昨日に引き続き、選集末に名古屋へ行った時の話です。

千種区池下にある古川美術館から栄に向かい、
三越の入口で、山本眞輔さんの作品「共生'97」に出会ったことは、

 

 

すでに昨日のブログの中で書きました。

 

帰りの電車まではまだ少し時間があったので、

同じ栄にある松坂屋(南館)へ行くことにしました。

実はその7階にある松坂屋美術館で、

ルーヴル美術館特別展「ルーヴルNo.9 漫画、9番目の芸術」が開催中なのです。

 

 

この展覧会は、1年前に雑誌「美術屋・百兵衛」No.38でも紹介しました。

 

 

 

当時の会場は、東京六本木の森アーツセンターギャラリー
その後、大阪、福岡と巡回し、名古屋会場が最後の開催となります。
以前から行こう、行こうとは思っていたのですが、
東京はもちろん大阪でもタイミングが合わずに結局行けず仕舞。
最後の名古屋で、何とか滑り込みで鑑賞することができました。


日本に「まんが」、アメリカに「コミックス」があるように、

フランス、ベルギーなどのフランス語圏には

古くから独自に発展してきた「バンド・デシネ(BD)」という漫画文化があります。
200年以上の長い歴史を持つルーヴル美術館では近年、

「漫画」でルーヴル美術館を表現するという、

かつてない「ルーヴル美術館BDプロジェクト」という試みを開始。
日本の漫画家を含むフランス内外の著名な漫画家たちに、
ルーヴル美術館をテーマに自由に作品を描いてもらうという前代未聞の企画で、
すでに12作品が出版され、プロジェクトは現在も進行中です。

 

 

ルーヴル美術館では、漫画を第9番目の芸術と捉えているようです。
ちなみに第1から第8までの芸術は、この展覧会場での説明では順番に

「建築」「絵画」「彫刻」「音楽」「舞踏」「文学」「映画」「メディアアート」。
(ただし、調べてみたらその他の説もあるようでした)

漫画が全て芸術かどうかはともかくとして、

非常にアーティスティックな作品があるのも事実だと思います。

 

日本でこの展覧会が始まった時にはご存命さんだった谷口ジローさんも、
このプロジェクトに参加した漫画家の一人。

本人が「日本で最もBDに影響を受けた漫画家」と公言しているように、
その作風は、フランスの人たちにとっては受け入れ易いものだったようです。
その証拠に2011年にはフランス政府芸術文化勲章シュヴァリエ章を受章するなど、
かの地では「神のように崇められている」との話。
日本では、おそらく『孤独のグルメ』の原作者(作画担当)としての谷口さんが、
最もよく知られているのではないでしょうか?

 

私はかつて平凡パンチという雑誌に連載されていた
LIVE! オデッセイ』(原作:狩撫麻礼)の頃から好きでした。
手塚治虫文化賞漫画大賞などを受賞した『坊ちゃんの時代』(原作:関川夏央)も
なかなか素晴らしい作品だったと思います。
それほど派手ではありませんが、日本の漫画文化を向上させた重要な人物です。

そんな谷口さんの作品も鑑賞できるこの展覧会。
(その他、荒木飛呂彦松本大洋の作品も!

 

 

9月3日(日)まで開催されているので、

ぜひこの機会をお見逃しないように!

 

ルーヴルNo.9 漫画、9番目の芸術■開催概要
会 期/7月15日(土)〜 9月3日(日)※会期中無休
時 間/10:00 〜 19:30(最終入館は19:00)
        ※最終日は18:00閉館、入館はいずれも閉館の30分前まで
会 場/松坂屋美術館[松坂屋名古屋店南館7階]
交 通/地下鉄名城線「矢場町」駅 地下通路直結(5・6番出口)
        地下鉄「栄」駅 16番出口より南へ徒歩5分

観覧料/一般1,300円、大学・高校生1,000円、中・小学生600円
URL/http://manga-9art.com/