拙ブログは今でこそ、観劇や旅行、たまにお酒の思い出を綴る内容ですが、当初はピアノの練習の動機付けになれば、という目的で始めたものでした。
おかげさまで、週末が基本ですが、ピアノの練習はそれなりにできています。その理由の一つとして、このアメブロで交流をさせていただいている、りりさん、Haruさん、でかぽめさんがピアノを頑張られていることがあります。それが大きな励みとなって、練習の力になるのです。お三方にこの場をお借りして、お礼を伝えたいと思います。本当にありがとうございます!
(参考)りりさんのブログ
https://ameblo.jp/4michi-cleave5/
(参考)Haruさんのブログ
https://ameblo.jp/midorinoharu/
(参考)でかぽめさんのブログ
https://ameblo.jp/misako23940/
さて、2018年になりました。2018年に、ピアノの練習をより強力に進めたい、特に仕事で疲れてくたくたになって帰ってくる平日の夜に、何とか少しの時間でも練習するよう仕向けたい、と考えました。何かいい方法はないか?あれこれ検討しましたが、月末にピアノの練習の進捗状況をブログにアップしてみようと思います。んん?そんなことして、どうして練習するようになるの?
はい。私は子供の頃にピアノを習っていました。小学校3年から6年の4年間。週に1回でしたが、レッスンの日が近づくと「進んでないと先生に怒られる!」と必死になって練習した記憶があります(笑)。もちろん、楽しんでレッスンできれば一番なのですが、こういう追い込まれての必死さって、意外に力になったりします。
そこで考えたのが、このブログです。ここに月1回アップする決まりにすれば、前回から進んだかどうか分かってしまうので、その間はしっかり練習するようになる気がします。少なくとも、月の下旬には必死になって練習しそう(笑)。つまり、読んでいただける方々を仮想の先生に見たてて、さぼらないように練習しちゃおう、という全く都合の良い企画です(笑)。
ということで、今年は月末にその月のピアノの練習の進捗状況を書ければと思います。そして、今回は初回なので、まず2018年の年間の目標を先に示して、その後に1月の練習の状況を書こうと思います。
(1)ドビュッシー
(年間の目標)
新しい曲を5~6曲弾く。特に「喜びの島」を1年かけて仕上げる。
今年はドビュッシー没後100周年。ピアノのリサイタルもいろいろありますが、個人的にも新しい曲をいろいろ弾いてみたいと思います。その目玉として、大曲となる「喜びの島」にチャレンジしたいと思います!
この曲はこれまで好んで聴いてきた訳ではありませんが、昨年リサイタルで2回聴いたのと、Haruさんから弾いてみては?と以前にご示唆をいただいたので、それなら!とチャレンジしてみることにしました。
大変難しい曲(ドビュッシー自身が「この作品は演奏困難な曲でおよそピアノで考え得るあらゆる方法を駆使している」と言っている)なので、私なんかで全曲をキチンと弾けるとは到底思えませんが、練習を通じて、曲への理解を深めたり、どうしてこの曲に魅了される人が後を絶たないのか、その秘密を体感できればと思います。
(参考)2017.7.9 パスカル・ロジェさんのドビュッシー/喜びの島
(参考)2017.8.5 深貝理紗子さんのドビュッシー/喜びの島
現在譜読みをしている段階ですが、13ページあるものの、譜読み自体はそこまで難しくなく(これは後ろに出てくるスクリャービン/幻想曲にチャレンジした成果)、右手は最後まで譜読み終了、今は左右を合わせて最初の盛り上がりが終わる6ページまで来たところです。
全体を見渡すと、トリルは何とかなりそう、10度や10度半も何とかなりそうです。ただ、早いパッセージがずっと続き、休むところが全くありません…。左手と右手が交差してかつ非常に接近し、しかも左手と右手が違うリズムを1ページくらい延々と弾くシーンが一番難しいかな?と感じています。
この曲は楽譜が美しくて、特に気に入っているのが、この場面。まるで美しいコンテンポラリー・アートのようです。
(写真)美しい「喜びの島」の楽譜の例
譜読みを進めて、この曲の不思議な魅力や秘密をだんだん体感しつつあるところです。冬の旅行があったので、1月にピアノを弾き始めたのは13日(土)からで、まだ実質2週間ちょっとですが、現在、この曲の譜読みが楽しくて楽しくて仕方ありません!既にこの曲の魔力に捉われてしまったもよう、もしかして既にシテール島にいるのかも知れません(笑)。1年かけてぜひ探求できればと思います。
(2)ショパン
(年間の目標)
英雄ポロネーズと幻想ポロネーズを仕上げる。
りりさんが昨年のリサイタルでショパンを弾かれていたり、Haruさんも舟歌を練習中ということで、ショパンは外せません。英雄ポロネーズを仕上げようと思ったのは、今年がポーランド独立回復100周年だからです。このことは1月15日の記念コンサートを聴きに行って決意しました。
(参考)2018.1.15 カスプシック/ホジャイノフ/ワルシャワ・フィルのポーランド独立回復100周年記念コンサート
英雄ポロネーズ、久しぶりにゆっくり弾き始めて、今は左手のオクターブ連打の中間部の前まで思い出してきました。できれば、2月末までに全曲を通しで、3月末までにそれなりに、くらいまで到達したいと思います。
そして、幻想ポロネーズは昨年ずっと練習していた曲で、今でも13分くらいで全曲を弾くことはできます。1時間に4周したりすると、無上の喜びを感じます!ただ、弾いてみて、難所がいくつもあり(実は英雄ポロネーズよりも難しい)、仕上げはまだまだです…。とくにレガートが多いので、もっと滑らかにつなげて弾かねばと思っています。
この曲の私のお気に入りは、鶴澤奏さんの演奏です。
(参考)鶴澤奏さんの幻想ポロネーズ
https://www.youtube.com/watch?v=OTHntoO9TgQ (13分)
※ピティナの公式動画より
この演奏、一昨年にYouTubeで幻想ポロネーズの演奏をいろいろ聴いていた時に見つけました。6年前のコンクール時の演奏で、必ずしも完璧に弾けている訳ではないと思います。でも、私はこの演奏にとても惹かれます。もともとこの曲はマウリツィオ・ポリーニさんの演奏で入り、一時期インゴルフ・ヴンダーさんの演奏が大好き(2010年のショパン・コンクールの幻想ポロネーズ賞)でよく聴きましたが、今は鶴澤奏さんの演奏に一番心を打たれます。
幻想ポロネーズの本質を捉えつつ、雰囲気のあるピアノ、弾きっぷりも見事、ポロネーズで進む場面の躍動感と戸惑い(3:28~4:27)、葛藤の場面での切迫感(06:07~06:20)、個人的にショパンが書いた最も美しい音楽と思う場面の叙情(8:28~10:03)などなど。
私はこの曲はバラード4番とともにショパンの最高傑作だと思っています。とともに、ショパンがどうしてこの曲を書いたのか?なぜポロネーズなのか?ポロネーズで進み転調を繰り返す場面(3:28~4:27)は何を表しているのか?冒頭の幻想的な旋律はどうして最後の6回目(10:19~10:35)はフォルテなのか?(また、鶴澤奏さんのこれ見よがしでないフォルテがいい!) この曲のクライマックスの場面(11:31~11:59)は一体何を表しているのか?ラストはどうしてオクターブで疾走するのか?(11:59~13:07)など、昨年1年間練習したことを通じて、非常によくイメージできます。
鶴澤奏さんのような雰囲気のある幻想ポロネーズに少しでも近づけるよう、今年1年間、弾きにくいところの部分練習を繰り返すとともに、曲への想いをより深めていきたいと思います。
(3)リスト
(年間の目標)
献呈(シューマン=リスト)を仕上げる。
昨年の夏の旅行中、リューデスハイムの自動演奏楽器の博物館でベヒシュタインを弾くチャンスがありましたが、その場でリストが弾けなくて、みすみすチャンスを逃したのは苦い思い出でした。
(参考)2017.8.13 リューデスハイム観光(ブレムザー館の自動演奏楽器)
加えて、でかぽめさんがいよいよリストにチャレンジされると伺いました。そんなことがあり、私もリストで何か1曲弾きたくなり、献呈を弾くことにしました。
献呈は以前にそれなりに弾いたことがありますが、今は全く弾けません。特に最初の左手と右手が微妙にズレて旋律を弾くところが、意外に難しく、普段から弾いていないと全く出てきません。
この曲は1月はまだ着手していません。年末に向けて、少しずつ練習できればと思います。
(4)スクリャービン
(年間の目標)
幻想曲ロ短調をそこそこ弾ける程度にキープする。
この曲は2015年のスクリャービン没後100周年の記念として、チャレンジした曲です。以下の記事2つを書いた後、ご無沙汰になってしまい、実は心を痛めていましたが…、実際は2015年内に何とか最後まで到達しました。
(参考)2015.3.1 スクリャービン没後100周年の挑戦
https://ameblo.jp/franz2013/theme2-10101206945.html
(参考)2015.3.8 スクリャービン幻想曲ロ短調への道(その1)
https://ameblo.jp/franz2013/theme-10101206945.html
実際に弾いてみて分かったのは、この曲はめちゃめちゃ難しいということです!本当にヨレヨレになりながら何とか最後まで到達した、という感じ。ただ、美しい第2主題を弾くのは本当に感動的、2回目の第2主題の壮大な音楽、その後半は左手に信じられない動きを求められますが、はまるとめちゃめちゃ感動的、心の底からの喜びを感じます。
ポンポン転調して、楽譜からはみ出さんばかりの高い音や低い音もバンバン出てくるので、譜読みは困難を極めましたが、この曲の譜読みを経験すると、もはや他の曲の譜読みは恐れるに足りません(笑)。簡単に仕上げると言えるような曲ではないので、指が忘れない程度にキープできればと思います。なお1月はまだ未着手です。今はとにかく、喜びの島に夢中(笑)。
(写真)スクリャービン/幻想曲の2回目の第2主題の後半から。この辺りの左手はずっとこんな感じで、高低差が非常に大きく、かつ不規則なアルペジオが延々と続きます。さすがは「左手のコサック」と言われたスクリャービンです。
今年は以上の5曲を中心に練習できればと思います。併せて、この5曲以外にも、ドビュッシーの新しい曲を含め、新しい小曲を10曲くらい仕上げることと、いま弾いている小曲10曲くらいをキープすることも考えています。
さあ、後はひたすら練習練習です!まずは2月末に悲惨な報告(笑)にならないよう、しっかり練習できればと思います!