民泊ではない「みんぱく」

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昨日のブログにも書いたように、先週の日曜日、万博公園に行ってきました。

目的のひとつは、「おおさかカンヴァス」を観に行く事。

そしてもうひとつが、国立民族学博物館の常設展へ行く事です。

 

この博物館は、愛称を「みんぱく」と言います。

「みんぱく」と言えば最近では「民泊」が話題になっていますが、

こちらの「みんぱく」という愛称は、かなり昔から使われています。

開館したのは、今から40年ほど前の1977年。

私が大学に入ったのがその4年後の1981年で、

1年生の時には、この「みんぱく」へ行く授業がありました。

たぶん一般教養科目で、民族学でも履修していたのかな?
(今では恐ろしい事に、少しも覚えていませんが)

当時からこの博物館のことを「みんぱく」と読んでいた記憶はあります。

ちなみにこの建物を設計したのは、今は亡き建築家、黒川紀章です。
 

その名の通り、民族学的な見地から収集された品々を展示する博物館ですが、
実は単なる博物館ではなく、博物館を持った研究所
人間文化研究機構を構成する大学共同利用機関であり、
総合研究大学院大学の文化科学研究科も設置されています。
その源流は、蔵相や日銀総裁などを歴任した渋沢敬三の個人コレクションとされ、
日本における文化人類学のパイオニア、

梅棹忠夫が初代館長を務めたことでも知られているのです。

 

いわゆる常設展示にあたる本館展示(地域展示・通文化展示)は、

オセアニア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、西アジア、南アジア、


東南アジア、中央・北アジア、東アジアに大きく分けた地域展示が中心で、
その他に音楽・ 言語などの展示があります。

年に数回、特定のテーマに沿った特別展や企画展を行われますが、
これは本館展示とは別の建物での展示。

現在は、特別展「見世物大博覧会」が開催されています。

(私は約2週間前に観に行きました)

 

今回は、本館展示の一部がリニューアルされたと聞き、
久々に行ってみたのですが、
メキシコ辺りの展示が面白いと思いました。

カード遊びをするドクロ人形

患者が血だらけになった、陶器製の歯医者は不気味ですが、

どことなくユーモラスでもありました。
(歯医者の足元には巨大なヤットコもありました)

 

また、世界各地の仮面が集まっていることでも有名。

これはルーマニアの仮面ですが、

アフリカの仮面などを見ると、ピカソが影響を受けたことも頷けます。
いわゆるプリミティヴィズムですね。

民族学的観点だけでなく、美術的な観点からも楽しめる博物館です。

仮面ではありませんが、この人形もアフリカのもの。

独特な造形と色彩感覚には思わず驚嘆してしまいます。

帽子の上に乗っている、白いヘビも可愛い。

 

リニューアルしているという情報は入手していませんでしたが、

音楽の展示セクションも前とは違っている印象でした。

以前見た民族音楽の楽器類も残っていましたが、
GibsonMartinのアコースティックギターがあったり、

同じくGibsonやFenderのエレキギターが展示されており、

音楽(特にロック系)が好きな私は興奮してしまいました。

それぞれのギターが使われている、いわゆる名盤も懐かしい。

Blow by Blow」や「Dixie Chicken」のレコード、持ってたなぁ・・・
YAMAHAのSG200とともに、日本のロックのレコードも展示してありました。
 

四人囃子やカルメン・マキ&OZ、サディスティック・ミカ・バンド・・・
こちらもかなり郷愁を誘ってくれます。

 

実はリニューアルされたのは中央・北アジア展示とアイヌの文化展示ですが、

今回も時間切れで、そこまで到達することができませんでした。

かなり大きな博物館で、展示スペースも広大なので、

いつもオセアニアなどはじめの方の展示に時間をかけすぎて、

最後は時間がなくて駆け足になったり、観るのを断念してしまうのです。

それだけ充実した展示なので、丸一日かけるつもりで回った方がいいかも。

日本にいながらにして世界一周気分が味わえる事、間違いなしです。

 

実は、時間がなくなった理由がもう一つあります。

本館1階にある「レストラン みんぱく」でランチを食べたから。

ここは、よく特別展・企画展に合わせたメニューを企画しており、

現在も特別展「見世物大博覧会」の特別メニュー、

縁日プレート」(税込み1,200円)が食べられます。

皿に乗っているのは、焼き鳥いか焼きたこ焼き焼きそば焼きとうもろこし、デザートのたい焼きに、おまけのオモチャ「カードけむり」。

まさに縁日で売られている食べ物(と玩具)のオンパレード!

カードは、メンコのような紙の裏に粘着性のくすり(化学物質?)が塗られており、

それを指先に付けて、指をくっつけたり離したりすると、

あーら不思議、煙が出てくるというアレです。

子どもはもちろん、懐かしさから大人もきっと楽しめるこのメニュー、

興味のある方は、ぜひお試しください。

 

■国立民族学博物館■概要
時 間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週水曜日(祝日の場合は翌日が休館日)、年末年始(12/28~1/4)
観覧料:一般420円、高校・大学生250円、小・中学生110円(本館展示観覧料)
住 所:大阪府吹田市千里万博公園10-1
電 話:06-6878-8341
URL:http://www.minpaku.ac.jp/
交 通:大阪モノレール「万博記念公園駅」または「公園東口駅」より徒歩15分