L.A.オリンピック公式アルバム/1984 | geezenstacの森

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L.A.オリンピック公式アルバム

 

曲目

 

1.Bugler's Dream/ Felix Slatkin 0:57
2.Nothing's Gonna Stop You Now/ Loverboy 4:03
3.Reach Out/ Giorgio morder 3:46
4.Courtship/ Bob James 4:02
5.A Chance For Heaven/ Christopher cross 3:43
6.Moodido /TOTO 4:41
7.Olympic Fanfare & Theme /Jhon williams 4:10
8.Grace /Quincy Jones 4:33
9.Power/ Bill Conti 3:46
10.Street Thunder /Foreigner 4:02
11.Junku /Herbie Hancock 4:00
12.The Olympian Lighting Of The Torch/ Philip Glass 3:16

 

SONY 32DP 200
録音1984年

 

 

 1984年にロスアンジェルスで開催された第23回オリンピックの公式アルバムです。このオリンピックはいろんな意味で注目されたましたが、その中でも徹底した商業主義は記憶に新しいところでしょう。この大会を境にテレビの放映権料は破格の金額になり、聖火リレーさえも有料で一般に公開されるという徹底したコマーシャリズムの中で行われたのだから。そして、その流れの中で発売されたのがこの公式アルバムなのです。それまでにもオリンピックの音楽をレコードで発売したことは何度もありましたが、各競技ごとにテーマソングを作って協議の開催時や表彰式、テレビ中継時に流すといった使われ方をしたのは始めてだったし、何よりも参加ミュージシャンが当時の一流どころというのも話題を呼んだものです。

 

 まさに、オリンピックのサウンドトラックといったところでしょう。小生もオリンピック関係では東京オリンピックの古関裕而の「東京オリンピックマーチ」が一番印象に残っているし、レコードでは1972年のミュンヘン大会でクルト・エーデルハーゲン楽団が演奏した各国のマーチを収録したものを所有しています。これもそれまでの統一したマーチ一曲で行進されていた開会式の入場行進が、参加国のお国柄を反映したそれぞれの曲を演奏して新機軸を打ち出していたのですが、各競技にテーマソングを持ち込んだのは始めてではないでしょうか。

 

 曲目とアーティストはリストの通りですが、この中で1曲めの「ビューグラーズ・ドリーム」は伝統的なオリンピックのテーマでオリンピックでは必ず演奏される曲です。そのためにアーティストのクレジットは当時ハリウッドボウル交響楽団の常任常任指揮者だったレナード・スラットキンとなっています。

 

 このアルバムの中でのお気に入りは映画「フラッシュ・ダンス」や「クイックシルバー」などのサントラを手がけて一躍名を馳せたジョルジオ・モロダーの「リーチ・アウト」。陸上トラック競技のテーマとなったこの曲は最初はスローバラード風に始まり徐々にテンポをあげてスピード感あふれるビートの曲に仕上がっています。この曲は公式アルバムのシングルカット第2弾として発売されました。リード・ボーカルはポール・エンガマンが務めています。

 

 

 最も気に入ったのは4曲目のボブ・ジェームスの「コート・シップ」。ドリブルをまねたドラムスのタッピングで始まるこの曲はクロスオーバーミュージック(後にはフュージョンと言われるようになった)界の大御所がシンセサイザーを駆使して作曲したご機嫌なナンバーです。もちろんバスケット・ボールのテーマソングで単独の競技の曲として収録されているのはアメリカでの人気の高さからでしょう。この曲は彼のアルバム「12」に収録されています。

 

 

 そして、なんと言っても心に刻み付いたのはジョン・ウィリアムスの「オリンピック・ファンファーレ」です。開会、閉会式などのメインテーマともなるこの曲は開会式の入場行進の間中繰り返し、繰り返し演奏されたから多分一番聴いた人が多い曲でしょう。輝かしいトランペットのファンファーレで始まり、途中小太鼓の刻むボレロ調のフレーズを挟みながら随所にレイダース・マーチに似たフレーズを挟んで、西部開拓史を思わせる旋律で盛り上げながら終始ウィリアムズ節を聴かせてくれます。開会式がテレビで放映された時、終始にこやかに指揮をするジョン・ウィリアムスの巨体が印象的だったのを思い出します。

 

 

 競技のテーマ曲という制約からかインストゥルメンタルな曲が多いのもこのアルバムの特徴で、TOTOや、フォーリナーなどもこのアルバムの中では歌っていません。公式にはこのアルバムからシングルカットされたのは前述の「リーチ・アウト」の他にクリストファー・クロスの歌う「チャンス・フォー・ヘヴン」で、こちらが先にシングルカットされ同時にミュージックTVで盛んにビデオクリップが流れたのが思い出されます。

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 4年に一度ということでは今年はサッカーのワールドカップが活況を呈していますが、こういう企画のアルバムは出来ないのでしょうかね。クラシック界では世界3大テナーのアルバムが発売されたことがありますがポップス界はないですね。何処かのメーカーが企画しても良さそうなのに・・・・と思っていたら、ワーナーから「ワールド・サッカー・クラシック」というアルバムが出ましたね。ま、これも中身はクラシックなんですが・・・

 

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失礼しました。調べたらありましたね。こんなCDが。2006年サッカーW杯ドイツ大会の開催を記念してリリースされた恒例のFIFA公式アルバムです。でも、けっこう既存曲が使われているもんなんですね。
 
 このアルバム、もはや廃盤で再発の見込みはないでしょう。こまめに中古か、オークションで見つけるしか手はないでしょう。