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国内政治の不安定からスロバキア通貨・クラウンがここ 8ヶ月来の安値となり、同国

中銀は外為市場で自国通貨の買い支えを実施。 この影響でドル買い 東欧新興市場

通貨売りが朝から続きフォリントも叩かれることとなった。 またECBの再利上げ見通しも、

財政基盤の弱いフォリントにとっては目の上のたんこぶのようだ。

消費税などの引き上げによる増税法案を 12日に可決したものの、今年 3,500

フォリント ( 1,840億円)の財源不足に陥るハンガリー。 当初目標としていた今年の

財政赤字の対 GDP + 4.7 % 達成に遠く及ばず、再度目標を設定し直さなければ

ならない。

一昨日の増税案議会通過で、大きく買い戻されたフォリントとハンガリー国債では

あったが、明日金曜日通貨統合計画に関し明日フィンランド首相に説明をしなければ

ならない。 また9 1日までに通貨統合計画の草案を欧州連合に提出も義務付け

られており、もう一段の財政赤字削減計画実施に待ったなしの状況である。

これがネックとなり、周辺国通貨に揺さぶりが入ると、フォリントもそれに同調して

しまうのである。

自国通貨安と増税の影響で CPIが現行の 2.8 % (6) から、今年全体で 3.5 %

来年は 5.5 %にまで上昇する見通しが高く、ハンガリー中銀はまもなく 6.25 % 2週間

レポ金利を引き上げざるを得ないとする観測が強く、年末には 7.0 %にまで達するとの

予測も出ている。

さらに 10 01日に統一地方選挙が公表された。 今回実施予定の地方選は、緊縮

財政に伴う公務員削減や増税後の選挙になるため、政治的な緊張感も出てくることに

なろう。 いったん小康状況となったハンガリー金融市場ではあるが、目先のリスクは

依然存在するようだ。

昨日のハンガリー債券市場、為替と同様の動きの中、短期債は数ベーシス利回り上昇。 

長期債はほぼ変わらずで引けている。

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6 19日に開催されたポーランド中央銀行 政策理事会の議事録が公表された。 

同報告書によると政策メンバー 13名のうち、25bp の利上げ推奨が 8名。 残る 5名が

政策変更必要とせずとの意見となっていた。  市場ではフォリント防衛のために最低

25 50bpの利上げを主張する向きが多く、今後ハンガリー中銀の金融政策の舵取り

を懸念する向きが強い。

この通貨防衛以上に、増税・輸入インフレなどで上昇傾向になる同国のインフレ見通しで

ある。 ハンガリー中銀は 2007年のインフレを 6.0 % 7.0 % 2008年を 3.5 %

4.5 % と見ているが、中銀の中期ターゲットは 3.0 % であり、大きくそこから乖離する

ことになる。 さらに社会保障費削減などの構造的財政改革がなされなかったことによる

財政赤字拡大。 さらに経常収支と双子の赤字を抱えた同国にとってハンガリー理事会の

各メンバーの意見は、「あまりにもハト派的過ぎる」との声も強く、今後同中銀の信用性

にも疑問符がつけられるかもしれない。

何も具体的実行を示さなかった今回の議事録に、引き続き海外からのハンガリー資産

への警告と否定的な投資スタンスが続くのではなかろうか。 その証拠として、過去 3

の同国の国債入札は、札割れという結果に終わっている。今後 2週間ないに行われる

国債入札に関しても、すでに同国大蔵省から減額発行が公表されているため、当面

ハンガリー通貨、債券への投資は盛り上がりに欠けることになりそうだ。 


その他ハンガリー中銀の見通し

              2006年      2007年      2008

* G. D. P.      4.0 %     2.0 – 3.0 %     2.5 %

* C. P. I.     3.2 – 3.4 % 6.0 – 7.0 % 3.5 – 4.5 %

* 財政ギャップ 3.2 – 3.4 % 4.2 – 5.4 % 3.5 – 4.8 %

金曜日のハンガリー債券市場は、米国雇用統計のあと米国債券市場の上昇を横目に

週末のまとまったカバーが入り、午後急伸。 イールド・カーブ全体に買いを集め、 3年債

- 22bp 10年債は - 10bp利回りを押し下げて引けている。

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格付け機関であるS&P社はロンドンで講演会を開き、ハンガリーの見通しを公表。 

それによると同国の 2008年の財政赤字は対 GDP比で 8.0 %2009年は 7.0 %

とし、今年は 11.0 % にまで達し、 2014年まではユーロ導入の条件に合致しないと

した。  また通貨統合はハンガリーより先に、ルーマニアおよびブルガリアが導入を可能

とすると述べ、一層の財政赤字削減の必要性を説いた。

同社の見解によると、通貨統合の条件を満たすのは、 2009年にスロバキア、2011

チェコ、 2012年ポーランド、ハンガリーは 2014年になろうと予測している。

当日開催されたハンガリー中銀政策理事会、政策変更はされなかったものの、「予防

措置として今後小幅利上げを継続することにより、2008年までにインフレは 3.0 %

まで順次低下していくであろう」と暗に将来の利上げを容認している。

金融市場ではハンガリー財務相が、過去 3回の国債入札が札割れとなったことで今後

2週間の間に 5回行われる各入札の減額を発表。 ハンガリー債券市場が正常に戻る

まで、発行額を押さえ、入札日当日に発行予定額を公表するとしている。

昨日のハンガリー金融市場は、大幅に打ち込まれた債券およびフォリントに買戻しと新規

資金が集中。 特に債券利回りは一気に戻し、 2年債で 23bp10年国債も 13 bp

利回り低下で引けている。

この通貨フォリントの買戻しのきっかけとなったのは、スズキ自動車がフィアットと共同開発

した新型SUV車である SX4 (日本では昨日発表) の売れ行きが好調なため、増産の

ためにハンガリー・マジャール・スズキ工場のユニットを 76 %拡大するニュースが好材料

となったようだ。 

SX4」の当初年間販売計画はスズキ 4万台、フィアット 2万台であったのを 6万台と

3万台にそれぞれ引き上げている。

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最近のフォリント安に対して中銀当局がなんら手を打たないことに反し、昨日はスロバキア

中銀が為替市場に介入しユルナを買い支えたことから、ハンガリー・フォリントに連日の

売り。 昨日はトルコ・リラが軟弱ながらも比較的落ち着いた推移となっていたことも、

フォリントを売り浴びせるきっかけとなったようで対ユーロで過去最安値を記録。 

1ユーロ 284.55と、ついにユーロ導入通貨変動パリティである 282.36 1.5 %

下回ってしまった。 

対ユーロでのパリティ ( バンドは+,- 15 %) を下回るのは 2001 5月以来である。

 

日中ハンガリー政府は、連日の財政赤字削減策を発表。 今度は総勢 12,500人の

公務員、800人の政府関連機関職員などの削減を思案とした。 ただ6つの労組は

これに反対。 7 8日にブダペストで大規模スト表明した。

またジュルチャーニ・ハンガリー首相はフランクフルトで演説。 ハンガリーは 2008年に

均衡財政になり、2010年下期にはユーロ導入に伴う条件を整えることが出来ると

述べた。


ところがハンガリー金融市場は全く耳を貸さず。 上記フォリントの下落と共に、債券

価格も急落。


昨日も 12ヶ月物 T.Bill入札が実施されたが、当初 400億フォリントの発行計画に

対し、300億に減額。 応札額も 462億しかなく、落札倍率はわずか 1.15倍。 

平均落札利回りも 8.08 % となり、水曜日の市場売買レート 7.85 %から一日で

23 bpもの利回り上昇となった。 先週から 3年債、6ヶ月物 T.Bill入札に続き、

札割れは 3回連続となっている。 

来週 7 6日、5年ハンガリー国債 450億、 10年国債 400億フォリントの入札を

控え、その落札結果にかなりの不安が残りそうだ。


2年ハンガリー国債は前日比 + 18 bp10年債は +21 bpもの利回り上昇となり、

前日に引き続き 2桁利回り上昇の急落で終えた。   



財政赤字問題が大きくクローズ・アップされ、連日の急落に見舞われていたハンガリー

金融市場。 トルコ、南アフリカを含んだ 3大集中砲火を浴びた通貨となっていたが、

昨日は各エマージング・マーケットの落ち着きでリバウンド。 フォリントにもじり高となり、

ポーランド金融市場とほぼ同じ動きを辿った。

一方政府は財政赤字穴埋めのために消費税の引き上げを決定。 特別消費税を

15 % から 17 %へ、一般消費税を 20 % から 23 % へと引き上げ、9 01

から実施する。 議会承認は本日行われる予定。

この増税で 300億フォリントの税収増となるが、全体の財政赤字を埋めるには程遠く、

金融市場安定化にとっては社会保障改革などの次の手段が必要である。  このため

昨日の金利・為替の買戻しは一時的なものとの見方もあり、今後新興市場に再び

悪材料が出た場合、その影響を受けやすいハンガリー金融市場となる可能性が高い

ようだ。



財政赤字、経常赤字がクローズ・アップされ、先週軒並み大きく売り込まれたのが

トルコ、南アフリカそしてハンガリーであったが、週明けになってもハンガリーの売り

圧力は止まらず。 

アース・ハンガリー中銀理事が、「現在弱含みのフォリントは、中銀のインフレ・ターゲットに

適合しなくなる恐れがある」と発言。 再利上げを匂わせた後、記者の市場介入の

可能性に対し否定も肯定もしなかったことから、近日中の利上げを連想させた。

一方トルコ中銀は週末にもかかわらず緊急会議で、利上げを実施。政策金利を 225 bp

引き上げ、17.25 % とし、昨日は預金金利入札で資金調達した後、5億ドル相当の

為替介入を実施。 本日も預金金利入札が行われる見通しという。


上記 2つの事例から、ハンガリー当局も現行のフォリント安にたいして何らかの手を

打つのではないかとの市場観測が台頭。 ハンガリー中銀は 6 19日に突然 1/4

ポイントの利上げを発表。 基準金利を 6.25 %としたが、次の理事会が開催される

7 24日には再度の利上げを実施してくるのではないかとの憶測と、近日中に

当局による為替市場介入見通しが飛び交った。


これら予測にハンガリー債券市場は再び急落。 短期債利回りは 15bp跳ね上がり、

買い手がほとんど見えず。 10年債も 7bp 上昇。 2週間前と比較すると、

* 03年債: 7.05 % ( 6/12 ) → 8.30 % ( 6/26 )

* 10年債: 6.87 % ( 6/12 ) → 7.84 % ( 6/26 )

          長短国債金利とも 100bp 以上利回りが上昇している。



南アフリカ金融市場が大混乱の寄り付きとなった反動で、東欧金融市場もその余波を

受け売り圧力で始まった。 中でもハンガリーは株式市場が売りを先導。 ハンガリー証券

取引所 BUX株式指数は午後から急落を見せ、寄り付きの 19,700から 一時

19,300割れまで値を落とした。

さらに IMFはハンガリーに対して声明を送付。 「今回の財政赤字削減法案は好感

出来るも、更なる赤字削減が必要である。 支出削減と増税により赤字削減措置を

講じたものの、社会保障に全く手がつけられていない。 増税は景気後退をもたらす

可能性があり、より踏み込んだ抜本的な構造改革を必要とする」、と述べたことも

売り材料。

ハンガリー・フォリントは対ユーロで Euro 1 = 278フォリントで取引が始まったものの、

午後には大台の 280を突破。引けは 280まで戻したが、一時 282も超えEMU

パリティーである Euro / 282.36 に近づく動きとなった。  ハンガリー中銀からは、

「フォリントはポーランド・トルコ・南ア通貨に連れ安となっており、注視している」と、為替

市場介入は述べなかったものの、 その可能性を否定しないようなニュアンスにも

取れたようだ。

木曜日落ち着いていた債券市場も再び急落。 3年債で + 20 bp10年債で

+ 10 bp利回りが上昇。 ここ 1ヶ月近くで 10年ハンガリー国債は + 100 bp

利回りを押し上げたことになっている。





昨日実施された 3年ハンガリー国債入札、当初発行予定が 700億フォリントで

あったが、このところ続く債券売りで参加者が少なく札割れ現象を起こし、当局は急きょ

減額。 550億フォリントの発行となった。 

入札結果は、

銘 柄 名    :  3 ハンガリー国債 6.50 %、 08-12-2009 (New)

   平均落札利回り: 7.93 %

   応 札 額    :  648.23 億フォリント

   落 札 額    :  549.99 億フォリント  (当初発行予定額: 700億フォリント)

   落 札 倍 率  :  1.178倍  (当初発行予定額から計算すると 0.92)

   

.                       と、減額によりかろうじて 1.0倍を上回った。

さらに悪材料としてハンガリー政府は、 IMFから警告のあった社会保障支出削減を

拒否。 増税によってそれに対処する方針であるが、国内経済の沈滞を招き将来の

税収減に結びつくことも嫌気された。

一方ギュルクサニー総理は今後の同国インフレ見通しを発表。 今後 5 6年間の

同国インフレは 4.0 5.0 % で推移。 その後 3.0 % に低下するとしたが、この

見通しでは通貨統合基準に到達しないことは明白となっている。

午後に入りアザメクツ・ハンガリー中銀理事が、「今後財政支出削減がなされようとも、

ハンガリー中銀として政策金利の引き上げを続ける」と述べ、フォリント安から来る

インフレ懸念に警鐘を鳴らしている。

為替はやや落ち着き始めたものの、 国債市場は続落。 昨日も短期債中心に売りが

続き、回復の兆しが遠のいている。




6 16日の S&P社による同国格付け引き下げ BBB+ 6 20日にハンガリー

中銀が政策金利を 2年半ぶりに 25 bp引き上げ 6.25 %としたことの後遺症が

いまだに続きハンガリー・フォリントおよび国債は大幅安。 

とくに為替売り圧力から来る短期債の崩れが大きく、5年債未満は軒並み 10 bp

15 bp 2桁の金利上昇。  通貨に関してはスロバキア中銀が為替市場で自国

通貨の買い介入をしたこともその他東欧諸国通貨の売りを誘う要因となった。

一方ハンガリー中銀副総裁は昨日会見を持ち、「月曜日の 政策金利引き上げは

インフレ懸念があるものの、現行インフレが満足する水準にあるために 25 bpの引き

上げにとどめた。 ただ政府による財政赤字削減プログラムが今後機能しない場合、

再利上げも選択技のひとつである」、と述べている。 因みに市場では 50 bpの利上げ

予測を見ていたところも多く、現行の通貨売り要因として働いているようだ。

10年ハンガリー国債利回りは前日比 6 bp 利回りを押し上げ、7.46 %で引けている。

長短金利格差はますます拡大を続け、 3 vs 10年債格差はマイナス 49 bp

** PIMCO5月に新興国債券保有を減額。 但し長期見通しはポジティブ

6 20日、米国大手債券運用会社である PIMCOは、旗艦商品である「 Total

Return Fund  に占める新興国債券の保有残高を4.5 % から 0.5 % へと大幅

減額したことを明らかにした。  しかしながら同社は、中長期的な観点から見ると、

新興国資産に対しては引き続きポジティブな見通しをとっている。 

その理由として、

l 世界全体の GDPに対する新興国の貢献度は高く 50%を占める半面、購買力

平価から見た世界の債券市場に閉める新興国債券市場のウェイトはわずか

4.1 %に過ぎない。

同社は今後新興国債券市場が急速に拡大すると見ている。

l 新興市場からの流失資金は再び回帰し、新興債券およびその事業債へと流入していくであろう。 同社の

新興国市場への資金配分は、昨年の 33億ドルから今年は 82億ドルへと拡大

している。

l それら新興国債券市場は現在成長の第一段階を迎えたばかりであり、今後も

ボラティリティの高まりや急速な修正があることが予測される。  しかしながら

長期的な観点から見ると、世界の投資家は景気成長に大きく期待できない先進

主要国から成長著しいいくつかの新興国市場へと資金シフトを進めるであろう。

としている。





スタンダード & プアーズ社 (S&P) は、ハンガリーの長期信用格付けを  A-  から

BBB+ 」に引き下げ、見通しを引き続き「ネガティブ」とすると発表した。  

その基準として、2009年の同国財政赤字が対 GDP + 6.8 %に達する見通しであり、

財政赤字および累積債務の削減が働いておらず、逆に急増。今後も財政悪化が

見込まれるため、格付け引き下げとしたとしている。 同社によるハンガリーの財政赤字

見通しは、

        対 GDP比財政赤字     累積債務

2006       11.0 %           60 % (2004)     

2009年        6.8 %           74 %

            としている。  

一方S&P社の格付け引き下げに対しバレス財務大臣は、「財政赤字が拡大したのは

過去のことであり、週末に可決した新財政赤字削減法案により将来は削減計画が

進むはずだ。 S&P社の格付け引き下げは非現実的である」と反論。 またバレス財務

大臣は、来週 S&P社ではなく、別の格付け会社と同国の格付けに対し懇談を持つ予定

にしている。 

また政府は健康保険および教育支出の削減と、公共交通費引き上げを早急に決定、

実施する予定。

ロイター社が 6 12-14日に実施したハンガリーに対するオピニオン・ポールによると、

大半のアナリストが同国のEMU加盟が 2013年以前とはならない (政府計画では

2008年が目標) とし、新財政赤字削減計画を用いても、2008年での 3.0 – 3.5 %

達成は事実上困難と見ている。

お昼過ぎに発表になった格付け引き下げを受け、フォリントは 対ユーロで2年半ぶりの

安値を更新。

1ユーロ 289 から 274.0 まで急落し、1.7 %安と今年の最安値を記録。 同様に

債券市場でも短期債が軒並み売られたが、引けにかけてやや戻した。

10年ハンガリー国債は前日比 4 bp利回りを下げ、 7.00 %で引けたが、為替の

戻しはほとんど見られなかった。