モーツアルト/ピアノ協奏曲集/ピアノ・ソナタ全集/クリスティアン・ツァハリアス
クリスティアン・ツァハリアスは、1950年生まれのピアニストですが、近年は指揮者としても活動しています。今回紹介するのは彼のピアノによるモーツアルトの「ピアノ協奏曲集」と、「ピアノ・ソナタ全集」、それに「ピアノ四重奏曲第1番、第2番」のCD15枚組のBOX。旧EMIに録音されたもので、ワーナークラシックスのBOXとして再発売されたものです。これが何とタワー・レコードの通販セールで税込み2,362円、CD1枚分の驚きの価格につい、購入のボタンを押してしまいました。 初めにピアノ協奏曲集ですが、ここでは習作である初期の1番から4番までは偽作?らしいということから録音されていません。また、「3台のピアノのための協奏曲」も録音はされていません。クリスティアン・ツァハリアスは1999年から2011年にかけてローザンヌ室内管弦楽団との弾き振りで協奏曲を再録音していますが、残念ながら再録音盤は持っていません。旧EMIに録音した今回の協奏曲集は、ツァハリアスが30歳代頃の若い時代にジンマン、マリナー、ヴァント、マクシミウクの指揮によって、それぞれ異なるオーケストラと録音をしたもの。 演奏についてですが、1曲ごとの感想は書きませんが、ツァハリアスのアイディアで、曲によってはカデンツァ部分に、風変わりな仕掛けを組み込むなど、かなり個性的。画期的と言えば画期的で新鮮ともいえるのですが、極端な独自の解釈が見られるため賛否両論の演奏と言えるでしょう。例えば第20番の第3楽章で突如、音質が変化して「ドン・ジョバンニ」の序曲の冒頭が流れたり、第26番の第1楽章のカデンツァでも突然、ピアノからチェレスタ?あるいはオルゴール?のような音が流れるなど風変わりな演奏に戸惑います。そんな訳で曲を聴いていても「変な仕掛け?があるのかな?」とか、「何か奇抜なことが起こるのかな?」と思って集中して聴いていると疲れます。あまり難しい事は考えずに聴いていれば、音質も良く、魅力ある演奏が多いと言っても良いかもしれません。 また、ピアノ・ソナタ全集のほうですが、こちらもツァハリアスが30歳代前半から40歳代半ばに録音したもので、ここでもツァハリアスのアイディアや、自由な解釈が多く聴かれます。随所で聴かれる自由勝手な装飾音の多さ・・・そして独自のカデンツァ・・・驚いたのが「第11番 イ長調 K.331」…トルコ行進曲の部分ではリズムに合わせ、何とシンバルが軍楽隊のように大きな音で入っています。 まあ、普通の聴きなれたモーツアルトの演奏に飽きた?方にとっては新鮮で面白いとも言えるかも知れませんが、HIROちゃんにとっては、モーツアルトのピアノ協奏曲や、ソナタを聴くならちょっと古いのですがクララ・ハスキルや、イングリット・ヘブラーとか、リリー・クラウス、あるいはダニエル・バレンボイムといったピアニストの演奏が性に合っているかな~~~って思いました。《CD1》ピアノ協奏曲第6番変ロ長調 K.238ピアノ協奏曲第11番ヘ長調 K.413 (387a)ピアノ協奏曲第5番ニ長調 K.175《CD2》ピアノ協奏曲第8番ハ長調 K.246『リュッツォウ』ピアノ協奏曲第9番変ホ長調『ジュノム』 K.271ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414 (385p)《CD3》ピアノ協奏曲第13番ハ長調 K.415 (387b)ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450ピアノ協奏曲第17番ト長調 K.453《CD4》ピアノ協奏曲第16番ニ長調 K.451ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 K.459ピアノ協奏曲第18番変ロ長調 K.456《CD5》ピアノ協奏曲第20番二短調 K.466ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467ピアノ協奏曲第14番変ホ長調 K.449《CD6》ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 K.482ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488《CD7》ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K.503ピアノ協奏曲第26番ニ長調 K.537『戴冠式』《CD8》ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595《CD9》2台のピアノのための協奏曲変ホ長調 K.365 (316a)2台のピアノのための協奏曲ヘ長調 K.2422台のピアノのためのソナタニ長調 K.448 (375a)《CD10》ピアノ・ソナタ 第13番 変ロ長調 K.333(315c)ピアノ・ソナタ 第16番 変ロ長調 K.570ピアノ・ソナタ 第5番 ト長調 K.283(189h)ピアノと管楽器のための五重奏曲 変ホ長調 K.452《CD11》ピアノ・ソナタ 第14番 ハ短調 K.457ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 K.282(189g)ピアノ・ソナタ 第6番 ニ長調 K.284(205b)ピアノ・ソナタ 第12番 ヘ長調 K.332(300k)《CD12》ピアノ・ソナタ 第8番 イ短調 K.310(300d)ピアノ・ソナタ 第2番 ヘ長調 K.280(189e)ピアノ・ソナタ 第9番 ニ長調 K.311(284c)ピアノ・ソナタ 第1番 ハ長調 K.279(189d)《CD13》ピアノ・ソナタ 第10番 ハ長調 K.330(300h)ピアノ・ソナタ 第15番 ハ長調 K.545ピアノ・ソナタ 第18番 ヘ長調 K.533/494ピアノ・ソナタ 第17番 ニ長調 K.576《CD14》ピアノ・ソナタ 第7番 ハ長調 K.309(284b)ピアノ・ソナタ 第3番 変ロ長調 K.281(189f)ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 K.331(300i) 『トルコ行進曲付き』《CD15》ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 K.478ピアノ四重奏曲第2番 変ホ長調 K.493【演奏】クリスティアン・ツァハリアス(ピアノ)ネヴィル・マリナー(指揮)シュトゥットガルト放送交響楽団(協奏曲5,6,11,16,17,18,19番)ギュンター・ヴァント(指揮)北ドイツ放送交響楽団(協奏曲24,27番)デイヴィッド・ジンマン(指揮)イギリス室内管弦楽団(協奏曲13,15番)デイヴィッド・ジンマン(指揮)バイエルン放送交響楽団(協奏曲20,21,25番)デイヴィッド・ジンマン(指揮)ドレスデン・シュターツカペレ(協奏曲12,22,23番)デイヴィッド・ジンマン(指揮)北ドイツ放送交響楽団(協奏曲26番)イェルジ・マクシミウク(指揮)ポーランド室内管弦楽団(協奏曲8,9,12,14番)クリスティアン・ツァハリアス(指揮&ピアノ)バンベルク交響楽団(CD9:K.365&242)マリー=ルイーズ・ヒンリクス(ピアノ:CD9)ザビーネ・マイヤー管楽アンサンブル(CD10:K.452)フランク・ペーター・ツィンマーマン(ヴァイオリン:CD15)タベア・ツィンマーマン(ヴィオラ:CD15)ティルマン・ヴィック(チェロ:CD15)では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。 (^^♪