2年前から続く外陰部痛(尾骨から恥骨にかけて)と腹痛の整体治療 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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2年前から続く外陰部痛(尾骨から恥骨にかけて)と腹痛の整体治療
7診目には外陰部痛・腹痛が消失していた症例の解説です。
患者Nさん=51才-女性-主婦の症例より
 
 
 
① Nさんの病歴・・・
患者Nさんは、2年前から臍の左下方に持続性の(軽度の)腹痛が時折生じることがあるそうです。また数か月前から恥骨の直上に横一直線状に(約15cm)チクチクとした痛みが生じることがあったそうです。さらに尾骨の右縁付近から会陰部~恥骨右縁にかけての外陰部にピリピリとした神経痛が生じることがあるそうです(☚たまに左側に神経痛が生じることもあったそうです)。Nさんは別件(子宮脱)で来院されていましたが、これらの症状も以前から気になっていたそうで、併行して治療することになりました。
 

 

 

 
② Nさんの診察
・現在のNさんの身長は159cmで体重は53kgだそうです。しかし1年前までの体重は39kgだったそうです。それが半年で14kgも増加して半年前に今の体重に安定したそうです。体重増加の原因はよく分かっていないそうです。
・直近の血液検査や画像検査ではLDL値がやや高めだそうですが、それ以外に特段の異常は無く、血圧は108/71mmHgだそうです。橈骨動脈の脈拍は1分間に67回で、左右差はありませんでした。また、微熱などが出ることも無く、頸部の伸展や回旋による失神様症状などもありませんでした。労作による呼吸困難や不整脈の経験(既往歴)も無いそうです。
・12才のお子さんがおられますが、妊娠-出産に特段の異常は無く、ほぼ安産だったそうです。
・30代の時に子宮内膜症・子宮腺筋症との診断を受けているそうです。今も少し内膜症や腺筋症は残っているそうです。不正性器出血は無いそうです。
・20年ほど前に甲状腺機能低下症の診断を受けたそうですが、今は治癒しているそうです。
・1年前に閉経していますが、それまでは生理痛はかなり強いほうだったそうです。主な生理痛の部位は腰、下腹部、会陰部だったそうです。
・かなり以前から再発性の膀胱炎だそうですが、今は排尿痛などは無いそうです。しかし頻尿気味で昼間も10回近くトイレに行くそうです。さらに就寝中も頻尿で、ほぼ毎晩尿意で5~6回は目が覚めてトイレに行くそうです。そのほとんどは、尿は少ししか出ないそうです。尿の混濁・血尿などは無いそうです。
・排便は毎日あるそうですが、少し残っている感じがあるそうです。
・20代から冷え性があり、特に冷たく感じる部位は左右大腿の前面と左右肩甲骨の間だそうです。左右肩甲骨の間の冷えについては漢方医より「心臓に問題がある」とのことで、心臓を強くする漢方薬と血流をよくする漢方薬そして血液を増やす漢方薬を処方されているそうです。
・時々頭部周囲の頭痛があるそうです。また2年前から左眼の周囲(円周状)に違和感があるそうです。
・頭顔面や下腿の浮腫はありませんでした。左眼の周囲に紅斑・腫脹などの皮膚所見はありませんでした。眼瞼下垂や眼球結膜の黄染-蒼白もありませんでした。瞳孔の位置は正中で大きさも左右対称的でした。眼球の運動や視野にも異状はありませんでした。
・左右ともに耳鳴りや難聴もあるそうで、左耳が左:右=7:10でやや難聴傾向でした。耳鼻科やカイロプラクティック・整体・鍼灸治療を受けていたそうですが、「これは治らない」と言われていたそうです。中耳炎などの既往歴は無いそうです。立ちくらみやめまいは無いそうですが、炊事などの立ち仕事中に意識が飛びやすくなるそうです。眼や耳及び頭部の精密検査で異常は無かったそうですが、この時に処方された血栓を溶かす薬を服用していると、不正性器出血が生じるので、服用を中止したことがあるそうです。
・鼻閉・鼻汁・後鼻漏は無いそうです。
・表情筋の運動に左右差はなく、頭顔面の神経学検査で異常はありませんでした。嚥下障害や構語障害もありませんでした。
・甲状腺の腫脹・腫瘤や萎縮はありませんでした。しかし頸部の前後側面の筋肉群に著名な緊張と圧痛がありました。
・頚胸部の聴診上、血管雑音、あるいは心音・呼吸音に異常はありませんでした。また打診上、肺尖部などの濁音もありませんでした。
・腹部聴診上、グル音はやや強めに聴取出来ました。血管雑音はありませんでした。
・腹部触診上、全般的に膨隆傾向で、やや緊満感がありませんでした。肝脾腫や腫瘤感はありませんでしたが、臍部左側と左鼠径部直情に沿って著名な緊張と圧痛がありました。子宮底の触診は出来ませんでした。
 
 
 
➂ 治療目標と整体治療
    ⑴ 絞扼されている可能性のある陰部神経を解放する
    ⑵ 絞扼されている可能性のある下腸間膜静脈を解放する
    ⑶ 骨盤内臓周辺の過敏性的な状況(癒着)を解消する

・陰部神経解放テクニック
・下腸間膜静脈解放テクニック
・平滑筋テクニック
 
 
 
 
④ 経過と結果・・・
・2診目来院時、
外陰部の神経痛が生じることがかなり減っていたそうです。腹痛は無かったそうです。

・3診目来院時、
「(2診目治療以来)あれから外陰部のピリピリ感は全然ありません」と仰っていました。

・4診目来院時、
前回の治療後に外陰部の違和感が少し出たそうですが、それも一時的で1~2時間で自然に収まったそうです。

・5診目来院時には、
「この一週間ピリピリ感はありませんでした」と仰っていました。しかし6診目来院時には「お風呂に入った時に一~二度だけ、少しピリピリ感がありましたが、それ以外はありませんでした」と仰っていました。

・その後も別件(子宮脱)の治療で通院されていましたが、7診目以降に右の尾骨付近から会陰部~恥骨右縁にかけての外陰部にピリピリとした神経痛は一度も生じなかったそうです。また腹痛に関しては、2診目以降ずっと生じることは無かったそうですので、これらの症状に関しての整体治療はひとまず終了する事にしました。ただ、念のために折を見て精査する事を勧めておきました。
 
 
 
 
⑤  今回の症例の概説、、、
◆ 陰部神経の絞扼刺激が原因か…
・患者Nさんのピリピリとした神経痛の生じている部位は「右の尾骨付近から会陰部~恥骨右縁」付近ですから、同部位は陰部神経の支配領域だと思われます。従って、同神経の走行部位で絞扼性の障害部位を診ていけば今回の症例の原因が凡そ見当がつくと思われます。
 
 
 
 
◆ 子宮脱が陰部神経を刺激している ?!
・ただ、骨盤臓器の腫瘍や神経腫など重大疾患の可能性も考慮にいれなければいけませんので、場合によっては専門医へ紹介する事を視野にいれながらの診察-治療になると思います。しかし、Nさんは今回「子宮脱」を主訴として来院されましたが、その直前に各種病院で骨盤内臓を中心に精査を受けてこられましたので、とりあえずは腫瘍などの様な重大疾患を第一に想定しなくてもよい状況だと考え、当院なりの診察-整体治療を進めることにしました。

・そこでこの外陰部付近の神経痛様症状の原因を考えると、やはりNさんの元々の主訴である「子宮脱」との関連が想定されます。つまり、子宮が下垂していく事で子宮周辺に何らかの刺激が加わり、それが側方を通過する陰部神経を刺激して同神経が支配する領域である「尾骨付近から会陰部~恥骨右縁」にピリピリといった神経痛症状が生じているのでは、という事です。
 
 
◆ 子宮脱以外にも子宮内膜症/腺筋症、再発性膀胱炎があったNさんの治療方針…
・しかしそもそも論ですが、元々Nさんの骨盤内臓は既往歴的に言うと子宮内膜症や腺筋症、再発性膀胱炎、原意不明の腹痛などで軽度の骨盤内炎症症候群的な下地があっても不思議ではない状況でしたから、今回の子宮下垂が生じる以前から陰部神経を含む周辺組織に何らかの炎症-癒着的な刺激が慢性的に加わっていた可能性があり、その為に陰部神経の閾値が低下していた可能性もあります(☚陰部神経の過敏性↗)。

・そこで骨盤内の過敏性を解消する方向性で、上記③に掲げました
   ⑴  絞扼されている可能性のある陰部神経を解放する
   ⑶  骨盤内臓周辺の過敏性的な状況(癒着)を解消する

の治療目標で下記の様な整体治療を進めることにした訳です。
   ・陰部神経解放テクニック
   ・平滑筋テクニック
 
 
 
◆ 腸の静脈循環にも支障があった ?!
・その結果、7診目以降は外陰部周辺の神経痛様症状が解消していましたので、とりあえずはこの様な仮説で凡そ妥当であったのでは、と考えます。

・持続性の臍左下の腹痛に関しては、病院等での詳しい検査をされていないので整体師レベルでは何とも言えませんが、ただ上記でも記したように骨盤内炎症症候群的な腹部臓器の状況-急激な体重増加とLDL高値、そしてその腹痛部位を照らし合わせると「下腸間膜静脈の軽度の絞扼性病変」が主因では、と思いました。同静脈は急カーブを呈している所がありますので、血栓症など色々な原因で血流障害が生じやすいですが、Nさんが罹患していた内膜症による癒着性-絞扼性の後遺障害も生じやすいのかな、と考え、
   ⑵   絞扼されている可能性のある下腸間膜静脈を解放する
の治療目標を立て、
   ・下腸間膜静脈解放テクニック
を施術する事にしました。2診以降Nさんはずっと腹痛が生じていないので、とりあえずこの仮説で良かったのかな、と思っています。
 
 

・当院に来院する前に色々と(子宮下垂の)腹部の精査を受けていて、とりあえずは腫瘍性病変などの重篤疾患の可能性は低いと思われますが、虚血性病変かどうか、あるいはそれ以外の原因があるのかどうか、整体師レベルではその判断に限界があるので、念のために精査を勧めておくことにしておきました。
 
 
 
 
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