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少し前にTwitterで起った事件
どこかの理系大学生が、
中学受験に出てくるような図形問題の画像とともに「全然わからん」とボヤいたら、
野次馬が四方八方から押し寄せて言いたい放題。
瞬殺だ
こんなのができないなら小学校からやり直した方がいい
など好き放題に言葉を浴びせました。
見るに耐えられない有様でした。
それぞれの人は軽い気持ちだったのかもしれませんが、
こんなどぎつい言葉が矢のように刺さり
投稿主はたまったものではないなと思っていたら、
間も無く投稿が削除されました。
「できない、わからない」と言ったらこの言われよう。
ある家庭教師の方が、冷静に分析されていました。
先週話題になっていたこの図形問題について感じたことを書きたい。結論から言えば、この問題は中学受験の経験があれば補助線を引いて30秒も掛からず解ける問題だが、もし初見であれば手強い問題である。これが話題になった原因をいくつかの点から考察する。(↓) pic.twitter.com/n3eaKJryig
— ごん太@家庭教師 (@tutor_gonta) 2023年7月2日
実は私も挑戦したのですが、
間違えて😅二度目で正解しました。
決して瞬殺ではありません。
京大卒のブログ主もこけます。わはは
この先生の分析が非常に優れていたので引用します。
誤字脱字等は私のミスの可能性があります。
強調は私が付けました。
○中学受験の内容の一部な非常に独特
この問題は中学受験以外ではめったに見ない。
中学でも求積問題は出てくるがπを使う練習として出るのでπが消えるこのタイプの問題は出題されにくい。
算数以外でも地理の「八郎潟」や理科の夏の大三角形でベガは天頂付近まで昇る」といった中受では常識に近い知識も中受以外ではほとんど目にしない。だから人々の間にギャップが生じていた。
私は中学受験生も指導するが、彼らには自分がたまたま知っている知識をあたかも常識のように相手に押し付ける人にはなってほしくはないと願っている。
だけど現実には
自分がたまたま知っている知識をあたかも常識のように相手に押し付ける人がとても多い。
と感じます。
○瞬殺と言うスラング
受験ではすぐ解ける問題に対して「瞬殺」と言う言葉がしばしば使われる。
勢いのあるワードなので特に講師や男子生徒に好まれる。
しかし初見の問題に悩んでいる相手に「これは瞬殺だ」と言うのはやや当たりが強いだろう。
元ツイについたコメントにも「瞬殺」があふれ、それが原因かは分からないが元ツイは消されてしまっている。
○算数・数学の正しさの暴力
算数・数学ではその性格上、正しい手順に基づき、他でもないただ1つの正解が導かれる。
故に議論の場において、ともすると「お前は間違っている。正解は丸○だ!」とか
「わからないのか、答えは○○に決まっている」
といった物言いをしたくなったり、されてしまうことがある。
これは注意を払う必要があるだろう。
こうした色々な要素があり、例の問題は話題になったのではないかと考えている。
この先生はかなりできる方だと思います。
同時にできない人の心情や事情もよく見ておられる。
こんな先生に習いたいですね。
「瞬殺」という勢いのあるワードが勉強の意欲を高めるなら
それはそれで結構なことです。
でもそれは両刃の剣
初見の問題に悩む相手を切り裂くことにもなりかねません。
最初に投稿した大学生はおそらく中学受験未経験者でしょう。
瞬殺技をしらない場合、
公立中学で習う面積の公式では太刀打ちできず、
積分を使おうとするかもしれません。
しかしかなり複雑なことになりそうです(やってませんが)。
激しい努力をした人はそれに価値があると思いたいものです。
でないと精神的にもちません。
私も「勉強に何の意味があるの~」
と冷笑した人と縁が切れました。
遊びたい盛りの小学生が、その気持ちを我慢して、
時には睡眠時間も削って
質量ともに凄まじい勉強に打ち込む(というか大人に打ち込まされる)
そういうところを潜り抜けた人は、
自分の努力を誇りに思うと同時に、
自分が瞬殺できる問題で
もたもたする大学生(しかも理系!)を見ると、
「フフン、こいつ理系の癖に自分より下」
という気持ちが沸き上がり
「瞬殺だ、こんなのも解けないのか」
かつて自分が浴びせられた言葉を、
自分より劣った(ように見える)人にぶつけて安心するかもしれません。
自分より下の存在を見出して安心する下賤な心は私にもあります。
人を突き落とすことに知識と経験を使う
どんなご立派な成績でも、そんな人間になるぐらいなら
勉強しないで遊んでいた方が
よほど周りに害がありません。
数学を指導する者として、
教え子にそのような心を植えつけていないか、
注意したいと思います。
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