓮がキョーコちゃんの足を撫でた瞬間に事件は起こった。



「 衣装の裾が短いところ 」


「 ・・・っ・・・やんっ!! 」

 

「 そういう照れもすごく・・・ 」


「 っっっっ???!!カーット!!敦賀くん!!カーッ 」


「 え、俺? 」



現場が一気にざわついた。

名指しされたことに蓮は意外そうにしていたけれど

アドリブがダメとかそういう事では無くて

そうせざるを得ない事情がそこにはあった。


まずスタイリストが飛んで行った。それに続いてADも。

現場内がざわつく中、箱ティッシュが飛んで行く。



「 敦賀さん、大丈夫ですか?! 」


「 え?なに? 」


「 これで抑えてください! 」


「 え、ティッシュ?なんで・・・ 」


「 平気か、敦賀くん 」


「 どうした、敦賀くん 」


「 え? 」



まぁ、正直に言うと、そんな風に現場が騒然としている中、蓮のマネージャーである俺は焦りもせずその場をただ眺めていた。


そのとき俺は思っていた。体は正直だな、と。



キョーコちゃん。さすがだよ。



俺が知っている限り、素の状態で蓮に鼻血を吹かせたキョーコちゃんは、間違いなく世界最強の純情乙女だ。



END

遊んじゃったぁ(=⌒▽⌒=)笑


⇒ドラマった◇6・拍手

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