『黄帝内経』が説く養生の大切さ その3 | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます 

『黄帝内経』が説く養生の大切さ、その1その2とお送りしました。今日は3回目。『上古天真論篇』はこれで最後ですから、あとちょっとだけおつきあい下さいね。

その2に続く一文は、実はすでに「女性は7年、男性は8年ごとに節目が来る?」でご紹介済みです。そう、某健康酒のCMで流れている「女性は7の倍数、男性は8の倍数」ってヤツを解説したときのものです。

『黄帝内経』の原文では、女性の場合、7歳は七歳ですけど、14歳は二七、21歳は三七と表記しています。七の倍数だってことがハッキリわかるような書き方で、七七の49歳まで。男性の場合は、八歳から二八、三八で、七八の56歳で終わりじゃなくて、八八の64歳まで。

女性は7倍までなのに、なんで男性は8倍までなの?って言いたくなるかもしれませんが、これは単なる数字合わせで、7だから7倍まで、8だから8倍までということかと思います。中国の人って、こういう数字合わせ、好きなんですよね。

「女性は7年、男性は8年ごとに節目が来る?」には、リンクを貼っただけの用語があるので、ここでちょっと解説しておきますね。

東洋医学講座No.71にあるように、気血の循環経路である経絡のうち、縦ラインの幹線路を経脈と言います。そのうちの臓腑とつながるのがNo.72に登場する正経十二経脈。太陰・厥陰・少陰の三陰と、太陽・陽明・少陽の三陽に分かれていて、それぞれ手に行くものと、足に行くものがあるので、全部で十二経脈になるワケです。

女性35歳の「陽明経脈」とあるのは、手の陽明経と足の陽明経のふたつの経脈のこと。陽明経は顔面と髪の生え際を走っています。この経脈の経気が弱ると、顔や髪に十分な栄養が届かないので、色つやがあせてくるんです。

女性42歳の「三陽経脈」は、太陽・陽明・少陽の三つの陽経のこと。それぞれ手足がありますから、実際には六経。さらに左右あるので、全部で12本ですけどね。三陽経脈は顔面と頭部を走ってます。これらの経気が衰えれば、顔がやつれて、髪が白くなるワケです。男性48歳の「陽気が上部で衰え…」も同じことです。

女性49歳の「任脈」は、No.74にある奇経八脈のひとつで、おなか側の正中線上を走ります。任脈は女子胞(子宮)とつながるだけに、とくに女性にとっては大切な経脈。49歳ともなれば、任脈の経気が衰えるので、胎児を育むことができなくなるってことなんですね。

さて、『上古天真論篇』には、この7の倍数・8の倍数の話の後に、まだ続きがあります。

 黄帝が言うに、「余は、上古に真人と称される人がいたと聞いている。真人は、天をかかげ、地を引っ提げ、陰陽を把握して、精気を呼吸し、独立して神を守り、肌肉はひとつのようであった。それゆえに、寿命は特別に長く、天寿をつくして終わることがなかった。これは、養生の道理を掌握していたからだろう。
 中古の時代には、至人と称される人がいた。徳があつく、養生法をよくわきまえ、陰陽変化に調和し、四季の変化に適応し、世俗の悪習から離れ、精気を積み、神気を合わせ、天地の間に遊行し、八方の外まで見聞きすることができた。このようであれば、寿命を延ばし、頑健でいることができよう。真人に似ている。
 その次には、聖人と称される人がいた。天地の調和したところにいて、八風の理に従い、嗜欲を世俗の間に適用させ、怒り憤る心は無く、行動は世間から離れることなく、定められた様式の衣服を着て、人々に何らひけらかすようなことはしなかった。外では肉体を疲労させ過ぎることはなく、内では思い患うこともなく、こころ安らかに愉しむよう務め、自ら満足して安んじる。そのため、肉体は衰えず、精神は散じることがなく、百歳まで生きることができた。
 さらに、賢人と称される人がいた。天地、日月、星辰の運行などの自然の法則にのっとり、陰陽の変化に従い、四季に応じて、まさに上古の真人に習って、養生の道理に合わせようとした。それゆえに、寿命を延ばすことはできたが、限界があった。」

真人、至人、聖人、賢人と、養生家を4段階に分けて説明しています。至人というのは、ほぼ真人に至るレベルにある人というような意味でしょうか。

真人と至人は、ほぼ不老不死だって言ってるようなものなので、表現が大げさですが、それだけ養生の大切さを力説してるんだと、判断していただければと思います。

一天一笑、今日も笑顔でいい一日にしましょう。

 
東洋医学講座の目次→満月
ツボの目次→やや欠け月
リフレクソロジーの目次→半月
妊娠・産後・授乳・子どものケアの目次→三日月
アロマセラピーの目次→新月
『養生訓』の目次→星空
体操とストレッチの目次→夜の街
からだのしくみ・食・栄養の目次→打ち上げ花火
からだの不調と対処法の目次→お月見
養生法・漢方薬・薬草・ハーブの目次→桜
ブログの目的・利用法・楽しみ方の目次→観覧車
東日本大震災 関連記事の目次→富士山