教師になった教え子からの相談「先生、クラスの子からラブレターをもらったんだけど・・・」 | 元中学校教師が教える学校のウラ話

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公立の中学校で25年間、勤務していた私が「クラス替えの仕方」「修学旅行」「部活」「未納」「モンスターペアレント」「学級崩壊」「いじめ」「不登校」「人事異動」など、今まで話すことができなかった、学校のウラ話をお伝えしていきます。

 

  先生も告白された経験あるでしょ?そのときはどうしたの?

 


1.教師になった教え子からの相談
2.女子指導で悩んで相談してきた?
3.女子指導の具体的な相談内容は?
4.えっ?女子生徒から告白された!?
5.まさか、自分も好きとかじゃないよね?
6.先生も経験してるんでしょ!断り方を教えて!
7.手紙を変えそうとしていた教え子教師
8.手紙で断るのはやめておけ!
9.生徒指導の基本は「会って話す」だ!
10.学年主任や保護者に相談するのも可
11.ラブレターの対応を決めた教え子教師
12.気持ちが伝わり無事に解決!

 

 

  1.教師になった教え子からの相談

 

「先生!さっき、怒ったのってわざとでしょ?」
「あのとき『自由』って言ったのには理由があるよね!」
「クラスのみんなが○○するのを予測して準備してあったんだよね?」

25年も教師をしていると、私の発言や態度の意図を見抜く子がいます。

そんな教え子達の中には、教師になった子もいます。

先日、教師になった教え子から、相談の電話がかかってきました。

中学時代の彼は真面目で誠実な生徒でした。

勉強は中の上くらいで、英語が苦手な子です。

彼から「採用試験に受かった」と聞いたとき、私はこう思いました。

「彼は先生に向いているかもな!」
「勉強が苦手な子の気持ちも分かるし、真面目な子の気持ちも分かるだろうから。」

 

 

  2.女子指導で悩んで相談してきた?

 

「先生!ちょっと相談があるんだけど。」
「先生ってさ、女子と上手くやってたよね!」
「自分が教師になってから考えると、先生って女子指導が上手だったって分かるよ!」
「女子より男子の方がやりやすいよね!」
「良くも悪くも男ってストレートで単純だよね。」

どうやら、女子指導で悩んでいるようです。

「先生ほどじゃないかもしれないけど・・・。」
「何とか女子とも上手くやれてると思うんだよね!」
「でも、ちょっと困ったことがあって!」

やはりクラスの女子指導で悩んでいるようです。

 

 

  3.女子指導の具体的な相談内容は?

 

「先生も女子指導で経験あると思うんだけどさ・・・。」

私は初任者時代から退職するまでの25年間の間、学級担任をしてきました。

また、長年、生徒指導主事として多くの子どもと接してきました。

「まあ、他の先生より様々な経験はしてきたよ!」
「最近ではネットトラブルの対応もしたし!」
「多分、若い頃は同じような悩みを持っていたと思うんだ!」
「だから、少しは参考になるアドバイスができると思うよ!」
「どうした?どんなことで悩んでいるんだ?」

すると、彼はこのような相談をしてきました。

「先生も経験あると思うんだけどさ・・・・。」
「クラスの女子に告白されたんだ!」

 

 

  4.えっ?女子生徒から告白された!?


『えーーーーーーーー!』
『そんな経験はないよーーー!』

私は心の中で叫びました。

しかし、先輩教員として、もと教え子に醜態は見せられません。

「あ~!そうなんだ!」
「まぁ~、良くあることだな!」
「先生も何度か経験があるよ!」

正直、教員経験25年の間、教え子から告白されたことは1度もありません。

イケメンの先生は、何度も告白をされているのでしょうか?

少なくとも、同僚の先生から告白されたという話は聞いたことがありません。

もしかしたら、生徒から告白されるのは「教員あるある」なのでしょうか?

 

 

  5.まさか、自分も好きとかじゃないよね?


「クラスの女の子からラブレターをもらったんだ!」
「真面目でとっても良い子なんだ!」

私は彼に、その子に対しての気持ちを聞きます。

「まさか、お前も好きとかじゃないよな?」
「えっ、付き合いたいとか思っちゃってる?」

すると彼はしっかりと否定します。

「もちろん、教え子としては好きだよ!」
「でも、恋とか愛とかじゃないよ!」
「その子と付き合いたいとか、結婚したいとかいう気持ちはないよ!」

 

 

  6.先生も経験してるんでしょ!断り方を教えて!

 

その後、彼は続けます。

「でも、彼女を傷つけたくはないんだ!」
「だから、先生!」
「お願いだから、上手に断る方法を教えて!」

中学校のころから、真面目で優しい彼らしい言葉です。

「先生は何度も告白されたことがあるんでしょ!」
「そのときは、どうやって断ったの?」
「どう言えば、彼女を傷つけずに断れるの?」
「他の先生には相談できないんだよ!」
「先生、頼むよ~。正しい断り方を教えてよ~。」

 

 

  7.手紙を変えそうとしていた教え子教師

 

私は彼がどのような対応をしようと考えているのかを聞きました。

「手紙をもらったから手紙で返そうと思うんだ!」
「そこに、自分の気持ちを書こうと思ってる。」

『ゴメンね。生徒としてあなたのことは好きだよ。』
『でも、愛してるとか恋してるではないんだ。』
『これからも、クラスではみんなの見本となって欲しいと思ってる。』
『そして、ダメダメな先生の手伝いをして欲しいと思ってる。』
『これからも、よろしく頼むよ。』

「こんな感じの手紙を書こうと思うんだけど・・・。」
「どうかな?」

 

 

  8.手紙で断るのはやめておけ!

 

生徒から告白されたことは1度もない私ですが、長年の生徒指導主事の経験から、このようにアドバイスをします。

「手紙はやめておけ!」

「いくら上手な文章を書いても、それが伝わるとは限らない。」
「こちらの伝えたい気持ちが伝わらないことはあるんだよ!」
「だから、絶対に手紙はやめておけ!」

さらに、このようなアドバイスをします。

「トラブルに発展したときに現物があるとヤバいぞ!」
「その子が良い子だとしても、万が一にも訴えられる可能性もあるからな!」

 

 

  9.生徒指導の基本は「会って話す」だ!

 

また、このようなアドバイスもしました。

「話すなら、目の前で、顔を見てちゃんと伝えろよ!」
「本気で、真剣に話をすれば、気持ちは伝わるから。」
「手紙や電話で同じ事を言っても伝わらないことはあるが、直接のときは伝わる可能性が高くなる。」
「これは、生徒指導の基本だ!」
「だから、その子以外の対応や親の対応のときも、基本は会って話すんだぞ!」
「これがトラブルを回避する正しい対応の1つだ。」

私から生徒指導の基本をきいた彼は感心しているようです。

 

 

  10.学年主任や保護者に相談するのも可


さらに、直接、話をするときのポイントも伝えます。

「可能なら話し合いの場に女性の先生にいてもらった方が良いぞ!」
「万が一、彼女が振られたショックで、お前に襲われたと言うかもしれないだろ!」
「そんなとき、男と女が1対1で話をしていたら、どっちの言葉が信じてもらえる?」
「力もなく、立場的に弱い、女子生徒の言葉を信じるのが普通だろ!!

そして、最後にもう一つだけアドバイスをしました。

「親御さんに事前に伝えておくのもいいと思うよ。」
「真面目な子みたいだから、お母さんも真面目の可能性が高いだろ。」
「だから、子どもには内緒にしてもらって事前に『断る旨』を伝えるんだ!」

『娘さんにもらった手紙は本当に嬉しかったです。』
『ただ、娘さんを恋愛対象とすることは出来ません。』
『明日、直接、本人に断りの話をするつもりです。』
『なるべく、傷付かないように話をします。』
『ただ、もし様子がおかしかったら・・・。』
『おうちの方でフォローをお願いできませんか?』

そして、最後にこうも伝えました。

「学年主任の先生にも相談してみろよ!」

 

 

  11.ラブレターの対応を決めた教え子教師

 

教え子の彼は私のアドバイスを元に対応を決めたようです。

「先生!ありがとう!」
「手紙を書くのはやめるよ!」
「自分の正直な気持ちを彼女に伝えるよ!」
「多分、彼女は分かってくれると思う。」

女性の先生に同席してもらう対応や保護者に伝える対応はしないとのことでした。

ただ、学年主任には事前に相談をして助言?をいただいていたそうです。

「そんなの普通にNOと言って終わりだよ!」
「教師と生徒なんだから無理って言えばいいんだよ!」

 

 

  12.気持ちが伝わり無事に解決!

 

数日後。

彼から私に連絡がありました。

「先生!ありがとう!」
「上手くいったよ!」
「本気で、本当の気持ちを伝えた。」
「そうしたら、彼女も本気で考えてくれてありがとうって言ってくれた。」
「泣かしちゃったけど、トラブルにはならないと思う。」

そして、最後にこう言いました。

「さすが女子指導が得意な先生だね!」
「何度も告白された経験があるから正しい対応を知っていたんだね!」
「また、何かあったら相談させてね!」

もちろん、私はエラそうに答えました。

「まっ、まあな!」
「いろいろな経験をしているからな!」
「なんか困ったことがあったら、連絡してこいよ!」

 

 

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