半田伸明のブログ -5ページ目

三鷹市議会 令和5年第2回臨時会

5/23から3日間、三役人事をはじめとする各種人事を決めるための臨時会でした。興味がある方は、市議会議員の紹介というHPをご覧ください。

※正式に反映されるまで数日かかると思います。

 

市長提出議案としては合計3件。

まずは、監査委員の選任についてです。

議選監査と言いまして、議会側でこの人を監査委員にしてほしいという打診を市側に示し、市側は市長提出議案として出してきます。

では、どの人が監査委員に?となりますが、これは議会内部で予備選が実施されます。予備選で当選した方が監査委員となるとこういうわけです。

実は、前期、民主が監査委員だった時に、決算議案の賛否で事件が起こりました。

監査委員を通過して決算議案となるわけです。監査委員出している会派なら賛成して当たり前です。

ところが、民主はその決算議案に退席するといったことが起こったことがあったのです。要するに自己矛盾が発生してしまったわけです。

その民主から予備選当選者が出たので、議会側としてはこの矛盾を吞み込んでしまったということになります。いわば議会の自己否定ですね。

予備選の結果に拘束されてしまうので、監査委員の選任の議案には賛成するしかないわけですが、なんともいえないモヤモヤ感が私にはありました。いわゆる与党論理で議会の自己矛盾を呑み込むという事態はやっぱりおかしいですね。

 

次に副市長の選任ですが、これには反対しました。

そもそも、1期4年やった結果どうだったのか、何らエビデンスがありません。

例えば、パワハラやセクハラがない、部下の人事評価をきちんとしているなど、この副市長続行で本当に良いのかと、きちんとした検証「システム」が本来的には必要なのです。それが何らなく経歴だけペラ1枚というのは、人事議案のあり方としておかしいなという結論になりました。

同じような人事議案は、例えば固定資産評価委員の選任など山ほどありますが、これらと違い副市長人事は意味が全然違います。なぜなら、予算編成する当事者の案件だからです。いわゆる理事者といわれるやつですね。教育長も含まれます。

今後は以上の観点から、全ての副市長や教育長の人事案件には反対していく予定です。

この手の話になるとよくその副市長が嫌いなのか?という話になりがちですが、私は議案審査人です。市長の部下ではありません。相手方の個性はどうでもよいのです。また、相手方によく思われたいとそういうのが働いたら情が生まれてしまいます。これはまずいですね。

 

最後に専決処分の追認が1件。議案はこちらを。

補正予算総括表

これはそもそもなぜ専決処分になったのか、ここが大事です。

国10/10の話なのでさほどめくじらを立てる必要はないでしょうが、今までもそういう時はきちんと臨時会を開いていたのに、今回は専決処分という形です。

これはもう選挙で忙しいからということしかありえません。市側が議会側を慮ったということなのでしょうが、果たしてそれでよいのかは、やっぱり引っ掛かります。

選挙で忙しいからではなく、きちんと臨時会を開くべきだったとの結論になりました。以上より反対しました。

 

これら賛否についてはよく討論で理由を言う場面がありますが、私個人としては討論は賛否の理由を言う場ではなく課題を指摘する場面だと考えていて、今回については課題だと考える内容が大きな課題で一般質問向けかなと判断したので、討論することなく淡々と反対ボタンを押すだけでした。

 

以上が臨時会の報告になります。

次のエントリーは、6月の定例会が始まった後になります。

2023三鷹市議会議員選挙 半田伸明の主張

私は、ずっと「未来の子どもたちに借金を残さない」という哲学で三鷹市の借金問題に取り組むと言い続けてまいりました。

 

今回の三鷹市議選は、はっきりとした争点があると考えています。

 

①駅前再開発を進めて良いのか②羽沢小移転を認めて良いのか

 

この2点につき、私の考えを書いておきます。

 

  総論

私の試算では駅前再開発と羽沢小の移転で

300億はかかるとみています。

 

三鷹市を再び借金まみれにすることは許されません。

 

  ①駅前再開発について

【なぜ施設を増やすのか】

高度成長期に建設が進んだ公共施設が老朽化しています。一気に建て替える資金力はありません。だからこそ、施設を長寿命化させ、できるだけ投資的経費を抑える必要があります。

 

この考え方で大事な点があります。

それは「既存の」公共施設の建て替えという点です。

 

ところが駅前再開発は、全く新しい施設を増やすことになるのです。

建て替え資金がないのに新たな施設を作る、論理矛盾としか言いようがないのです。

 

【公会堂があるのに新たにホール?】

この再開発の構想の中に、新たなホールを作るというのがあります。

 

しかし、市役所敷地内に公会堂があります。

 

既にある施設の老朽化で困難を極めているのに、それと同じ機能を「新たに」作ろうとしているというわけです。もはや説明できる限界を超えています。

 

【形を変えた市庁舎建て替え?】

ひょっとしたら新たに作る駅前ホールで公会堂機能を担わせ、今ある公会堂を潰しそこに市庁舎建て替えをするのかもしれません。当然出てくる疑念です。

 

仮にもしそのように推移するならば、いわば形を変えた市庁舎200億問題の再燃であることにすぐに気付くはずです。

 

市庁舎200億反対なのに、駅前で同じくらい使って、新たに市庁舎建て替えゼロというのは、結果的には公共施設が増えただけとはなるわけです。

 

  ②羽沢小移転について

【浸水危険って言うけれど】

行政側の言い分は、大雨の時の浸水を考え羽沢小を天文台敷地内に移転というものです。

なるほどとは思いますが、ではどの程度の浸水が予想されているのかが気になるところです。

 

実は、東京都のハザードマップによると、あの令和元年の台風19号レベルを超える雨を想定(1時間最大雨量153mm、総雨量690mm)しても、羽沢小の浸水レベルは、1mほどということがわかっています。

 

以下の3つの画像をご覧ください。

 

 

いかがでしょうか。何メートルもの大浸水というわけではないのです。1mくらいなら止水板を必要なところに設置すれば済む話です。現に東京都大田区でその事例があります。

 

それでも危険というなら、羽沢小を高床式に改築するか、さらには校庭の地下に貯留設備を施すなどやりようはいくらでも考えられるのです。

 

【スーパー誘致のために約100億?】

羽沢小が移転した後の跡地にスーパー誘致という話も出始めています。

 

しかし、「スーパー誘致のために羽沢小移転費用の借金をするのか?」と言われたら元も子もないのです。

 

さらに、そもそも浸水危険を理由に小学校を移転させるなら、そのようなところに進出してくるスーパーが本当にあるだろうかという疑問がわいてきます。

 

羽沢小移転で、土地購入と学校建設で100億はかかると半田は試算しています。

さほど老朽化していない羽沢小をスーパー誘致のために移転させることは、老朽化が激しい学校の地域の方々に理解して頂けるでしょうか。

 

  まとめ

駅前再開発にしろ羽沢小移転にしろ、

そもそも義務性がなく必然性に乏しいのです。

 

私は、両者とも不要という考えでいます。

市民の皆さまはどう思われますか?

 

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メールアドレスはこちらです。

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三鷹市議会 令和5年第1回定例会 本会議5日目

まず午前中、厚生委員会があり、継続審査となっている議員提出議案について取り扱いの議論、継続の声が上がり継続となりました。

 

私は考えが変わり継続を主張しました。予算委員会で組み替え動議が発生し、そこにヤングケアラーに関するものがありましたが、それが否決された以上、この議員提出議案そのものが否決されてしまうという危機感があったからです。

 

私自身この条例案に賛成の立場ですが、否決されたら市側にも影響します。市側は人権基本条例などの制定に向けて動いているからです。否決されたらその内容に多大な影響を与えます。そこを恐れました。

 

なお、予算委員会の組み替え動議の採決には参加していません。そもそも予算委員にはなれない諸派ですから。

 

また、継続主張の際に、提案会派に感謝の意を述べました。今回の定例会で市長からヤングケアラーについて様々踏み込んだ答弁が発生しましたが、そもそもこの条例提案がなければそれがなかったかもしれないのです。形式的には継続で審議未了廃案ですが、それ以上の効果を生み出したのは提案会派が提案したからなのです。私個人としては、もし問い合わせがあるとするなら、提案会派が一番頑張ったと答えるつもりです。実際にそうですし、このことは与党は否定できないはずです。

 

13時から議案の採決でした。審査報告書はじめ各種資料はこちらをどうぞ。

本会議の結果(令和5年第1回定例会)

 

なお、本会議の結果にすべてが反映されるのは数日かかります。載ってない場合は数日待ってから再度クリックしてみてください。

 

議案の考え方については、こちらをどうぞ。

次年度当初予算案に対する考え方については、こちらをどうぞ。

 

次年度当初予算案ですが、ここで書いたようにかなり賛否で悩みましたが、賛成することにしました。いくつかの学校改修を見過ごすことはできないというのが決断のポイントでした。このブログに書いたように、硬直性のあるギチギチした予算案なので、特に討論しませんでした。討論は賛否の理由を言う場ではなく、行政に指摘をする場だというのが私の考えで、もう指摘しようがないという判断です。もう少し柔軟性あることになっていけばよいのですが。

 

各議案の討論採決の後、4つの特別委員会の活動経過報告がありました。先に紹介した本会議の結果にあります。

これは任期最終の定例会で必ずあるものです。じっと聞き入りました。いろいろあったなぁと。こちらも先に紹介した本会議の結果に載りますので、そちらをどうぞ。

 

その後追加議案上程。補正予算案1件など。内容は次の議案と総括表をご参照ください。

議案

 

議案概要

 

補正予算

 

総括表

 

補正予算案について。若干説明を加えます。

 

都も三鷹市もともに次年度当初予算案の原案ができるタイミングがほぼ同じです。先に予算内示の後に都の予算の詳細がわかることはよくあることです。そういう場合は追加の補正となります。

通常、6月定例会の補正となりますが、内容をご覧いただければおわかりの通り、重要なことですので早ければ早い方が良いという決断が働き、緊急に今定例会での補正予算案となったわけです。実情を知りなるほどとわかりました。もちろん賛成です。

 

そして、意見書案・決議案です。これも先に紹介した本会議の結果にあります。

いつものように退席です。退席討論はこちらです。

 

<意見書案退席討論>

平成29年第3回定例会における意見書(案)第12号で述べたことと同様のことを指摘して、全ての意見書(案)につき退席とします。

 

退席討論のベースとなっている文章はいつも同じです。

平成29年第3回定例会における意見書(案)第12号で述べたことを引用しておきます。

地方自治法99条から内容の判断以前に形式面で話にならないものが今定例会でも多数出てきています。議会運営委員会で最低限形式面につききちんと議論すべきであるとの抗議の意味から、内容に賛成できるもの反対であるもの関わりなく全ての意見書案につき退席で応じることにします。

 

これらの後、任期最後の定例会恒例の市長挨拶、議長挨拶があり、その後閉会となりました。

 

以上になります。

今定例会も本ブログをお読みいただき、ありがとうございました。

三鷹市議会 令和5年第1回定例会 行政報告資料

総務委員会行政報告資料

・「第5次三鷹市基本計画策定に向けた市民満足度調査」の調査結果について

・日本郵便株式会社との包括連携協定の締結について

・人権基本条例(仮称)の制定に向けた基本的な考え方(案)について

・市民参加でまちづくり協議会について

・令和4年度入札制度の見直しについて

 

文教委員会行政報告資料

・令和5年度教育委員会基本方針について

・令和3年度に発生した三鷹市立小・中学校における体罰等の実態について

・ふるさと納税を活用した三鷹市立アニメーション美術館の運営支援(令和4年度)について

 

厚生委員会行政報告資料

・令和4年度障がい者等の生活と福祉実態調査について

・令和4年度高齢者の生活と福祉実態調査について

・三鷹市自殺対策計画の改定について

・「電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金給付事業」について

・コミュニティ創生基本方針(仮)策定時期の変更について

 

まちづくり環境委員会行政報告資料

・令和4年度環境活動表彰について

・三鷹市内の空間放射線量の測定について

・三鷹市地球温暖化対策実行計画(第4期計画)の第1次改定について

・三鷹むらさき商品券事業について

・(仮称)まちづくり拠点形成計画(立地適正化計画)について

・用途地域等の一括変更等について

・東八道路沿道における景観ガイドライン(案)について

・三鷹駅南口ペデストリアンデッキ長寿命化修繕計画(改定案)について

・コミュニティ交通実証運行における評価・検証について

・三鷹市交通ネットワーク全体構想(検討案)について

・汚泥脱水設備等改築工事(第二期)の繰越について

 

特別委員会はそれぞれリンクを貼っておきます。内容はリンク先をご確認ください(今回、再開発の委員会は行政報告がありませんでした)

東京外郭環状道路調査対策特別委員会行政報告資料

調布飛行場周辺利用及び安全対策特別委員会情報提供資料

国立天文台周辺地域まちづくり検討特別委員会行政報告資料

三鷹市 令和5年度予算について

13日から予算審査特別委員会です。

 

まず、施政方針や予算書などのリンクは、こちらを。記事の中にあります。

 

当初予算案は、予算審査特別委員会を設置してそこに付託という形になります。前回のエントリーで、委員会に付託されたら市側から資料の提出があると書きました。審査参考資料ですね。

同じことが当初予算案でも発生します。予算審査参考資料です。

 

さて、大くくりではありますが、今回の予算の特徴点を書いておきましょう。

 

・歳入。市税収入増や各種交付金の増、そして土地売り払いなどで、前年度に比べて20億弱の増。

・歳出減。人件費の減や消防事務事業の都への委託金の減などにより、4億の支出減。

 

この合計で、24億ほどになります。これらがどう振り分けられたかがポイントです。

 

・国保への繰り出し3億増、後期高齢者医療への繰り出し7000万増。介護保険事業特別会計への繰り出し5000万増(処遇改善)。

・国庫支出金の超過返還分で1億7000万ほど。

・市長選や市議選で1億。

・学校やコミセンなど各種改修などで3億ほど。

 

そして、

・光熱費や物価高騰に対する対策で6億ほど。

 

(他にもありますが一部割愛します)

 

つまり、大きく入りが増えるが、実は払いの拘束性高いものが多いというのが最大の特徴点です。もし、税収増局面でなかったらどうなったのか、考えただけでもぞっとします。

 

通常、改選を伴う直前の当初予算案については、骨格予算と言い、最低限のものだけ計上しておいて、選挙後に選ばれた市長が大掛かりの補正予算案を組むというのが理想だと私は考えています。

 

これは理屈ではなく、いわば「謙虚さを出せるか」の姿勢の問題です。骨格予算という制度自体があるわけではないので、その辺りは何とも難しいところですが、選挙がある以上は結果がどうなるかわからないので、政策的経費については後回しして、次の市長がやりやすいように配慮してあげるというのが必要ではないかというのが私の考えです。

 

しかし、細かな金額のものはさておき、大くくりで見た場合、政策経費云々以前の問題だなというのがよくわかりました。増えるものは増えるが、出ていくものも増える、しかも出ていくものは削りようがないという予算案になっているのです。

 

実際に調べてみて、これは予算編成作業はやりにくかっただろうなぁという感想を持ちました。増えるのだから楽勝!ではなく、蓋を開けてみたら出ていくのも多い、なかなか大変な作業だったのではないかと推察しているところです。

 

骨格予算ではないから反対というのが考え方としてスムーズで、最初はこの考え方で淡々と反対しようと思っていたのですが、調べれば調べるほど、これはもう骨格どうのこうのという話じゃないのだなというのがよくわかりました。

 

予算の賛成なり反対はすぐに市長与党とか野党とかそんな話になりがちですが、そういう狭い枠の中にいないのが私です。

与党でも野党でもない立場の私から見て、今回の予算案はいわばガチガチに凝り固まってしまった柔軟性の持ちようがない予算案という結論になりました。今の時点では賛成する気持ちも出てきています。まだ現時点で私の結論は出ていません。もう少し悩んでみようと思っています。

 

次のエントリーは、特別委員会終了時点で、行政報告資料の紹介となります。

三鷹市議会 令和5年第1回定例会 議案審査参考資料の紹介

市長提出議案は、即決で対応するか(本会議で一気に決めてしまう)、委員会に付託されるかのどちらかとなります。

先のエントリーで市長提出議案に対する半田伸明の考え方を書きましたが、その最後の方にどの議案がどの委員会に付託となったのかにつき紹介しました。

 

委員会に付託された市長提出議案は、さらに細かく審議できるように市側から一定の資料が提出されます。これを議案審査参考資料と言います。本エントリーはその資料の紹介となります。

 

総務委員会審査参考資料

<補正予算>

・令和4年度基金運用計画

・市民センターの非常用発電機設備改修の繰越について

・三鷹市福祉Laboどんぐり山の指定管理者の指定に伴う債務負担行為の設定について

・三鷹市地球温暖化対策実行計画(第4期計画)の第1次改定の繰越について

・ふじみ衛生組合負担金について

・牟礼地区生活道路緊急安全対策事業の繰越について

・宮下橋架替事業の繰越について

・国立天文台と連携したまちづくりの推進について

・三鷹市川上郷自然の村中央監視盤交換工事の繰越について

 

<手数料条例関係>

・あらまし

・改正する手数料表

・条例新旧対照表

 

厚生委員会審査参考資料

<医療費助成関連>

・概要

・条例新旧対照表

 

<国保条例改正関連>

・あらまし

・国民健康保険税均等割額の軽減基準額引上げに伴う影響

・出産育児一時金の概要

・条例新旧対照表

 

<どんぐり山指定管理者の指定関連>

・概要

・選定方法及び指定管理者候補者審議結果(一覧)

・指定管理者候補者審議結果(施設別)

・三鷹市福祉Laboどんぐり山の管理に係る事業実施計画書(新規)

・三鷹市福祉Laboどんぐり山の管理に係る収支計画書(新規)

・社会福祉法人三鷹市社会福祉事業団の概要

・令和3年度事業報告書及び決算報告書(抜粋)

・令和3年度法人単位決算報告書

 

なお、厚生委員会に議員提出議案が1件付託されていますが、継続審査扱いとなりました。

三鷹市議会 令和5年第1回定例会 市長提出議案に対する半田伸明の考え方

前回のエントリーで議案他、各資料の一覧を載せました。

 

市長は議会に議案を打診します。これを「議案を上程する」という表現をします。

「なぜこの議案を打診するのか?」につき、市長が理由を説明します。これを上程理由説明と言います。

 

今回の上程理由説明の動画はこちらをどうぞ。

 

前回のエントリーでご紹介した中に、議案概要というものがあります。

以下、その議案概要の番号順に、私がどう受け止めたかを書いておきます。

 

<考え方その1 国や都で変わったものに対する連動>

法律が変わる、政令や省令が変わる、税制改正がある、都の条例改正があるなど、国や都の制度変更があります。これに従って基礎自治体の条例改正が発生するのはよくある話です。

これは、三鷹市がどうのこうのという問題ではありません。はっきり書けば市政の方向性とかと全く関係がないのです。

「条例は法律の範囲内」これは日本国憲法94条の規定です。さらに地方自治法でも「法令に違反しない限りにおいて」条例制定が認められています。

国や都の改正が気に入らないから、三鷹市の連動する条例改正に反対というのは政治姿勢としてあり得ますが、私は連動するものは自動的に連動させるべきであるという考えです。

今回は、議案概要の番号で書くと、5(そのうち1のみ。2は違う)、6、9がこれに該当します。これらは議案概要をご覧くださいで終わりです。もちろん賛成です。

 

<考え方その2 三鷹市の「意思」で制定ないし改正するもの>

これはまさに市政のあり方を問う場面ですので、きちんと審議する必要があります。

今回は、考え方その1以外全てとなります。これらを以下、順次議案概要の番号順に説明します。

 

1)個人情報保護に関する市議会バージョンの条例が制定されたことにより、市の条例を改正するものです。いわば逆連動改正とでもいえばいいのでしょうか。何の問題もありません。

 

2)市役所の入り口など自動交付機がありますが、これは実はかなり古いタイプのもので、修理しようにも部品調達など困難を極めていました。今回とうとう廃止せざるを得ないというわけです。

合わせて、5)の2部分です。平たく書くと、自動交付機がなくなります、すみませんがマイナンバーカード作ってください、マイナンバーカードでコンビニ交付だと安くしますよ、とこういうわけです。

住民票を例にとると、窓口交付は300円、自動交付機は200円、その自動交付機がなくなるわけですから、マイナンバーカードを取得したくない方々にとっては、実は負担増となってしまうのです。

ここをどう考えるかですが、これは仕方がないと思います。マイナンバーカード取得でコンビニ交付なら当面は安くなるという方向性は理解したいと思います。

 

3.4)出張したら日当が付くのですが、その日当を変えるという案件です。宿泊なしを削減、宿泊ありが3300円に統一と、一見高くつくように見えてしまいますが、実は都内宿泊の実績はゼロです。そう考えると、実は宿泊なしの日当を削減しますという案件でもあります。

特に4)の2部分が重要です。今まで実費額を支給しておらず、差額は自己負担となっていた現実がありました。これが改正されるのは当然のことだと思います。

 

7.8)高校生までの子どもが病院に行く場合、今まで200円の自己負担が必要でしたが、それをなくすという案件です。当然ながらその分予算が組まれることになります。全部で1200万ほどとなっています。

前回のエントリーに市長の記者会見の配布資料のリンクを載せました。そこの7Pに近隣自治体の状況が載っています。この手の廃止は、財政悪化局面になっても元に戻すのはなかなか厳しいので、安易にやるべきではないという考えですが、武蔵野市や杉並区、府中市など近隣自治体がこういう状況なら致し方ないかなという考えです。

この一部負担額をなくすというのは、ずっと共産党が主張していましたね。本会議場でも何度か聞きました。

 

10)要は拡充なのですが、理由がはっきりしていて、公共交通機関を入れることに意味があるようです。都の被害想定が昨年6月に改正されたとのこと、新たに見直しとなる地域防災計画を充実させる点からも、この増員には理解を示したいと思います。

 

11)どんぐり山が廃止され、新たに在宅医療・介護の推進を図る拠点として再整備されます。その指定管理者指定の案件です。

既に事業団とは様々やり取りがある模様ですが、よくよく考えると議案として可決されていないのに、先に事業団とやり取りを始めている現実はどうなのかな?という疑問があります。

実際には事業団を指定することには異論はありませんが、指定管理者として指定される議案の可決「前に」もろもろ進んでいることにはやはり違和感が残りますね。

 

次に補正予算案です。前回のエントリーにも載せた補正予算案総括表をご覧ください。

 

まず一般会計補正ですが、予想以上に市税収入の伸びがあり、増額補正、このうちほとんどを基金積立という内容です。さらに、前年度の余りもあります。それにしても市民税が7億増というのには驚きました。コロナでみんな大変なはずなのに、三鷹市は堅調を通り越して、いわば上方修正です。この辺り納税者層の分析としてかなり関心があるところです。

 

あと、いくつか特定寄付があります。特定目的のために寄付をいただくもので、それぞれその目的に沿う基金に積み立てられます。

 

次に、天文台のまちづくりです。

土地利用基本構想が1年遅れるわけですが、これに伴いコンサルに対する委託料が増え、これを補正するというわけです。これは仕方がないですね。

 

さらに、繰越明許費補正です。

難しい言葉ですが、要は次年度に持ち越すよ、というものです。

市民センター改修事業費の増は、非常用発電機設備の更新の関係です。また、川上郷ですが、これは中央監視盤の更新の関係です。ともに、半導体不足がもろに影響してしまい、調達を次年度にというわけです。仕方ないですね。

牟礼地区の生活道路ですが、当初予算案可決後に、境界画定をしなければならないイレギュラーが発生し、これによる遅れが生じたものです。これも仕方ないですね。

橋梁ですが、宮下橋の架け替えを進めているところですが、一部、都の緊急工事が入ったとのこと、このことによる遅れというわけです。

地球温暖化ですが、計画の見直しが来ますがこれに向けて、もう少し市民の意見を聞く機会を増やそうということになったとのこと、これはやむを得ず繰越というものではなく、いわば政策判断とでもいうものでしょうね。ゼロ・カーボンシティ宣言の話もありました。方向性には理解を示したいと思います。

 

先に旧どんぐり山について書きましたが、これに伴う指定管理料についても債務負担行為補正が組まれました。これも難しい言葉ですが、簡単に書くと複数年発生する債務について今のうちに考えておくからね、ということです。

実際には議決を受けて、今年度内に基本協定を結ぶとのこと、この基本協定には金額は入っていませんが、様々な開設準備事務に伴う支出が年度明けにすぐに発生するようで、そうなると今のうちに設定するしかないので、この点も理解を示したいと思います。

 

あとは後期高齢者医療ですが、要するに見込以上に歳入があったということです。その分を広域連合に払いますという話です。これは良い悪いではなく、システムの問題です。

 

さて、以上のように、今回の議案にはすべて賛成の方向で臨みたいと思います。もっとも、次年度当初予算案は別の話であり、これは別エントリーでまとめます。

 

1点だけ気になったのは、市税収入増などを基金に積む点です。

 

基金にはいろんな種類があります。使い勝手の良い財政調整基金、また特定目的のある、例えば健康福祉基金や子ども・子育て基金などです。

 

三鷹市はリーマンショック時に税収が16億減という事態に見舞われました。リーマンショックの影響は3年は続きましたので、×3ということで、財政調整基金は50億は維持という内々の目標のようなものがあります。

 

これは、50億あればそれでよいというのではない、というのが私の考えです。当時に比べると税収も増えていますし、福祉を始めとした義務的経費も増えています。いわば比例させるように、もう少し各基金の目標額を上げるべきではないかという考えを持っているのです。

 

今回はまちづくり施設整備基金6億積み立てが突出しています。それだけ駅前再開発や天文台のまちづくりを見据えてと河村市長はやりたいのでしょうが、見方を変えれば、自分のやりたいことに基金をもっと増やすと見られても仕方がないわけです。

こういうところは政治センスの問題だと思います。私だったら財政調整基金を厚くします。そりゃそうです。いざ景気悪化となったら、まちづくりという特定目的の基金を財政維持に使うことはできないからです。

 

この点をとらえて反対とするか悩みましたが、これ以外の点は異論がないこと、また基金残高の目標についてはもっと大きな議論が必要であることから、今回の補正予算案には賛成したいと思っています。

 

以上、次年度当初予算案を除く各議案につき、私の考え方を書いておきました。次年度当初予算案については、後日別エントリーで考え方をまとめる予定です。

 

これらの議案は議会運営委員会で、即決か付託か、付託ならどの委員会に付託かが話し合われます。

 

今日の議会運営委員会で、即決付託につき次のように決まりました。議案概要の番号で書きますと、5)と一般会計補正予算案の2つが総務委員会付託、7.8.9.11)が厚生委員会付託、(当初予算案を除く)これら以外は全て即決となったようです。

 

即決の日付は来週月曜日です。即決議案の取り扱いの後、予算代表質疑、その後予算審査特別委員会設置という流れになっていきます。

 

各委員会の日程ですが、今のところ、

3/7 総務

3/8 厚生

3/9 まちづくり環境

3/10 文教

となっています。まちづくり環境委員会と文教委員会は議案審査がないので、行政報告のみとなります(なお、陳情は一部扱いが定まらないものがあったようで、正式に委員会付託になった案件はありません)。

 

次のエントリーは、常任委員会における議案審査終了後に、議案審査参考資料をまとめたものをアップする予定です。

三鷹市議会 令和5年第1回定例会 市長記者会見資料・議案他

昨日から定例会が始まりました。以下、流れを書きます。

2/17に市長の定例記者会見がありました。定例会前の記者会見は、定例会に出す議案などを、市長が記者さんに説明するというイメージで結構です。
この会見には各種資料が配られます。
記者会見配布資料
→次年度当初予算をかいつまんで説明したものになっていますね。
議案概要
→予算以外の議案につき簡略化したまとめです。
議案
→議案の本体です。
補正予算案総括表
→年度末になると、次年度予算案の審査があります。これを当初予算案という呼び方をします。当初予算案成立後に生じた事由につき、さらに予算を組むことがあり、これを補正予算案と呼びます。この総括表はそれを簡略化したまとめです。
令和4年度三鷹市一般会計補正予算(第9号)及び同説明書
令和4年度三鷹市後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号)及び同説明書
→今回の補正予算案は、一般会計と後期高齢者医療特別会計です。予算には、一般会計の他に特定のものを別途扱う特別会計がいくつかあります。

また、今回は次年度当初予算に関するものもあります。
予算書と言われる分厚い冊子の他に、その予算書の中で特に行政が紹介したいものをまとめた予算概要というものがあります。
令和5年度施政方針・予算概要(1)
令和5年度施政方針・予算概要(2)
→まず前者をご覧ください。最初に施政方針という文章があります。国会で所信表明演説というのがありますよね。あれと同じイメージで合っています。実際に本会議場で市長がこれを読み上げます。
続けて予算の説明になるのですが、ここで「款」という概念を紹介します。要は、「くくり」です。福祉に関するものと道路に関するものは別の話ですよね。これをそれぞれ別の款でまとめています。
この款は議会費から始まります。最初の冊子は、民生費という款の途中まで入っていて、次の冊子はそれ以降が入っているということになります。

では、簡略化したものではなく予算書本体は?となりますが、それらが次になります。
令和5年度三鷹市一般会計・特別会計予算及び同説明書(1)
令和5年度三鷹市一般会計・特別会計予算及び同説明書(2)

以上のように、3月の定例会はとにかくボリュームがすごいのです。特に一番最後に紹介した予算書は、ただただ数字の羅列です。各項目が多いか少ないかは、過去の予算書と対比させていくことになります。

大きく分けて、次年度当初予算と、それ以外とお考え下さい。
それ以外の部分は、本会議場で一気に決めるか(即決)、各委員会で審査を深めるか(付託)となり、これらの審議の後に予算審査特別委員会が開かれ、次年度当初予算案を審議していくというのが大きな流れになります。

議案の詳細については、市長による上程理由説明の後に、後日別エントリーで紹介します(初日配布資料は割愛)。

三鷹市議会 2023年2月 各委員会 行政報告資料他

総務委員会行政報告資料
・令和5年度組織改正について
・みたか太陽系ウォークについて
・市民参加でまちづくり協議会について

文教委員会行政報告資料
・令和4年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査結果について
・三鷹市立アニメーション美術館の令和5年度開館時間について
・大沢野川グラウンド復旧工事について

まちづくり環境委員会行政報告資料
・東八道路沿道における景観ガイドライン(案)について
・コミュニティ交通実証運行の評価・検証について
・三鷹市交通ネットワーク全体構想(検討案)について

特別委員会について。再開発の委員会のみありました。資料は次のリンク先を。
三鷹駅前再開発及び市庁舎等調査検討特別委員会資料

※厚生委員会は行政報告はありませんでした。

※文教委員会で、請願番号4-2の審査、厚生委員会で議員提出議案第5号の審査がありました。それぞれ継続審査となりました。詳細はこちらからご覧ください(該当の番号をお探しください)

私は厚生委員会所属ですので、議員提出議案第5号につき、提案会派に質疑しました。

施行期日は4/1となっています。予算が必要なものもあるでしょうが、4/1だと間に合いません。傍聴者からのメールでのお問い合わせもありましたので、ここでまとめておきます。

3月頭に、次年度当初予算案の議案上程があります。これは市側から議会に上程される、つまり議会側は受動的です。

この当初予算案に提案会派が求める内容がないならば、そもそも話にならないわけです。これが施行期日が例えば半年後とかなら、当初予算案採決後に市側は補正予算案を組む可能性も出てくるでしょう。

ところが、4/1だとその可能性すら奪うことになります。ここが不思議でした。実現したいなら、少しでも市側の予算編成の余裕を考えるのが当たり前です。ここを質疑しましたが、一刻も早くしたかったという内容の答弁の他に、組み替え動議という内容の答弁がありました。

この組み替え動議という発言が出たことは大変重要です。
先に書いたように、次年度当初予算案上程の時点で希望内容がないなら、4/1という施行期日を変えない以上は、当初予算案の内容を変更するしかないからです。

例えばAに100万、Bに50万という内容なら、Bの方が重要だ、Bを100万にしてAを50万にしろ、と簡単に書くとこういう変更です。

この組み替え動議をする可能性の答弁内容は、正直驚きました。なぜなら、次年度当初予算案に反映されないなら、その時点で組み替え動議をもし本当に出すのならば、予算案に反対という結論になるのは当然の流れだからです。それを当初予算案の上程「前に」既に言及してしまうとは、正直申し上げて恐れ入りました。そこまでかと。

私自身は、この議員提案が採決となれば賛成するつもりですが、ただ性急に過ぎるのではという危惧感があります。ましてや選挙前です。組み替え動議の可能性に言及した以上は、発言は覆りませんから、流れとして当初予算案に反対となるのでしょうが、もし本当にそうなるなら市長選に対抗馬を出すのが当然の政治的な流れになるはずです。

そのくらい大事な発言が飛び出してしまったわけです。これで市長選に対抗馬を出さないなら、支援者の方々からは、なんだそら?となるでしょう。

まぁ、私自身はどこにも属さない無所属ですから余計な心配と言われたらそれまでですが、私自身はこのヤングケアラーの件は大事なことなのでぜひ可決させたいという気持ちがあります。当初予算案上程の後に市側に補正予算案を組ませる日程的な余裕が欲しかったですね。4/1で本当に良いのか?と何度も確認しましたが、その後修正の話もないので、結局そのままでしょう。個人的にはかなり引っかかる展開ではあります。

次年度当初予算案の採決の日は定例会最終日で、予定では3/29(仮)です。施行期日が4/1なら数日もありません。これなら当初予算案に反映がないなら、もうどうしようもないわけです。

結果として、継続審査となりました。改めて考えさせられましたね。大切なことをみんなで一致して実現するというのは、本当に難しいことなんだなぁと。提案会派の気持ちは痛いほどわかるし、この提案に懐疑的な会派の気持ちもわかります。私はいわば議会的には宙ぶらりんですから。

市長寄りでもない、反市長というわけでもない、ひとつひとつに対し真摯に向き合うという私の姿勢からは、このヤングケアラーの問題はぜひ実現したい内容なのです。

なぜなら、実は本件が問いかけているのは、自治体による究極の人権保障だからです。ここに気づくことができるなら、ではどうやってこれを実現させようか?となっていくのが当然であり、その意味で施行期日が次年度当初予算案採決予定日のわずか数日後というのは本当に残念だなあというのが正直な気持ちです。

<メールでお問い合わせいただいた方へ>
質問ありがとうございました。本件は広く共有化すべきと最終判断し、このようにブログにアップしました。このアップをもってお返事とさせていただきます。要は議会側からの予算提案は実質的に認められていないので、ならば市側に予算編成の余裕を与えるべきではなかったか?ということなのです。

三鷹市議会 令和5年第1回臨時会

1/25臨時会、補正予算案1件の審議でした。

補正予算案総括表(事業概要)
議案

事業概要1Pと2Pをご覧ください。

<出産・子育て応援ギフトの支給>
国の2次補正で12/2に通過、都の説明会が12/21開催という流れでした。

国2/3、都1/6、市1/6という負担割合ですが、事業概要にあるように都の広域連携事業を使うと、市負担がなくなるというシステムになっています。歳入をみると全額都支出金となっていますが、国2/3が一旦都を経由するということです。

ギフトの支給とありますが、考えてみれば市単独でギフトというのも限界があるので、都の事業に乗っかる形は正解だろうと思います。賛成しました。
冠婚葬祭でよく見かけるギフト集を想像してください。あれと仕組みは同じです。

子育て支援関連は細切れのものが連続するという印象を受けています。やるならやるで、大胆に国が制度そのものを作り直す必要があると思います。