名指揮者の名盤・名演奏(183)/ オイゲン・ヨッフム⑫ / ブルックナーの宗教音楽集から
ブルックナーというと交響曲が有名なのですが、宗教曲も見逃せません。ブルックナーの宗教曲の代表的なものとしては「ミサ曲第1番」(1864年作)、「ミサ曲第2番」(1866年作)、「ミサ曲第3番」(1868年作)、「テ・デウム」(1884年作)、「詩篇第150篇」(1892年作)などがあります。また、あまり知られていないようですが?ブルックナーは、「レクイエム」も作曲しています。 今回はブルックナーを得意としていたヨッフムが1962年から1972年にかけてDGに録音したブルックナーの宗教曲を集めたCD4枚組のBOXについて紹介します。■ヨッフム~ブルックナー:宗教音楽集CD11) ミサ曲第1番ニ短調,2) モテット「エサイの枝は芽を出し」,3) アヴェ・マリア ヘ長調CD21) ミサ曲第2番ホ短調,2) モテット「正しい者の口は知恵を語り」,3) モテット「キリストは従順であられた」,4) モテット「乙女らは王の御前に導かれ」CD31) ミサ曲第3番ヘ短調,2) モテット「この所は神により作られた」,3) モテット「マリアよ、あなたはことごとく美しく」CD41) テ・デウム ハ長調,2) パンジェ・リングァ ハ長調,3) 讃歌「王の御旗は翻る」,4) モテット「見よ大いなる司祭」,5) 詩篇第150 ハ長調エディット・マティス、マリア・シュターダー(ソプラノ),クラウディア・ヘルマン、マルガ・シムル、ジークリンデ・ヴァーグナー(アルト),エルンスト・ヘフリガー、リヒャルト・ホルム、ヴィエスワフ・オフマン(テノール),キム・ボルイ、ペーター・ラッガー、カール・リッダーブッシュ(バス),バイエルン放送交響楽団&合唱団,ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団,オイゲン・ヨッフム(指揮)/録音:1962~1972年 これらの曲のうち「テ・デウム ハ長調」は、良く知られた曲ですが、今回は「ミサ曲第3番ヘ短調」について少し書いてみます。この曲は前述のように1868年に作曲されたものですが、その後、何度か修正され改訂されています。 この「ミサ曲第3番」ですが、発売されている音源としては、ヨッフムと同じバイエルン放送交響楽団・合唱団 他を指揮したサー・コリン・デイヴィスや、ヘルムート・リリング指揮/シュトゥットガルト放送交響楽団他、そして、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団・合唱団他を指揮したセルジウ・チェリビダッケの演奏があります。 これらのCDは全てHIROちゃんは架蔵していますが、この中で興味深い演奏がチェリビダッケの演奏です。この曲の演奏時間は大体62分位が多い?とのことですが、この4種類ではヨッフムが最も早く約58分、リリングが約62分、デイヴィスが約65分となっていますが、チェリビダッケの演奏時間は実に約77分と、他の演奏と比較するとかなり長く、非常に遅いテンポになっています。 ヨッフムと、チェリビダッケの演奏の違いですが、前記のように演奏時間がかなり異なりますが、チェリビダッケはテンポが遅いせいか、宗教的な強い祈りを感じるのに対し、ヨッフムの演奏は彼の演奏する交響曲同様、荘厳で雄大な演奏です。和声的な響き、そして壮大なオーケストレーションが見事です。 冒頭から透明感のある「キリエ」、前進さを感じる「グロリア」、また、「クレド」は劇的な表現で、力強さと独唱に絡み合う弦楽器のソロの美しさが素晴らしい。そして、力強さを感じる「サンクトゥス」、美しく優美な「ベネディクトゥス」、祈りに満ち溢れた最後の「アニュス・デイ」 ・・と、なかなか聴きごたえのある演奏のミサ曲です。 特にミサ曲は、1962年に始まった交響曲録音とほぼ同時期でもある1966年に集中して録音されたものですが、ヨッフムのブルックナーでは、交響曲以外の作品として貴重な録音だと思います。これらは名盤です。では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。