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音楽に映画たまに美術、そして読書三昧のブログです

第12回ポンヌフ展

 

 

 5日まで開催の「第12回ポンヌフ展」に出かけてきました。毎年鑑賞しているのですが、記事として取り上げるのは初めてでしょうか。 

 

 

 水彩画の展覧会ですから興味はあります。レベルはマチマチですが、時々ハッとさせられる作品に出会います。そんな作品をピックアップしました。

 

 

 

シドニー郊外

 

 

五連水車

 

夕暮れの迷駅周辺

 

中々この角度からの構図はないので新鮮です。プリンセスホテルからの眺めでしょうか?

 

晩秋 
 
東山植物園の風景でしょうか

 

愛・地球博記念公演の「サツキとメイの家」です

 

山中温泉 こおろぎ橋

 

イタリアのコモ湖

 

涼を求めて

 

この看板の掛け方は「澤田商店」でしょう。夏場は大行列です。

 

中世の村

 

日間賀島漁港

 

古都の音

 

嵐山の渡月橋は風情があります

 

ザ・ランドマーク名古屋

 

名古屋といえば栄のチュゥ真にあるテレビ塔でしょう。この下を地下鉄が通っているのですから恐れ入ります。

 

飛んでイスタンブール

 

東洋と西洋の接点ですね。のたるジックでいい街です。

初夏の安曇野

 

春風の漁港

 

小路の風

 こちらも映像がアップされています。

 

 

フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル

「展覧会の絵」

 

曲目/ムソルグスキー

1    組曲「展覧会の絵」 プロムナードーこびと

2    組曲「展覧会の絵」 プロムナード

3    組曲「展覧会の絵」 古城

4    組曲「展覧会の絵」 プロムナードーチュイルリーの庭

5    組曲「展覧会の絵」 ビドロ

6    組曲「展覧会の絵」 プロムナードー殻をつけた雛の踊り

7    組曲「展覧会の絵」 2人のユダヤ人(金持ちと貧乏人)

8    組曲「展覧会の絵」 プロムナードーリモージュの市場-カタコンブ

9    組曲「展覧会の絵」 死せる言葉での死者への語りかけ

10    組曲「展覧会の絵」 バーバ・ヤーガの小屋

11    組曲「展覧会の絵」 キエフの大門

 

編曲/エルガー・ハワース

フリューゲル・ホーン,トランペット/フィリップ・ジョーンズ、ジェームズ・ワトソン

ピッコロ・トランペット/マイケル・ライアード、ハワード・スネル

トランペット/ジョン・ミラー、ペーター・リーヴ

ホルン/アイファー・ジェームズ、アンソニー・ランダール、アンソニー・ハルステッド、クリスチャン・ラザフォード

テナー・トロンボーン/ジョン・アイヴソン、ロジャー・ブレナー

バス・トロンボーン/レイモンド・プレムル

テナー・テューバ/デイヴィッド・モーア

バス・チューバ/ジョン・フレッチャー、ジョン・ジェンキンス

パーカッション/ジェームズ・ホランド、アラン・カンバーランド、レイモンド・コークヒル

 

録音/1977/10月、12月 キングズウェイ・ホール

P:クリス・ハーツェル

E:スタンリー・グッドール、アンドルー・ピンダー

 

 

キング SLA1205 (argo原盤)

 

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 てっきりDECCA原盤だと思っていたのですが、「ARGO」レーベルで発売された異端ですなぁ。このレコードを手にするまで全く知りませんでした。英argoは不思議なレーベルで、もともとは文芸作品の朗読ものとかドキュメンタリー、ストリートオルガンやSLのサウンドを録音したりしていました。それが1960年代からバロック以前の録音を手掛けて、マリナー/アカデミー室内管の初期の録音はこのレーベルから発売されていましたし、70年代ではドラティ/フンガリカのハイドンの交響曲全集はデッカ本体から発売されていましたが、並行して進められていた「エオリアン四重奏団」の弦楽四重奏全集はこのアーゴレーベルで発売されていました。確かにこの録音でもエンジニアのスタンリー・グッドールはデッカの人間ですからデッカのサブ・レーベルの一つと位置付けられます。

 

 それにしてもメンバーを眺めると壮観です。主催のフィリップ・ジョーンズはロイヤルフィルやフィルハーモニア管で活躍し、ホルンのアイファー・ジェームスは18966年から1980年まで参加し、ここでも流麗なホルンを響かせていますし、アンソニー・ハルステッドはピリオド系のオーケストラとの共演も多く、楽しいホルンを聴かせてくれます。

 

 

 

 

 展覧会の絵はご存知ムソルグスキーのピアノ組曲。それを今ではラヴェルが編曲したオーケストラ版が特に有名ですが、ストコフスキーの編曲したもの、トシュマロフの編曲ものなど結構あります。そして、ここにもう一つ新たな編曲が登場したのがエルガー・ハワース編曲のブラスアンサンブル版です。このブログでも頻繁に吹奏楽の演奏を取り上げていますが、もともとクラシックを聴くようになったのは中学時代のブラバンが中部を代表する実力校だったので、その演奏を聴いて中学時代を過ごした体験がベースにあります。


 音色や色彩感の点でやはり初めはオケ版より劣って聴こえてしまいますが、400曲を超えるレパートリーをもつこのPJBEの演奏と金管の豊かな表情と音色にいつしか不満は消え、聴き入ってしまうこと必死です。オーケストラ版に比べて楽器の性格上多少テンポは落ちてしまうものの、細かい部分も見えたり、金管の飽きの来ない音色と響きなどが充分に楽しめます。
 

 1951年結成と小生が生まれる前から存在していたブラバンで1986年に解散してしまっています。しかし、この団体の存在は大きく、カナディアン・ブラス(米)、東京ブラスアンサンブル、上野の森ブラス、ジャーマン・ブラスなど現在のブラスアンサンブルに多大な影響をあたえ、今もプレイヤー達の心に響きつづけるその音楽は、まさに芸術です。金管楽器に携わる者であれば是非一度は聴いて欲しい1枚でしょう。2018年には夥しいアルバムがオリジナルの形で復刻されたのも懐かしいところです。

 

 フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルの、偉業の1つに、ムソルグスキーの、「展覧会の絵」の、ブラス・アンサンブル用の編曲があります。このブラス・アンサンブル用の編曲は、メンバーで、後に指揮者として活躍するエルガー・ハワースによって行われ、ムソルグスキーの原曲にかなり忠実に編曲されています。ピアノとは違い、減衰しない、音を伸ばせるブラスなので、違った響きにはなるのですが、例えば、ラヴェルが省略したリモージュの市場の前のプロムナードを復活させるなど、原曲の音を、一音たりとも変えない姿勢で行われています。それを、たった19人のブラスとパーカッションに振り分けたため、最高難度のテクニックが必要なものになっています。 単純に合わせるだけでなく、すべてのパートに、至難なパッセージがあります。 1つ挙げれば、カタコンブの後の、「死者とともに死者の言葉を以って」での、トランペットの高音域でのppのトレモロなど、ブラス経験者なら、鳥肌ものです。 そして、キエフの大門では、ちょっとした金管バンド並みの迫力あるトゥッティが迫ります。録音されて43年たって、やっと、ベルリン・フィルの金管アンサンブルが、このバージョンを初めて録音しましたが、それほど高難度な楽譜なのでしょう。いまだに、世界中のブラス・プレイヤーから尊敬のまなざしを注がれる証拠が、ここにあります^

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボールペン画

「第13回画楽会作品展」

 

 

 ボールペン画には興味があるので今週「市民ギャラリー栄」で開催中の「第13回画楽会作品展」を覗いてきました。モノ黒トーンでの表現は写真画に匹敵する切り取り力の上に作者のテーマ性が重要になります。どこに力点を置いて描写しているのかは勉強になります。

 

毎年7月に豊浜市で開催される「鯛祭り」のショット

 

広重の「東海道五十三次」から「四日市」

 

 

「隣のトトロ」のワンシーン

 

マンハッタン・ブリッジ

 

今回のポスターのタイトルになっている絵です。

 

能舞台を切り取ったこの絵、迫力があります

 

 

オードリー・ヘップバーン

 

灯台に力点を置いた宮の渡し

 

水車小屋

 

若冲の鶏を映し取った一枚、カラーはなかなか難しいです

 

獲物を掻っ攫う鳶

 

高倉健

 

白黒画の方が雰囲気があります

 

アニメ調の色彩はカラーも生きます

 

女学生の今時待合風景

 

活気のあった頃の重松閘門

 

鳴門の大渦潮

 

山梨県側からの冬の富士

 

 

今年の展覧会の様子

 

 

タックウェル、マリナーのモーツァルト

 

モーツァルト/
1.ホルン協奏曲第1番
 ニ長調 K.412
2.ホルン協奏曲第2番 変ホ長調 K.417

3.コンサート・ロンド 変ホ長調 K.371(編曲:タックウェル)
4.ホルン協奏曲断章 ホ長調 K.494a
5.ホルン協奏曲第3番 変ホ長調 K.447
6.ホルン協奏曲第4番 変ホ長調 K.495

 

<演奏>
ホルン/バリー・タックウェル

指揮/ネヴィル・マリナー

演奏/アカデミー室内管弦楽団

 

録音 1971/05/17-21 アビーロードスタジオ

P:クリストファー・ビショップ

E:クリストファー・パーカー

 

東芝EMI  EAC-85033

 

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 個人的にはバリー・タックウェルは大勢のホルン奏者の中の一人に過ぎません。彼の録音は古くは1959年のペーター・マークと組んものが多分一番知られているのではないでしょうか。このマークとの録音はタックウェルがロンドン響の主席の時に録音したもので、身長をきして2年越しで録音されていました。やステージ奥の定位置でホルンを吹いているような録音でしたが、奥ゆかしいバランスとマークの溌剌とした指揮が印象的でした。


 そして、このEMI盤はタックウェル2度目の全集です。この10年前の1回目の録音と比べると明るく楽天的な歌があり、モーツァルトを楽しんでいました。深みのある響きのホルンを音を割ってまで吹きまくり、モーツァルトの楽しさを教えてくれました。これほどご機嫌なモーツァルトはありません。彼の4度の録音の中でもダントツ楽しい仲間内の演奏という印象があります。アビー・ロードスタジオでの収録ということで録音バランスは良く、オーケストラとホルンのソロは対等の位置関係で収録されています。録音もダブルクリストファーによる申し分のない音質になっています。デッカのような派手さはありませんがこの室内楽的な響きはEMIの大きな特徴でしょう。なんでもござれ的なネヴィル・マリナーで大手のレコードメーカーを股にかけて活躍していた頃の録音です。ホルンのバリー・タックウェルは、この1971年はすでにロンドン響を引退していました。

 

 ところで、このタックウェル、1960年代中頃から金属アレルギーを発症しており、ここで使われているホルンもマウスピースは特注のプラスチック製でした。タックウェルは15歳の時ジョセフ・ポストの指揮の下、メルボルン交響楽団の第3ホルン奏者に任命されます。1年後、ユージン・グーセンス指揮のシドニー交響楽団に入団し、3年半在籍した後、イギリスへ渡ります。1951年、サー・ジョン・バルビローリ指揮のハレ管弦楽団に入団し、その 2年後、カール・ランクル指揮のスコットランド国立管弦楽団に移り、さらに1年後にはチャールズ・グローヴス指揮のボーンマス交響楽団に入団しています。そして、1955年には、ロンドン交響楽団の第1ホルン奏者に任命され、その席を1968年まで務めています。この時期のロンドン響の首席指揮者は、ヨーゼフ・クリップス、ピエール・モントゥー、イシュトヴァン・ケルテス、アンドレ・プレヴィンであったことは言うまでもありません。


  ホルン協奏曲第1番の流麗なホルンはその冒頭からもう参ってしまいました。ここでは室内オーケストラのホルン独奏の一にピッタリと定位しています。この頃はタックウェルは完全にソリストとして活躍していましたから指揮者と対等にホルン奏者として対峙しています。そして、以前はオーケストラ奏者としてある程度制限を受けていた中での録音でしたから、ここではおもいっきり個人としてのタックウェルで吹いています。そして、マリナーはここではそのサポートに徹しています。この聴かせどころの第1番はそういう二人の蝶々ぅ発しのやりとりが聞こえてきそうな演奏になっています。

  そして、ホルン協奏曲第2番の演奏はかのデニス・ブレインに匹敵する名演でになっています。マリナーは4人のホルン奏者とこの全集を録音していますが、このタックウェルとの録音は最も完成度が高いものといえます。勢いがあり、なおかつレガートのうまさ音楽的表現力の豊かさは抜群です。第3楽章ロンドの素晴らしさはもろ手を挙げて賞賛したいです。タンギングの鮮やかなこと、音を割ってまでも強烈な響きを出して印象付けるなど感動を超えて感嘆の声をあげたいです。
 

 

 

 特に第3番はもともと大好きな曲で、第21番のピアノ協奏曲(あの美しい第2楽章が有名なハ長調の曲です)の第1楽章で同じフレーズがでてきますが、この主題の処理も本当に見事です。ホルン協奏曲第3番はオーケストラにクラリネットとファゴットが入ることで響きの違いがホルンをよけいに引き立てる名曲です。美しい主題を流麗なホルンが歌うこの演奏は最高でしょう。カデンツァは短いながらも中身の濃い演奏です。第2楽章・ロマンツェの音楽性豊かな表現、第3楽章:ロンドの力強い演奏はタックウェルの独壇場のようです。ここでもマリナーのサポートの素晴らしさに頭が下がります。





 ホルン協奏曲第4番はなんとも壮大な音楽になっているような気がします。奥深い響きのホルンが強弱のメリハリをつけて吹きまくるこの演奏は何度聞いても感心します。カデンツァは短いですがその勢いのある演奏は他では聴かれない見事さがあります。第3楽章:ロンドの勢いのある演奏は舌をまくほどで見事としかいいようがありません。低音の響きが魅力です。コーダ前に短いカデンツァが入ります。

 

 

   フラグメント ホ長調は2度目の録音で、これ以後度々演奏されるようになりました。前奏が長くソロが始まると間もなくオーケストラがなくなります。この未完の楽章をタックウェルは4度録音しています。
  また初めてロンドK371を録音しました。オーケストレーションは彼の手になるものです。まさにダイナミックな演奏でカデンツァもきれいです。

 

 

 

 

 タックウェルはフレンチホルンの名手として君臨しましたが、奥義をきわめて、ナチュラル・ホルンやウィンナ・ホルンでも録音を残して欲しかったところです。

 

 

 

 

 

めいおん✖️ウィーン国立音楽大学 特別交流演奏会

第28回オーケストラとソリストたちの夕べ

 

曲目

ソリスト

 

スペシャルゲスト/アンナ・マリコヴァ

 

指揮/松尾葉子

 

 9月最終の火曜日はコンサートに行って来ました。昨年は仕事の都合で行けなかったのですが、このコンサート通常のコンサート2回分のボリュームがあります。指揮は以前はむ名フィルのコンサートマスターでもある後藤龍伸氏でしたが今年は、地元の名指揮者松尾葉子氏と、世界的名ピアニストアンナ・マリコヴァの登場とあって会場は人で溢れていました。例年はこのてのコンサートは3階席は締め切って2、2回だけで開催されるのですが、無料ということもあり収容しきれず、最終的には3階席まで開放してのコンサートとなりました。プログラムも足りなくなり、急遽印刷、挙句はホームページでアップするという対応も撮られていました。。発表会という意味合いもあり、カーテンコールは無く淡々とコンサートは進められていきます。

 

今回のステージ見慣れないピアノはカワイSK-EX

ショパン・コンクールテリ指定楽器にも採用されているピアノです。

 

 冒頭は高谷奈那の演奏するカプースチンの「アルト・サクソフォーンと管弦楽のための協奏曲Op.50」です。単一楽章の曲でドラムラットとエレキ・ギターも使われるということでジャズ・スピリットにあふれた作品でした。こんな曲です。

 

 

 毎回思うのですが、一般のコンサート2階分のボリュームがあり、特に2曲目はブラームスのピアノ協奏曲第1番ということで50分を越すボリュームのある演奏となっていました。まあ、今の若者はこれぐらいの曲は全て暗譜で演奏するのは当然ですが、かなり熱量の高いバイタリティのある演奏で、長丁場をしっかり弾き切っていました。下はピアノの佐藤天徳が豊橋出身ということもあり、地元の豊橋交響楽団の演奏を貼り付けました。

 

 

 プログラムの構成上、舞台転換はかなり大変でピアノは何度もステージ奥から出たり入ったりのセッティングでした。後半最初は規模的には室内オーケストラ規模のオーケストラとユーフォニアムの協奏曲でした。3楽章のオーソドックスな構成の協奏曲で、聴いた限りでは

 

 

 さて、今年の目玉はなんといってもアンナ・マリコヴァの登場でしょう。なにしろ、1993年の難関のミュンヘン音楽コンクールで第1位となった逸材です。現在はウィーン音楽大学の教授ということで、今回登場となった次第です。やはり、格が違いました。同じカワイのSK-EXを弾いても楽々と豊かな音量を引き出していました。久しぶりにショパンのピアノ協奏曲を聴きましたが、ここまで雄弁な曲に聴こえたのは初めてでした。終焉馬はもちろん万雷の拍手でブラボーも飛び交っていました。

 

 

 

終演後のカーテンコール

 

過去記事

 

 

 

 さて、、ことは19階のショパンコンクールの年で、明日10月2日からいよいよ予選がスタートします。今年は、日本人は13名が出場します。前回は惜しくも予選敗退した牛田智大は今回もチャレンジするようです。詳しくは下の記事でどうぞ。