あなたは誰と同じクラスになりたい?(クラス替えの仕方①) | 元中学校教師が教える学校のウラ話

元中学校教師が教える学校のウラ話

公立の中学校で25年間、勤務していた私が「クラス替えの仕方」「修学旅行」「部活」「未納」「モンスターペアレント」「学級崩壊」「いじめ」「不登校」「人事異動」など、今まで話すことができなかった、学校のウラ話をお伝えしていきます。

もう始まっている、クラス替え!

いろいろなところで話題になっているのが、クラス替え(学級編成)の仕方です。小学校と中学校では少し違うところがあると思いますが、基本的には一緒だと思って読んでいただければと思います。


クラス替え準備(クラス替え一覧表の記入)
少し早いと思うかもしれませんが、1月下旬から2月初旬になると、クラス替えの準備が始まります。具体的に何をするかと担任の先生が「クラス替え一覧表」に生徒の情報を記入していく作業を行います。

クラス替え一覧表とは、「旧学級」「氏名」「成績」「部活」「ピアノ」「走力」「PTA役員」「部活」「リーダーシップ」「友人関係」「特記事項」の項目のある一覧表の事です。この表に担任の先生が、生徒の情報を入れていくのです。


①旧学級
旧学級とはA組、B組(1組、2組)など前学年の学級を記入します。私の学校では九学級の部分の色を変えて印刷していました(A組→赤、B組は黄色など)。なぜ、旧学級の項目があるかというと、新しいクラスに旧学級の生徒を均等に割り振るためです。


②氏名
そのまま、子どもの氏名を記入します。


③成績
この項目は小学校にはありません。中学校では高校受験を視野に入れなければ成らないため、この項目が加えられます。クラスによって成績の差があると、教科書の進度が遅くなったりします。すると、保護者や塾から苦情がくることがあります。そのため、成績の項目が必要になります。

ほとんどの学校が、2学期に行った期末テストと冬休み明けに行った実力テストの合計点を記入していきます。


④部活動
部活動の項目も小学校にはありません。この項目も旧学級同様になるべく均等になるように配置していきます。

この項目をつくっている理由は、このよう苦情がくるのを防ぐためです。
「うちの子だけ、クラスが違うから試合などの連絡が来ない!」
「クラスが1人だけ違うので、部活で仲間はずれにされている!」

実際に、中学生は土日も部活があるため、部活の子どもと仲良く成る傾向にあります。大人が思う以上に子どもは同じクラスに、同じ部活の仲間が何人いるかを気にする傾向があります。


⑤ピアノ
この項目も小学校にはありません。

中学校には合唱コンクールというものがあります。その際、必ず伴奏者が必要になります。そのため、各クラスに最低一人はピアノを弾ける子どもを入れなければなりません。


⑥走力
体育祭を考えたときに、1つのクラスに足の速い子が集中してしまうと、体育祭をやる前から、勝敗が決してしまうことがあります。これでは子どものやる気がでません。そのため、足の速い子もある程度、各クラスに分担することになります。


⑦PTA役員
PTA役員も各クラスに分散するようにしていきます。

PTA主催の奉仕作業などの活動の時にクラスをまとめる仕事があるからです。だた、PTA活動と言いますが、実際は担任や担当教諭がほとんどの作業をしているのが現状です。


⑧リーダーシップ
学級の中に学級委員などのリーダーとなる子どもも分散するように配置します。

若い先生や女性の先生は、リーダーを多く欲しがる傾向にあります。ピアノや走力と同様に、基本的にはリーダーの子どもたちを各学級に均等に割り振っていきます。

ただ、私はこう考えていたため、この項目に○がつく子どもがいないクラスを持ったことが何度もあります。
「リーダーは誰にでもできる!」
「やる気のある子がリーダーになってほしい!」
「先生も全面的にバックアップするよ!」


⑨人間関係
この欄には「いじめっ子」「いじめられっ子」「いじめられっ子をかばう子」「親からの要望」「本人からの要望」など、人間関係について記入をしていきます。また、「一緒にしてはいけない子」「一緒にしたい子」の名前も書き込まれていきます。

力のない先生はマイナスな内容を記入していきます。
「AとBは一緒になるとうるさくなる!」
「CはDをいじめる!」
「EとFは一緒に悪さをする!」など

力のある先生は、マイナスも書きますが必ずプラスの関係も書き込んでくれます。
「AとDは一緒にすれば、相乗効果で力を発揮する!」
「CとFは励ましあえる!」
「BとEはクラスを明るくしてくれる!」


⑩特記事項
「生徒の性格」「アレルギー」「病気」「不登校」などの内容を記入していきます。

新しく担任になった先生が知っていたほうが良い情報を書いていくわけです。ただ、最近は、「クレームマーの親」「学年費(給食費)未納者」「モンスターペアレント」など学級運営を困難にする可能性がある事項の記入も増えてきています。


⑪短冊にする

 

さまざま内容を記入した「クラス替え一覧表」は厚紙に印刷します。そして、それを一人ひとりの短冊になるようにカッターをつかい切っていきます。

この後、この短冊をもとにクラス替え(学級編成)会議が始まるわけです。

 

仲良しと同じクラスになれない理由(クラス替え②)


このブログは、筆者の経験を元に作成しています。ただし、個人情報や学校が特定ができないように事例を変えて作成しております。掲載している情報により生じたいかなる損害に関しても、筆者が責任を負うことはできません。