東欧諸国の通貨が下げ止まりを見せ始めたことから、ハンガリー金融市場もようやく

落ち着きを取り戻し始め、最も打ち込まれていたフォリントも反発。

来週月曜日に予定されているハンガリー中銀理事会で、市場の大半は 現行 6.0 %

政策金利据え置きと見ているが、一部では 25 bp ないしは 50 bp の金利引き上げを

予測する市場関係者もあり。

午後に入りハンガリー中銀のハメクズ・チーフ・エコノミストが、週末に閣議決定された財政

赤字削減法案により、2007年に + 8.0 % と見込まれていた対 GDP財政赤字は、

+ 5.0 % にまで低下するであろう。 さらに 2008-9年には、ユーロ統合基準である

3.0-3.5 % にまで導くことができるであろう。 2007年の GDP + 7.0 % は、現実的な

数値である。 ただ増税の反動で、今年のインフレ率は + 3.0 % を上回る可能性が

ある。 

これらの目標を前提に、今回の財政改革法案可決は、ハンガリー政府が正しい方向に

舵取りをした初めての第一歩である」と評価。 このコメントも市場に落ち着きを取り

戻す要因に働いた。

債券市場は午後もう一段の買いが入り、短長期ハンガリー国債は 4-5 bp 利回りを

引き下げてクローズ。


財政赤字削減策が支出削減ではなく、増税を主とするプログラムで決まったことで、将来のインフレ

懸念および景気後退予測が広まりつつある中、ハンガリー金融市場は東欧諸国の中で一番の大幅

下げを演じている。ここ 3日間フォリントに対するニーズがほとんどないような外為市場。 フォリントは

対ユーロで 269.50を記録した後、270越えをテストしたあとストップ・ロスの売り 271.45まで一気に行き

今年の最安値を更新。


また鳥インフルエンザが同国で確認されたことも売り要因となったようだ。同様に債券市場でも、

為替市場の動きと共に連日の 10bp以上の利回り上昇で、下げ止まり感がほとんど見えていない。 

朝一番に発表された同国 5月 CPIは、年率 + 2.8 % (4月 + 2.3 %) と大きく上昇。 2004年 2月以来の

上げを記録した。ただコア・インフレは + 1.0 %と下方に止まっている。 構成品目の中で、季節食品

および燃料価格の上昇が数値を押し上げている。ハンガリー債券市場は終日売り一色。 


2年ハンガリー国債は前日比 + 15 bp、10年国債は + 10 bp、その利回りを上げて引けている。



今年の財政赤字が当初予測である対 GDP + 4.7 %から + 8.0 % 以上(仮に財政抑制策を

とっても) に達する見通しを受け、政府は週末に財政見直し案を発表した。 ところがその格子は

付加価値税、消費税の引き上げや一般的財政項目支出の削減が主となっており、社会福祉、

年金、公務員給与の削減などの構造改革にほとんど手がつけられていなかったため、付け刃で

しかないとの評価となった。  


また消費税の引き上げなどで燃料、ガソリン価格の上昇を招き、景気減速から逆に 今年


3,500億フォリント ( 1,900億円)、来年は 1兆フォリント の歳入不足が早々と懸念されることに

なった。 さらに現行 + 2.3 % CPIは、今年末までに + 5.0 – 6.0 %近辺になるとの

見通しもある。


ハンガリーは EU加盟から 2年を経ているが、ユーロ通貨加盟には 2年前から欧州連合加盟

基準に自国経済を適合させなければならない。 政府はその基準達成を 2008年、ユーロ加盟を 

2010年と見込んでいるが、現財政環境が続くのであれば、2012年以降になる可能性が強い。 

このような悲観的見通しが金融市場を一気に駆け巡り、新興市場の軟弱地合いと平行し債券・

為替とも急落。 フォリントは 1.1 %下落。 ハンガリー国債はここ 2ヶ月の安値を記録し、2

国債で 20 bp以上、 10年国債も 10 bp以上利回りを崩して引けた。




ハンガリー中央銀行の 5月議事録によると、同月政策金利を 6.0 %に据え置いたのは全会

一致の決定であると発表した。 しかしながら委員の一部からはインフレ圧力が徐々に高まり

つつあること。および米国連銀と ECBの利上げサイクルを背景に、ハンガリーも利上げ追随を

余儀なくされるとの議論もあったという。


次のハンガリー中銀政策委員会は 6 19日に開催されるが、このようなタカ派議論が一部で

出ている反面、金融市場では今年後半にまで利上げ実施がずれ込むとの見通しが高い。


ハンガリー国債市場は、週初から続いた財政赤字見通しに対して悲観的見方が漂っている

こともあり続落。 フォリントの Euro転換が当初予定からずれ込み、 2012年以降になるとの

見通しも悪材料。 週末に財政支出削減および増税案が出されたが、金融市場のカンフル剤

にはならない模様。



先週一週間でハンガリー国債は 12bp利回りを上げ6.87 %。価格ベースでは 3/4 ポイントの

下落となった。 3年ハンガリー国債は 7.0 %台定着で7.05 %、前日比 2 bp上昇。




欧州連合加盟条件必達の財政赤字  GDP 3.0 % にはるかに及ばない財政赤字状態が

おととい発表されてから、ハンガリー国債は売りが先行する展開となっている。  今年の財政

赤字見通しは当初目標であった  GDP 6.1 %を上回る + 8.0 % に達する見通しで、政府は

今後一年間に約 1兆フォリント ( 5,500億円)の歳出削減に迫られており、かつ EU加盟 

25カ国のうち最もその財政赤字比率が高い。


このため政府は年金改革でこの局面を乗り切る予定ではあるが、法案が成立したとしても 

+ 8.5 %の財政赤字。 否決になった場合は + 10 %にまで達する見通しもあり、早急な

改革が必要となってくる。 これを背景にフォリントは対ユーロに対して 4ヶ月ぶりの安値水準。


一方債券市場では 5年ハンガリー国債 400億フォリント 6.85 % 10年国債 400億フォリント 

6.77 %の入札が実施された。 落札倍率は 5年債 1.33 (前月 1.35)10年債 2.07 

(前月 1.84)と長期債は最近の利回り急上昇から前回を上回る利回りとなった。


ただ ECBによる利上げの余波を受け、 3年ハンガリー国債は 7.03 %と、前日比 8 bpもの

利回り上昇でクローズ。


ハンガリーの政局

政治体制: 共和制

議   会: 一院制  国民議会 (任期 4) 386議席

政 党 ( 4大政党 )

01) 社会党          (MSZP)  190議席  第 1与党

02) 自由民主連盟     (SZDSZ)   20議席  第 2与党

03) フィデス青年市民連盟( Fidesz )  140議席  第 1野党

04) キリスト教民主人民党         23議席  第 1野党

主閣僚

大統領  Laszlo Solyom     ラスロー・ショーヨム    任期 5 無所属

相  Ferenc Gyurcsany   フェレンツ・ジュルチャーニ 社会党

財務相  Janos Veres       ヤノス・ベレス        社会党


ハンガリー中央銀行 ( MNB – Magyar Nemzeti Bank )

1998 02 17日創設

政策メンバーは、総裁を含め10名。 ポーランド議会 上・下院で任命。 

任期は 6

ハンガリー国立銀行 政策メンバー

01  総 裁  Zsigmond Jarai     ヤライ MNB総裁

02 副総裁 Peter Adamecz

03 副総裁  Henrik Auth

04 副総裁  Dr. Gyorgy Szapary

05 理 事  Dr. Bela Kadar

06 理 事  Dr. Gabor Oblath

07 理 事  Dr. Gyorgy Kopits

08 理 事  Ilona Hardy

09 理 事  Vilmos Bihari

10 理 事  Judit Nemenyi

11 理 事  dr. Tamas Banfi

12 理 事  dr. Peter Bihari

13 理 事  dr. Csaba Csaki

2006年、ハンガリー国立銀行 政策委員会 スケジュール

09月  04日、 25

10月  09日、 24

11月  06日、 20

12月  04日、 18