これまでのお話

実家処分を決意するまで

実家をしまう            

 

2階建ての納屋を解体することになり、中身を空にすべく弟と私は自分たちの私物を懸命に片していた。

 

助っ人として呼んだ夫は、自分の実家ではないので、やや暇そうである。

 

夫は主に私たちの教科書やテキスト、父の本類をビニール紐で束ねていた。

 

しかし、しばらくすると弟が言った。

 

「ねえちゃん、これ、誰のか知ってる?」

 

それは食器や日用品の入ったダンボールだった。

大き目の段ボール数個を弟が指差している。

 

私は見たことない物だった。

私は答える。

 

「わからない。見たことないと思う。」

 

弟が言う。

 

「俺が一人暮らししていた時のものかなはてなマーク でも、覚えがないな。」

 

2人で首をひねっていると、少し離れたところで本を束ねた夫が手を止めて近づいてきた。

 

夫はそれらを取り出し手に取ってしばらく眺めてから、「俺のかもしれない。」と言った。

 

見てすぐに分からないのか~いはてなマーク爆  笑

 

と突っ込みそうなった。

が、30数年ぶりに見つけたのならこのくらいの反応なの はてなマーク

 

30数年前、私達は結婚して数ヶ月後には、1度目の駐在のため渡米している。

その数ヶ月の間、夫と私は実家に住んでいた。

その時、夫のひとり暮らしのアパートから全ての荷物を一旦私の実家に持ち込んだ。

 

その時の引っ越しといったら、引っ越しの前日まで夫は普通に暮らし、引っ越しの日に手近にあるものをそのまま段ボールに詰め、借り物のトラックで全てを運ぶ、という荒業だった。

 

その時なんだか、夫の片付け方が、母の片付け方と似ていると思った チーン

類は友を呼ぶのかもしれない。

あの時の夫の引っ越し方を見た時、ちょっと不安だったことを思い出した。

 

そしてその後、夫の荷物は納屋にあるものだけでなく、母屋からも出てくることになる。

 

今回の実家じまい、夫には関係ないのに手伝ってもらい申し訳なく思っていたが、夫の物も割と多く出てきたので安心した。

夫は、手伝うべくして手伝う人だったのかもしれない てへぺろ

 

これで気兼ねなく、夫にも手伝ってもらおう、と思った。

 

あれから夫と私は8回の引っ越しを経験した。

最初は仕分けたり処分することが苦手だった私達夫婦も、さすがに成長していると思う。

 

これから私達は、整然とした家でキレイに暮らしていこう、と思った。

これからは、きっとキレイに暮らしてみせるぞビックリマーク