むっかしぃむっかしぃ、うっらしっまは~♪
という歌、ご存知ですよね。
あの有名な“浦島太郎”の昔話です。
どんな話だったか、ダイジェストでご紹介しましょう。
漁師の浦島太郎が浜へ漁に出掛けると、
1匹の大きな亀が、大勢の子供たちにいじめられている。
かわいそうに思った浦島太郎は、逃してやるように説得したが、
子供たちは一向に聴き入れない。
そこで情け深い浦島太郎は、貧乏ながら子供たちに銭を与えて
亀を買い取り、海へ放した。
幾度も礼を言って亀は海中に姿を消した。
数日後、舟を浮かべて漁をしていた浦島太郎のところへ、
先日助けた亀がポッカリ浮かぶ。
「この前のご恩返しに、今日はよい所へご案内いたしましょう」
と、龍宮城へ連れていかれた。
乙姫様に迎えられた浦島太郎は、山海の珍味でもてなされ、
限りない楽しみを味わった。
故郷に帰った浦島太郎は、乙姫様から贈られた玉手箱を開くと、
モクモクと白煙が立ち昇り、たちまち白髪の老翁になってしまった。
昔話には、何か教訓が込められているものです。
この『浦島太郎』の話には、どんなことが教えられているのでしょう?
子供のころは、『浦島太郎』の話を読んで、
「亀を助けたから、龍宮城へ行けたんだな。
いいことしないといけないな」
と思ったものでした。
ところが、この『浦島太郎』の話は、どうにもスッキリしません。
主人公が、最後、白髪の老人になり、
ガックリうなだれて終わるのですから、
「なぜ?」
という思いが離れないのです。
浦島太郎の歌でふり返ってみましょう。
昔々浦島は
助けた亀に連れられて
竜宮城へ来て見れば
絵にもかけない美しさ
乙姫様の御馳走に
タイやヒラメの舞踊り
ただ珍しく面白く
月日のたつのも夢の中(うち)
亀を助けたからこそ、龍宮城の楽しみを味わえたことは、
善い種を蒔いたのだから、善い結果を受けたのだろう、
と誰もが納得します。
「亀を助けた」という善い行いばかりに目が行ってしまいがちですが、
大事なことを見落としてはいないでしょうか。
物語の設定から言えば、浦島太郎は漁師。
実に、何百何千の魚の命を奪いながら生計を立てているのです。
タイやヒラメは、物語では亀と同等に扱われています。
これは、考えてみれば恐ろしいことです。
踊り子であるタイやヒラメの家族や親戚、友人たちを
日々、釣り上げては殺していた張本人を目の前に
踊っていたわけです。
何を思い、タイやヒラメたちは踊っていたのでしょうか。
1匹の亀を助けた行為に対して、
何百何千という魚たちの命を奪った浦島太郎は、
乙姫様の恩人だったのか、深く考えさせられます。
龍宮城で楽しく過ごした浦島太郎でありましたが、
夢のような楽しみに、つい長居したことを自覚し、
故郷の母や友人たちを想い、帰ることにします。
歌詞はこうです。
遊びにあきて気がついて
お暇(いとま)乞いもそこそこに
帰る途中の楽しみは
土産にもらった玉手箱
さて、いよいよクライマックスです。
浜辺に戻った浦島太郎は、すっかり様変わりした故郷の様子に
ビックリします。
道行く人に聞いてみれば、途方もない年月が経っていました。
「浦島太郎」の歌の最後はこう締めくくられています。
帰ってみれば、こはいかに
元居た家も 村も無く
路に行きあう人々は
顔も知らない者ばかり
心細さに蓋(ふた)とれば
あけて悔しき玉手箱
中からぱっと白煙
たちまち太郎はお爺さん
この物語の最大の疑問が、
玉手箱を開けた時、なぜ、一瞬にして
浦島太郎は、白髪のおじいさんになってしまったか、
ということでしょう。
悪いことをしていながら、罪の意識も自覚もなく、
わずかばかりの良い行為に
「これだけいいことをやった」
と自惚れて、
欲に振り回され、目の前の楽しみに心を奪われている間に、
歳月はあっという間に流れ、気づいたときはもう老人。
ふり返れば一切は夢だったと愕然とする人の一生を
表わされたものなのです。
思いもよらない運命に、驚き、焦り、
その原因を他に向けがちですが、
やはり自分の蒔いた種。
そのことを象徴的に教えられた
教訓的な昔話です。
とても子供向けの話とは思えませんが、
子供の時に聞いて、知っていたからこそ、
今にして、深く味わわずにおれない気持ちになります。
私たちの玉手箱は、すでに開いているのかも知れません。
◆ ひとりごと ◆
「授業中に 手をあげて 俺を好きだって
もし言えたら 抱いてやるぜ」
車でラジオから流れてきた曲の歌詞を聴いてて、
すごい歌詞だなぁ、と思いました。
誰でも知ってる曲なんですけど。
歌ってるのはシブがき隊。
昔の曲は、歌詞がものすごくハッキリ聴き取れて、
聞きやすいなぁと思いました。
だからでしょうかね。
けっこう覚えている歌詞のフレーズも多いんです。
最近、少し昔のものが聴きたくなったり、
読みたくなったりします。
子供のころ、大人の世界についていけず、
よくわからなかったことが、今、その年になって、
「あぁ、このことを言っていたのかぁ」
とわかるんですよね。
過去の記憶にあるものが明らかになる感じが、
何とも言えず、心地よい感じがしています。
では、今日はこの辺で。
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という歌、ご存知ですよね。
あの有名な“浦島太郎”の昔話です。
どんな話だったか、ダイジェストでご紹介しましょう。
漁師の浦島太郎が浜へ漁に出掛けると、
1匹の大きな亀が、大勢の子供たちにいじめられている。
かわいそうに思った浦島太郎は、逃してやるように説得したが、
子供たちは一向に聴き入れない。
そこで情け深い浦島太郎は、貧乏ながら子供たちに銭を与えて
亀を買い取り、海へ放した。
幾度も礼を言って亀は海中に姿を消した。
数日後、舟を浮かべて漁をしていた浦島太郎のところへ、
先日助けた亀がポッカリ浮かぶ。
「この前のご恩返しに、今日はよい所へご案内いたしましょう」
と、龍宮城へ連れていかれた。
乙姫様に迎えられた浦島太郎は、山海の珍味でもてなされ、
限りない楽しみを味わった。
故郷に帰った浦島太郎は、乙姫様から贈られた玉手箱を開くと、
モクモクと白煙が立ち昇り、たちまち白髪の老翁になってしまった。
昔話には、何か教訓が込められているものです。
この『浦島太郎』の話には、どんなことが教えられているのでしょう?
子供のころは、『浦島太郎』の話を読んで、
「亀を助けたから、龍宮城へ行けたんだな。
いいことしないといけないな」
と思ったものでした。
ところが、この『浦島太郎』の話は、どうにもスッキリしません。
主人公が、最後、白髪の老人になり、
ガックリうなだれて終わるのですから、
「なぜ?」
という思いが離れないのです。
浦島太郎の歌でふり返ってみましょう。
昔々浦島は
助けた亀に連れられて
竜宮城へ来て見れば
絵にもかけない美しさ
乙姫様の御馳走に
タイやヒラメの舞踊り
ただ珍しく面白く
月日のたつのも夢の中(うち)
亀を助けたからこそ、龍宮城の楽しみを味わえたことは、
善い種を蒔いたのだから、善い結果を受けたのだろう、
と誰もが納得します。
「亀を助けた」という善い行いばかりに目が行ってしまいがちですが、
大事なことを見落としてはいないでしょうか。
物語の設定から言えば、浦島太郎は漁師。
実に、何百何千の魚の命を奪いながら生計を立てているのです。
タイやヒラメは、物語では亀と同等に扱われています。
これは、考えてみれば恐ろしいことです。
踊り子であるタイやヒラメの家族や親戚、友人たちを
日々、釣り上げては殺していた張本人を目の前に
踊っていたわけです。
何を思い、タイやヒラメたちは踊っていたのでしょうか。
1匹の亀を助けた行為に対して、
何百何千という魚たちの命を奪った浦島太郎は、
乙姫様の恩人だったのか、深く考えさせられます。
龍宮城で楽しく過ごした浦島太郎でありましたが、
夢のような楽しみに、つい長居したことを自覚し、
故郷の母や友人たちを想い、帰ることにします。
歌詞はこうです。
遊びにあきて気がついて
お暇(いとま)乞いもそこそこに
帰る途中の楽しみは
土産にもらった玉手箱
さて、いよいよクライマックスです。
浜辺に戻った浦島太郎は、すっかり様変わりした故郷の様子に
ビックリします。
道行く人に聞いてみれば、途方もない年月が経っていました。
「浦島太郎」の歌の最後はこう締めくくられています。
帰ってみれば、こはいかに
元居た家も 村も無く
路に行きあう人々は
顔も知らない者ばかり
心細さに蓋(ふた)とれば
あけて悔しき玉手箱
中からぱっと白煙
たちまち太郎はお爺さん
この物語の最大の疑問が、
玉手箱を開けた時、なぜ、一瞬にして
浦島太郎は、白髪のおじいさんになってしまったか、
ということでしょう。
悪いことをしていながら、罪の意識も自覚もなく、
わずかばかりの良い行為に
「これだけいいことをやった」
と自惚れて、
欲に振り回され、目の前の楽しみに心を奪われている間に、
歳月はあっという間に流れ、気づいたときはもう老人。
ふり返れば一切は夢だったと愕然とする人の一生を
表わされたものなのです。
思いもよらない運命に、驚き、焦り、
その原因を他に向けがちですが、
やはり自分の蒔いた種。
そのことを象徴的に教えられた
教訓的な昔話です。
とても子供向けの話とは思えませんが、
子供の時に聞いて、知っていたからこそ、
今にして、深く味わわずにおれない気持ちになります。
私たちの玉手箱は、すでに開いているのかも知れません。
◆ ひとりごと ◆
「授業中に 手をあげて 俺を好きだって
もし言えたら 抱いてやるぜ」
車でラジオから流れてきた曲の歌詞を聴いてて、
すごい歌詞だなぁ、と思いました。
誰でも知ってる曲なんですけど。
歌ってるのはシブがき隊。
昔の曲は、歌詞がものすごくハッキリ聴き取れて、
聞きやすいなぁと思いました。
だからでしょうかね。
けっこう覚えている歌詞のフレーズも多いんです。
最近、少し昔のものが聴きたくなったり、
読みたくなったりします。
子供のころ、大人の世界についていけず、
よくわからなかったことが、今、その年になって、
「あぁ、このことを言っていたのかぁ」
とわかるんですよね。
過去の記憶にあるものが明らかになる感じが、
何とも言えず、心地よい感じがしています。
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