Mr.Mのひとりごと
  • 15Sep
    • アジアはひとつ!

      今、大阪で日本とアジアの作家たちによるアートフェアが開催されています。UNKNOWN ASIA 2018(アンノウンアジア2018)。実は、雑誌「美術屋・百兵衛」がメディアパートナーになっていることもあり、(看板の下、真ん中あたりに小さくロゴが載っています)昨日、そして今日と、会場に行ってきました。昨日はレビューなどがあり、関係者や招待客のみが参加、一般公開は今日と明日です。参加アーティストは若手中心で、来場者も若い方が多かったようです。かつて岡倉天心が提唱した「アジアはひとつ」。今回のUNKNOWN ASIAにはタイ、マレーシア、インドネシア、中国、台湾、韓国など、アジア諸国からもアーティストが参加し、まさに天心の言葉を実践しているようでした。私も片言の英語で、インドネシアから来たアーティストと話してみました。亡くなったお父さんをモティーフにした写真作品です。作品っだけを見ていてもなんとなく面白くはあったのですが、作者(ワンシトさん)から話を聞く事で、より作品のことを理解できたような気がします。他にもバラエティに富んだ作品があり、観ていてとても楽しいものでした。例えば、レシートを使ったこんな作品。レシートは感熱紙でできているので、熱を加えると黒く変化する。それをうまく使って絵画的な表現をしていました。レシートも個人の記憶や情報のようなものが詰まっていて、考えさせられます。今日は今展の受賞者の表彰式も行われました。7組のグランプリノミネートからグランプリに選ばれたのは、写真家の木村華子さん。今回が初出展だったようですが、多くの方がこの方に票を入れていたようです。彼女のブースを埋め尽くしていたのは、青空と白い看板の写真にブルーライトを組み合わせた作品。日本はもちろん、海外からやってきた審査員からも評価が高く、このUNKNOWN ASIAという舞台をきっかけに、アジア、そして世界へと飛び立って行かれるのではないでしょうか?このアートフェアは明日まで開催されているので、ぜひみなさんも足を運んでみてください。■UNKNOWN ASIA 2018■開催概要日時/9月15日(土)10:00~20:00 9月16日(日)10:00~19:00(入場締切 18:00)会場/ハービスホール(大ホール、小ホール)住所/大阪市北区梅田2-5-25 ハービスOSAKA B2F料金/1DAY:1,000円 2DAYS:1,800円 ※高校生以下無料URL/https://unknownasia.net/

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  • 24Aug
    • 影なきモノは実在しているのだろうか?

      前回のブログからまたしばらく時間が経ってしまいましたが、それ以前のように半年以上あくことはありませんでした。自分のことながら、少し安心しました。さて、私が編集長を務める雑誌「美術屋・百兵衛」No.46(2018年夏号)が現在発売中ですが、現在はすでに、10月7日に出るNo.47(2018年秋号)の編集作業が佳境に入っています。今回特集するのは福井県の文化で、7月に取材した内容を大急ぎでまとめているところです。あわら温泉で有名なあわら市にある「金津 創作の森」というアート施設や、六古窯のひとつである越前焼に関連した施設が集まっている越前陶芸村、国立新美術館を彷彿とさせる外観の福井市美術館などを取り上げるので、お楽しみに!(ちなみに、福井市美術館を設計したのは、国立新美術館と同じ黒川紀章氏です)連載コラムの中にも、内容を福井県にシフトしたものがあります。例えば、山本冬彦さんの「コレクターのまなざしから」では、福井県にゆかりのあるアーティスト4人が紹介されています。そのトップバッターがご実家が福井にある戸泉恵徳さん(ただし、本人は大阪府出身)。実は今日から東京のREIJINSHA GALLERYで、その戸泉さんの個展が開催されています。題して、「戸泉恵徳展 影文−かげふみ−」。今年5月に銀座から日本橋へと移転した新生REIJINSHA GALLERYの初めての企画展であり、REIJINSHA GALLERYでの戸泉展としては、昨年6月の「虚構世界 戸泉恵徳」に続いて2回目。(still /「虚構世界 戸泉恵徳」より)写実的でありながら非現実的な世界を表現するこの画家は、今回の個展では「影」と「鏡像」をテーマに、新たなワンダーワールドを提示します。ちなみに彼の作品は立体造形や写真ではなく、平面絵画。信じられないかもしれませんが、ここで紹介する作品はずべて彼がその手で描いたリアリズム絵画なのです。ただし、それらの設定は現実のものではなく、頭に思い浮かべた虚構。眼を凝らして観れば、寓意的なモティーフに与えられた影や反射する画像、また、それによって実体の存在を可視化し、証明しようとする仕掛けが見つかるかもしれません。(RGB)(みずかげ)戸泉さんが上のような作品を作るようになったのは、「ピーターパン」の影響があるとのこと。私はすいぶん昔に読んだ(観た?)ことがあるだけなので、よくは覚えていませんが、ピーターパンがウエンディーの家に影を忘れて帰ってしまい、取り戻しに来たはいいが、自分では影を元のようにすることができずに泣いて、ウエンディーが針と糸を使って彼の体に影を縫い付けてくれたというエピソードがあるようです。いくら実体があるように見えても、影がなければ実は存在していないことを、ピーターパンは知っていたからこそ、泣いてしまったのかもしれませんね。非常に時間をかけて精細に描かれた戸泉作品ですが、価格は比較的購入しやすいものとなっています。しかも今回は、さらにお求めやすい注目の作品も出展されています。画家本人がトレーニングのために、毎日水彩で描いている小品群。主にその日に食べたもの、飲んだものなどをモティーフにしているようです。正確な価格はわかりませんが、1枚1万円前後ではないかと思います。すべて習作とは言え、そのクオリティは決して低くはなく、価格を考えると掘り出し物中の掘り出し物と言えるのではないでしょうか。REIJINSHA GALLERYの企画展「戸泉恵徳展 影文−かげふみ−」は今日が初日。9月7日(金)まで開催されていますので、気になる方はぜひ日本橋まで足を運んでみてください。■展覧会情報■戸泉恵徳展 影文−かげふみ−会 期/2018年8月24日(金)− 9月7日(金)時 間/12:00〜19:00(最終日は17:00まで)休廊日/日曜日・月曜日住 所/東京都中央区日本橋大伝馬町13-1 PUBLICUS×Nihonbashiビル1F交 通/東京メトロ日比谷線「小伝馬町駅」1 番/ 3 番出口 徒歩3 分    東京メトロ日比谷線/都営浅草線「人形町駅」A4/A5 出口 徒歩5 分    都営浅草線「東日本橋」A2 出口 徒歩3 分    都営新宿線「馬喰横山駅」A2 出口 徒歩3 分    JR総武本線「馬喰町駅」1 番出口 徒歩4 分電 話/03-5651-8070E-mail/gallery@reijinsha.comURL/https://www.reijinshagallery.com/

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  • 30Jul
    • 福井の取材メシ(JR敦賀駅の鯛鮨編)

      前回のブログでも書いたように、雑誌「美術屋・百兵衛」の取材のため、7月中旬に福井県へ行ってきました。ちゃんとしたお店で昼ご飯を食べる時間がないことが、今回に限らず取材の時にはよくあるります。福井県は敦賀から東(金沢方面)へ向かう北陸本線は比較的便利なのですが、敦賀から西(若狭から京都の舞鶴方面)へ向かう小浜線は本数が少なく、その両線の接続も、時間によってはあまり便利とは言えません。そのため、移動先でゆっくり食事をする時間が取れず、若狭駅で駅弁を買って、ホーム上で食べることにしました。幸いなことに、敦賀駅は北陸本線の上り、下りのホームに1軒ずつ駅弁の売店があります。どちらも塩荘という同じ会社が経営しているのですが、後で公式サイトを確認したところ、創業115年というかなりの老舗でした。会社そのものはかなり豊富な種類の駅弁を製造しているようですが、私が覗いた店舗のショーケースにあった駅弁は1種類だけ(他におにぎりが数種)。ということで、写真の「鯛鮨」を購入しました。弁当の掛紙を見ればおわかりのように、鮨と言っても、この鯛鮨はいわゆる「押し鮨」。「小鯛を三枚におろし、調理酢で軽くしめたネタを、酢めしの上に、一枚一枚丁寧に並べます。かたすぎず、やわらかすぎず、押しを効かし伝統の『鯛鮨』が出来上がります。」という説明が黄色の文字で、緑色の掛紙の上に書いてありました。どうやらこの弁当は創業時からあるらしく、今でも人気があるのでしょう。期待しながら掛紙をはずし、弁当の蓋を開けると、現れたのが……こんな感じで綺麗に並べられた鯛の押し寿司です。一口サイズに切り分けられており、食べやすさもちゃんと考えられています。素朴で味わい深い鯛鮨ですが、個人的には少し酢が強すぎるような気もしました。小さなチューブに入った醤油をつければ、その酸っぱさもあまり気にならなくなります。ただ、最初から最後までほぼ同じ味なので、飽きてしまうという難点はありますが。後からいろいろと調べたところ、駅舎の待合室の中にも同じ塩荘の店舗があり、そこにはバラエティに富んだ駅弁を売っているようです。もし、次に敦賀で駅弁を買う機会があるようなら、待合室まで買いに行こうと思います。さて、福井市にある福井県立歴史博物館は、鉄道関係のコレクションが充実しており、鉄道ファンの間ではよく知られているそうです。駅弁の掛紙もまとまった数を収蔵しており、よく展示されているようなので、古きよき時代の駅弁(の掛紙)をご覧になりたい方は、ぜひ足を運んでみてください。

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  • 25Jul
    • ご無沙汰しておりました(久々の更新)

      皆様ご無沙汰しております。前回の更新がいつだったか忘れるほど久々の更新になります。(おそらく2018年になってから初めての更新です)昨年末から今年の年始にかけては多忙で更新がままならず、その後はあまりに更新しなかったせいか、自分のページにアクセスするのにIDとパスワードを求められ、それをどうしても思い出せずにブログが放置状態となっていました。数は多くないでしょうが、ブログをご覧になっていただいていた方々に、この場をお借りしてお詫び申し上げます。さて、先週は雑誌「美術屋・百兵衛」取材のために福井県に行っていました。福井と言えば、いま県を挙げて売り出しているのが、「恐竜」のようです。福井県の陸の玄関口であるJR福井駅前では、大きな(等身大?/高さ6m)恐竜が出迎えてくれます。これはフクイティタンという名の草食恐竜で、日本で初めて学名がつけられた竜脚類だそうです。発見されたのは、もちろん福井県内(勝山市にある手取層群の恐竜化石発掘地)。ちなみにフクイティタンとは「福井の巨人」という意味です。今年の冬、大雪で半分埋もれかけたこの恐竜をTVニュースで見た方もいらっしゃるのではないでしょうか。眺めていると、このモニュメントは電機仕掛けなのか、長い首を上下に降り続けていました。同じく駅前には、もう少し小ぶりな2頭の恐竜もいます。右がフクイサウルスで、左はフクイラプトル。バックに写っているJR福井駅の駅舎の壁にも、恐竜の姿が描かれています。映画「ジュラシック・ワールド」のようなこの場所は「恐竜広場」と呼ばれるもので、2015年の北陸新幹線金沢開業に伴い、「恐竜王国福井」をPRするために作られたようです。毎日、日没頃から午後11時までライトアップされ、記念撮影スポットになっています。実は福井県は、数字の上でも正真正銘の「恐竜王国」なのです。日本一の化石産出地とされ、国内で発掘された化石の約8割が福井県内で見つかっています。1982年に福井県勝山市北谷でワニの全身骨格が発掘されたことをきっかけに、現在までに4年ずつ4回、計16回もの恐竜化石調査事業が行われ、その発掘調査で数千点を超えるサンプルが見つかり、さらに新種の恐竜も発見されました。それが福井駅前に鎮座しているフクイティタン、フクイサウルス、フクイラプトルと、コシサウルス、フクイベナトールという5体の新種。また、勝山市には世界3大恐竜博物館の1つとされる福井県立恐竜博物館があり、特に夏休みなどには、恐竜好きの子どもとその家族などが大勢詰めかけているのです。取材のためにあわら温泉に向かう時に利用した「えちぜん鉄道」の福井駅舎でも、恐竜を見かけました。「恐竜博士」という白衣を着た恐竜がベンチに座っている「ダイノベンチ」です。JR福井駅や敦賀駅、芦原温泉駅にもこのベンチは設置されており、えちぜん鉄道のものより横に長いタイプのベンチでは、恐竜の横に坐って記念撮影ができるとの話。興味がある方は、この夏の旅行先を福井にしてみてはいかがでしょうか?なお、恐竜との遭遇から始まった「百兵衛」No.47(2018年秋号)取材の旅ですが、基本的に本誌で恐竜を取り上げることはほとんどないかと思います。「美術屋」ですから、やはり美術を中心とした内容になる予定です。10月7日(日)の発売日を楽しみにお待ちください。10月まで待てないという方は、今月8日に発売となった「美術屋・百兵衛」No.46をお勧めします。全国の大型書店の美術誌コーナーなどで絶賛発売中!!洋画に先駆けて江戸時代に生まれた西洋風絵画「秋田蘭画」や、この9月から秋田県立近代美術館で個展が始まる鴻池朋子さんのインタビューなど、秋田の文化が盛りだくさんで、価格は税込み500円!!amazonやfujisanでも購入可能です。久々のブログだったので、まだ調子がつかめてないように感じました。毎日更新とは行かないでしょうが、これから自分のペースでのんびりと続け、調子を取り戻したいと思います。

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  • 20Oct
    • 銀座で、ふたつの季(とき)を感じる。

      10月を半ばを過ぎたあたりから、全国的にどんよりとした天気が続いています。休みの日も外に出るのが億劫になってしまいそうですが、思い切って外出し、美術鑑賞するなんていうのは如何でしょうか?東京やその近郊にお住まいの方に特にお勧めしたいのが、REIJINSHA GALLERYで開催されている「季ふたつ 平良志季 × 平良優季」。苗字が同じ「平良」で、どちらに名前にも「季」の字が入っている、若手の女性アーティスト2人による二人展です。名前はとても似ており、ジャンルとしては日本画家の二人ですが、作風や画面から受ける印象は、かなり違います。東京で生まれ、東京藝大を卒業(+院を修了)した平良志季が描くのは、妖怪や八百万の神々などの不思議で、聖なる存在たち。それらの登場人物は、恐れや畏れの対象というだけではなく、クール・ジャパンにも通じる可愛さや軽さも備えています。《髑髏に妖し》 絹本着彩/2017《傾奇物ノ怪御用武者図》 絹本着彩/2016平良志季は入学したのがデザイン科だったせいか、元々はアクリルガッシュで描くことが多かったようですが、藝大で教鞭を執っていた日本画家・中島千波との出会いによって日本画材を用いるようになったそうです。一方、平良優季は沖縄生まれで、沖縄県立芸術大学を卒業(+院を修了)。彼女が主なモティーフとして選んだのは、沖縄ならではの植物たち。それらを美しい色彩で表現し、時に女性の姿と組み合わせています。《春を待つ》 岩絵具 箔 高知麻紙 寒冷紗/2015年《春を着る》 岩絵具 箔 高知麻紙 寒冷紗/2016年公募団体には属せず、個展やグループ展を中心に活動する平良志季とは対照的に、こちらは創画会に属し、団体の中でも着々とその地歩を固めているようです。そんな2人を、現在発売中の雑誌「美術屋・百兵衛」No.43でも取り上げています。この号で特集しているのは高知文化なので、表紙は、高知県宿毛市出身の画家、奥谷博さんの作品ですが、裏表紙では「季ふたつ 平良志季 × 平良優季」の広告を掲載。ちなみにその下は、11月10日から始まる「山本大也展 空間侵蝕」の広告。一見すると写真の棚(引き出し)は全て手描きと、驚くばかりの超写実です。二人の平良さんについては、誌面でもそれぞれ4ページに渡って紹介しています。平良志季さんの記事は、こんな感じ。平良優季さんの方は、こんな風に仕上がりました。興味を持たれた方は、ぜひこの雑誌を書店で手に取って、できればお買い上げください(笑)。もちろん、時間が許せば、ギャラリーで実際の作品も観てほしいと思います。そこにはふたつの異なる季(とき)が流れているでしょう。平良志季の「とき」と、平良優季の「とき」。パソコンのモニターや雑誌の記事で見るよりも、もっとビビッドで魅力的な作品の数々に、きっと魅了されるでしょう。会期はあと1週間しか残っていないので、お早めに足をお運びください。■季ふたつ 平良志季 × 平良優季■開催概要会 期:2017年10月6日(金)−10月27日(金)時 間:12:00〜19:00(最終日は17:00まで)休廊日:日曜日・月曜日・祝日出展者:平良志季/平良優季会 場:REIJINSHA GALLERY 住 所:東京都中央区銀座6-7-2 みつわビルB1交 通:東京メトロ銀座駅B3 出口より徒歩1分。1階は「宝石のミワ」さんです。)TEL:03-6215-6022URL:http://www.reijinsha.com/r-gallery.html

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  • 13Oct
    • 2つの生誕120年(国宝と京博)

      明治30(1897)年、アメリカでエジソンがキネトスコープの特許を取得したこの年、日本では今も続く文化的な制度が生まれました。それは、国宝です。この年の6月、現在の文化財保護法の先駆けにあたる古社寺保存法が制定され、その中で初めて「国宝」という言葉が使われました。実はこの年に生まれたものがもう一つあります。5月、京都を中心とした寺社仏閣等の貴重な文化財を保護するために帝国京都博物館(現在の京都国立博物館)が開館したのです。(写真は現在改修中の明治古都館=旧本館)つまり、今年は国宝と京都国立博物館にとっては120周年という記念すべき年。そして現在、京都国立博物館では「国宝展」が開催中です。10月3日から11月26日までの約40日間の会期を4期に分け、200件を超える貴重な国宝の数々が展示されるこの展覧会。さっそく先週の日曜日に観に行ってきました。前日の土曜日は雨だったせいか、それほど大きな混雑はなかったようですが、この日は天候も良く、3連休の中日ということもあって、かなりの美術ファンがこの展覧会に詰めかけていたようです。(正面に見えるのが「国宝展」会場の平成知新館)夕方になれば少しは人も少なくなるかと思って、博物館には午後3時ぐらいに着いたのですが、それでも入場待ちの行列は長く延びており、結局、建物に入るまで30分待ち、そこから会場までさらに20分かかりました。列に並んでいる時にもらったのが、この毎日新聞の特別号外。ここに写っているものはあくまで展示品の一部ですが、いずれも教科書か何かで見たことのある、おなじみの名品ばかりです。ちなみに、私が足を運んだ先日は全4期あるうちの第1期にあたります。その第1期の一番の目玉は、雪舟の国宝作品6点が一堂に会することでしょう。「秋冬山水図」「破墨山水図」「慧可断臂図」「天橋立図」の4点は、過去に東京国立博物館や京都国立博物館で観たことがあったのですが、「四季山水図巻(山水長巻)」と「山水図」は今回が初見。なかなかに見応えがありました。雪舟の6点が揃うのは10月22日(日)までなので、興味のある方は、ぜひお急ぎください。その他、展示会場のしょっぱなに並んでいた土偶(縄文の女神、仮面の女神、縄文のビーナス)や縄文式土器の代表作である「深鉢形土器(火焔型土器)」を観ることができ、個人的にとても感動しました。考古では、以前に福岡市博物館で観たことはあるものの、もう一度「金印(漢委奴國王印)」に出会いたいと考えているので、その「金印」が展示される第3期(10月31日〜11月12日)に行くつもりです。通常は夕方5時閉館の京都国立博物館ですが、この日は多くの人が来場していたためか、閉館時間を1時間延長。展示物を全て観て回り、ミュージアムショップを除いて外に出ると、あたりはすっかり暗くなっていました。(敷地内の「国宝展」看板がこの通り)ライトアップされた明治古都館も綺麗でした。さて、今週末まで京都では、国宝とは全く違う現代美術の祭典も開催されています。東アジア文化都市2017 京都「アジア回廊 現代美術展」です。二条城と京都芸術センターの2箇所をメイン会場としたこの美術展は、今を生きる日中韓のアーティストたちによる多数の新作を含むダイナミックな最新現代アートを鑑賞できる貴重な機会。私は先日、入場無料の京都芸術センターの方へ行ってきました。オ・インファン、ミックスライスという2組の韓国人アーティスト、陶輝(タオ・フイ)、陸揚(ルー・ヤン)などの中国人アーティスト、さらには日本から出展した堀尾貞治+現場芸術集団「空気」や今村源……。その中で特に興味を惹かれたのが、私とほぼ同世代のアーティスト、中原浩大。彼が小学校から高校までの間に描いたり作ったりしたものが展示されており、個人的に懐かしく感じる者がたくさんありました。また、中村裕太+谷本研の「タイルとホコラのツーリズム」会場に用意されていた観光マップを手に、沖縄や対馬、済州島、台湾を旅したいと思いました。なお、もうひとつの会場である二条城には、草間彌生や蔡國強(ツァイ・グオチャン)といった大物の作品も展示されています。先にも挙げましたが、会期は明後日10月15日(日)までなので、見逃していた方は、大急ぎで鑑賞プランを立ててみてください。

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  • 10Oct
    • 日本で「バベルの塔」に出会える機会は、残り5日!

      上野の東京都美術館からの巡回で、大阪の国立国際美術館にやってきた「バベルの塔」展。長かかった会期もいよいよ今週末の10月15日(日)まで。つまり、残り5日間のうちに観に行かなければ、日本でこのブリューゲルの名作に出会える機会は、しばらくないのです。ということで、とうとう私も先週土曜日に行ってきました。通常、国立国際美術館の閉館時間は17時なのですが、この展覧会期間中の金曜日と土曜日は21時まで夜間開館されています。過去の経験から、この夜間開館時間にはどちらかといえば人が少ないので、今回もあえて外出時間を遅めにし、17時半過ぎに美術館に着きました。この美術館の施設は地下に配されており、地上にあるのは金属製の巨大なオブジェ。夜空を背景に、光を浴びたオブジェが美しかったです。思惑通り、チケット売り場も入場口もそれほどの混雑ではありません。「バベルの塔」展は地下3階の展示室が会場となっており、地下2階ではいわゆるコレクション展が開催中で、しかもこの日は入場無料。本来なら多くの人が詰めかけそうですが、この日のこの時間はそれほど多くなく、いつもの国立国際美術館という感じでした。(遅い時間だったせいだけではなく、雨模様の天候のせいもあるかもしれません)ブリューゲルの「バベルの塔」は、実は2つあります。114×155cmというサイズの通称「大バベル」は、ウィーン美術史美術館所蔵。今回日本に来ているのは、ボイマンス=ファン・ブーニンゲン美術館所蔵のもので、サイズは60×75cmと大バベルの1/4ほどの面積で「小バベル」と呼ばれています。ただし、小バベルの方がより精緻に描かれており、むしろこちらの方が好きだという方も多いようです。かく言う私も、やはり小バベルの方がカッコイイと思います。中学校の教科書か何かで、初めてブリューゲルの「バベルの塔」を知ったのですが、あの時の作品も、おそらく小バベルだったような・・・ちなみに、初めて「バベルの塔」を知ったのは、小学生の時に観たアニメの「バビル2世」でした。ただし、この話の中ではバベルの塔ではなく「バビルの塔」となっています。主役の「バベルの塔」は会場の最後のコーナーに展示されているのですが、そこに至るまでもネーデルランド絵画(版画含む、一部彫刻あり)の名品で一杯。特に2作あるヒエロニムス・ボスの油彩画は貴重で、(その2点は「放浪者(行商人)」と「聖クリストフォロス」)「よく日本に来たなぁ」という感じさえします。なにせ世界中にボスの真筆油彩画は25点しかないと言われていますから。今回日本に来たボス作品とボスの模倣者たちによる作品を鑑賞して、ますます彼の「快楽の園」(プラド美術館蔵)が観たくなりました。さて「バベルの塔」の話に戻しましょう。この作品を最前列で観ようとすれば、列に並ばなければいけません。そこで私も行列の最後尾に並びました。とはいえ、ここもそれほどの混雑ではなく、10分弱で絵の前に到着。後ろに並んでいる人を気にして、あまり長い間は立っていられなかったのですが、それでもこの名画をある程度は堪能することができました。最先端のCG技術で再現されたバベルの塔の細部や、漫画家/映画監督の大友克洋が手掛けたバベルの塔の内部など、実際の作品に触発されて生まれたものも観ることができて良かったです。さて、「バベルの塔」と同じくブリューゲルの作品で、「大きな魚は小さな魚を食う」という版画があります。(ブリューゲル作画、彫版はピーテル・ファン・デル・ヘイデン)文字通り小さな魚を食べた大きな魚がたくさん描かれているのですが、この作品の背景(左上部)に小さく描かれている“登場魚”がいます。なぜかそれが、今回の展覧会のマスコットキャラクターになっており、“タラ夫”という名前もついているようです。特設ショップでは、この魚のキャラクターグッズも販売されていました。私が買ったのは、小バベルの中版ポストカードと、「大きな魚は小さな魚を食う」ポストカードの2つ。本当は小バベルのポスターが付いた公式図録が欲しかったのですが、諸般の事情により泣く泣く諦めました。さて、この展覧会は基本的には撮影禁止だったのですが、撮影コーナーが設けてあり、そこには小バベルのパネルが置いてありました。画面中に描かれた人間の身長を170cmだと仮定すると、バベルの塔の高さは550mに達するそうです。パネルの横に設置された330mの東京タワーより遙かに大きいのです。1人で観に行ったので、記念のポートレイトは撮っていません。関西に馴染みがない方に、この国立国際美術館がある場所を簡単に紹介しましょう。この館が立っているのは、大阪市北区にある「中之島」というエリア。文字通り中洲で、堂島川と土佐堀川という2つの大きな川に挟まれています。この付近は文教エリア、文化エリアとなっており、美術館の隣には大阪市立科学館があり、中ではプラネタリウムが楽しめます。また北側の空地には、近い将来、新しい大阪市立の美術館が開館予定。今からとても楽しみです。また、土佐堀川沿いには、江戸時代、全国の各藩の蔵屋敷が立っていました。当時政治の中心地は江戸(東京)、経済の中心地は大坂(大阪)だったからです。現在の大分県にあった中津藩の蔵屋敷もこのあたりにありました。そしてそこは、中津藩士の子として生を受けた、あの福沢諭吉の生誕地でもあります。大阪に来られた際は、美術鑑賞のついでに、この近辺にある史跡などを訪ねてみてはいかがでしょうか?■ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展■開催概要会 期/2017年7月18日(火)~ 10月15日(日)会 場/国立国際美術館(大阪府大阪市北区中之島4-2-55)時 間/10:00 ~17:00、金・土曜日は21:00まで(入場は閉館30分前まで)観覧料/一般1500円、大学生1200円、高校生600円、中学生以下無料URL/http://www.nmao.go.jp/

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  • 05Oct
    • 「美術屋・百兵衛」の題字は、あの有名アーティストが!

      いよいよ本日、発売となりました。雑誌「美術屋・百兵衛」最新号(No.43)。今号では高知文化を特集しています。興味のある方はぜひ書店で実際に手に取ってみてください。さて、この表紙で一際目立つのが「百兵衛」と筆で書かれた題字。実はこの文字、あの女性書家の紫舟さんに書いていただいたものなのです。紫舟さんといえば、大河ドラマ「龍馬伝」の題字でも有名ですね。龍馬といえば土佐、つまり、現在の高知県。というわけで、誌面にも紫舟さんが登場します。本当は、今号が高知特集だから登場していただいたという訳ではなく、彼女の文字を使って表紙をリニューアルした4号前から連載しているもの。「徹底解剖 紫舟」というコーナーです。(No.40 2017年冬号 連載1回目)(No.41 2017年春号 連載2回目)(No.42 2017年夏号 連載3回目)今号は連載4回目だったのですが、その中でこの週末に開催される「Love Letter Project '17」を紹介しています。2007年、「思いを伝える」ことを目的に始められたプロジェクトで、今年で11回目の開催を迎えます。会場は例年同様、恵比寿ガーデンプレイス。「Love Letter」つまり「思いを伝える」手紙を書くワークショップを中心に、書の彫刻や書のキュビズムなど、紫舟さんのバラエティに富んだ作品が展示され、(彼女とチームラボのコラボによる新作デジタルアート作品も登場)紫舟さんのギャラリートークも実施されます。しかも、ワークショップ以外は無料なので、気軽に参加できます。■Love Letter Project '17■開催概要会 期/2017年10月7日(土)・8日(日)・9日(月祝)時 間/10:00〜19:00 ※9日は10:00〜17:00会 場/恵比寿ガーデンプレイス ザ・ガーデンルーム[ギャラリートーク] 9日 10:30〜14:10[ワークショップ] 7日・8日 10:30〜12:10(受付は10:00〜) 参加費:3,000円 ※事前予約制 定員:各回35名ちなみに現在、愛媛県美術館では「紫舟」作品展が開催中。こちらは書・書画・彫刻・書のキュビズム・屏風+彫刻といった幅広いジャンルの作品が展示され、紫舟芸術の魅力が堪能できます。こちらも入場無料。■「紫舟」作品展■開催概要会 期/開催中 ~11月6日(月)休館日/10月10日(火)・16日(月)・23日(月)・30日(月)時 間/9:40〜18:00(入室は17:30まで)会 場/愛媛県美術館 新館 常設展示室2芸術の秋は、紫舟作品鑑賞で決まりですね!

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  • 04Oct
    • 高知取材の成果が、いよいよ店頭に!(美術屋・百兵衛)

      もうずいぶん昔のことのように思えますが、今年の7月中旬、雑誌「美術屋・百兵衛」の取材のために高知へ行ってきました。高知市内を中心に3泊4日(実質的には3泊3日)の日程で県内を回りましたが、初日が曇り気味だったのを除けば、天候には恵まれ、良い取材旅行になりました。今年が大政奉還から150年と言う記念すべき年ということもあり、維新の雄藩であった高知(旧・土佐)はかなりの盛り上がり。ちょうど「志国高知 幕末維新博」というイベントも行われており、坂本龍馬ゆかりの地を訪ねる方も多かったようです。私も、龍馬の生誕地(現在その碑が立っている)を訪れました。市内は公共交通機関がかなり発達しており、特に「とさでん」という路面電車を使えば、多くの観光地に行くことができます。車両は新しいものもありますが、ほとんどはかなり古いもので、中はこんな感じで、より古い車両には木材が多く使われていました。決して「鉄っちゃん」ではないのですが、運転席もパチリ!こちらも基本的には古い装備なのですが、部分的には新しい装置も。取材時は梅雨が空けたばかりでかなり暑かったのですが、路面電車の中は冷房が効いて快適でした。その高知取材の成果が詰まった「美術屋・百兵衛」No.43が明日発売となります。表紙は、高知県出身の洋画家で独立美術協会の重鎮、奥谷博さんの作品。インタビュー記事の中にも出てきますが、この独特な色彩は、ふるさと高知の光の影響が大きいようでした。さて、その奥谷さんも名前を挙げている高知(土佐)の偉大な画家が絵金。その作品も、生涯も、若冲や蕭白に負けない「奇想の画家」ぶりです。昭和40年代に一度ブームがあったようですが、あらためてその作品を観てみると、迫力に圧倒されます。毎年7月に行われる赤岡(香南市)のお祭りでは、夕方から夜にかけて、実際の絵金作品が街頭に展示されます。その様子は幻想的で、一生に一度は観る価値があるのではないでしょうか?それが難しい方は、同じ赤岡の絵金蔵に行けば、その迫力を1年中味わえます。その他にも、この「百兵衛」高知号では、高知らしい様々な事物を取り上げました。城下町高知を代表する風景と言えば、やはり高知城でしょう。(ちなみにこの写真は私が撮影したものです)先に「志国高知 幕末維新博」の話を出しましたが、そのサブ会場である高知駅前の「こうち旅広場」にはこの3体の像が立っています。(ちなみに台風18号が高知に接近した際、3つの像は撤収されていました)美しい砂浜を美術館に見立てた、黒潮町の「砂浜美術館」は、まさにフォトジェニックで、サイトスペシフィックな作品に出会えます。前半の高知特集の後には、全国の美術情報をお届けするページもあります。今号で取り上げたのは、秋のアートイベント(写真は「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2017」)に注目の展覧会(「安藤忠雄展」と「ゴッホ展」)、今年6月、京都にオ―プンした「フォーエバー現代美術館 祇園・京都」や今週末(10月7・8・9日)に東京恵比寿で開催される、書家・アーティストの紫舟さんの「Love Letter Project '17」に現在「国宝展」が注目の京都国立博物館のレストラン「ザ・ミューゼス」、さらにこれからの活躍が期待できる若手アーティストたち。(「ギャラリストが選ぶ“旬”なアーティストたち」)(「画家・山本大也」)毎号掲載している私のコラムのページ。いつもはコスプレした私が顔をさらしているのですが、今回は遠慮気味に手だけ登場しています。以上紹介したものは、あくまでコンテンツの一部に過ぎません。こんな充実した内容で、価格はなんと税込み500円!全国各地の大型書店(ほとんどが美術雑誌のコーナーにあるはず)や、amazon、fujisanといったネット書店で、明日発売開始です。このブログを呼んで気になった方は、ぜひ店頭で実物を手に取ってください。雑誌「美術屋・百兵衛」No.43(高知特集)をよろしくお願いいたします。

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  • 13Sep
    • 8月の道後温泉(アート編)

      一昨日に引き続き、8月に行って来た道後温泉の話題です。旅行の目的のひとつは、もちろん温泉に入ること。そしてもうひとつが、アート作品に触れることでした。すでに会期が終わってしまったものを紹介するのも心苦しいのですが、先月私が松山を訪れた時には「山口晃 道後アート2016」が開催されていました。2014年に道後温泉本館改築120周年の大還暦を迎えたことを記念し、道後温泉ではアートフェスティバルが開催されました。その後も同様のイベントは続けられており、2016年が夏目漱石没後100年、彼の「坊っちゃん」発表から110年経つことから、アーティスト山口晃が、漱石のように“よそもの”視点で道後を描くというもの。タイトル通り2016年に始まりましたが、今年の8月末までのロングランで続いていたのです。期間中は温泉旅館やホテルの中、街角など道後のあちこちに、山口晃らしい作品が展示されていました。私が、実際に足を運んで観た(撮影した)作品を紹介しましょう。まずは私自身が泊まった温泉旅館から。ホテル葛城「最後の晩餐」その他、ふだんは足を踏み入れることのない高級ホテルにも寄ってきました。単に作品を観るためだけでしたが、快く迎えていただきました。ホテル古湧園「千躰佛造立乃圖」道後舘「厩圖」道後グランドホテル「花圖」茶玻璃「階段遊楽圖」ふなや「武人圖」道後プリンスホテル「今様遊楽圖」ちなみにほとんどの作品は宿泊施設のロビーにありましたが、ふなやという高級ホテルの「武人圖」は、日本庭園の茶室に飾られていました。さらに3軒、作品が設置された宿泊施設があったのですが、うち2軒には行くことができず、もう1軒は訪問はしたものの、展示時間が夕方から夜だったために時間が合わず、作品である映像作品の投影機だけ写真を撮ってきました。ホテル ルナパーク「道後百景」の投影機これがなぜ犬のような形をしていたかは、残念ながら聞きそびれました。さらに、その場所には行ったはずなのに、なぜか観なかった作品がひとつ。それが道後温泉本館の「霊の湯」二階席の床の間にある「電柱シリーズ 掛軸三幅対」。霊の湯には行ったものの、大広間の二階席ではなく、三階の個室に入ってしまったのが原因だと思われます。道後には絵画の山口作品だけでなく、立体作品もありました。順番は逆になりますが、道後温泉駅を出てすぐ、商店街の入口にあったのが、道後商店街正面入口「鈴生り門」道後温泉本館を見下ろすような高台にあったのが、冠山北側階段「見晴らし小屋」道後温泉本館の裏玄関から道をはさんだ所に立っていたのが、振鷺亭前「要電柱」「道後オンセナート2014」の作品や「道後アート2015」の作品の一部は、今年になってもまだ観ることができましたので、もしかしたらここで紹介した山口作品の中には、8月の会期終了後にも観ることができるものがあるかもしれません。「山口晃 道後アート2016」が終わったばかりですが、早くも道後温泉では次のアートイベントが始まっています。それが、「道後オンセナート2018」。「道後オンセナート2014」以来4年ぶりとなるアートの大祭で、その名の通り、本番は来年。今年の9月2日に「プレオープン」し、再来年2月28日まで続きます。パブリック作品は以下のアーティストが、大巻伸嗣/三沢厚彦/浅田政志/梅佳代/淺井裕介/イチハラヒロコ/鈴木康広。ホテル作品は、宇野亞喜良/大宮エリー/祖父江慎/松井智恵が担当。その他に、エンライトメント/近藤良平/田中泯/明和電機のイベントが実施され、蜷川実花も特別参加するこのイベントにもぜひ行きたいと思います。その時には、坊っちゃん列車に乗れたらいいなー。

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  • 11Sep
    • 城、ステンドグラス、温泉、団子、路面電車

      前回のブログから20日以上経ってしまいました。8月は結局3回しかアップできず・・・かなり忙しい日々が終わり、少しはマシになるかと思うので、これからは、もっと頻繁にブログを書こうと思います。さて、もう1ヶ月近く前のことですが、夏休みを利用して1泊2日で松山へ行ってきました。近場の無料航空券に交換できるぐらいはJALのマイルが貯まっていたので、温泉に入って、アート鑑賞でもしようかと思ったからです。マイルが利用できる便は朝早い飛行機しかなく、松山坊っちゃん空港に着いたのは8時過ぎ。まだ旅館にチェックできる時間ではないので、とりあえず観光に出かけました。最初に向かったのが、松山城です。江戸時代以前の建物が残る12の現存天守のうちのひとつで、重要文化財に指定されている貴重な城。珍しく城内に入りましたが、様々なり資料が展示されており面白かったです。鎧兜(もちろん複製)を身につけて撮影できるコーナーもありましたが、あまりの行列に断念してしまいました。次に向かったのが、萬翠荘。かつての松山藩主の子孫である久松定謨伯爵が別邸として建設したもので、国の重要文化財に指定されている洋館です。ステンドグラスなど、建築的な見どころがたっぷりあります。実は皇太子時代の昭和天皇の肖像画など、美術的な見どころもあったのですが、残念ながら撮影不可だったために、ここでは紹介できません。昼ご飯を食べたら、そろそろ良い時間になってきたので、路面電車に乗って、旅館のある道後方面へ向かいました。上の写真左側が通常の電車、右側が「坊っちゃん列車」です。これも電気で走っていると思うのですが、煙突からちゃんと煙も出ます。ちなみに本数がすくない上に人気も高いので、乗ることはできませんでした。旅館にチェックインしてしばらく休んだ後、せっかくだからと道後温泉本館に行ってみました。近々メンテナンスのために休館するという噂があり、今のうちに行っておこうと思ったからです。うな丼の並、上、特上のように3つのランクから選べるのですが、今回は奮発して特上にあたる「霊の湯 3階個室」を選びました。個室の休憩所で、坊っちゃん団子を食べられるコースです。ここもお風呂などは撮影禁止なので、残念ながら写真はありません。夏休みの土曜日に行ったせいか、かなりの人でお風呂も芋の子を洗うようでした。確かに風情はありますが、その反面、古いと言うか・・・最新設備を希望する方にはお勧めできません。個人的には(今回が二度目でしたが)また行きたいと思います。さて、個室から外を覗いてみると、屋根と屋根の間に小さな社が見えました。よくビルの屋上に小さなお稲荷さんが祀ってあったりしますが、道後温泉の屋根上にはどんな神様がお祀りされてたんでしょうか?どこか別の温泉地でも同じような伝説を見聞したことがありますが、道後温泉は傷ついた白鷺の跡を付けていった人が見つけたそうです。そのせいか、あちこちに白鷺が飾ってありました。個室の床の間の掛け軸も、やはり白鷺。道後温泉本館の建物の中で最も高い場所にある楼(振鷺閣)の上にも、こちらは羽根を広げた白鷺が立っていました。黄昏時、しかも逆光だったので、わかりにくいかもしれませんが。さて、休憩用の個室のある建物の3階には「坊っちゃんの間」があります。名作『坊っちゃん』を書いた夏目漱石が通った頃の道後温泉の面影を、今に再現した3階北西の角部屋です。床の間の掛け軸には、漱石らしく「則天去私」と書いてありました。次回は、「道後温泉アート編」をお届けする予定です。できるだけ間を空けずにアップしたいと思います。

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  • 21Aug
    • 伊丹でせめぎあう2人のアーティスト

      多忙と昨日まで夏期休暇だったために、しばらくブログを更新していませんでした。その間も展覧会を観に行ったりしていましたので、ぼちぼち紹介していきます。今日お伝えするのは、今年開館30周年を迎えた伊丹市立美術館で開催中の、O JUN × 棚田康司「鬩(せめぐ)」展です。そして、この展覧会が開館30周年記念展になっています。「ITEM」と題した伊丹市の文化スポーツマガジンがあるのですが、最新号の表紙にも、この「鬩(せめぐ)」展のイメージが!この展覧会がいかに注目されているかの証拠ではないでしょうか。さてこの2人のアーティストのうち、棚田康司は兵庫県出身。2013年には同じ伊丹市美で「たちのぼる」と題した個展が開催されています。この展覧会でも入館してすぐ正面のところに彼の作品が展示されていました。O JUNは東京都出身ですが、この2人は1997年に出会って以来、たびたび二人展を開くなど交流を重ねてきたようです。鬩ぐ(せめぐ)という言葉は本来、「互いに憎み争う」や「責め苦しめる」という意味ですが、今回の展覧会はむしろ「切磋琢磨する」というような感じがします。同じ会場で二人の作品が一緒に展示されているだけでなく、展覧会に向けて制作合宿を行ない、共通のモデルを前に挑んだ作品もあります。中央にあるのが、棚田康司の『流れる黒』。こっちがO JUNの『モデルの女』です。彫刻家と画家、同じモデルを目にしても全く制作アプローチが異なる点が、鑑賞する側としても興味深く、面白かったです。さて、二人が「鬩(せめぐ)ぐ」という点では、この二つの作品が最もタイトルに則していたかもしれません。この展覧会のために、お互いの子供時代の写真を交換して制作した新作。棚田康司の『オー幼児』と、O JUNの『矛』。O JUNの3歳時の写真からレリーフを彫り上げた棚田は、左右で異なる表情を用いて、過去と現在、2つの時間軸のズレを表現したそうです。一方、棚田が小学校2年生の頃の写真から全身像を描いたO JUNは、顔の表情を露にせず、少年の(あるいは現代の棚田を重ねた)微妙な雰囲気を作品から醸し出すことに成功したようです。この展覧会は他館に巡回することがなさそうですし、会期も今週末まで。もうあまり時間はありませんが、一見の価値がある開館記念展だと思います。■O JUN × 棚田康司「鬩(せめぐ)」展■開催概要会場/伊丹市立美術館住所/兵庫県伊丹市宮ノ前2-5-20会期/2017年7月8日(土)-8月27日(日)時間/10:00〜18:00(入館は17:30まで)入館料/一般800円、大高生450円、中・小学生150円電話/072-772-7447URL/http://artmuseum-itami.jp/ちなみに展示会場の最後のコーナーで公開制作が行われています。O JUNはすでに公開制作を終えたようですが、棚田康司は最終日まで毎日会場にいるとのこと。普段は目にすることのできない彫刻家の仕事を覗いてみませんか?

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  • 03Aug
    • 高知駅で神に出会った(べろべろの神に)

      雑誌「美術屋・百兵衛」の取材で高知へ行ってから、もう3週間ほど経ちます。本来はレンタカーを借りて回った方が良いのでしょうが、こちらは悲しいことにペーパードライバー。仕方なくJRや路面電車など公共交通機関を利用しました。そのため、JR高知駅には何度も足を運ぶことに・・・。実は現在、高知県では「志国高知 幕末維新博」というイベントが開催中。2017年は大政奉還から150年、2018年は明治維新150年ということで、土佐に注目が集まるこの機会に、高知の歴史以外の魅力である、風土や文化、自然や食にまで目を向けてもらおうというのが目的のようです。地上の玄関口となるJR駅前では、3人の志士が観光客を迎えます。左から武市半平太、坂本龍馬、中岡慎太郎。いかにも高知(土佐)らしい歓迎ですね。さて、高知駅構内では志士とは全く異なる像が人々を出迎えてくれます。それが、これ。ふざけたような奇妙の像ですが、どうやらこれでも“神様”のよう。“べろべろの神様”と書いてあります。実は高知では有名な神様のようで、夜更け過ぎまで延々と「お客」を続けていると、べろべろの神様が 降臨するというまことしやかな伝説があるそうです。気まぐれな神様ゆえ、誰もがそれ体験できるわけではないのかもしれません。特に渡しなどは、下戸と言って良いほどお酒に弱く(缶ビール1本がせいぜい)、夜更け過ぎまで酒を飲み続けるなんて、ハナから無理なので・・・。ちなみに「お客(おきゃく)」とは高知では宴会のことを指すようです。高知の人は、冠婚葬祭や神事など、理由をつけて宴会をするのが好きだと言います。親類や友人、近所からお客さんを招いて宴会をすることが多く、いつしか宴会の事自体を「お客」と言うようになったとのこと。無礼講で知らない人とも杯を酌み交わす「お客」の場に登場するのが、べく杯。この天狗などの面の裏側にお酒を注いで飲むようです。飲み干さなければ、けっして下に置くことができない杯のことを指します。下戸にとっては拷問のような話ですが(笑)。さて、べく杯と並んで「お客」に欠かせないのが皿鉢(さわち)料理でしょう。高知ならではの様々な郷土料理がひとつの大皿に盛られたもので、神事の際に神と人が食べ物を分け合って食べることが起原のようです。大皿に盛られた料理を大人数で食べるのが基本ですが、予約不要で、一人前から注文できるものを提供してくれる料理店もあります。私も試してみました。それがこれです。カツオの叩きや刺身、クジラ料理やドロメなどが盛り合わせになったもの。ちなみにドロメとは、ちりめん(イワシの稚魚)を生で食べるように整えたもの。慣れていない人にとっては、生臭さが少し気になりますが、ドロっとした独特の食感が特徴的です。お酒が好きな人にとっては格好の肴になりそうですね。どんどん杯を重ねて行くのではないでしょうか?私の場合は、いつもの通りビール一杯でギブアップでしたが(笑)。取材中に食べたもので、最も印象的だったのが「中日そば」。香南市の赤岡町で親しまれている、多くの高知県民も知らないニッチなB級グルメ。麺は明らかに中華麺ですが、そこに乗っている具材は何となく和風。ドロメと違い生ではなく、釜揚げにしたちりめんも見えます。スープの方は、こちらも和風そのもの。カツオ節で取ったと思われるダシに、ほのかな塩味が加わって、実においしい。「中日」とは、中華麺を日本のうどんダシに入れたものということのようです。私が入ったのは、料理屋ではなく、雑貨屋にしか見えない「とさを」という店。中日そばの名店らしく、店内には有名人のサインが所狭しと並んでいました。高知からは電車で1時間近くかかりますが、麺好きの人にとっては、わざわざ行く価値があると思います。

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  • 01Aug
    • 生涯二度目の歌舞伎観劇

      2ヶ月ほど前の話ですが、生涯二度目の歌舞伎を観てきました。以前観たのはおそらく10年近く前のこと。建て替え前の歌舞伎座でした。新しくなった歌舞伎座へは、今回初めて足を踏み入れました。ただし、前回も今回も観たのは一幕のみ。そう私が座った席は「一幕見席」という最も安い席だったのです。ご存じない方に説明しましょう。通常、歌舞伎といえば昼の部か夜の部を通して見るものですが、時間は3〜4時間前後かかり、観劇料も1等席が1万8000円、最も安い3等B席でも4000円かかります(歌舞伎座の場合)。一方、一幕見席はその名の通り一幕限定、約1時間見るだけですが、観劇料は1000円程度と実にリーズナブルです。一幕見席は歌舞伎座4階に位置しており、全てが自由席。通常は椅子席が約90名、立見が約60名の合わせて約150名の定員のようです。歌舞伎座1階の正面玄関の左側にあるチケット売場にて幕見席チケットを購入し、チケット売場裏手の幕見用エレベーターで歌舞伎座4階まで上がります。他の席の方が利用できる売店などは使えません。チケットは当日券のみで、事前の予約は出来ず、人気の演目ともなると売り切れるのが早いので、早めに並ぶ必要があります。團菊祭五月大歌舞伎が行われていたこの日。「伽羅先代萩(めいbくせんだいはぎ)」を観ようと思った私は、1時間ほど前に所定の場所に行きましたが、すでに50人ぐらい並んでいました。エレベーターに4階まで上がると、並んだ順に案内され、席につきました。場所は中央より少し左寄り。画像を見ればおわかりのように、かなりの急勾配の上方になります。右の方はこんな感じ。左を向けば、こうなります。花道などは少し見えるだけです。仁木弾正役の市川海老蔵が花道で見栄を切ったりしていたのですが、さすがに一幕見席からはほとんど見えませんでした。そんな風に制限は多く、行列に並んだりする必要はあるものの、時間がなかったり、少しだけ歌舞伎を体験したい時にはけっこう便利です。歌舞伎なんて・・・観ていても、つい眠ってしまいそう。なんて不安に思っている方は、まずは一幕見席から試してみませんか?さて、この日に観た「伽羅先代萩」を先日別の場所でも観てきました。高知県香南市赤岡町の商店街の中です。幕末から明治初期にかの地で活躍した絵師、絵金の芝居絵屛風でした。ちょうど千松が毒入りの菓子を食べようとしている場面でしょうか。この演目の名場面中の名場面ですね。倹約令か何かのために芝居を禁じられた土佐の民衆が、せめてもの楽しみにと、芝居絵屛風を描かせて神社に奉納したとのこと。この日は須留田八幡宮の神祭ということで、年に一度、本物の屏風絵が氏子の軒先で公開されていました。暗くなって、蝋燭の光に照らされた絵は、怪しくも美しいものでした。

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  • 27Jul
    • 撮影可能な美術館が増えている!?

      最近展覧会を観に行くと「撮影可」という表示をよく見かけます。著作権の関係などから、これまでほとんどの展覧会は撮影が許されませんでした。とはいえ、これは国内に限ったことなのかもしれません。仕事や観光で海外へ行き、有名な美術館を訪れると、多くの観客がパシャパシャと写真を撮っている場面によく出くわしました。ルーヴルやオルセー、ポンピドゥーも、ナショナルギャラリー、テート、そして大英博物館なども基本的には撮影可。それを見て「なぜ日本でできないのか?」疑問に思ったりもしました。それを考えれば、日本も文化先進国に追いついて来たのでしょうか?さて、今年になって私が観に行った展覧会も、そのいくつかは「一部」という限定付きながら撮影可になっていました。以前このブログで紹介した草間彌生展や池田学展がそう。草間展と同じ会場、同じ時期に開催されていたミュシャ展も同様。私も、スマホでついパシャリとやってきました。ただ、あとから撮った写真を見てみると、意外と撮影枚数が少ないのです。撮影可だからといって撮ることに夢中になっていたのではなく、まだ観る方により注意を傾けていたからでしょうか?せっかく実物が近くにあるのに、観ることがおろそかになってしまっては、いくら撮影した画像が手元に残ったとしてもあまり意味はありませんから。撮影の方がいいのなら、展覧会など観に行かず、画集でも買って眺めればいいのです。いくら高性能になったとはいえ、スマホで撮った画像などは、プロの写真家が本格的な機材で撮影した写真の足元にも及びません。本物の作品に接したからこそ感じるものを大切にすべきだとは思いませんか?とは言え、私自身も撮影できないより撮影できる方がいいと思います。ただ、撮ることに夢中になって、周りが見えなくなっては困ります。フラッシュ使用や自撮りなど、禁止されていることは絶対に止めるように。さもなくば、つい先日ロサンゼルスの美術館であったような惨劇が起こるかも。美術館や作者が太っ腹(寛容)だったから良かったものの、被害総額2300万円を請求されるような状況に陥ったらたまりませんからね。みなさんも展覧会場で撮影する時は、最大限の注意を払ってください。

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  • 25Jul
    • 1年越しで「9番目のルーヴル」へ

      昨日に引き続き、選集末に名古屋へ行った時の話です。千種区池下にある古川美術館から栄に向かい、三越の入口で、山本眞輔さんの作品「共生'97」に出会ったことは、すでに昨日のブログの中で書きました。帰りの電車まではまだ少し時間があったので、同じ栄にある松坂屋(南館)へ行くことにしました。実はその7階にある松坂屋美術館で、ルーヴル美術館特別展「ルーヴルNo.9 漫画、9番目の芸術」が開催中なのです。この展覧会は、1年前に雑誌「美術屋・百兵衛」No.38でも紹介しました。当時の会場は、東京六本木の森アーツセンターギャラリー。その後、大阪、福岡と巡回し、名古屋会場が最後の開催となります。以前から行こう、行こうとは思っていたのですが、東京はもちろん大阪でもタイミングが合わずに結局行けず仕舞。最後の名古屋で、何とか滑り込みで鑑賞することができました。日本に「まんが」、アメリカに「コミックス」があるように、フランス、ベルギーなどのフランス語圏には古くから独自に発展してきた「バンド・デシネ(BD)」という漫画文化があります。200年以上の長い歴史を持つルーヴル美術館では近年、「漫画」でルーヴル美術館を表現するという、かつてない「ルーヴル美術館BDプロジェクト」という試みを開始。日本の漫画家を含むフランス内外の著名な漫画家たちに、ルーヴル美術館をテーマに自由に作品を描いてもらうという前代未聞の企画で、すでに12作品が出版され、プロジェクトは現在も進行中です。ルーヴル美術館では、漫画を第9番目の芸術と捉えているようです。ちなみに第1から第8までの芸術は、この展覧会場での説明では順番に「建築」「絵画」「彫刻」「音楽」「舞踏」「文学」「映画」「メディアアート」。(ただし、調べてみたらその他の説もあるようでした)漫画が全て芸術かどうかはともかくとして、非常にアーティスティックな作品があるのも事実だと思います。日本でこの展覧会が始まった時にはご存命さんだった谷口ジローさんも、このプロジェクトに参加した漫画家の一人。本人が「日本で最もBDに影響を受けた漫画家」と公言しているように、その作風は、フランスの人たちにとっては受け入れ易いものだったようです。その証拠に2011年にはフランス政府芸術文化勲章シュヴァリエ章を受章するなど、かの地では「神のように崇められている」との話。日本では、おそらく『孤独のグルメ』の原作者(作画担当)としての谷口さんが、最もよく知られているのではないでしょうか?私はかつて平凡パンチという雑誌に連載されていた『LIVE! オデッセイ』(原作:狩撫麻礼)の頃から好きでした。手塚治虫文化賞漫画大賞などを受賞した『坊ちゃんの時代』(原作:関川夏央)もなかなか素晴らしい作品だったと思います。それほど派手ではありませんが、日本の漫画文化を向上させた重要な人物です。そんな谷口さんの作品も鑑賞できるこの展覧会。(その他、荒木飛呂彦や松本大洋の作品も!)9月3日(日)まで開催されているので、ぜひこの機会をお見逃しないように!■ルーヴルNo.9 漫画、9番目の芸術■開催概要会 期/7月15日(土)〜 9月3日(日)※会期中無休時 間/10:00 〜 19:30(最終入館は19:00)    ※最終日は18:00閉館、入館はいずれも閉館の30分前まで会 場/松坂屋美術館[松坂屋名古屋店南館7階]交 通/地下鉄名城線「矢場町」駅 地下通路直結(5・6番出口)    地下鉄「栄」駅 16番出口より南へ徒歩5分観覧料/一般1,300円、大学・高校生1,000円、中・小学生600円URL/http://manga-9art.com/

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  • 24Jul
    • 60年と50年、長年にわたる情熱の賜物

      夫の彫刻家は60年、妻の画家は50年。名古屋に住むある芸術家夫婦それぞれの足跡を辿る、展覧会を観てきました。会場となったのは、古川美術館とその分館の為三郎記念館。これまで名古屋には幾度となく足を運んでいますが、この私立美術館を訪れるのは、今回がはじめてでした。古川美術館で開催されたいたのが「山本眞輔 彫刻60年の軌跡」。山本眞輔さんは、日本藝術院会員でもある、日本を代表する彫刻家で日展や日彫展などを舞台に活躍されています。私は仕事でこの先生にご協力いただくことも多く、この展覧会も内覧会にもご招待いただいていたのですが、残念ながら出席することが叶いませんでした。会期終了直前になって、やっと展覧会を観に行くことができたぐらいです。これだけまとまって作品を(特に大作を)拝見できる機会は初めてだったため、あらためて山本さんの素晴らしさを再認識できました。数年前に取材のためにご自宅を訪問したことがあります。その時にはご本人はもとより、奥様にも親切に対応していただきました。ただ、その奥様があんなすばらし絵を描いていらっしゃるとは露知らず・・・今回、為三郎記念館で開かれた「山本澄江の世界 ー 祈りの道」で、初めてその幻想的な世界に触れることができ、大きな感銘を受けました。実に細かなペン画とアクリル絵具で植物など自然を描いた絵の融合。現実と非現実がないまぜになり、独特の世界を生み出していました。1988年の文部大臣奨励賞など「日本の自然を描く展」で入賞を重ねておられており、その実力は広く認められているようです。(残念ながら私は知りませんでしたが)山本澄江さんの展覧会場となった為三郎記念館は、古川美術館の初代館長である古川為三郎氏の旧宅を改装した施設。数寄屋造りの庭園と美しい日本庭園が見事で、澄江さんの作品を展示するにはぴったりの空間だと思いました。ちなみに、記念館内の太郎庵という茶室の襖絵を描いたのは、お二人のお嬢様で日本画家の山本眞希さん。ここでその作品を紹介するKろとはできませんが、襖には、素晴らしい椿の花が描かれていました。まさに芸術家一家という、素晴らしい才能に恵まれた3人です。(もちろん、才能を活かす努力も人一倍されたのだと思います)さて、美術館を出て、名古屋市の中心部・栄をぶらぶらしていると、何となく気になる屋外彫刻に出会いました。場所は、名古屋三越 栄店の入口。『共生'97』と題されたこの作品には、作者の名前がありませんでしたが、どう見ても山本眞輔さんの手による彫刻でしょう。以前他の場所でも山本作品を観たことがありますが、山本眞輔さんの彫刻は街のあちらこちらに展示(設置)されており、普段からそこを行き交う人たちに芸術の素晴らしさを伝えているようです。

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  • 20Jul
    • 龍馬がいっぱい、銅像がいっぱい。

      雑誌「美術屋・百兵衛」No.43(高知特集:10月5日発行)のために、先週、現地まで取材に行ったことはすでにブログでも書きました。その際に、空港で坂本龍馬の像を見たことにも言及しましたが、さすがは高知、空港以外でも様々な場所で龍馬の像に遭遇しました。例えば、陸の玄関口であるJR高知駅。龍馬ひとりの像ではありませんが、堂々と立っていました。もちろん真ん中が龍馬で、右は中岡慎太郎、左が武市半平太です。今年は大政奉還から150年、来年は明治維新から150年という記念すべき年。高知(かつての土佐)は幕末維新期に活躍した志士を輩出したことから、現在「志国高知 幕末維新博」というイベントが開催されています。なお、高知駅前に設けられているのが、サブ会場となっているこうち旅広場。博覧会の見どころをまるごと紹介する施設であり、博覧会の全会場の紹介をはじめ、高知県内の観光情報が盛りだくさん。地域のおすすめツアーやお土産物も販売されているので、この時期に高知を巡る方は、ここから旅を始めると良いでしょう。龍馬の銅像の話に戻りましょう。彼の銅像で最も有名なものと言えば、桂浜に立っているこれではないでしょうか?ただ、今回の取材旅行では、残念ながら桂浜に行く機会はありませんでした。この像の近くにある高知県立坂本龍馬記念館が休館中ということもあって……その代わりと言っては何ですが、一風変わった銅像を見てきました。龍馬生誕地と同じ市内の上町にある高知市立龍馬の生まれたまち記念館。ここは、志国高知 幕末維新博の地域会場のひとつになっています。その中庭に設置された、龍馬と姉の乙女、友人の近藤長次郎の像です。近藤長次郎は「饅頭屋長次郎」という異名の方が有名ですね。彼の実家である饅頭屋(実際には餅菓子屋)「大里屋」も上町にあったとのこと。これと全く同じ場面が実際にあった訳ではないと思いますが、脱藩前の青年龍馬の雰囲気が上手く伝わっているような気がします。さて、この高知市立龍馬の生まれたまち記念館には、もう一つ龍馬像がありました。見かけは銅像に見えますが、像の下の方をよーく見ると、小さな車輪(キャスター)が……。おそらく移動可能になっているのでしょうから、重い銅像ではなく、軽い樹脂製の龍馬像だと考えられます。もしかしたら、様々な場所にこのクローンが置かれているのかもしれません。ここからは龍馬以外の、高知ゆかりの人物の像を見ていきましょう。まずは約10年前に放映された大河ドラマ「功名が辻」の主人公、土佐山内家初代の山内一豊の銅像です。ドラマでは俳優の上川隆也さんが演じていました(妻の千代役は仲間由紀恵さん)。この像は江戸時代に建造された天守が現存する高知城のふもとに鎮座しており、すぐ近くには高知県立文学館(銅像の後ろに見える建物)や高知県立高知城歴史博物館などの施設もあって、観光には便利な場所です。次にご紹介する銅像は、高知城の敷地内にある板垣退助像。「板垣死すとも自由は死せず」の名台詞で有名な、自由民権運動の闘士です。若い人にはそれほど馴染みがないかもしれませんが、私は未だに100円紙幣(1953-1974年)の人として懐かしく感じます。100円がコインではなく、お札だったことを覚えている人は、もはや少数派になってしまったのかもしれませんが。板垣退助よりも、さらに知る人ぞ知る存在なのが、次に紹介する田中光顕。この銅像は、高知市の西にある佐川町の青山文庫に展示されています。田中は高知県(土佐)出身の人物で、明治から昭和にかけて宮内大臣など政府の要職を歴任しました。その一方で、坂本龍馬・中岡慎太郎・武市瑞山(半平太)ら維新の原動力となった志士たちの書状や画などの遺墨を収集しています。いわば、幕末維新の生き証人であると言えるでしょう。そのコレクションの多くが収められているのが、その青山文庫。ここに来れば、あの時代に若者たちがどんな想いを持っていたか、どのように行動したかが手に取るようにわかるのです。さて、土佐の高知と言えば、よさこい節にも唄われたはりまや橋を思い出す方も多いのではないでしょうか。このはりまや橋の、歩道をはさんで反対側にあるのが、このアンパンマン像。残念ながら銅像ではなく、石像のようでした。アンパンマンの原作者は、やなせたかし。そう、やなせさんもまた、高知出身の偉人のひとりです。高知県内(香美市)には香美市立やなせたかし記念館という施設もあります。アンパンマンミュージアム、詩とメルヘン絵本館から成るこの記念館では、やなせたかしの豊富な創作世界を体験することができるようです。(残念ながらここにも行くことは叶いませんでした)「美術屋・百兵衛」No.43では、高知の様々な話題を取り上げる予定です。ただいま絶賛編集中!10月5日の発売日を、首を長〜くしてお待ちください。

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  • 18Jul
    • 土佐にもいた奇想の画家

      奇想の画家と聞いて、あなたが思い浮かべる人は誰でしょうか?伊藤若冲? 曾我蕭白? あるいはジュゼッペ・アルチンボルド?中には、河鍋暁斎の名前を挙げる方もいるかもしれません。その暁斎の兄弟子であり、土佐で活躍した絵金という画家をご存じでしょうか?絵金という名前は通称で、その他に弘瀬金蔵や林洞意など複数の名前があります。絵金は「絵師の金蔵」を省略したもののようです。土佐で生まれ、一生のほとんどを土佐で過ごしていますが、2年ほど江戸で暮らしており、その時に狩野派の絵師・前村洞和に師事しています。この洞和は暁斎の師でもあることから、二人は兄弟弟子になる訳です。実は雑誌「美術屋・百兵衛」の取材で高知に行った7月14日の夜、香南市にある赤岡という場所では、この絵金の屏風絵を街中に飾る「須留田八幡宮神祭」という年に一度の行事がおこなわれていました。この町にある須留田八幡宮には、江戸時代、絵金の屏風絵が奉納され、祭りの時には、それらを氏子たちの家の軒先に点々と並べるのです。近年では街灯や自販機の明かりを消し、絵金が生きていた頃の暗闇が再現されます。高知では昔から良く知られた絵金ですが、最近では全国的な知名度も上がっているようです。この祭にはテレビ局などのマスコミも取材に来ていました。屏風絵に描かれているのは、有名な芝居(歌舞伎)の場面。それも一枚の屛風にひとつの場面だけが描かれるのではなく、いわゆる「異時同時図」的に、複数の場面が一度に描かれているのです。作品の足元には詳しい説明もあって、鑑賞の手助けをしてくれます。なぜ絵金が奇想の画家なのかは、その細部を見ていただければお分かりでしょう。血みどろの光景などが、恐ろしくも、観る者の興味を強く惹きます。狩野派を学び、御用絵師も務めた人ですから、本格的な日本画も描いていますが、贋作事件に巻き込まれて、御用絵師の任を解かれてからは、民衆向けの絵を描き、このように少々ショッキングな作品を数多く残しているのです。さて、7時前から飾られはじめた屏風絵は、暗くなるとさらに迫力を増します。江戸時代の人々は、こうして蝋燭の灯だけを頼りに、作品を観ていたのでしょう。他所ではまず経験できない、不思議な美術鑑賞体験がここではできるのです。さて、この「須留田八幡宮神祭」は毎年7月14日と15日の2日間、同じく絵金の屏風絵が街中に展示される「絵金祭り」は7月の第3土日に開催。今年はたまたま15日と第3土曜が重なったため、絵金作品をこうして鑑賞できるのは3日間だけでした。ところが、1年を通じて絵金作品を観ることのできる施設が赤岡にはあります。それが、「絵金蔵」です。絵金蔵では「須留田八幡宮神祭」で展示される作品など、絵金の屏風絵23点を収蔵し、それを月に2作品ずつ展示。しかも蔵に開けられた穴から覗き見するという趣向になっています。その他にも複製作品などを須留田八幡宮神祭と同じように、暗がりの中で観ることができるのです。私が訪れた時には、特別展示のため通常の展示とは違っていましたが、写真からその雰囲気だけは伝わるのではないでしょうか?ちなみに館内にあるミュージアムショップにはここでしか手に入れられないオリジナルの絵金グッズがたくさんあります。貴重な資料類やTシャツ、ミニ屛風など……目移りしてしまうでしょう。ちなみに「須留田八幡宮神祭」と「絵金祭り」期間中は夜間開館されるので、来年の日程に合わせて訪ねてみてはいかがでしょうか?■絵金蔵■施設概要時 間/9:00〜17:00(入館は16:30まで)休館日/月曜(祝日の場合は翌火曜)、12月29日~1月3日観覧料/大人500円、高校生300円、中・小学生150円住 所/高知県香南市赤岡町538交 通/土佐くろしお鉄道h¥ごめん・なはり線「あかおか」駅より徒歩10分TEL/0887-57-7117URL/http://www.ekingura.com/index.html絵金については10月5日に発売する「美術屋・百兵衛」No.43で紹介しますが、富山文化を特集した「美術屋・百兵衛」No.42は本日発売!こちらもぜひご覧ください。

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  • 14Jul
    • 高知出張中

      来週の火曜日、7月18日に雑誌「美術屋・百兵衛」の最新刊が発行されます。この号では富山県の文化を特集していますが、その次に特集するのは、高知県。その取材のために、現在私は高知に来ています。高知といえば、現在開催中の志国高知幕末維新博。そして、幕末といえば、坂本龍馬龍馬ですね。高知に着いた途端、その龍馬さんが歓迎してくれました。空港の名前からして高知龍馬空港ですから、当然といえば当然のお出迎えですね。さらに高知といえば、はりまや橋でしょうか。さっそく行って来ました!夜の写真で恐縮ですが・・・反対側の風景はというと、路面電車とアンパンマンという、これも高知ならではの風景でした。鰹のタタキをはじめ、食文化も特徴的な高知。それを堪能するために、観光客にも人気のひろめ市場にも寄ってみました。(上の写真は藁焼きです)でも、食べたのは結局のところ、ラーメンと半チャーハン!高知に行かなくても、どこでも食べられるようなものでした。時間と予算の関係もあって・・・あまりに高知感がなさ過ぎて、写真も撮ってません。さて、高知取材の具体的な話は、来週火曜日以降にあらためてアップします。以上、移動中の列車の中からお届けしました。

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