原因不明の生理痛と整体治療 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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●当院は「整体治療」と、「2年制整体学校」を運営しています。
●各疾患・症状に対しての研究-治療成果、患者さんとのエピソード、コラムなどを掲載しています。
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① Yさんの病歴・・・
この十数年、患者Yさんは生理痛がある程度強いほうだったそうですか、今回はかなり強く、不正出血も少量あったそうです。婦人科の検診では、子宮頸がんの心配は無いとの事です。また、子宮筋腫や子宮内膜症も無いとの事で、結局生理痛のハッキリとした原因は分からないそうです。
 
 
 
② Yさんの診察
・今までの医療機関での検査結果で、特段の異常所見はないそうです。
・血圧は120/80だそうです。
・めまいや悪心はないそうです。
・生理痛の部位はいつも左右の臀部と仙骨部付近だそうです。痛みの強さはほぼ毎回同程度の痛みだそうです。また、同部位は冷え性がある部位だそうです。
・月経周期は31日で月経期間は大体7日だそうです。月経血量は多めだそうです。
・かなり以前から、恥骨の数センチ上方にニキビ様の発疹が出たり消えたりする事があったそうです(来院時には出ていなかったそうです)。
・腹部聴診上、血管雑音はありませんでした。グル音は正常にありました。
・排便は毎日快便だとの事です。しかし腹部の膨満傾向はそれ程ありませんでしたが、かなり緊満感がありました。特に正中臍ヒダ下端部(☚恥骨直上)は極めて顕著な(ジュクジュクとした)緊張感があり、さらに同部から臍~肝円策にかけてと左下腹部の緊張も著明で、左下腹部の押圧で腹部全般の放散痛がありました。さらに肝叩打痛がありました。しかし肝脾腫はなく、その他の部位でも腫瘤感はありませんでした。
 
 
 
➂ 治療目標と整体治療
   ⑴ 下腹部の緊満傾向の回復とともに、緊張状態にあると推定される子宮広間膜も解放する
・正中臍ヒダ解放テクニック
・肝円策-肝鎌状間膜解放テクニック
・子宮広間膜解放テクニック
・恥骨上部への平滑筋テクニック
 
 
 
 
 
④ 経過と結果・・・
・初診治療後、肝叩打痛はほぼ解消していました。

・3診目治療後、恥骨直上のジュクジュク感が減少し、正中臍ヒダ-肝円策の緊張、腹部緊満感が大幅に解消しました。

・4診目治療後、恥骨直上のジュクジュク感はほぼ解消し、左下腹部押圧による腹部放散痛も解消していました。

・月経終了後の5診目来院時、「(今回の)生理痛があんまり無かったです」と仰っていました。

・その後、メンテナンス的に月に一度のペースで6診目、7診目の整体治療をしましたが、2度目3度目の月経時に生理痛は生じなかったので、一応の治療終了としました。
 
 
 
 
⑤  今回の症例の概説、、、
・生理痛の原因は多々ありますが、子宮筋腫や子宮内膜症などの器質的な病因による生理痛よりも、今回のMさんの様な原因不明の生理痛の方が、実際例としては多数派であるようです。言い換えれば、完璧な原因を特定できずとも仮説的な原因に基づき生理痛治療をしていかなくてはならないケースが大半だと思います。その意味で、今回のMさんの症例も同様だと思います。

・そこでMさんについての仮説ですが、それは以下の通りです。
   1. 「かなり以前から、恥骨の数センチ上方にニキビ様の発疹が出たり消えたりする事があった(☚病院での検査でも原因不明)」…これが何なのかは不明ですが、これ
      が出発点の様な気がします。
   2. この結果、膀胱尖を起点として「正中臍ヒダ➡肝円策➡肝鎌状間膜ルート」に徐々に緊張が伝搬する
   3. それに伴い、下部腹膜(子宮広間膜)にも緊張が伝搬する
   4. その結果、子宮広間膜が過敏になり、そこに月経時に腹腔に微量だけ逆流する月経血による刺激が加わる事で子宮広間膜が痛みを発する➡生理痛
 

・よってこの仮説を基に
  
⑴ 下腹部の緊満傾向の回復とともに、緊張状態にあると推定される子宮広間膜も解放する
・正中臍ヒダ解放テクニック
・肝円策-肝鎌状間膜解放テクニック
・子宮広間膜解放テクニック
・恥骨上部への平滑筋テクニック

を、施術した訳です。
 
 

・この仮説の妥当性は分かりませんが、とりあえずMさんの生理痛が解消したので、これで良しとしたいと思います。ただ、恥骨直上のジュクジュク感については結局その原因は分かりません。現段階では解消していますが、今後再発する可能性も全く不明です。ですからMさんにはこの旨を説明し、適時婦人科での検査をお勧めして、今回の整体治療を終了する事にしました。
 
 
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