一から学ぶ生理学 No.8 細胞のしくみ(7) 細胞膜 | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます 

『一から学ぶ生理学』シリーズ、ミトコンドリア小胞体とリボソームゴルジ装置リソソームで、ようやく主な細胞小器官が終わりました。細胞の中には、ほかに微細管、マイクロフィラメント、中間フィラメント、中心体もあるし、エンドソームや分泌顆粒も。

細胞は、細胞膜を陥入させて、外の物質を中へ取り込んだり、自分の中にある小胞の膜を細胞膜に融合させて、小胞内の物質を外へ出したりします。その作用を総称して、サイトーシスといいます。で、取り込む方向がエンドサイトーシス、出す方向がエクソサイトーシス。

リソソームのところで出てきたように、エンドサイトーシスでできた小胞が、リソソームと融合されて、小胞内の物質が分解・消化されるんでしたね。その小胞がエンドソーム。ゴルジ装置がつくって出す分泌顆粒は、エクソサイトーシスでその中身を細胞の外へ出します。分泌顆粒はエクソソームとはいわないみたいね。

細胞膜は、細胞の中と外を隔てる膜で、細胞に必要なものはエンドサイトーシスで取り込み、分泌物や不要なものをエクソサイトーシスで外へ出す、その出入口でもある。神経細胞や筋細胞になると、細胞膜が電気的に反応して、細胞の外と情報交換するし、いずれにしても、細胞にとっての外界との連絡口ってことですね。

細胞膜は、主としてリン脂質とタンパク質からできてます。部分的に拡大すると↓こんなふうになってます。図の上側が細胞の外で、下側が細胞の中。ジャガイモみたいな形をしてるのがタンパク質分子で、頭に糖鎖を乗っけてます。

 細胞膜 
(東洋療法学校協会編『生理学』より)

リン脂質の部分は、外界側と細胞質側に親水性(水になじみやすい性質)のリン酸基があり、そこから疎水性(水をはじく性質)の2本の脂肪酸の鎖が向かい合うように出っ張る二重層膜で、↑上図からその部分を抜き出したのが↓これ。親水基がリン酸基で、疎水基が脂肪酸鎖ね。

細胞膜 

ジャガイモみたいな形のタンパク分子は、リン脂質の二重層膜の中に、モザイク状にポツポツと分布してます。これは、酵素か、受容体(レセプター)か、膜輸送タンパク質かのいずれかで、どれであれ、ここに外界の物質がくっつくと、細胞に何らかの反応が起こります。どれに何がくっつくかで、反応は違うの。

膜輸送タンパク質には、トランスポータやチャネルがあります。トランスポータはチャネルが特殊化したもので、基本的には溶質を出し入れするためのしくみ。チャネルは、イオンチャネルか水チャネルで、その名のとおり、イオンか水を出し入れするもので、チャネルごとに何を通すかが決まってます。

つまり細胞膜には、半透性の性質があって、通すものと通さないものがあるってこと。水や酸素、二酸化炭素、アミノ酸、脂質に溶けやすい性質(脂溶性)の小さな物質は通しやすく、タンパク質のような大きな分子は通しません。

また、ナトリウムイオンとか、カリウムイオンとかのイオンに対しては、細胞膜によってそのまま通したり、エネルギーを使って出し入れしたりしています。つまり、細胞膜に選択的な透過性がある。何でも通すワケじゃない。

こんなふうに、細胞膜の半透性とか選択的透過性とかは、リン脂質の二重層膜と膜輸送タンパク質によって発揮されていて、細胞は中に入れたいものを細胞膜でチェックしてるんだってことです。

細胞膜の反応は、分子レベルで細かく制御されていて、それを説明するにはブログじゃ無理。興味のある方は、↓こちらの参考書をどうぞ。20ページ以上にわたって解説されてますよ。

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