題名が先日の題名と矛盾してるのは最後までとっておいて、、、
ある生徒さん、時々ここに登場して貰ってますがその強さをかってます。
繕った表面理論や受け売りだときっと見抜くでしょうね。
こちらが感覚で感じて体現できてる事しか伝わらないと思います。耳から盗み取る感覚が良い。
今日は生徒さん皆さんへの覚書との意味も込めて書きます。レッスンを受けてない方には判り難いかも知れません。
さて、それでは。
レッスンに来た当初は物凄く窮屈そうで一つの音がスムーズに発音出来なかったのに、中音域は本当に綺麗な音が響く様になりました。夏以降スケジュールが楽になってからはさらにリラックス出来てる。「ここ音が高くて上手く吹けないんです」てところを吹いてもらったら吹けてる… よくよく話を聞いたら、「ばててる状態だったら誰でも難しいよ」て事でした(笑)上手になっていくのを見るのは嬉しい事です。
レッスンで今までにやった事は、バジングを止めて、シラブルも止めて、自然な呼吸と とにかく音を聴いて歌う事を意識する事。高い音も未だ無理には吹かない様に。
後は徐々に身体を窮屈で無くて自然に使える様にする事を意識する事。その為の呼吸の意識。もちろん、ソルフェージュに関して事は常にアドバイスをします。(これは音楽をするには必要不可欠)
最近はどう準備するかも他の人同様に少しずつ丁寧に。
レッスンの中で、息は一つの流れでフレーズも大きく一つだけど、音が変わる時に喋るような揺らぎも同時に存在する事が自然な事だと話しました。
真っ直ぐに音を伸ばす=真っ直ぐな息を吐き続けるので無い。息は自然に外に流れて行くように身体にゆっくりと取り入れてから(曲の中で素早く取る為には別に訓練が必要)、自然に外に流れ出してとっても長い減衰が有るように、サウンドに時間が存在する様に自然に音が響く様に流れ続ける。後はそれをただ聴く。
そして、その上に音の動きが乗っかって自然に揺らぐ。一つ一つの自然減衰とフレーズの大きな自然減衰が同時に存在する。
大きな音、小さい音、高い音、低い音、跳躍したり忙しいフレーズ、全て乗っかっている元にこの自然な時間と息と音の流れが有る。
感覚的には決して頑張って吐いて、「吹くのでは無い」という事。
準備したエネルギーが自然に流れる様に扉を開くだけで良いんです。そう感じる様に身体を使う。身体が自然に動く様に仕向ける。
もちろん、これはベーシックで様々な局面では息を少し押したり、張ったりとかプラスアルファの技術は必要です。そこを否定するものでは無い事を書き加えておきます。
僕自身が彼女のレッスンをしながら、アンブシュアや姿勢その他の見た目は内側のイメージや意識から、極めてゆっくりではあるが健康的に修正できていく事を再確認させてもらってます。
これは自分の上でやってきた事でも有るんです。
この時に理論は手掛かりとして役に立ちます。
が、
実際に吹く時にはそれを考えていたのでは、自然な結果は生まれないのは経験上の事実です。自然な動きにならないし、何より音楽そのものに入れない。スポットとしては有効でも流れの中で上手く働かないのです。
技術の向こう側に音楽が有るのでは無い。
音楽を自由に行なう手段として技術が有るんです。技術を先に、、、ってやるとそこから動けない人が多いと思います。技術の論理に縛られる。
僕自身はバロックのアーテキュレーションのレッスンを受けた時に、「方法を考えるな、感覚を使え、喋れ」とアドバイスを受けました。それが今では以前より良く分かる。「あれ、今どうやったっけ?」て時ほど上手く喋れてる。そこにたどり着くアプローチが有るんです。
理論を幾ら構築しても、それを実行するのは理論で組み立てられた機械で無くて、感覚でしか感じ取れない人間なんです。バラバラにして考えてたら音出す前に時間は過ぎて終わってしまう。
どんな方法を使っても良いから良い状態を先ず経験して、それをバラバラにするので無くて、その時のサウンド、空気、時間と共にトータルの感覚として覚える。これが出来ないと楽器が上手くなるのは難しい。
レッスンはそれを経験する、または、そこに気付きを見つける場だと思います。
これは「人」なら誰でも出来るのだと思っています。やるかやらないかだけ。
どんな方法は取るかはケースバイケース。
その他の方にもそれぞれに合った表現やタイミングで同じ事を話しています。
もう一つプレス。これは、違う方の時の状況をベースに。
とりあえず唇に乗せて押さえるって事は止めましょう。
息を吸いながら楽器を自分の楽器を自然に吹く「型」に準備をする。息を吸い身体に今から吹こうとするためのエネルギーの準備が出来たら、静かに上下の唇に乗せる。大体、上と下の唇のそれぞれ一点でそれは感じ取れると思います。
ペタっと当てる感じでは無い〜これは中音域限定なら有効だと思いますが、長いフレーズや高音域、低音域のコントロールでは不必要なバテやコントロールの不具合を生みます。マウスピースを受ける側、唇の方の受け止め方と同調して増えるプレスの強さは必要です。でも、とりあえず押さえると言うのは必ず何処かで頭打ちになる。
それより当てる時にちゃんとマウスピースを感じて程良い押さえ方〜大抵は思っているより軽くですが、浮いてしまってもダメですし、唇側の、アンブシュア側でマウスピースを受け止める準備が出来てなくてもそれは上手くつかみとれません。
その為にはちゃんと息を取り、楽器を自分の型に来る様に構える。そして、吹いている間はその楽器の重さを唇にかけない。コントロールされたプレスは良いが重さを唇で支えてはダメ。唇は振動してその振動を支えているだけで精一杯な筈です。同時に身体全体も自然な呼吸が継続出来るように保つ事。
息と身体が準備出来て口元にそっとマウスピースを寄せて(自分からマウスピースに行くのはNG)ほんの1ミリ離れているくらいの所で、または唇に乗せたり離したりしながら待って見ると、ある程度吹ける人は唇が勝手にマウスピースを受け止める状態になるのが分かるはずです。身体に任せれば良い。未だ、上手く行かない人や出来上がってない人には少し閉じる様に伝えます(状態を見ながら)それを常に感じる事。身体全体の型と共に。
この辺りは文字だけではちょっと説明に無理が有りますので大雑把に書いてます。
上手くいってるかどうかは、まずは音の立ち上がりで判ります。軽く「タ」喋ればスッと音になる。そこに特別な息のスピードや力は要りません。または、ノータンギングでそっと息を入れれば入れた瞬間に音になると思います。
そして、その次に音を動かして、例えば上がっていく時に「自分が楽に吹ける音」までは何の段差も無くスムーズに移行出来るはずです。
生徒の皆さんは、ここまで読んでハッとする瞬間、あっと思い出す感覚や音があると思います。(笑)
さて、、自然とは何か?
これは全ての人への永遠の課題かも知れません。出来た時に「あ、これ…」て気がつくもの。それまでに色んなものを感じて、自然って何だろう?と考えて、考えて、、、ある時に明確に感じ取れるものだと思います。僕も考え続けてます。