ガダルカナル戦書籍一覧   
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ソロモン諸島 ガダルカナル島 御戦没者名簿(鋭意整理入力中)

2012年 ガダルカナル島御慰霊行 目次    
2014年 ガダルカナル島御慰霊行 目次    
2015年 ガダルカナル島御慰霊行 目次

 

母娘ふたりガダルカナルの旅 第一話

母娘ふたりガダルカナルの旅 第二話 

母娘ふたりガダルカナルの旅 第三話 

母娘ふたりガダルカナルの旅 第四話
母娘ふたりガダルカナルの旅 第五話 

母娘ふたりガダルカナルの旅 第六話  より続いております。 

 

母娘ふたりガダルカナルの旅 第七話

アウステン山を下りて飛行場の北側を通り、テナル教会の傍にある一木支隊の慰霊碑に向かう。

 

テナル教会周辺はきれいに整備されていて隣には学校もあった。

あたり一面は緑の芝生で覆われて美しく建物はまだ新しい。

学校は日本政府からの援助によって建設されている。

これもまたガダルカナルに来て新しく知ったことだった。

ガダルカナル島はクリスチャンが多い。

日曜日は大勢礼拝に来るのだと思うがこの日は平日なので静かだった。

学校も授業中なのかこの時はあまり声が聞こえなかった。

フランシスはクリスチャンなのかと尋ねると、お父さんが仏教徒なので彼もまた仏教徒なのだと言っていた。

彼が親日であるのはそのことも関係しているのであろう。

ここテナル教会の一木支隊慰霊碑は第二梯団の突撃地点近くに位置する。

ルンガ飛行場奪回のため一木支隊第一梯団が海岸線から白兵突撃をかけて大打撃を受けたあと、第二梯団は次の川口支隊総攻撃の際、熊大隊として飛行場東方より突撃を敢行された。

日本軍の砲兵が米軍戦車を撃破した位置にも近い。

 

一木支隊の主力は北海道、旭川の連隊だ。

寒い地域からはるばる熱帯の地域に来て圧倒的な火力を持った米軍に対して白兵突撃をした。

 

たいへん厳しい戦況にもかかわらず忠実に命令されたとおりの任務を果たされたのだ。

「ご苦労様でした」と静かに手を合わせた。

 

テナル教会を後に一木支隊第一梯団が突撃全滅したとされるアリゲータークリークへと向かった。

勇さんのブログから一木支隊の進撃図

 

勇さんのブログより一木支隊総攻撃の際の進撃図

 

ミッドウェー海戦ののち情勢が変わる中で一木支隊は一旦召集解除となり日本に帰還することになっていた。

兵員たちはグァム島で貝細工やワニ革バッグなどのお土産を買い帰還の準備をしていたところ、急遽行先がガダルカナルへ代わった。

名前も知らない島にただならぬ不安と、今度はもしかしたら生きては帰れないかもしれないという気持ちを多くの隊員が持ったという。

一木支隊奮戦之地 慰霊碑

2012年勇一三〇二撮影

米軍が休養日であるだろうと想定した日曜日を突撃の日として選び、一木支隊は夜中タイボ岬に無血上陸。

支隊長をはじめとして約900名が銃剣を持ちアリゲータークリークまで進み鉄条網に差し掛かったところ米軍の機銃掃射が始まった。

赤や緑の光が縦横無尽に滝のように流れ、あっという間に日本軍はほぼ壊滅状態になった。

時間をおいてから戦車での蹂躙も行われた。

 

有名な一木支隊のご英霊の写真がある。

写真に写るお顔をご家族がみて「うちの子」だと気づいたという。

なんとも言えない。

家族を思い国を守るために若い命を投げうってくれた彼らのその気持ちはなにものにも代えがたく尊いものである。

この写真が当時アメリカのタイムズ紙に掲載されている。

 

米軍は当時すでに一万人以上の兵隊が上陸しており、日本軍上陸の暗号もすべて傍受されていた。一木支隊が海岸線に沿ってアリゲータークリークを進んで来たころには米軍はジャングルの中からほかの三方を囲み機銃を台に設置した状態で待ち構えていた。

日本軍は完全に包囲された状態なのであった。

アリゲータークリーク河口

2012年勇一三〇二撮影

日本軍は絶対に弾を打つなと言われた。命令に従い銃剣のみで白兵突撃した。

地図すらもない。

食糧も、弾もない。

気力さえあればなんとかなる。

ガダルカナルに限らず、最初からすべて大本営の読みの甘さに尽きるのである。

 

北鎮を いかにおぼすらむ ななかまど

紅く染まりし まさかとぞ思ふ

 

つづく

 

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文中、勇さんの名で出てくるのが不肖当ブログ管理人・勇一三〇二となります。

お母さまと娘さまも読まれておりますのでお気軽にコメントください。

 


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