仲良しと同じクラスになれない理由(話題のクラス替えの仕方②) | 元中学校教師が教える学校のウラ話

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公立の中学校で25年間、勤務していた私が「クラス替えの仕方」「修学旅行」「部活」「未納」「モンスターペアレント」「学級崩壊」「いじめ」「不登校」「人事異動」など、今まで話すことができなかった、学校のウラ話をお伝えしていきます。

「一緒にするとクラスがうるさくなる!」「じゃあ別のクラスに!」

 

最近、話題になっているのが、クラス替えの仕方です。小学校と中学校は少し違うと思いますが、基本的には一緒だと思って下さい。
 

① 短冊を成績順で貼る

② 「この担任はこのクラス」or「均等クラス」

③ 情報も元に生徒(短冊)を交換

④ 最終調整(成績や部活、元クラスなど)

⑤ クラス、担任決定

 

あなたは誰と同じクラスになりたい?(クラス替え①)


① 短冊を成績順で貼る

 

2月の中頃になると週に一回、クラス編成会議が始まります。子どもたちには、「ただ会議がある。」としか伝えません。学年部の先生たちが、それぞれ部屋に集まり会議はスタートします。

担任外(担任をもっていない学年の先生、担任がいないときに来る先生)の先生が画用紙を準備してくれています。そして、各クラスの担任がテストの成績が記入された、個人の短冊を持って画用紙の回りを囲みます。

すると、主任が声をだして数字を読んでいきます。
「1000点(直近2回の定期テストの結果の合計です。500点×2回)」
「999点」
「998点」
「997点」

2回のテストの合計が997点の子がいるクラスの担任がこう言い、新A組の画用紙の一番上にその子の短冊をはります!

「はい!Xくん、997点です。(短冊を新A組の画用紙にはる。)」

さらに主任が声を出して数字を下げていきます。
「996点」
「995点」

「はい!Yくん、995点です。(短冊を新B組の画用紙をはる。)」

このように、生徒をヘキサゴン方式の成績順に並べていきます。


② 「この担任はこのクラス」or「均等クラス」
「この担任はこのクラス」とは4月からのクラス担任がほぼ決まっている状態で、担任との生徒の相性、担任の学級経営計画をクラス替えに考慮しながら生徒を交換していくことです。

「均等クラス」とは担任は関係なく、全てのクラスにリーダーや問題児、モンスターペアレントなどを均等に割り振っていくことです。

どちらのタイプでクラス替えを行うかは、学校や主任の考えによって決まります。もちろん、「この担任はこのクラス」のほうが生徒の交換は盛んになります。先生たちがなるべく自分のクラスを楽なクラスにしたいからです。


③ 情報も元に生徒(短冊)を交換
ここから、様々な情報を元に生徒(短冊)を交換していきます。情報を確認しながら、よりよいクラス?にするため生徒(短冊)を交換していくわけです。

最初は「男子だけ」「女子だけ」と別々に交換をしていきます。ある程度、決まった段階で男女を合わせて、交換をします。

具体的には、
「このクラスにはピアノを弾ける子がいないから、ピアノを弾ける子を下さい。」
「Aさんがそのクラスに行くと、Bさんがいじめられる!」
「じゃあ、こっちクラスのピアノが弾ける子を交換しよう!」
「成績が同じくらいの子・・・・・。いた!この子でいいですか?」などなど

さらには
「Cくんは、Dさんをいじめたことがあるから一緒にしてはダメだ!」
「EさんとFさんを一緒にするとクラスがうるさくなる!」
「GくんとHさんはクラスでイチャイチャするから離そう!」などなど

そして、
「Iくんの親は、若い女の先生を目の敵にしてるから男の先生で!」
「このクラスには学級崩壊の主犯Jくんがいるから、怖い男の先生にしよう!」
「このクラスにはモンスターペアレントが多い!分散しよう!」
「私のクラスもモンペがいるのでもらいたくありません!」
「僕のクラスももらえません!」などなど

本気でこういう先生もいます!
「私は、(自分の)子どもが小さいので問題児はクラスに入れないで下さい!」
「この子、オタクで気持ち悪いので誰かもらって下さい!」
「Kちゃんはかわいいから親がモンペだけどほしいです!」
「お母さんが美人だから、Lくんもらいます!」

ちなみに私は、
「MくんとNくん一緒だと元気すぎでおもしろい!」
「この2人をクラスの中心にすれば活躍してくれるはず!」
「Oさんはおとなしいけど堅実。誰と一緒にすればその堅実さが活きる?」
「PくんとQくんは、部活は違うけど、いつも一緒に帰っているから仲がいいはず!」
「オタクRくんとオタクのSさん、私でオタクトークをしたら楽しそう!」
「次の会議までに、子どもたちを観察しながら考えよう!」


④ 最終調整(成績や部活、元クラスなど)
数回の学級編成会議を経た3月の後半。この時点でほぼクラスのメンバーは決定しています。しかし、最後の確認をしながら、微調整を行っていきます。

微調整ですので、以下のことをもう一回、確認していきます。
「同じクラスに部活が同じ生徒がいるか?」
「同じクラスに元同じクラスの生徒はいるか?」
「ピアノを弾ける生徒はいるか?」
「PTA役員が各クラスに1人いるか?」など

そして、最後に新クラスの成績の平均点を計算します。高校受験がある中学校では、ある程度、成績を平均にしておく必要があるからです。平均点があまりにも離れている場合は、もう一度、微調整をします。


⑤ クラス、担任決定
こうした作業を経て、新しいクラスは決定します。ちなみに「このクラスは○○先生」と担任を決めるのは、主任です。まれに校長がNGを出すこともありますが・・・。
 

中1のクラス替えは誰がするの?(クラス替え③)



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