おはようございます
「四時陰陽は万物の根本」であり、それに逆らうようなことをすると、「養生と病気予防の第一歩」に書いたようなことになって、寿命が縮んでしまうワケですが、ほかにも『黄帝内経』の『素問』第五『陰陽応象大論篇』には↓こんなことが書かれています。
「天には四時五行があって、生長収蔵の変化があり、寒暑燥湿風が生じる。人には五臓があって五気を化成し、喜怒悲憂恐を生じる。
もし喜怒の度を越せば気を傷つけ、寒暑がひどければ形を傷つける。暴怒は陰を傷つけ、暴喜は陽を傷つける。気が逆行して上がり、経脈に充満してしまうと、肉体を離れる。喜怒に節度なく、寒暑にうまく適応しないと、生命は堅固でいられない。
陰が極まると必ず陽に転化し、陽が極まると必ず陰に転化する。それゆえに、冬に寒気の傷害を受けると、春には温病になる。春に風気の傷害を受けると、夏に下痢を生じる。夏に暑気の傷害を受ければ、秋に瘧疾を起こす。秋に湿気の傷害を受けると、冬に咳嗽を生じる。」
最後の三行で、春夏秋冬の養生を怠ると、次の季節に具合が悪くなる例をあげて、警告してますが、『四気調神大論篇』(「もうすぐは~るですねぇ~♪」、「なつがく~ればおもいだすぅ~♪」、「いまは~もうあき~♪」、「つがるかいきょう ふ~ゆげしき~♪」)とは少~し違ってますね。
このあたりが、『黄帝内経』が教科書というよりも、論文集になってると言われる所以でしょうか。しかも、「秋に湿気の傷害」だなんて、秋は五行で言えば金だから、燥気のはずなのに…と、陰陽五行に慣れてきた方は思うはず。そうなんです。なぜ湿気なんでしょうね?
この場合、長夏を考慮しなくてはなりません。日本でもそうですけど、中国にも秋の長雨がありまして、四季を五行に分けたときに、これを長夏として分類してます。夏前の梅雨も長夏に入れちゃいます。ってことで、ここでいう「秋の湿気」は「秋の長雨にあたる」ことと考えられます。
『陰陽応象大論篇』はかなり長くて、陰陽五行の理論と、天地人それぞれへの影響、人体の臓腑気血との関連など、東洋医学の基礎理論がギュッと詰まっています。追々ご紹介していきますね。
一天一笑、今日も笑顔でいい一日にしましょう。
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