#ちょっと小耳に(14)

憲政記念館

前回は、なぜ速記が生まれたのかということについて、文字の誕生と絡ませて、あくまで個人の推測として述べてみました。

 

今回は、憲政記念館についてです。

以前訪れたときに、速記についての展示があったことを思い出したことから再び訪れてみました。

憲政記念館では、国会の仕組みや憲政(憲法に基づいて政治が行われること)の歴史などを映像や資料を使ってわかりやすく紹介しています。場所は国会議事堂の参議院側の近くにあります。

ちなみに、国会の前庭は江戸時代には加藤清正の屋敷があり、その後彦根藩の上屋敷となり、幕末には大老井伊直弼が居住し、明治時代は参謀本部・陸軍省がおかれたところだそうです。

 

憲政記念館では、国会の速記についても(思った以上に?)詳しく紹介しています。

例えば「日本の速記のはじまりと歴史」では、「1890年(明治23)11月25日第1回帝国議会召集日の議長副議長選挙会で「速記者ヲシテ筆記セシメテ、之ヲ以テ報道スルコト」を議決し、議事速記録が作成された。」 

「速記録の作成」では、衆議院規則で「議事速記録ハ速記法ニ依リ議事ヲ記載ス」と規定されたことを官報告示とともに展示してあります。これにより第1回の帝国議会からの会議録が残っていくことになります。また現在の会議録の作成の流れなどもわかりやすく説明してあります。

 

議場体験コーナーでは、本会議場演壇下の速記官席も再現されています。

撮影自由なので撮ってきました。

訪れたときの企画展では、大日本帝国憲法制定、第1回衆議院議員総選挙を経て帝国議会の開設に至る時代の様子が関係資料とともに展示してありました。

終戦後の極東国際軍事裁判には、衆議院の速記者が嘱託として出務していたとのことです。

 

入館料は無料です。

入り口横の建物には、休憩できるところやお土産コーナーがあります(自動販売機の飲み物が安かったです)。

興味がある方はぜひ行ってみてください。

(つづく)

 

これまでの「ちょっと小耳に」

(1)速記の始まりと今

(2)日本の速記はいつから?

(3)第1回議会からの会議録があるのは日本だけ! 

(4)日本の速記方式(前編)

(5)日本の速記方式(後編)

(6)弟子たち

(7)他の速記方式は読めない、書けない

(8)原文帳(げんぶんちょう)

(9)速記用語

(10)速記教練会

(11)速記競技会 

(12)なぜ速記に惹かれたのか

(13)なぜ速記が生まれたのか