(浅煎・荒挽きコーヒーとの出会い no.7)
達人(H氏 ) の焙煎方法を真似てみると、確かに今までとは違う
雰囲気のコーヒーが煎りあがりました。
でも『似て非なるもの』と言う言葉がありますが、雰囲気は
似ているのですが全く同じ味わいのコーヒーとは言えないのです。
達人(H氏)の焙煎作業を手伝いながら、いろいろな生データを
仕入れてはその方法を試す日々が続きました。
ある程度上手くいくこともあれば、全く違う結果になることも度々です。
それでも焙煎したコーヒー豆は、師匠の店で日常の営業で使用
しなければなりません。
「美味しいコーヒーを作りたい」という一心ではありますが、不完全な
商品を提供しないといけないのですから、今思えば何とも自分勝手な
ことをと冷や汗ものです。
そんな悪戦苦闘の日々が続いていたころに、業務用のコーヒー豆卸を
されている「マ〇〇珈琲」の社長さんK氏と知り合いました。
K氏は大手焙煎業者「U○○珈琲」に長らく勤められていましたが、
美味しい珈琲を作りたいと独立されて「業務用コーヒー豆卸」を
始められた方です。
コーヒーについて熱い気持ちを持っておられる方で、直ぐに
意気投合しました。
委託して他人様に焙煎してもらうことに限界を感じていたころでした。
K氏が『自宅に小型の古い直下焙煎機があるので、それを使って焙煎
してはどうか』との、ありがたいご提案に直ぐその話に乗りました。
小型の焙煎機なので、今までよりも数多く焙煎をすることができますし、
何よりも自分自身で焙煎時の豆の変化を観ることができます。
大きな前進でした。
『どのような煎り方をしたらどんな味になるか』と言う貴重な経験と
データが日々蓄積することができるようになりました。
当たり前と言えば当たり前ですが、他人様に頼っていては絶対に経験
できないことです。
それと直下焙煎機と言う違うタイプの焙煎機での焙煎を経験した
ことも大きな収穫でした。
焙煎機には、熱風・直下・半直下というタイプがあります。
熱風は別の燃焼室で温めた熱風をドラムに送って豆を煎ります。
直下と言うのはドラムの下でバーナーを点けて、いわば直火で豆を煎ります。
そしてドラムには無数の小さな穴が開いていますので、その穴から直に熱が
入ることで、熱風とは違う煎り上がりのコーヒーができます。
半直下と言うのは、直下と構造は同じですが、ドラムに穴が開いていませんので
直下と比較すると豆の煎り上がりがソフトになります。
それぞれに特徴がありますが、どの味が良いかは飲む方の好みになります。
ちなみに、大量に焙煎する大型の焙煎機は全て熱風式になります。
私が使っている焙煎機は、半直下の焙煎機です。
▼前回までのお話
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