いつもありがとうございます、一葉です。
こちらは弊宅500記事を記念して、蒼々様からお与かりしました原作沿いリクエスト8話目のおまけです!!
おまけ?欄外とか拍手とかに入れれば良かったのに…って思われるかもですけど、出来なかったからこうなったのよ♡
ちなみに本編から逸れてはいないです。でも本編とは違うので。
お楽しみ頂けたら嬉しいです。
前のお話はこちら↓
足並み揃えて【1 ・2 ・3 ・4 ・5 ・6 ・7 ・8】
■ 足並み揃えて ◇8のおまけ ■
自分が担当しているあの二人、蓮とキョーコちゃんが4日間別地で仕事をしているからといって、俺の仕事がない訳じゃない。
蓮がキョーコちゃんと川遊びに興じ、微笑ましくも二人寄り添いながらハンモックで昼寝を始めてから1時間が経過した頃、事務所での仕事を終えた俺は予定通り、蓮サイド・スポンサーが管理している監視室に足を運んだ。
「 おはようございます。LMEマネージメントスタッフ社です 」
「 あっ!社さん、お待ちしておりましたぁぁぁ!! 」
「 やった、やっと来た! 」
顔を出した監視室は妙に異様な盛り上がりを見せていて、一体なにごとがあったのかと手招きされるまま足を進めた。
「 見て下さい、このリアル映像♡♡ 」
「 はっ?蓮とキョーコちゃん??!一緒のハンモックで爆睡中?! 」
「 そうなんすよー!!見た瞬間、全員で画面にくぎ付け。微笑ましくていいですよね。実に絵になります 」
「 それだけじゃないんですよ!こっち、こっち!送られて来たこのカメラ映像を見て下さい! 」
「 はい? 」
「 テントで床ドン、超絶萌え!!凄くないですか!さすが敦賀くんですよね!! 」
「 ほんと、ほんと!しかもしかも、気付いちゃってください! 」
なんだ、まだ何かあるのか?
「 よく見て下さいね。このテント床ドンの敦賀さん、このシャツを着ているのに~♡
このあとの京子ちゃんのバーベキュー映像で、京子ちゃんがこのシャツを着ているんですぅぅぅ! 」
「 は、本当だ! 」
「 それだけじゃないですよ。ほら、ハンモックの二人をもう一度見て下さい 」
「 え? 」
「 敦賀くん、そのシャツをまた着ているんですよ!! 」
「 彼氏シャツ、間違いなし!!どんな経緯があったんだろう~って、考えるだけで悶えますよね!敦賀さん、素敵萌えです~!!! 」
アウトドアメーカースポンサー御一行様は男女の別無くこれ以上ないほど盛り上がっていて、それはつられて俺の口元まで緩んでしまうほどだった。
「 すごいですね、社さん! 」
「 え? 」
「 敦賀くんもそうですけど、京子ちゃんも凄いんです 」
「 だよな!付き合い始めの恋人設定、お互いに待ち望んだひと時バージョン…を見事に好演していますよ 」
「 好演?付き合い始めの恋人設定? 」
「 あ、そういう風にしたみたいです。僕たちが萌えシーンをガンガン入れてくれってお願いしたからですかね 」
「 きっとそうでしょ。それで、敦賀くんに応じる京子ちゃんがそりゃあもう可愛いんですぅ!!
嬉しいって全身で表現しているのに、要所要所で控えめに照れるところなんかもう最高!リアルに付き合い始めって感じで本当に初々しいんですよぉ 」
「 テントでの床ドンは秀逸だよな!あのシーン切り取ってさ、ポスターにしたらいいと思わねぇ…って、さっきそれで盛り上がっちゃったほどですよ 」
「 そうなんです!!社さん、いいですか?ご許可頂けますか!? 」
キョーコちゃんには内緒にしろって言ったはずなのに、けれどこうなっているってことは蓮がどうにかしたのだろうけど、この瞬間、俺は予想以上の手ごたえを感じていた。
本来なら業種の違うスポンサー同士をタイアップさせること自体が難しい。
そして実はもう一つ、これには難しいことがあった。
それは、蓮とキョーコちゃんの仕事依頼はそもそもTV出演とCM出演だったこと。
これに関してキョーコちゃんは何も疑問を持たなかったみたいだけど、さすがに蓮は気付いていた。
「 社さん。いくら深夜時間帯とはいえ、ワンクール番組とCM出演じゃ予算が全然違うじゃないですか。それなのにどうやってスポンサーを納得させたんですか? 」
答えは簡単なことだった。
どちらのスポンサーにも予定外の費用がかからないようにしただけなのだ。
つまり、蓮のスポンサーには京子はノーギャラで構わないと伝え、キョーコちゃんサイドのスポンサーには、蓮は友情出演扱いとしてギャラは一切不要であることを伝えていた
ギャラなど貰わずとも、蓮と一緒に京子の名前が売れればそれはギャラを越えたメリットとなる。
俺はそれを狙っていたのだ。
固唾を飲んで俺の回答を待っているスポンサー御一行様に向けて俺はニッコリと微笑んだ。
「 もちろん喜んで。どうぞ使って下さい 」
「 やった!許可が出た。販促推進課に連絡を入れろ!二週間後のテント発売日当日にテントと一緒にポスターを飾れるようにするんだ!! 」
「 チーフ!今からだとそんなに部数刷れないって販促担当者が叫んでいますよ。ちなみにポスターの煽り文句はなんて入れますか? 」
「 たわごとか!さっきお前たちが言っていた、誰にも内緒で二人きり、テントの中で君に触れたい…でいいっ!!それから販促ポスターなんだからそれほど数は無くてもいいってついでに伝えろ 」
「 了解、伝えます!! 」
「 それと社さん、もう一つ依頼したいことがあるんですけど 」
「 はい? 」
「 河原バーベキューの映像をCMで使わせてもらいたいんです。コンロとかテントとかがさり気なく映像に組み込まれているので。
…で、ご希望ならテロップに恋人設定でお願いしていますって入れますけど、敢えて情報はそれのみにしたいと思っています。京子ちゃんが着ているエプロン下のぶかぶかのあのシャツ、絶対に話題になると思うんです!
…で、お店でテントのポスターを見た誰かが気付くんですよ。京子ちゃんが着ているあのシャツ、彼氏シャツなんだって!! 」
「 それ!!!それすっごくいいと私たちも思うんです!!それだけで色々想像が膨らみますし、話題性もバッチリで口コミ宣伝に大きな期待が持てるんです!! 」
※映像は事前協議で両スポンサーに使用権があるとして合意済み。ただしレシピに関しては食品メーカーに帰属するものとしています。
「 どうですか?!社さん!! 」
どうですか…と問われて俺の口元が自然と緩む。
喜べ、蓮。
そしてキョーコちゃん。
二人の仕事は確実に、より以上の成果を生もうとしている。
「 テロップなんていいですよ。所属セクションこそ違いますけどあの二人、役者ですしね。もちろんOKです。使って下さい 」
「 ありがとうございます!それと!!いまハンモックで寝ている二人のツーショットも販促に使いたいと思っているのですが 」
「 もちろん使って下さい 」
「 こっちはポストカードにして配布したいと思っているんですが、構いませんか? 」
「 ええ、ありがとうございます。御社の製品とともにどんどん蓮と京子を宣伝して下さい!! 」
わあっ…と歓声があがり、普段はひっそりとしているのだろう監視室に活気が溢れる。
こっちでこんなに盛り上がっていることなど、二人は気付きもしないのだろうな。
とんだ棚ボタだな、と思いながら
俺は防犯カメラ映像の二人に笑いかけた。
「 気持ち良さげに寝ているなー、二人とも。
しかも倖せそうじゃないか、蓮。キョーコちゃんも 」
この仕事を一つにまとめた本当の理由は、二人が別々に行動してしまったら、俺の動きがどちらか一方に偏ることになってしまうと考えたから。それを回避したかっただけだった。
キョーコちゃんのマネジメントは始まったばかりで、たとえ代役として俺の意志通りに動いてくれる人が居たとしても、俺はそれを誰にも任せたくなかったのだ。
「 もしかしたら、恋人設定で過ごすお前たちを見て、この二人で恋愛ドラマを…ってオファーが来るかもしれないな 」
それこそ本当の棚ボタだ。
なぜなら正直に言えば、俺はこの仕事をこなしたキョーコちゃんのそれをきっかけに、料理番組から出演依頼が来るかも…程度の展望を抱いていただけだったから。
「 社さん!それ、その話がもし来たらウチがメインスポンサーに諸手を上げますよ! 」
「 ホントですか? 」
「 当然ですよ!だってウチのCMがスタートってことになるじゃないですか!手を上げないはずが無いですって! 」
けれど今は、それ以上の違う予感を見出している。
これがマネジメントの面白さ。
そして、それを容易に味あわせてくれる二人のマネージャーの立場を俺が誰にも譲りたくない理由なのだ。
「 ではお言葉に甘えて、そのときが来たら一番にご連絡させていただきます。よろしくお願いします 」
「 こちらこそ!!お待ちしていますよ 」
なにはともあれせっかくこんな縁が出来たんだ。
これからはなるべく二人三脚で、お互い頑張って行こうじゃないか。
⇒9話 に続く
ポストカード無料配布にしてみました(笑)
CM映像、萌えるわ。
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