#ちょっと小耳に(11)

速記競技会

前回は、教練会について触れました。

教練会は速記に興味がある方であれば参加できます。速記の方式が異なっていても大丈夫です。

場所は、首都圏、関西圏が中心となりますが、オンライン教練会もあるようですとご案内しました。

 

今回は、速記競技会についてのご紹介です。

現在でも、高校生と大学生を対象とする全国的な速記競技会が毎年開催されています!

高校生は、中根式速記協会主催による全国高等学校選抜速記競技大会(春)と全国高等学校速記競技大会(夏)が毎年開催されています(コロナにより中止の大会もありました)。

両大会とも個人戦と団体戦で競われます。

参加校は、新潟、東京、静岡、愛知、岐阜、佐賀からの複数の高等学校が常連で、各学校の速記部の皆さんが優勝を目指して日々切磋琢磨して練習に励んでいます。

ちなみに、昨年の第54回全国高等学校選抜速記競技大会及び第92回全国高等学校速記競技大会では、県立佐賀商業高等学校が個人戦と団体戦の両方で優勝し、春夏連覇しています。さらに今年3月に実施された第55全国高等学校選抜速記競技大会でも同校が個人戦と団体戦の両方で優勝です! すごい!

 

大学生は、学生主催による全日本大学速記競技大会(冬)と全国学生新人速記競技大会(秋)があります。

参加校は、関西大学、関西学院大学、福岡大学、早稲田大学です。

この大会の他にも春季関東学生速記競技大会と関西学生速記競技大会(6月)が開催されています。

高校生の大会及び大学生の大会は、(公社)日本速記協会が後援しています。

 

ところで、以前、私は手書き速記は現実的ではないということを書きました。にもかかわらず、このような各種競技会が毎年開催されています。

高校生や大学生の皆さんは、将来的に速記者あるいは速記に関連した業務を目指して練習しているのでしょうか?

恐らくそうではないと思います。

では、なぜ皆さんは速記を学ばれているのでしょうか?

それぞれの理由があると思いますが、純粋に人が話す言葉を書き取れる速記というものに惹かれるものがあるのではないでしょうか。

最初はぎこちなくても練習するにしたがって書けるようになっていく。書ける速度も速くなっていく。その進歩が実感できる。そういうところではないでしょうか。

私の場合は「人が話す言葉が書き取れる。それも自分自身が手書きして」というところに最大の魅力を感じました。

どの速記方式であっても、速記にはこういった魅力が詰まっていると思います。

(つづく)

 

#これまでの「ちょっと小耳に」

(1)速記の始まりと今

(2)日本の速記はいつから?

(3)第1回議会からの会議録があるのは日本だけ! 

(4)日本の速記方式(前編)

(5)日本の速記方式(後編)

(6)弟子たち

(7)他の速記方式は読めない、書けない

(8)原文帳(げんぶんちょう)

(9)速記用語

(10)速記教練会