定例の科学お楽しみ広場、都合がついて、なんとか参加できました。
自分の発表はナシだったので、気楽に参加してきました。
例によって、ごく私的な参加レポートをしておきます。発表順でもないし、発表内容を逐一正確に記録したものでもありませんので、ご了承ください。
午前中は実験交流会、午後は野呂茂樹先生の実験講演会。
参加人数も多く、盛況でした。
今日、ぜひ参加したいが諸事情で参加できないという人たちの話を何件か聞いていたので、なんとか会の雰囲気だけでも伝えられればと思っています。午前、午後、2回にわけて報告しますが、午後の講演会については野呂先生から、講演会の内容をそのままブログ掲載しても良いと快諾いただきましたので、なるべく詳しくご紹介したいと思っています。
今日はあいにく雨天。静電気実験には最悪の気象条件ですが、辻さんの静電気実験は悪条件家でもちゃんと動いていました。
静電発電機のプラスマイナス局に載せたしゃちほこみたいな形をした金属板。静電気でくっついたり離れたりします。
こちらはギャップ間に火花を飛ばす装置。さすがにこの日の湿気では派手に飛ぶのはむつかしかったですね。
こちらは塩ビのイたを毛糸を編んだ押さえ板で抑え、摩擦電気を生じさせる装置。シーチキンの空き缶の間にクリスマスツリーに飾る飾り玉を吊るすと、飾り玉が缶の間をぶつかりながら往復します。いわゆる「電気振り子」です。
こちらは3連フランクリンモーター(静電モーター)。隣り合う円盤が逆回転をします。
動画の1場面を切り取ったものですが、後ろの静電発電機と円盤が回っている様子が見えますね。
これは何か?
赤い紙の短冊の中央がピンで発泡スチロール板に止められています。スチロール板の左右端には電極があり、静電発電機のプラスマイナス極につながるようになっています。
発電機から電極に電気を送ると・・・
おみごと。
電気力線が見られます。
紙の短冊が電場の中で誘電分極を起こし、電気力線の向きに並ぶのですね。
思いついてもなかなか作れない装置。
こちらの器は、中央と底に金属板が配置されています。中央の板は真ん中に穴が。中央と底に静電発電機をつなぐと、下にあった仁丹は表面が銀でコーティングされているので、下の電極と同じ電荷に帯電して反発し、上へ飛び上がります。勢い余って穴を通り越した仁丹は上の段へ。色とりどりの球は砂糖菓子で、不導体なので、仁丹のようには飛び上がらず、下の段に残ります。
これは、動画の一コマを切り取った画面。跳ね上がった仁丹の一つが二段目のカップの天井にぶつかっているのが見えますね。
参加者も発表者も多かったため、一人10分の発表。どう考えても、辻さんの実験装置を全部丁寧に発表する時間はありません。駆け足での発表になりました。
一度、愛知物理サークルにお招きして、じっくり静電気実験を見せていただく機会がつくれるといいと思います。
こちらは田中さんの手作り静電メーター。帯電の正負をLEDの色で視覚化する装置で、光電効果にもチャレンジ。物理サークルでも発表された内容でした。
今回、ぼくの位置からは人垣でほとんど記録が取れなかったので、この写真一枚でご勘弁を。
小野さんの光の屈折実験。
真っ暗にしなくても、薄暗い状態でもそこそこ見えますが、やはり暗幕が必要ですね。
これはぼくも生徒実験でよくやりますが、ピンを使って屈折の法則を調べるもの。レーザー装置がない時代には、こうして測ったものです。
ピンだけで屈折法則実験をする場合は、最低4本のピンが必要ですが、その話は今回は割愛しておきます。
こちらは、印刷面を剥がしたCDやDVDの向こう側にLEDを置いて光らせ、こちらから覗いて一時の回折光を見て、その位置を測ることでCDの格子定数を計算できるという実験。高校向けですね。
石川さん。これは物理サークルでも発表された実験。酸化膜をつけた銅板を重曹液の中につけて、アンプに繋ぎます。
ラジオのイヤホン端子につないだコイル付きのライトで、ラジオ音声に連動して光量が変わるようになっています。
昔は、この光を太陽電池で受け、それをアンプを通してスピーカーに繋ぐことで、光通信気としていました。
太陽電池の代わりに酸化銅を用いて光電流を生み、それを増幅してスピーカーに繋ぐと、効率は低いけれど、なんとかラジオの音声が聞き取れます。
こちらは土肥さん。缶をここまで横倒しにして安定させるためには、水では無理。中には、何が入っているでしょうか。
2つ並ぶと不思議さも2倍。なんとなく、ユーモラスでもあります。
こちらは実験中の写真が撮れませんでしたが、レコード盤を回転させ、発泡スチロール板に付けた針(100円ショップで買った縫い物針だそうです)を溝に入れると、レコードの音楽がけっこう大きな音で聞こえます。まさに、蓄音機ですね。
こちらは「あいうえお」をしゃべる筒。
振動する空気柱の体積であいうえおが決まるのかもという発想で、作った装置です。
なんと、空気を送りながら筒の長さを変えていくと、「あいうえお」っぽく聞こえるから、すごい。
顔をつけると、さらに人間の声っぽく聞こえる(気がします)。
これは鉄琴。上から4分の1ほどの場所で止めると、横波の固有振動で音がでます。
鉄パイプの位置を変えて中央で止めるようにすると、中央が定常波の節となる、縦波の固有振動になり、高い音の音階に。
留め具の構造はこんな感じ。かんたんに鉄パイプを出し入れできるのがよいですね。
形状記憶合金を用いた熱機関。
キツツキが缶を叩きます。
可愛い動き。
こちらは時間がなくて、土肥さんが(たぶん)見せられなかった装置。一種のスチールドラムで、叩いた音が音階になるようにしてあるもの。
画像はありませんが、コーラの1.5リットルペットボトルにもう一つの500mlペットボトルをつなぎ、それを手で潰してコーラボトルの内圧を増減させると、叩く音の高低が変わり、それを利用して音楽を演奏する実演がありました。
手の握りしめ方で音程を調整しながら演奏するのは、かなり練習がいりそう。
こちらは、すでにある楽曲に合わせて音階が並ぶようにしてある釘鉄琴。「星に願いを」だったかな?
これは園原さんの蛍光物質、蓄光物質の紹介。
100円ショップで手に入る蛍光物質もあるという紹介も。
これはなかなかに遊べます。
こちらはスギさん。これも物理サークルで発表されたものですが、追加がありました。丸いペットボトルはもう販売されていないとのことですが、伊藤政さんにもらった水晶玉(ガラス玉)でも実験してみたとか。
太陽の光で虹を見たら、ガラスの屈折率が大きいためか分散が小さく、幅の狭い虹だったとのこと。さらに、実験しているうちに、ガラス玉を持っていた手が熱くなった・・・というオチも。
これは伊藤政さんの花粉管の発表ですが、最後の発表だったため、午前の部は、押しに押してもう時間がなく、1分程での発表でした。
戸田さんが持ってきた、本人曰く「ゴミ」・・・いやいや、貴重な分子模型製造セットと、食いつき蛇おもちゃです。たくさんあるので、もらってほしいとのありがたいお話。
長瀬さんの真鍮作りの実験。
銅に亜鉛をメッキし、電熱器で焼いて真鍮にする・・・という実験らしいのですが、ぼくはちょっと席を外していて、この画面だけぎりぎり撮影できました。内容はちょっと聞き逃したので、あくまでも推測です。
あっ、そうそう、もうひとつ、大事なのを忘れていました。
林ヒロさんの乾電池での静電気実験。
まず、こちらは以前からやっている、高電圧の電源を用いた実験。手前の電気盆に電気をため、うしろの回転台に置いたアルミ棒を引き寄せる実験。
静電気の実験が電源でできるというのは便利なのですが、高電圧装置は手作りしないと手に入らないため、誰でもやれる実験ではありません。
こちらは、電源として、普通の1.5V乾電池8個で12V電池を作り、つないだもの。
これでも、帯電盆を少し持ち上げると、コンデンサー効果で(こんな言葉はありませんが、仲間内ではよく使います)電圧が上がります。1万2千Vくらいになるので、十分、静電気実験が行えます。
つまり、高電圧発生装置は不要だったのですね。
それほどに、この帯電盆は優秀な装置だということ。
通常、摩擦電気で帯電させた下敷きの上に帯電盆を置いて、盆の上面に触れて上部の電気を逃し、下の台と盆に正負の電荷を与えたコンデンサーの状態にして盆を持ち上げると、持ち上げただけ電圧が上昇します。これを利用して、12Vを120000Vに昇圧しています。
そのとき話題になりましたが、盆を高く上げれば上げるほど昇圧するということはありません。
最初、数センチ持ち上げる段階で1万ボルト以上になりますが、そこから先は盆と台の間の電場は一様ではなく弱まるので、持ち上げる距離を増やしても電圧は上がらなくなります。
持ち上げただけ電圧が増えるというのは、極板間の電場が一葉である範囲での話ですから。
他にもいろいろとあったのですが、動画の方はたくさんの方の顔も出てしまっているので、ちょっと公開しづらい。静止画もしくは動画の1シーンの切り取りで構成しました。
午後の部、野呂先生の「たのしいおもちゃ作り」講演の模様は、次回に。
(*)ヒロさんの帯電盆の実験など、何件かの実験を書き忘れていたので、追加しました。
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