実験お楽しみ広場に行ってきました。
午前中は実験交流会。午後は四ヶ浦さんの講演『実験で楽しむ銀河鉄道の夜』。
盛りだくさんの内容だったので、何回かにわけて報告します。
ぼく自身はもともと、娘といっしょに楽しむだけの参加のつもりでしたが、直前の林ヒロさんとの話し合いで、放送大学でやった実験の一部をぼくが紹介したほうがよいということになり、発表を。
午前の部の実験交流会は盛況。その全部は紹介できませんが、記録できたものをここに記しておきます。
動画をたくさん撮りましたが、今回は動画から切り取ったスナップなどの静止画像で。動画については、後ほど愛知物理サークルのInstagram「straycatsaichi」に掲載しますので、少々お待ち下さい。
レコード盤を回転台にして、筒にいれた水を回転させます。
水面が慣性力によってどう曲がるのかを観察する装置。
2つのボトルをつなげた装置だったのですが、「中間の仕切板をなくし、中心をずらして回転させるとどうなるか」という質問があり、それも実験しました。
こちらがその実験。中心をずらしても、水面は回転の中心を最下点として、遠心力に応じた曲面になります。
中心を軸に、左右対称のみかけの重力場ができているからです。
なお、アインシュタインの一般相対性理論の等価原理によれば、これはみかけの重力場ではなく、局所的には本当の重力場です。
これは、あの有名な問題「大根を重心の位置で2等分したら、どっちが重いか?」というもの。なんと、木を削って大根のモデルを作ってみたとか。
ところが、半分ずつの重さをはかったら、理論と逆の結果になったという話。
これは、大根モデルをぴったり「重心の位置で2等分に切る」のが難しく、ずれてしまったため。
そこで、もっと形がはっきりしたものを大根のモデルにしてはと考えたとのこと。
棒と円盤は同じ質量にしてあり、重心の位置で半分にすると、円盤側の半分は棒の一部が含まれるため、円盤側の方が重くなるのは、はかりに乗せるまでもなく明らか。
これはいいアイディアですね。
「本物の大根を使った方が簡単では?」との声に、用意してきた本物の大根を見せてくれました。
なるほど、これでは、はっきりとした結果はでないな、とわかる形。
山本久守さんから「大根じゃなくニンジンを使うといい。形が三角形に近いから、はっきり違いがわかる」とのアドバイスも。みんな「たしかにそれなら」と感心しきり。
こちらはぼくが紹介した回転台の静電気実験。今回は娘も参加したので、ぼくの発表も動画をとることができました。
愛知物理サークルでも何回か紹介したことがあるのですが、今回は物理サークルとは重ならないメンバーもいたため、予想外に興味を持っていただけました。いっぱい質問をいただきましたが、短い時間でじゅうぶん答えきれなかったかもしれません。
支持棒の先はガラス玉状にしてあるのですが「もっと細い、例えばボールペンを支持台にしてはだめか」という質問が。これは実際に試すことで、ガラス玉の支持台の方が摩擦が少なく、はるかに回転しやすいことをお見せしました。
こちらは、先日<遊>で開発したばかりのアルミ箔ヤジロベエを使った反磁性実験。
回転台なしでもできる方法も、あわせて紹介。
六角鉛筆の上にシャー芯を乗せて磁石を近づける方法。これは『いきいき物理マンガで実験』にも掲載した方法です。
放送大学で行った光電効果の実験。
まず、亜鉛板で。
白熱電球の光では、負に帯電させた箔検電器の箔は閉じません。
ところが、紫外線を当てるとすっと閉じます。
教科書だとたいてい亜鉛板の実験が定番ですが、銅板やアルミ板、鉄板、鉛板など、どれでも同じような現象が起きます。要は仕事関数の値と当てる光子のエネルギーの関係で決まるのです。
この実験も盛り上がり、質疑応答をしながらの実験となりました。そのため、ヒロさんはもう一つ用意したLEDによる光電効果の実験を紹介する余裕がありませんでした。
こちらは生物の発表。鳥の帽子はうちの娘も大喜びでしたが、配られたプリントはA4の展開図で、A3に拡大しないとかぶれる大きさにならないとか。
こちらは水面の高さによらず、常に同じ圧力で水が飛び出る装置。
ストロー1本で、こんなに簡単に作れるんですね。
原理は写真を見ていただければ、だいたいおわかりになるのではないかと思いますので、説明は省略します。
こちらは、よく見る装置ですが、名称がわかりません。
紙コップ2つを張り合わせ、輪ゴムで逆回転させて飛ばすフライングトーイです。
こちらは光の屈折の実験。
実験の様子はぼくの位置からはうまく取れませんでした。
光の屈折の様子について話題になったので、ぼくが説明を紹介しました。
うまい写真が撮れなかったかわりに、このブログサイトの過去記事から、写真と原理図を載せておきます。
上からのぞく必要がありますが、ビニールパックの中にいれた紙に描かれた図とビニールパックに描かれた図の関係で、トリックアートのようなものができます。
その原理は次の通り。
よく「全反射で見えない」などと説明されますが、そうではなく、単純な屈折による現象です。ビニールパックに描かれた絵から出る光は上にいる人の目に入りますが、パック内の紙の絵から出た光は2回の屈折を経るため、上で見ている人の目には入らなくなるのですね。したがって、見ている人が上でなく横のほうにいれば、パック内の紙の絵を見ることができます。(*)
では、今回はこのへんで。
つづきは、次回。
(*)詳しくは、別記事ビニールパックで屈折手品〜全反射ではないを御覧ください。
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