連日続いている一般民衆と警察隊の小競り合いが、ハンガリー金融市場へも少なからず

影響を与える中、欧州格付け会社のフィッチ社は、同国構造改革の遅れを理由に、

その格付け  BBB+  に変更はないものの、「 安定  から 「 ネガティブ  

引き下げた。  同社はハンガリーに対し、「より素早い行動と、もう一段の構造改革が

必要。 さらに首相の信頼感が薄らいでいる」ことが格下げの主要因とコメントを

出している。

さらに Merrill Lynch社が、「ハンガリーの暴動は拡大する可能性があり、 10 01

に予定されている地方選の結果次第では、さらに不透明感が増えるであろう」との

レポートを出したことも不安心理を増長させる要因となった。


国内混乱を背景にフォリントは対ユーロで続落。 昨日も 1ユーロ 275.00をあっさりと

割り込み 9月初旬の安値近辺まで戻し、債券も通貨安を背景に短期債が大幅軟調。

3年債は約 9.0 bp もの利回り上昇を見せているが、10年債は穏やかな動きで

引けは + 2.0 bp 上昇の 7.53 %



月曜日から始まった首相辞任要求デモがブダペストで拡大。 同国 1980年代後半に

社会主義体制が崩壊して以来始めての一般人と警察隊による衝突となり、一万人

規模の反政府デモに発展。 百数十人が負傷する事態となり、現在沈静化している

ものの反政府一般民衆は週内にも再び大規模デモを召集する可能性を残している。

きっかけは機密テープの漏洩と、その詳細を記載したインターネット記事。 今年 4月の

総選挙で再任されたジュルチャーニ・ハンガリー首相は、社会党政権が再選

(ハンガリーで同一政党が再任されたのは初) されるため、政府の記録や数値に対し

過去 4年にわたり嘘をつき続けたとする録音テープが漏洩され、それがインターネット

記事となり取り上げられたことが発端。

 

一方ハンガリー国民は、雇用環境が改善しない中、政府の財政赤字削減のために

今年 6月に改定された医療初診料の導入や消費税引き上げなどで生活環境が悪化

する中、この漏洩事件を発端として若者中心に政府に対する不満が爆発。 

特に 4月総選挙時に増税を一切言及しなかったジュルチャーニ首相が、選挙公約を

早々と破ったこと。 また来年も一層の増税と、場合によっては社会保障費支出削減も

考慮の対象となってきたことも首相退陣要求を拡大させる大きな要因となっている。

この抗議行動に対しジュルチャーニ首相は、「経済改革の格子を国民に十分に説明

することが出来なかったものの、党の支持がある限り辞任の意思はない」と表明。 

今後のデモ拡大に関して政府は厳重な警備体制をとって対処するとしている。


ハンガリー金融市場は午前中様子見 静かな推移となり、先週の堅調な地合いの

余韻を残し、むしろ債券には買いが入っていた。 しかしながら日中タイでクーデター

勃発のニュースから、アジアおよび東欧金融市場が大きく反落。 

特に 1997 7月に起こったアジア通貨危機ではタイ・バーツの下落がきっかけとなり、

新興市場全般に広がった経緯があり、これを材料にスペックの為替売りが市場に散見。


新興市場通貨全般に打ち込まれたこともあり、ハンガリー・フォリントも自国内ニュースと

ダブルの悪材料に揺さぶられ、対ユーロで前日比 1.3 % の下落。株式市場も約 2.0 %

下げ、ハンガリー国債利回りは3年債で 9bp10年債で約 14.0bp 利回りを上げて

引けを迎えているが、金融市場全般に比較的落ち着いた動きとなっていたこともあり、

タイ・クーデターのニュースが流れなければこれほどの急落とはなっていなかったと

思われる。





ハンガリー金融市場は、先週金曜日 10 ECBの再利上げ見通しと、ハンガリー

中銀総裁の財政赤字削減策に対して、増税の影響で来年の CPI見通しが + 6.5 %

となることに遺憾を表明したことでフォリントが急落したが、昨日は早々とそのショート・

カバー入り堅調。 さらにトルコの 7C.P.I. + 10.3 % (市場予測 + 10.3 % )

P.P.I. + 12.3 % ( 市場予測 + 13.6 % )と、いずれも市場予測を大幅に下回って

いた (と言っても依然 2ケタ台ではあるが….)ことからトルコ・リラと金利が大きく

買われたことも、フォリントにとっては好材料となった。

ただ気になるニュースとして、Moody’s社が、「 10月実施予定の地方選挙が終わる

まで、ハンガリー政府は社会保障費と教育支出の構造改革に手をつけようとせず、

増税だけで対処しているのは懸念が残る。 更なる財政赤字削減の具体的計画が

必要である」とのレポートを公表。 

同社によるハンガリーの長期格付けは 「A1」。 2 22日に安定からネガティブに

変更しているが、早期構造改革が示されなければ、同国格付けのもう一段の引き

下げを示唆したと思われる。


昨日のハンガリー金融市場は、通貨は強含んだものの債券市場はまちまちの動きとなり、

短期金利は軟調。 長期金利はしっかりして引けている。




欧州外為市場は来週月曜日 ( 8 28) 英国が Summer Bank Holiday

祝日となるため、それを前に取引額が盛り上がらず。 終日閑散の中、エマージング

通貨全体に売りがかさんでいることもあり、東欧諸国の通貨・債券とも軟調。

ハンガリーでは一昨日のマーケット引け後、バレス財務相がテレビ・インタビューにて、

「政府が目標としている 2009年でのユーロ導入条件適合は非常に厳しいものがある。

恐らく早くても 2011年になる可能性が高い。 ハンガリーの公的債務の減少は、

2009年までにそのトレンドに入るであろう」と述べたことからフォリントも債券も朝方から

再び下落。 買い手不在の中、日中は気配のみが落ちて行き、短・長期国債とも

前日比 12bp 利回りを押し上げている。


ハンガリー政府は今週火曜日財政赤字見通しを発表。 2009年度に同国財政

赤字は年金支出を除き対 GDP比で + 3.2 % としているが、累積債務が課題。

2006年の 67.9 %から 2008年には72.9 %へと上昇し、 2009年に 70.8 %

減少するとしているものの、通貨統合条件である対GDP 60 % を超えた累積

債務額である。

市場では 2010年にハンガリー総選挙が実施されるため、社会主義国である政府

自らが年金支給や政府支出の大幅削減に踏み切ることは難しいと見ており、

最短でも ERM2加盟を 2012年、ユーロ導入を 2014年と予測する声が強い。

来週月曜日 (8/28)日はハンガリー中銀の定例理事会。 現行の基準金利は

6.75 % であるが、ロイター社の調査によると、金融関係者 13名が 25bpの利上げ、

5名が 50 bp の引き上げを予測している。




週明け 21日の東欧市場は、先週金曜日の急落を受け軟調に始まった。 特に

ハンガリー・フォリントは、通貨統合の遅延見通しが色濃く残り、引き続き売りの標的

扱い。 欧州時間が始まると同時に対ユーロで再び 1ユーロ 280の大台を割り

込ませる動き。 その後いとも簡単にブレークし4週間ぶりの安値となる280.45

付けたが、急激な買戻しが入り反発。  一気に上昇し引けは高値の 278.30まで

戻した。

ただハンガリー債券市場は先行きフォリントの不安感から、長期債は若干の買戻しが

入ったものの、短期債は金曜日の地合いをそのまま引き継ぎ終日の売り圧力。  

昨日は特に大きなニュースも無く、為替動向を見ながらの金利売買となったこともあり、

引けにかけてのフォリント高は、長期債へのみ影響を及ぼしたようだ。

 

ハンガリーの 3年国債 vs 10年国債イールド・カーブは大きくフラット化し、金曜日の

67 bpから昨日は  77bp と、 10 bpも縮小している。


一方のポーランド、ようやくハンガリーの呪縛が解けたようで自立反発。 金曜日に

急落した為替も債券も昨日は寄付きから買いが続き、終日堅調。

またソロクズィンスキー財務次官が、「今年上半期のポーランドの経済成長は

5.0 パーセントを上回ったものの、下半期は 5.0 % を若干下回る数値となろう。 

今年末のインフレは 1.5 % 程度 ( 7 + 1.1 %, 6 + 0.8 %) の上昇が

見込まれる。 7月の C.P.I. + 1.1 %  通信料金の引き上げと、行楽シーズンを

迎え旅費などの娯楽費用が上昇した季節的要因であるため、一回切りの上昇と考えて

よい」とテレビ・インタビューで述べたことも好感された。

ニュースのない中、午後は米国債券市場もしっかりとした動きとなったことから、

ポーランド債券市場はもう一段の買いを集め、2年国債で 5.0 pb強、 10年国債は

2.5 bp 利回りを落として引けている。



週末金曜日の東欧金融市場、まずハンガリーの財政収支悪化見通しが明らかになった。

2008年度のハンガリー累積債務は (Debt)、ユーロ導入適合限度である GDP

60.0 % を大きく超え 72.2 % にまで達するとの見通しがWebサイトにリークされ、

ハンガリーは 2014年以前の通貨適合が困難になると予測 (ハンガリー政府の計画

では 2010年統合目標)

このニュースでハンガリー・フォリントは対ユーロで過去 2ヶ月安の 1ユーロ 279.55

280手前、前日比 1.3 % もの急落となった。 

フォリント安を背景に、ハンガリー債券市場も急落。 2年債 16 bp10年債も + 17 bp

もの利回り上昇となり市場は混乱。 そのまま引けている。

一方ポーランド金融市場もハンガリーの余波を受け軟調。 当日発表になった 2つの

経済指標、いずれも市場予測を上回り、これも悪材料となった。

ポーランド

前月比

前年比

前月比

前年比

7

P. P. I.

+ 0.7 %

+ 3.5 %

6

+0.9 %

+ 3 .0 %

7

鉱工業生産指数

- 6.2 %

+ 14.3 %

6

+2.6 %

+ 12.2 %

 



ポーランド 7 PPI は事前市場予測平均年率が + 3.0 % に対して + 3.5 % 。 

鉱工業生産指数も市場予測平均が年率で + 12.4 % に対して + 14.3 % と、

両数値とも大きく上昇したため、これら数値発表後から債券市場は売りが目立ち始めた。

PPIの構成品目で著しい伸びを示しているのが原材料価格 (鉱工業・石油価格)で 

年率 + 20.7 %(6 + 17.4 %)。半面建設や公共品目はいずれも低い伸びとなって

いることもあり、世界的な原材料価格の上昇が、ポーランドにも波及し始めたようだ。


                                  - to be continued -





上から ↓


また鉱工業生産指数で大きく伸びているのが、製造業の + 15.6 % (YY) (6

+ 13.6 %)、逆に建設は -11.2 % (YY) と、 6月の + 24.6 % から大きく落ち込んだ

ものの、総合年率数値では + 14.3 %の伸びとなり、西側諸国の著名工場がポーランド

へ移転した結果が反映。 やはり今年の同国 2四半期のGDP + 5.1 % 以上 

(727 政府予測) と、昨年の + 3.4 % を大きく上回る根拠となった数値で

あった。

また今年の純投資額は + 9.3 %、来年は + 10.6 % 2桁に伸びる予測が出ている。

インフレは + 1.1 % と欧州域内各国の最低水準を維持しているポーランドであり、

利上げ予測も来年に入ってからと見られていたが、上記大きく伸びた 2つの重要経済

指標の結果から、中銀による引き締め政策が「若干早まり、年末近くに引き締め策が

取られるのでは」との予測も出始めている。


景気の強さと財政赤字削減プログラムの機能不能のニュースが朝から飛び交い、東欧

諸国の金融市場は終日混乱。 ポーランドの短期国債も約 9.0 bp 利回り上昇の

急落を見せ為替も打たれたが、ズロチは利上げ観測も出始めたこともあり、対ユーロで

3.91 を超えたところから比較的落ち着いた動きで引けを迎えている。 


なお、欧州格付け会社である Fitch40カ国の格付け引き上げを発表、その中で

* ポーランド    A   →  A+

* ハンガリー    A  →  A+

* 南アフリカ    A   →  A+

                と、いずれも 1ノッチずつ引き上げている。





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先週末まで売りたたかれていたフォリント防衛と消費税などの増税によるインフレ抑制の

ため、昨日ハンガリー中銀は定例理事会で金融引き締めを決定。 基準金利を 50 bp

引き上げ、 6.75 % へと誘導した。

ただ市場はこの決定にびっくり。 前月の定例理事会では利上げの必要性を説くメンバー

が少なく、なおかつ議事録の内容がかなり楽観的であったため、今回の理事会で

利上げがあったとしてもせいぜい 25 bp に止まると見ていた市場関係者が大半を

占めていた。

ヤライ・ハンガリー国立銀行総裁は、の声明では、「現在のインフレが + 2.8 %  中期

目標としている + 3.0 % に近づいているための予防措置である」 としながらも、2008

のインフレを + 3.0 % 達成のため、今回の金利引き上げだけではインフレを下方に誘導

することは困難である」と会見。 次の利上げ時期は明示しなかったが、更なる金融

引き締め措置をとることを示唆した。

同時にヤライ総裁は、同国インフレ見通しを公表。 現金融政策を維持した場合、インフレ

2007年に + 7.0 % 近くにまで跳ね上がり、 2008年前までは下落しないであろうと

述べている。

予想もしない 50bp の利上げにハンガリー金融市場は軽い混乱。 フォリントは利上げ

措置が大きかったために買いが出て上昇したものの、債券市場は利上げ幅が大きいと

みたため売りが集中。 アナウンスのあと債券市場全体に売りが広がり、結局ハンガリー

国債は短期で 7.0 bp、長期債で 10 bp利回りを押し上げ引けを迎えている。

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ハンガリー金融市場も急騰。 昨日実施された 3年および 15年ハンガリー国債。 

過去 3週間にわたり目に余る金利上昇で国債入札参加者が少なく相次ぐ発行減額を

強いられていた同国国債発行も一転。 

15年国債はまだまばらな結果となったものの、今度は参加ニーズが多くなり、3年国債の

発行は急きょ50億フォリント増額され、750億フォリントの落札となった。 

その入札結果は、

* 3年国債 ( 6.5 % 08-12-2009) 落札利回り: 7.88 %

.        落札額: 750億フォリント 落札倍率: 2.02

 * 15年国債 ( 7.5 % 11-12-2020) 落札利回り: 7.16 %

.        落札額: 200億フォリント 落札倍率: 1.62

.  と、3年国債はようやく 2倍を超える落札結果となった。

ハンガリー中銀は来週月曜日 (7 24)に定例理事会を開催する。 前回の議事録

ではフォリント急落にもかかわらず、非常に楽観的な見通しに債券市場が意気消沈し、

不信感から債券売りの材料となった経緯もあり、今回利上げ措置を採るのか否か、

市場の大きな関心を集めている。  ロイター社が実施したエコノミストの予測では、基準

金利を 25bp 引き上げ、6.50 %へと誘導するとする意見が多いものの、フォリントが反発

トレンドとなっているため、引き締めに入るかどうか見極めが必要との声も出ている。 

好転し始めた現環境下で金利を引き上げたほうが、より効果が出ると考えられるので

あるが…..

昨日のハンガリー金融市場はまさにラリー。  フォリントの急伸もさることながら、

オーバーナイト金利が前日の6.15 % から 5.75 %へ急低下したことも含め、 3年国債

利回りは前日比 15 bp 利回りを落とし 7.87 % とついに 8.0 % の大台を切って

しまった。 因みに 7 3日には今年最大の 8.60 % まで売られていたのが、わずか

半月で 60bp の金利低下。 新興市場の大胆さを見せつけてくれたようだ。

ジュルチャーニ・ハンガリー首相は、来週火曜日 (7 25)、欧州金融調整委員長と

同国の通貨統合プログラムに関して会談を持つ予定となっている。 ハンガリー政府は

先月今年の財政赤字削減額を 3,500億フォリント、2007年は 1兆フォリント削減する

計画であるが、今年度の実質財政赤字削減が有効に働いておらず 通貨統合参加

基準の対 GDP + 3.0 %をはるかに超え、 + 8.0 %に達する見通しである。 

この会談の席上もう一段の削減努力の指示が出るのは必須。 次の政府の対応が注目

されそうだ。

また昨日のロイター社の調査では、ハンガリーの通貨統合を 2013年もしくは 2014年と

予測するアナリストが大勢を占めたと報じている。

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6 28日に議会を通過した新増税法案、消費税が 15 %から 20 % に引き上げなど、

国民に負担を強いる内容に、人気度を気にしたソルヨム大統領の署名が遅れるのでは

ないかと推測されていたが、一昨日遅く思いもかけず大統領が承認署名を完了。 

ハンガリー金融市場はこれを好感し、一気に巻き戻しの買いが続いた。

ただ懸念材料としては今回の増税ではまだ足りず、各エコノミストの見通しでも今年同国

の財政赤字額は当初計画の倍近くなるとしており、 例えばS & P社は対 GDP比で

+ 11.0 % としている。 このため今回の大統領の増税法案承認の好ニュースも、

短命に終わる可能性もある。

 またハンガリー経営者産業団体は、金融・安定てき財政政策の見直しを政府に要請。

「今回の増税案のみでは一時的なカンフル剤にしかならず、長期的視野に立った安定を

維持するために、一層の抜本的構造改革が必要だ」との書簡を送付している。

 

一方ジュルチャーニ首相は、先週ハンガリー中銀から、財政赤字削減のために社会

保障費支出削減の実施を提案されたが、昨日これを拒否。 「西ヨーロッパの構造改革に

追いつく必要性はあるものの、為替政策の一手段として、社会保障改革をする必要性は

見当たらない」と述べている。

9 1日の欧州委員意へ提出する通貨統合参加条件適合報告書の内容に関し、

大統領と蔵相は近日中に記者会見を持つ予定。 中近東の緊張、トルコの不安定、

原油価格高止まりなど、不安材料が山積。 

昨日はイールド・カーブ全体に 7 8bpと大きく買われたが、目先まだ注意が必要と

なろう。

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