三鷹市議会 令和5年第1回定例会 市長提出議案に対する半田伸明の考え方 | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 令和5年第1回定例会 市長提出議案に対する半田伸明の考え方

前回のエントリーで議案他、各資料の一覧を載せました。

 

市長は議会に議案を打診します。これを「議案を上程する」という表現をします。

「なぜこの議案を打診するのか?」につき、市長が理由を説明します。これを上程理由説明と言います。

 

今回の上程理由説明の動画はこちらをどうぞ。

 

前回のエントリーでご紹介した中に、議案概要というものがあります。

以下、その議案概要の番号順に、私がどう受け止めたかを書いておきます。

 

<考え方その1 国や都で変わったものに対する連動>

法律が変わる、政令や省令が変わる、税制改正がある、都の条例改正があるなど、国や都の制度変更があります。これに従って基礎自治体の条例改正が発生するのはよくある話です。

これは、三鷹市がどうのこうのという問題ではありません。はっきり書けば市政の方向性とかと全く関係がないのです。

「条例は法律の範囲内」これは日本国憲法94条の規定です。さらに地方自治法でも「法令に違反しない限りにおいて」条例制定が認められています。

国や都の改正が気に入らないから、三鷹市の連動する条例改正に反対というのは政治姿勢としてあり得ますが、私は連動するものは自動的に連動させるべきであるという考えです。

今回は、議案概要の番号で書くと、5(そのうち1のみ。2は違う)、6、9がこれに該当します。これらは議案概要をご覧くださいで終わりです。もちろん賛成です。

 

<考え方その2 三鷹市の「意思」で制定ないし改正するもの>

これはまさに市政のあり方を問う場面ですので、きちんと審議する必要があります。

今回は、考え方その1以外全てとなります。これらを以下、順次議案概要の番号順に説明します。

 

1)個人情報保護に関する市議会バージョンの条例が制定されたことにより、市の条例を改正するものです。いわば逆連動改正とでもいえばいいのでしょうか。何の問題もありません。

 

2)市役所の入り口など自動交付機がありますが、これは実はかなり古いタイプのもので、修理しようにも部品調達など困難を極めていました。今回とうとう廃止せざるを得ないというわけです。

合わせて、5)の2部分です。平たく書くと、自動交付機がなくなります、すみませんがマイナンバーカード作ってください、マイナンバーカードでコンビニ交付だと安くしますよ、とこういうわけです。

住民票を例にとると、窓口交付は300円、自動交付機は200円、その自動交付機がなくなるわけですから、マイナンバーカードを取得したくない方々にとっては、実は負担増となってしまうのです。

ここをどう考えるかですが、これは仕方がないと思います。マイナンバーカード取得でコンビニ交付なら当面は安くなるという方向性は理解したいと思います。

 

3.4)出張したら日当が付くのですが、その日当を変えるという案件です。宿泊なしを削減、宿泊ありが3300円に統一と、一見高くつくように見えてしまいますが、実は都内宿泊の実績はゼロです。そう考えると、実は宿泊なしの日当を削減しますという案件でもあります。

特に4)の2部分が重要です。今まで実費額を支給しておらず、差額は自己負担となっていた現実がありました。これが改正されるのは当然のことだと思います。

 

7.8)高校生までの子どもが病院に行く場合、今まで200円の自己負担が必要でしたが、それをなくすという案件です。当然ながらその分予算が組まれることになります。全部で1200万ほどとなっています。

前回のエントリーに市長の記者会見の配布資料のリンクを載せました。そこの7Pに近隣自治体の状況が載っています。この手の廃止は、財政悪化局面になっても元に戻すのはなかなか厳しいので、安易にやるべきではないという考えですが、武蔵野市や杉並区、府中市など近隣自治体がこういう状況なら致し方ないかなという考えです。

この一部負担額をなくすというのは、ずっと共産党が主張していましたね。本会議場でも何度か聞きました。

 

10)要は拡充なのですが、理由がはっきりしていて、公共交通機関を入れることに意味があるようです。都の被害想定が昨年6月に改正されたとのこと、新たに見直しとなる地域防災計画を充実させる点からも、この増員には理解を示したいと思います。

 

11)どんぐり山が廃止され、新たに在宅医療・介護の推進を図る拠点として再整備されます。その指定管理者指定の案件です。

既に事業団とは様々やり取りがある模様ですが、よくよく考えると議案として可決されていないのに、先に事業団とやり取りを始めている現実はどうなのかな?という疑問があります。

実際には事業団を指定することには異論はありませんが、指定管理者として指定される議案の可決「前に」もろもろ進んでいることにはやはり違和感が残りますね。

 

次に補正予算案です。前回のエントリーにも載せた補正予算案総括表をご覧ください。

 

まず一般会計補正ですが、予想以上に市税収入の伸びがあり、増額補正、このうちほとんどを基金積立という内容です。さらに、前年度の余りもあります。それにしても市民税が7億増というのには驚きました。コロナでみんな大変なはずなのに、三鷹市は堅調を通り越して、いわば上方修正です。この辺り納税者層の分析としてかなり関心があるところです。

 

あと、いくつか特定寄付があります。特定目的のために寄付をいただくもので、それぞれその目的に沿う基金に積み立てられます。

 

次に、天文台のまちづくりです。

土地利用基本構想が1年遅れるわけですが、これに伴いコンサルに対する委託料が増え、これを補正するというわけです。これは仕方がないですね。

 

さらに、繰越明許費補正です。

難しい言葉ですが、要は次年度に持ち越すよ、というものです。

市民センター改修事業費の増は、非常用発電機設備の更新の関係です。また、川上郷ですが、これは中央監視盤の更新の関係です。ともに、半導体不足がもろに影響してしまい、調達を次年度にというわけです。仕方ないですね。

牟礼地区の生活道路ですが、当初予算案可決後に、境界画定をしなければならないイレギュラーが発生し、これによる遅れが生じたものです。これも仕方ないですね。

橋梁ですが、宮下橋の架け替えを進めているところですが、一部、都の緊急工事が入ったとのこと、このことによる遅れというわけです。

地球温暖化ですが、計画の見直しが来ますがこれに向けて、もう少し市民の意見を聞く機会を増やそうということになったとのこと、これはやむを得ず繰越というものではなく、いわば政策判断とでもいうものでしょうね。ゼロ・カーボンシティ宣言の話もありました。方向性には理解を示したいと思います。

 

先に旧どんぐり山について書きましたが、これに伴う指定管理料についても債務負担行為補正が組まれました。これも難しい言葉ですが、簡単に書くと複数年発生する債務について今のうちに考えておくからね、ということです。

実際には議決を受けて、今年度内に基本協定を結ぶとのこと、この基本協定には金額は入っていませんが、様々な開設準備事務に伴う支出が年度明けにすぐに発生するようで、そうなると今のうちに設定するしかないので、この点も理解を示したいと思います。

 

あとは後期高齢者医療ですが、要するに見込以上に歳入があったということです。その分を広域連合に払いますという話です。これは良い悪いではなく、システムの問題です。

 

さて、以上のように、今回の議案にはすべて賛成の方向で臨みたいと思います。もっとも、次年度当初予算案は別の話であり、これは別エントリーでまとめます。

 

1点だけ気になったのは、市税収入増などを基金に積む点です。

 

基金にはいろんな種類があります。使い勝手の良い財政調整基金、また特定目的のある、例えば健康福祉基金や子ども・子育て基金などです。

 

三鷹市はリーマンショック時に税収が16億減という事態に見舞われました。リーマンショックの影響は3年は続きましたので、×3ということで、財政調整基金は50億は維持という内々の目標のようなものがあります。

 

これは、50億あればそれでよいというのではない、というのが私の考えです。当時に比べると税収も増えていますし、福祉を始めとした義務的経費も増えています。いわば比例させるように、もう少し各基金の目標額を上げるべきではないかという考えを持っているのです。

 

今回はまちづくり施設整備基金6億積み立てが突出しています。それだけ駅前再開発や天文台のまちづくりを見据えてと河村市長はやりたいのでしょうが、見方を変えれば、自分のやりたいことに基金をもっと増やすと見られても仕方がないわけです。

こういうところは政治センスの問題だと思います。私だったら財政調整基金を厚くします。そりゃそうです。いざ景気悪化となったら、まちづくりという特定目的の基金を財政維持に使うことはできないからです。

 

この点をとらえて反対とするか悩みましたが、これ以外の点は異論がないこと、また基金残高の目標についてはもっと大きな議論が必要であることから、今回の補正予算案には賛成したいと思っています。

 

以上、次年度当初予算案を除く各議案につき、私の考え方を書いておきました。次年度当初予算案については、後日別エントリーで考え方をまとめる予定です。

 

これらの議案は議会運営委員会で、即決か付託か、付託ならどの委員会に付託かが話し合われます。

 

今日の議会運営委員会で、即決付託につき次のように決まりました。議案概要の番号で書きますと、5)と一般会計補正予算案の2つが総務委員会付託、7.8.9.11)が厚生委員会付託、(当初予算案を除く)これら以外は全て即決となったようです。

 

即決の日付は来週月曜日です。即決議案の取り扱いの後、予算代表質疑、その後予算審査特別委員会設置という流れになっていきます。

 

各委員会の日程ですが、今のところ、

3/7 総務

3/8 厚生

3/9 まちづくり環境

3/10 文教

となっています。まちづくり環境委員会と文教委員会は議案審査がないので、行政報告のみとなります(なお、陳情は一部扱いが定まらないものがあったようで、正式に委員会付託になった案件はありません)。

 

次のエントリーは、常任委員会における議案審査終了後に、議案審査参考資料をまとめたものをアップする予定です。