「愛情不足です!」「純粋な愛じゃない!」カウンセラーに言われてショックを受けた言葉① | 元中学校教師が教える学校のウラ話

元中学校教師が教える学校のウラ話

公立の中学校で25年間、勤務していた私が「クラス替えの仕方」「修学旅行」「部活」「未納」「モンスターペアレント」「学級崩壊」「いじめ」「不登校」「人事異動」など、今まで話すことができなかった、学校のウラ話をお伝えしていきます。

 

  不登校を子どもや親のせいにするな!




1.不登校の原因は自分の子育てだったんだ・・・
2.不登校の原因を子どもや親のせいにする学校
3.親の愛情を確かめるために不登校になった?
4.ノートやマンガを買って欲しいという子ども
5.要求が「文房具→プラモ→ゲーム課金→パソコン→」
6.「私は奴隷です」と言う母親
7.あなたの愛は「無償の愛」「純粋な愛」ではない?
8.スクールカウンセラーが怖い・・・
9.兄を見ていた弟も不登校に・・・
10.僕だってツラいことがあるのに・・・
11.子どもの不登校で悩んでいる親は多い!
12.不登校の相談は不登校を解決したことがある人に!

※スクールカウンセラーさんを否定する記事ではありません。
※ただ、1人ひとりの子どもの状態を確認せず、一般的な対応の助言しかしないスクールカウンセラーがいることも理解していただきたいと思っています。

 

 

  1.不登校の原因は子育てだったんだ・・

 

不登校の子どもをもつお母さんがスクールカウンセラーに相談にいきます。

「子どもが不登校になってしまいました。」
「どうしたら良いのでしょうか?」

すると、そのスクールカウンセラーはこう答えたそうです。

「不登校は親の愛情不足から来るんですよ!」
「もっとお子さんを愛してあげて下さい!」
「仕事も辞めたほうがいいのではないでしょうか?」

夫婦共働きだったお母さんは、自分の子育てを振り返ったそうです。

もちろん、子どもが嫌いだから仕事をしていたわけではありません。

しかし、仕事の為に子どもと接する時間が少なくなったことは事実です。

「子どもが不登校になった原因は自分の子育てだったんだ・・・。」

お母さんは、このように思ったそうです。

 

 

  2.不登校の原因を親のせいにする学校


不登校の原因を「親の子育て」のせいにするスクールカウンセラーや教師は少なくありません。

もちろん、親の子育てが子どもの性格に影響することは否定しません。

しかし、25年間教員として働き、その後、公認心理師として教育相談を行っている私はこのように考えています。

「もし、不登校の原因が『親』なら、教師やカウンセラーが何をしても不登校は解決しない!」
「唯一の解決方法は親が変わることになってしまう。」
「しかし、私は『親が変わらない不登校』を何人も解決してきた!」
「他のクラスで不登校だった子が私のクラスで学校に戻ってきた!」
「親は対応や子育てを変えていなくても、子どもは登校できるようになった!」
「ここから考えられるのは、不登校の原因が『親』ではないと言う事だ!」

不登校の原因を「親の子育て」のせいにするのは簡単です。

そうすれば、教師やカウンセラーは「自分は悪くない」と思えるからです。

本当の原因は学校にあるのに・・・・。

 

 

  3.親の愛情を確かめるために不登校?


スクールカウンセラーは不登校の原因が「親の子育て」にあるという理由をこう言ったそうです。

「お子さんは、お母さんの愛情をほしがっています。」
「そこで、お母さんの愛情を試すために不登校になったのです。」
「そうすれば、お母さんが自分を見てくれることを分かっていたんです。」
「実際、お母さんはお子さんの心配をしていますよね!」

そして、今後の対応についてこう言ったそうです。

「我が儘を言ったときは全てを受け入れてあげて下さい!」
「それによって愛情を試しているんです。」
「お母さんが我が儘を聞いてくれた=愛されていると感じるんです。」
「愛されていると感じると、心のエネルギーが溜まります。」
「当然、心のエネルギーが溜まれば学校に行くようになります。」

小さい頃から子どもを保育園に預けていたお母さんは、自分の子育てを思い返し、更に反省をします。

そして、スクールカウンセラーの言うとおり、子どもの我が儘を全て聞くことにしたのです。

それでは不登校は解決しないのに・・・・。

 

 

  4.ノートを買って欲しいという子ども


ある日、不登校の子どもと一緒に買い物をしていると本屋(文房具も売っている)の前で子どもが立ち止まります。

「ねぇ、お母さん!ノートを買ってほしいんだけど・・・。」

子どもの全てを「受け入れる」ように言われていたお母さんは笑顔で答えます。

「いいよ~。どのノートが欲しいの?」

お母さんはノートを2冊、買ってあげたそうです。

数日後、同じように買い物をしていると本屋の前で子どもが立ち止まります。

「ねぇ、お母さん!マンガを買って欲しいんだけど・・・。」

子どもの全てを「受け入れる」ように言われていたお母さんは笑顔で答えます。

「いいよ~。どのマンガが欲しいの?」

お母さんはマンガを2冊、買ってあげたそうです。

 

 

  5.要求が文房具→プラモ→パソコン


しかし、子どもの要求はどんどんエスカレートしていきます。

「プラモデルを買って!」(2千円)
「ゲームを買って!」(8千円)
「ゲーム機を買って!」(3万円)
「スマホを買って!」(7万円)
「アプリに課金して!」(1ヶ月で8万円)
「ゲーミングパソコンを買って!」(50万円)

要求がエスカレートしてきたことが心配になったお母さんは、スクールカウンセラーさんに相談をします。

「良い兆候ですね!」
「様々なことに興味を持ち始めているんです!」
「これは心のエネルギーが溜まってきている証拠です!」
「同時にお母さんの愛情も感じていると思います!」
「欲しいと言ったものは、全て買ってあげて下さい!」
「心のエネルギーが溜まれば、自分から学校に行くようになるでしょう。」

お母さんは、子どものためと思い「貯金」を切り崩して子どもの要求に応えたそうです。

※    この時、お母さんは仕事を辞めていました。

 

 

  6.「私は奴隷です」と言う母親

 

子どもが不登校になって1年以上が経過しました。

しかし、子どもが登校する気配はありません。

それどころか1日中、ゲームをして遊んでいます。

この頃には、お母さんと子どもの立場は完全に逆転していました。

「カレーが食べたい!すぐに作って!」

『はい、どうぞ!』

「辛すぎるんだよ!辛くないのをつくれよ!」

『「ごめんね、スグに作り直すね!』

数十分後。

『はい、できたよ!』

「遅いんだよ!もう、カレーの気分じゃなくなった!」
「すぐに宅配ピザを注文して!」

「う、うん・・・・。」

 

 

  

7.「無償の愛」「純粋な愛」ではない?

 

スクールカウンセラーの言うとおりにしているのに、子どもの状態は良くなりません。

それどころか不登校の状態は悪化しています。

心配になったお母さんはスクールカウンセラーに相談しました。

「お母さんは『学校に行ってほしい』と思っていますよね?!」
「だから、子どもの要求に応えているんですよね?!」

不登校の子どもに対して「学校に戻って欲しい」と思うのは普通のことですが・・・。

「子どもは純粋です!」
「だから、お母さんの愛情が偽物だと感じているんです!」
「自分の子どもに純粋な愛情を与えられないんですか?」
「何も求めず、無償の愛を与えられないんですか?」
「これでは子どもの心のエネルギーは溜まりません。」
「不登校の状態が悪化しているのはお母さんの愛情の問題です。」

 

 

  8.スクールカウンセラーが怖い・・・


お母さんは仕事を辞めて、この1年間、子育てをガンバって来ました。

全てはお子さんの不登校を解決するためです。

どんなにツラくても、スクールカウンセラーの言うとおりの対応を続けました。

それにもかかわらず、不登校が悪化しているのは「親の愛情不足」と言われます。

親が「学校に行ってほしい」と思う気持ちは「純粋な愛情」ではないと言われたのです。

この1年間のガンバリや自分の愛情が「無性の愛情」ではないと言われ、お母さんの心が壊れてしまったのでしょう。

お母さんは、その場で泣き崩れてしまったそうです。

その日は、何とか家に帰る事が出来たお母さんですが、帰り道にこのように思ったそうです。

「スクールカウンセラーが怖い・・・。」
「もう、相談にはいけない・・・。」

 

 

  9.兄を見ていた弟も不登校に・・・

 

お母さんが、いくらがんばっても子どもの要求はエスカレートするばかりです。

心も体も疲れ果ててしまったお母さんは、寝込むようになってしまいました。

さらには、眠れない日が続いたり、逆にたくさん寝ても疲れが取れなかったりしたそうです。

それでも、お母さんはお子さんの要望に応え続けました。

しかし、そこまでガンバっていたお母さんはさらにツラい体験をします。

それは、次男までもが不登校になってしまったことです。

長男の母親への態度を見てきた次男も要求するようになります。

「ゲームを買ってこい!」
「アプリに課金させろ!」
「お兄ちゃんと同じゲーミングパソコンを買え!」

 

 

  10.僕だってツラいことがあるのに・・

 

不登校の対応で最も大変なのは「不登校の兄や姉」を持つ弟、妹です。

お兄ちゃんやお姉ちゃんが不登校になったのには理由があります。

「クラスでいじめられた。」
「友だちのグループに入ることが出来なかった。」
「先生に何度も何度も怒られた。」
「部活で先輩に嫌がらせをされた。」など

しかし、不登校の兄や姉を持つ弟や妹が不登校になる理由は兄や姉の生活を見ているからです。

「お兄ちゃんは学校に行かなくてズルい!」
「なんでお姉ちゃんは、朝、起きなくていいの?」
「宿題をやっていないのにゲームやスマホで遊んでる!」
「私のスマホも制限を無くしてよ!」
「僕もゲームを自由にやらせて!」

親が「お兄ちゃんやお姉ちゃんがそうしている理由」を伝えても、弟や妹は納得しません。

「私だってツラいことはたくさんあるんだよ!」
「僕だって我慢しているんだ!」
「それなのに、お兄ちゃんはズルい!」
「お姉ちゃんだけが許されるのは何で?」

このように言われると、親は弟、妹の不登校を許さないわけにはいかないのです。

 

 

  11.このようなお母さんは多い!


私は25年間の教員経験と公認心理師の経験から、似たようなお母さんの相談をたくさん受けてきました。

上記の兄弟に対しても、お母さんと一緒に対応や支援を考え実行したことで、完全登校を実現することが出来ました。

(半年程の時間を要しましたが。)

このお母さんの例を紹介したところ、ある先生はこう言いました。

「スクールカウンセラーを信頼しすぎなんだ!」
「自分で考えないから失敗するんだ!」
「子どもを甘やかしすぎなんだ!」

しかし、私はこのような意見に真っ向から反対します。

なぜなら、このお母さんと同じような状態になれば「自分も同じ道を歩んでしまうかもしれない」と思うからです。

 

 

  12.相談は解決経験のある人に!

 

兄弟の不登校が解決した後に、私はお母さんから不登校初期の話を聞きました。

「スクールカウンセラーさんに相談をする前に、ネットや本で対応を調べました。」
「でも、ネットや本の対応をしても、子どもの状態は変わりませんでした。」
「たくさん褒めたりもしましたし、子どもの意志を尊重もしました。」
「それでも不登校の状態は悪化するばかりです。」

お子さんの将来を大切に思ったお母さんは、様々な対応や支援をしたのです。

それでも、子どもに改善の兆しがなかったため、縋る思いで心理の専門家である「スクールカウンセラー」に相談したのです。

「何をしても上手く行かなかったためスクールカウンセラーさんに相談をしました。」
「スクールカウンセラーさんからは愛情不足と言われました。」
「子どもが小さい頃から仕事をして負い目があったのも事実です。」
「さらに心理の専門家が言うのだから、それが正解なんだろうと思いました。」

兄弟の不登校が解決したお母さんは、最後にこう仰いました。

「少し前までの私は子どもの奴隷でした。」
「でも今は、親、仲間に戻ることが出来ました。」

 

 

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