(浅煎・荒挽きコーヒーとの出会い no.11)

 

新たにコーヒー仲間に加わったN氏は、日々の焙煎行程を克明に記録していくという「地道な作業」の大切さを改めて教えてくれました。

 

 焙煎データーの集積という手法を取り入れたことで焙煎技術も飛躍的に向上しました。

 

極端な焙煎不良というような豆は激減し、大満足ではなくても一応は商品として、

お客様に提供できるレベルのコーヒー豆が安定して焙煎できるようになりました。

 

自分たちが焙煎したコーヒー豆だけを飲んでいる分には、結構満足できるもの

でした。

でも時々、焙煎名人H氏の焙煎されたコーヒー豆を購入してきて、味比べを

すると、かなり近い味にはなっているのですが「やはり皮一枚」どこかが違う

のです。

 

 

 

もどかしい思いでした。

その「皮一枚」の違いが、凄く高い壁になっているのです。

そのころ私たちがしていた焙煎方法は、最初に焙煎名人H氏の焙煎スタイルを

真似たやり方とは、ずいぶんと違うやり方になっていました。

 

焙煎機のタイプと設置環境の違いで、それぞれの環境に適応したスタイルに

徐々に変化していった結果です。

 

それからは一進一退「皮一枚の壁」を超えることができない状態の日々が長く

続きました。

そんなころ、私に新たな転機が訪れました。

 

焙煎名人H氏の下でこれ以上「焙煎データー」の収集をしても、あまり役に立たない事がハッキリして

きましたので、私がそこにいる意味が徐々に薄れてきていました。

そんな私に転職の誘いが来たのです。

 

 

N氏から、『自分のコーヒーチェーン店で働かないか』とのお誘いがあったのです

N氏も共にコーヒー探究に取り組んでくれる仲間が欲しかったのでしょう。

ありがたいお話に、直ぐにOKをしました。

 

N氏はバーテンダーとしても高い技術を持っておられる方でした。

コーヒーは、熱心に取り組んできましたがバーテンダーとしての訓練を

ほとんど受けたことのない私に、時に厳しく、しかし深い思いやりで

色々な事を教えてくださいました。

 

この時の経験が、独立してからの自分を支えてくれる貴重な時間であったと

知るのは、それから何年も時を経てからのお話です。

 

いよいよコーヒー屋として独立する日が間近に迫っていました。

 

次回に続く・・・

 

 

 

▼前回までのお話

 

(浅煎・荒挽きコーヒーとの出会い no,1)

 

(浅煎・荒挽きコーヒーとの出会い no,2)

 

(浅煎・荒挽きコーヒーとの出会い no,3)

 

(浅煎・荒挽きコーヒーとの出会い no,4)

 

(浅煎・荒挽きコーヒーとの出会い no,5

 

(浅煎・荒挽きコーヒーとの出会い no.6)

 

(浅煎・荒挽きコーヒーとの出会い no.7)

 

(浅煎・荒挽きコーヒーとの出会い no.8)

 

(浅煎・荒挽きコーヒーとの出会い no.9)

 

(浅煎・荒挽きコーヒーとの出会い no.10)

 

 

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