前回のブログでも書いたように、雑誌「美術屋・百兵衛」の取材のため、
7月中旬に福井県へ行ってきました。

ちゃんとしたお店で昼ご飯を食べる時間がないことが、
今回に限らず取材の時にはよくあるります。
福井県は敦賀から東(金沢方面)へ向かう北陸本線は比較的便利なのですが、

敦賀から西(若狭から京都の舞鶴方面)へ向かう小浜線は本数が少なく、
その両線の接続も、時間によってはあまり便利とは言えません。

 

 

そのため、移動先でゆっくり食事をする時間が取れず、
若狭駅で駅弁を買って、ホーム上で食べることにしました。

幸いなことに、敦賀駅は北陸本線の上り、下りのホームに1軒ずつ駅弁の売店があります。
どちらも塩荘という同じ会社が経営しているのですが、
後で公式サイトを確認したところ、創業115年というかなりの老舗でした。
会社そのものはかなり豊富な種類の駅弁を製造しているようですが、
私が覗いた店舗のショーケースにあった駅弁は1種類だけ(他におにぎりが数種)。
ということで、写真の「鯛鮨」を購入しました。

 

 

弁当の掛紙を見ればおわかりのように、鮨と言っても、この鯛鮨はいわゆる「押し鮨」。
小鯛を三枚におろし、調理酢で軽くしめたネタを、酢めしの上に、一枚一枚丁寧に並べます。

かたすぎず、やわらかすぎず、押しを効かし伝統の『鯛鮨』が出来上がります。

という説明が黄色の文字で、緑色の掛紙の上に書いてありました。
どうやらこの弁当は創業時からあるらしく、今でも人気があるのでしょう。
期待しながら掛紙をはずし、弁当の蓋を開けると、現れたのが……

 

 

こんな感じで綺麗に並べられた鯛の押し寿司です。
一口サイズに切り分けられており、食べやすさもちゃんと考えられています。

素朴で味わい深い鯛鮨ですが、個人的には少し酢が強すぎるような気もしました。
小さなチューブに入った醤油をつければ、その酸っぱさもあまり気にならなくなります。
ただ、最初から最後までほぼ同じ味なので、飽きてしまうという難点はありますが。

後からいろいろと調べたところ、駅舎の待合室の中にも同じ塩荘の店舗があり
そこにはバラエティに富んだ駅弁を売っているようです。

もし、次に敦賀で駅弁を買う機会があるようなら、待合室まで買いに行こうと思います。

さて、福井市にある福井県立歴史博物館は、鉄道関係のコレクションが充実しており、
鉄道ファンの間ではよく知られているそうです。

 

 

駅弁の掛紙もまとまった数を収蔵しており、よく展示されているようなので、
古きよき時代の駅弁(の掛紙)をご覧になりたい方は、ぜひ足を運んでみてください。